被害に遭わない社会を 楓ちゃん事件発生から19年 - 父・茂樹さんの手記公開
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奈良市立富雄北小学校の1年生だった有山楓ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件は17日、発生から19年となった。楓ちゃんの父親の茂樹さん(49)は、今も癒えない悲しみや社会への願いなどをつづった手記を県警を通じて公開した。全文は次の通り。
楓が被害に遭った事件から19年が経ちました。もう19年も過ぎたという気持ちとまだという気持ちです。
あの日楓が歩いて帰っていた道を下の娘と今年初めて歩きました。楓の手掛かりを探しながら歩いた道はとても長く感じました。早く自転車に乗りたかっただろうし、早く母親の待つ学校へ向かいたかったはずです。楓を守ってやれなかった後悔だけは今も変わることもなく、時間だけは過ぎていきます。
楓は7年という短い時間をどんな思いで生きてきたのだろうか、毎日を楽しく過ごしたのだろうか、やりたいことやできることはちゃんとできていたのか楓に聞くことはできません。それでも今もたくさんの方が楓を覚えていてくれることは私にとって楓が7年間をしっかり生き抜いてきた証だと思います。みんなの思いの中で楓はちゃんと26歳へ成長しています。そして今もみんなを見守るために楓は飛び回っているのだと思います。
悲しみや苦しみは時間が解決はしてくれません。このような思いを誰もしないためにも、子供たちが被害に遭わない社会を心から願います。
有山 茂樹