GROUP INTERVIEW

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GROUP INTERVIEW 「その1枚は、日常を彩るか」
レイ・カズンの洋服作りにめる想い

現場を知り、デザイナーとなる

粟野:Ray Cassinは今年で27周年を迎えるレイ・カズンの旗艦ブランドです。3つのブランドの中でも特にトレンド感のあるアイテムを取り揃え、「親しみやすくて、着やすい、けどイマドキ」なお洋服をご提案しています。

松藤:DOUBLE NAMEはRay Cassinの姉妹ブランドとして生まれ、今年で23周年を迎えます。「ワークナチュラル」をコンセプトに掲げ、Ray Cassinと比べるとボーイッシュなアイテムや、アウトドアが好きな方に好んでいただけるお洋服が多いですね。

山崎:EMMA LIMBERは、2019年10月に生まれたばかりの新しいブランドです。ブランド名は「しなやかに包み込む」という意味を持ち、まとう方の女性らしさやしなやかさを引き出すお洋服を作っています。私自身、Ray Cassinのデザイナーを経て新しいブランドを立ち上げたこともあり、Ray Cassinを卒業したお客様にもご愛用いただいています。

松藤:3人ともデザイナー( / 企画職)として入社しましたが、レイ・カズンでは洋服作りに携わる前に、必ず店舗での販売経験を積みます。

粟野:レイ・カズンがもの作りをする上で大切にしているのは、実際に買ってくださるお客様の声です。私は入社後1年間、店舗で販売スタッフを経験しました。サイズ感・お洋服を選ぶ上での着眼点・店舗ごとのお客様の好みの傾向など、学ぶことが本当にたくさんありました。

私たちが作るお洋服はお客様の日常を彩るためのものなので、「どんなお洋服が求められているのか」を知ることは、すごく大切なんですよね。

生み出す洋服は、お客様の日常を彩るために

山崎:EMMA LIMBERはまだONLINE STOREのみでの展開なので、お客様とお話しできる機会は貴重です。そのため、展示会や期間限定のPOP UP SHOPでは、私も必ず店舗に立つようにしています。

自分が作ったお洋服が、お客様の日常にどう存在しているのか。それを聞けることが楽しくて、中には「誕生日に着て過ごしました」というお客様もいらっしゃるんです。特別な日にお役に立てることも、すごく嬉しいんですよね。

「まとうことで、自分を好きになれる洋服であるか」。これは、私がお洋服を作る上で一番大切にしていることです。EMMA LIMBERは、手に取る方々の背中を押すブランドであり続けたい。そんなことを、改めて思いました。

粟野:「買ってよかった」と思っていただけるものを、作りたいですよね。Ray CassinはEMMA LIMBERやDOUBLE NAMEよりも客層が広い分、「誰が着ても1枚で決まる服」であることは第一だと思っています。そして、日常使いする方が多いブランドだからこそ、その日常にワクワクを増やしていきたい。「クローゼットにあるだけで嬉しい服」、これが目標です。

松藤:DOUBOLENAMEはアウトドアやレジャーのシーンで着ていただくことが多いのですが、楽しい予定をさらに楽しくするお洋服を目指しています。世の中が大きく変わって、レジャーが特別なものになったからこそ、余計に。

そして、「その服にストーリーがあるか」もすごく意識しています。遊び心を感じるアイテムがあったり、グラフィックにこだわったアイテムがあったり。お洋服をきっかけに何か会話が生まれたり、店舗で販売スタッフとお客様のお話しが盛り上がって、「また来ます」とつながりを生めたら嬉しいです。

山崎:これからのアパレルブランドは、ブランドの世界観が好きだと言ってくださる方に対して、より深く想いを届けていく必要がありますよね。レイ・カズンではこれまでも店舗での接客を通してお伝えしてきましたが、SNSの発達もあり、伝えられる範囲は広がっています。洋服づくりへの想いやこだわりは、私たちからも伝えていきたいなと思っています。

それぞれのブランドが目指す未来

粟野:Ray Cassinは、これからもずっとお客様に愛されるブランドでありたいです。ここ数年の変化として、雑貨を充実させたり、コラボアイテムを作ったり、別ラインとして、ルームウェアやアクセサリーなどの雑貨を扱うTales by Ray Cassinという新ラインを立ち上げ、お洋服以外のアイテムのバリエーションを増やしてきました。時代に合わせて、例えば今であればマスクや除菌スプレーもRay Cassinの世界観を持ったものを提案するなど、日常の中に溶け込むブランドにしていきたいです。

松藤:長く愛されるブランドへ。本当に、そうですね。私が密かに願っていることは、世代を超えてDOUBLE NAMEの服を着てもらうことです。実は今も親子でお買い物に来てくださるお客様がとても多いのですが、私自身、2人の子供がいることでよりその想いが強くなりました。

この先ずっとブランドが続いて、例えば、お母様が着ていたお洋服を娘さんが着るようになったり、「若い頃お母さんもこのブランド着ていたのよ」なんて会話が生まれるようになったらすごく素敵ですよね。「変わってないね」「でも、今っぽいね」そんな風に親しみを感じてもらえるブランドであり続けたいなと。

山崎: EMMA LIMBERはまだ2年目のブランドではありますが、「去年の服を今年着ても可愛いです」と言ってもらえることがすごく多いんです。長く一緒に過ごしてもらえる服を目指し、買った年も、その次の年も、「買ってよかった」と思える洋服を作るブランドでありたいです。