これからのVRは「非同期」が大事だと思うんだ
「ひとりでいても、誰かと参加している空間」
というのがあるといいなと思って、VRのワールドを作りました。 ひとりでいても、誰かと参加している空間。
そんなワールドを作りました。#NeosVR #インタラクティブミュージック #非同期インタラクティブミュージック
👇ここから参加👇(NeosVRが必要です)https://t.co/RDiNMxB49r pic.twitter.com/6jZuHG2Whg
こんにちはmarshiです。このワールドでは、動画で見れる通り、今までに来たプレイヤーと音楽を演奏したりすることができるワールドです。さらに、今までのプレイヤーの動きをゴーストとして再現していて、プレイヤーが来てくれるほど、楽しくなるようになっています。
"非同期コミュニケーション"
このワールドでは"非同期コミュニケーション"というものを使っています。
"同期コミュニケーション"というものの逆の概念です。
例えば、直接人と会って会話をする。例えば、Zoomで会議をする。
これらは同期コミュニケーションです。
例えば、掲示板に書き込む。例えば、Twitterに投稿をする。
これらは非同期コミュニケーションです。
同期コミュニケーションとは、参加者が全員同じタイミングで参加しているようなコミュニケーションを言います。一方、非同期は、そうではないコミュニケーションのことを言います。
今のVRSNSは、同時に、同じバーチャル空間にいる他のプレイヤーと会話をする、ということが多いと思います。この場合は同期コミュニケーションと言えます。VRSNSは同期コミュニケーションがメインだと思います。
それとは別に、疑似同期コミュニケーションというのがあります。たとえば、ニコニコ動画では、コメントをする人は別々のタイミングなんだけど、見る側はまるで同時にコメントしているように見えている、というものです。ニコニコ動画では実際は非同期だけど、「疑似」的に同期っぽいコミュニケーションを再現しています。
ここらへんの概念は「アーキテクチャの生態系」という本にけっこう詳しく触れられています。10年くらい前に、当時のインターネットのサービスがどのように流行ったかが分析されている本です。
VRで「非同期」・「疑似同期」が来ると思う理由
VRでも、非同期や疑似同期のコミュニケーション、あるいは非同期や疑似同期のインタラクションが重要になってくると思います。今までのインターネットでとても使われているんだから、VRとインターネットが合わさってもそうなるんじゃないか。
これまで、わたしたちは、会話によりことばを交換できるようになり、電話により、空間を超えて、ことばの交換ができるようになり、インターネットのサービスにより、「非同期コミュニケーション」で、時間を超えて、ことばの交換ができるようになりました。
そして今は、VRによって容易に体験が作れ、共有できるようになり、VRSNSによって空間を超えて、体験の共有ができるようになった。そしたら、次は非同期で時間を超えて、体験の共有ができると思っています。
①いつでも盛り上がっている感じにできる。
現在のVRSNSでは、同期コミュニケーションで他のプレイヤーが同じ時間にログインしている、というときに楽しめるようになっていて、そうじゃない時間帯はあまり楽しめない、ということが多いだと思います。
また、どのプラットフォームでも、人にたくさん来てもらいたいといったときには、イベントを開くのが第一選択肢になっているように思われます。
非同期なインタラクションを実装すると、いつログインしても、過去に来たプレイヤーたちを認識しながら、盛り上がっているようなワールドを作ることができると思います。
②同期コミュニケーションだけだと友達を作るのが難しい。
私は、VRChatやNeosVRといったVRSNSをやってきましたが、いまだになじんでいません。それは、コミュニケーションが同期コミュニケーションに限られていることが大きいのではないでしょうか。比較的近い距離でのコミュニケーションしかコミュニケーションの選択肢がないことが多いと思います。
Zoomで会話をするよりも、Twitterに書き込んだり、Discordで質問したり、Slackでコミュニケーションする方が自分は楽に感じます。これと同じように、VRSNS内で非同期にすれば、コミュニケーションの選択肢はより幅広くなるように思われます。
③音楽やダンスなどを非同期で共有することで新たな体験の可能性
今回、私たちの作品では音楽を非同期にしていますが、例えばダンスでも、ゲームでも、いろんなことが非同期にできると思います。非VRではことばを非同期にするのが主流ですが、音楽やダンスを非同期にすることで新たな体験を作れると思います。
④人口が少ない場面がけっこうある。
人口が少ないコンテンツでも、非同期にすれば、その時々に1人しか来なくても、過去に10人きていれば盛り上がるんじゃないかと思っていて、ワールド作りに取り組みやすいんじゃないかと思います。
⑤プレイヤーがたくさんあつまるには計算リソースが足りないことが多い。
プレイヤーが1つのワールドに30人以上集まったりすると、現在の計算リソースだと結構きついです。ハードウェアの性能は向上するものですが、現段階だと、まだ大量に人が集まれる感じではないんじゃないかと思っています。非同期にすることで、同時にあつまることなく、大量に人が集まった感じを出せるんじゃないかと思います。
ここまで非同期は重要だ、ということを書いてきたわけですが、一方で同期コミュニケーションが重要じゃないと言っているわけではありません。
そうではなく、人類は同期コミュニケーションにプラスして、非同期コミュニケーションや疑似同期コミュニケーションを発明したんだからそれをVRでもっと活用できるんじゃないかと思っています。
プラットフォーム
現在、非同期・疑似同期なインタラクションが実装できるVRSNSは、結構限られていると思います。理由は、非同期・疑似同期インタラクションを含むコンテンツでは、そこそこ大きなデータをいつでもコンテンツからアクセスできる場所に保存する必要があるからです。
今回のワールドを作ったNeosVRというVRSNSでは、HTTP通信によって、外部のサーバーに記録するようにすれば、これが可能です。私がNeosVRを選ぶ一番の理由になっています。もしNeosVR以外にもできそうなプラットフォームがあれば教えてください!
また、VRSNSでやらずに、VRアプリやWebXRで作れば、同様に可能であると思いますが、これはこれで結構大変です。
さいごに
今回の作品は、VRSNSでうまく馴染めていけないなあという悩みを考えた結果、私たちなりの答えとして作ったものです。ぜひ、来て、そして、盛り上げてくれればと思っています。
NeosVRの始め方はこちらから! Neos VRの初め方が1分でわかる動画を作りました!🥳🌟
気になるけどよくわからん😇ってなってた方、やってみてね~!!😉💥#NeosVR pic.twitter.com/80PqtiyE0K
この記事はかなり自分の主観が入っていて、VRSNSの実情を正確に表したものにはなっていないと思います。自分はVRSNSのすみずみまで知っているわけではありません。なにか間違いがあればご指摘いただければと思います。
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