16/12/2009
日本が世界に誇るクリエーターDJ、YOJI BIOMEHANIKA。「Street Pa rade」や「Dance Valley」、「Godskitchen Global Gathering」を始めとするヨーロッパの巨大ダンス・フェスティバルにヘッドライナーとして招聘され続け、自身のレーベル「HELLHOUSE RECORDINGS」からはダンスミュージック界の歴史に残る数々のキラートラックをドロップ。「ゴッド・オブ・ダンスミュージック」として神格化する彼が、恒例のオーストラリア・ツアーのため来豪する。さらにはYOJI BIOMEHANIKAにより才能を発掘され、今や彼に続くクリエーターDJとして世界から注目を集めているREMO-CONも同じく12月、初のオーストラリア・ツアーのため来豪。日本のツートップといわれるべくDJの来豪ニュースにチアーズはじっとしていることはできなく、多忙を極める2人にインタビューを依頼した。2度とないようなこのチャンス、早速お届けしよう。
自分自身が刺激を受けないとマッタリしてしまうので、
常に新しいことを探している
もう解散してしまったけど、僕と非常に仲が良いイギリスのLAB-4(トランス、ハードハウスのライブアクト2人組)に進められて来豪したのが始まりやったな。何年前だったかは忘れてしまったけど、現地のプロモーター達が気に入ってくれて…。特にPharmacyやULTRAWORLDのPRを担当するブラッドとは親交が深まって、毎年会おう、何かしよう、っていう仲になったんや。彼が僕の音楽をリスペクトしてくれると同様に僕も彼をリスペクトする、本当にいいやつだ。彼との出会いからほぼ毎年訪れるようになったよ。
いい意味でも悪い意味でもないけど、オーストラリアにはやっぱり時間のずれがあるんやな。遠いからしかたないんだけど。例えば去年人気だった音のハードスタイルが今人気だったり。 僕の中ではもう既に消化され、「飽きた」音だから、「あれ?」って選曲に戸惑っちゃうんだな。僕はクリエーターとして常に新しい音を追及したいけど、お客も無視はできない。まあシーンというものは各国によって全く性質が異なるものだから、比較しようがないと思うけど、お客はみんな同じやな~本当心から楽しんでくれる。でもオーストラリアのお客は特にポジティブ。僕も彼らから新たなパワーを受けるから、オーストラリアでプレーするのはいつも楽しみだよ。
“テック・ダンス”という言葉を最近かってに作って使っているんだけど、テクノ、ハードダンス、トランスが交じり合った新しいスタイルが今僕の中で新たな感覚として生まれている。長い間縦ノリのドンドンドンっていう音が人気だったけど、これからは少し横に揺れるバイブがはやると 思うよ。あと海外でプレーする時はその各地でみんなが知っている曲をリミックスすることもあるんやけど、今回はスケジュールが結構タイトなんで、実現できるか分からない。
どっちのギグが先かまだ分からないんやけど、プライベートジェットで移動するよ。
そうやな~。いつも滞在期間が短いから一夜に1つ、2つ、3つのギグをすることもよくあるよ。ヘリで移動することもしょっちゅう。長期滞在っていうのが嫌いだし、これだけ海外に出てると観光にもまったくといって興味がないんやな~(笑)。
あれは一昨年だったかな。3 DAYS・4 COUNTRY・6 GIG(3日間・4カ国・6ギグ)っていう記録を作ったよ。さすがにあの時は体力的限界を感じたな~。若いころはテンションも高く、眠気を感じることはなかったけど、最近では移動中に睡眠をとるよ(笑)。
4年前に子供が生まれてからは家族との時間を尊重するようになって、去年2人目が生まれてからは多くて月1回、それ以上は全て断念しているよ。それまでは2週間に一度は海外に飛んでたからマイルはかなり溜まったよ(笑)。
これまで僕は日本側のDJに決してポジティブではなかったんや。日本のDJはほとんどが音楽を作らず、ヨーロッパで人気の音をただたん紹介する「ジュークボックス的存在」だって昔から常にシーンを叩いてたんだ。そしたらある日REMO-CONから挑戦状的デモテープが送りつけられてきたのよ。彼の存在は知っていたけど、才能は知らなかった。聴いた瞬間ビビビって凄いものを感じてすぐに「HELLHOUSEでやってみないか」って声をかけたんだ。
最近は若干あるかな~。昔は「日本代表」の意識などはまったくなく、ただたん自分がどれくらい活躍できるかを挑戦して、結構無責任に行動してきたけど(笑)、最近はちょっと大人になったのかな。日本人にはほんと頑張ってほしいな。
あとに続くヤツ出てこ~い!って感じやな。REMO-CON以外に才能と可能性を持ったヤツは現時点でいないな~。嘆かわしいよ。事実1日4曲くらいのデモテープが届くけど、ほとんどがヨーロッパから。日本人から送られてくるのは稀だよ。僕はDJとクリエーターとを分けるのはどうかと思うよ…。一種のプレイヤーとして裏づけるパワーは音楽製作そのものだと思っているから。
物心がついた頃から音楽は好きで、中学では既にギターを弾き、高1の頃にはラーフィン・ノーズっていうバンドでニューウェーブ、パンク、アバンギャルドが全部混ざった一風変わったアンダーグラウンド的レコードを出したんだ。ソロ活動もした。とにかく常に音楽と隣り合わせに生きてきたから、そういう流れだったと思う。気づいた頃にはダンスミュージックに辿り着いていた。だから自分をDJと思ったことはなく、ミュージシャンだって思っているんやな。今じゃ毎日が音楽製作で、合間を縫ってDJする生活だし…。
頭の中に急に現れることもあれば、何週間もシンセサイザーやコンピュータをいじって、ず~っと探しているときもあるよ。
『SIX HOURS』 (2007年3月リリース)。半年かかったよ。同じ曲に半年もかけると正直おかしくなっちゃうよ。リミックスの場合は締め切りがあるけど、オリジナルの場合はないよね。曲をたくさんリリースされる人にはみぎりや踏ん切りがあると思うけど、僕にはこだわりがあるから「決まった!」っていう瞬間が来ない限り終われないなぁ。
『NEVER END』(2003年リリース)。最初のテクノ&トランスの融合作だからね。かなり気に入っている。そうそう、『NEVER END』に入っている声だけど、これ昔からの友人で、オーストラリア人のディーナって言う人。だからオーストラリア人には分かりやすい発音かも(笑)。
ヨージ・ビオメハニカは元々ロシアの発音なんや。芸術ものが昔から好きやったんだけど、90年代の初期にロシアの構成主義に触発され、かっこいいロシアの文字で名前をつけたかったんだ。でも、誰も読めないのに加え、印刷所にロシアの文字がない…そんなことでローマ字に…。意味はバイオメカニック、生体力学なんやけど…。あ、でもええこと聞いてくれたわ。実は来年からビオメハニカはやめてヨージだけになろうと思ってたんや。そもそも読みずらいやろ。海外ではバイオメハニカってよく言われるし。もういらないわ~。ヨージのほうがシュッとしていてシンプルでいい。ただ、この呼びづらい名前を世界の人が覚えてくれるようになったのはそこまで自分が認められたんだな~って思ってる。また新たなステップにたどり着いたのかな。
そうやな~。自分自身が刺激を受けないとマッタリしてしまうので、常に新しいことを探しているなぁ。今後は90年代初期のテクノを作り直したいとも考えているけど、時間がなかなかない…。
(音楽)がなかったことが無いので、ないと生きていけない。「聴く」っていうよりも「創る」がやめられない。
どこの国でもそうだけど、チャイナタウンのパワーって凄いやろ。日本人ってその国に馴染もうとするけど、中国の人たちは自分たちの環境を作るよね。僕はそういう場所を、日本人街を、居心地が良い場所を作ってほしいな~。
笑える事を心がけている。
カッコいい音を聴くと笑ってしまう
たまたま借りたレコードがノンストップになってた事にびっくりして、さらに、リミックスという再構築作業にすごく興味を覚えたのがきっかけです
はじめてDJ機材を買った時に、片方がCDプレイヤーで、それをリモコン操作してたから(笑)。
別の名前で作ったものも含めると、150以上はあるかもしれません。飽きっぽいので、特に思い出深いものはありません。
自分で笑える事を心がけてます。 私はカッコいい音を聴くと笑ってしまう癖があります。
3日で出来るのもあれば、半年以上かかるものもあります
普段は音楽をあまり聴きませんね
そうなんです。Yojiさんが「日本のダンスシーンはセレクターDJばっかりで、クリエイターがいないからダメや」って言ってる記事を読んで。それで刺激を受けて、っていうか今だから言うけど、正直カチンときたので、挑戦状を叩き付けました(笑)。「なにをー、ここにいるぞ!」ってね。それが、『G-SIGH』のデモテープです。
すごく変わりましたよ。DJプレーや作品に対するモチベーションとか色々。 私生活も真面目になったかな(笑) 。
ありがたいことに、沢山のリクエストをいただきまして!
なんでしょう? サウンド的にはハードな音に人気がある、という印象がありますが??
アグレッシブにやらせていただきます!
それを言葉で表現出来るのなら、私は音楽を創作していないと思います!
12月に会える事を楽しみにしています。
※こちらの公演は
すでに終了しています
YOJI BIOMEHANIKA &
REMO-CON:
ULTRAWORLD Festival
日時:12月8日(土)
会場:Krystal Castle Ballarat, VICTORIA
YOJI BIOMEHANIKA:
Transmission
日時:2007年12月8日(土)
会場:Main Arena,
Sydney Olympic Park Sports Centre Sydney Olympic Boulevard,
Sydney Olympic Park Homebush Bay
REMO-CON:
Sublime@Home Night Club
日時:2007年12月14日(金)
会場:Home Night Club
101/1 Wheat Rd,
Cockle Bay Wharf Darling Park
CHEERS 2007年12月号掲載
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