2016年4月3日放送

再放送
  • 4月4日(月) 午前 11:05
  • 4月9日(土) 午前 5:15
    ※一部地域は別番組
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いつもの温泉で
~大分県 別府市~

大分県別府市は、源泉数や湧出量が“日本一”という湯の町。年間800万人が訪れます。観光客中心の温泉が多い中、地元住民にとって欠かせないのが130か所以上ある共同浴場。温泉を管理し、番台に立つのも住民という、地域に根ざした温泉です。別府を代表する温泉街の一つ鉄輪温泉には、「貸間」と呼ばれる素泊まりの温泉宿が立ち並び、温泉の蒸気を活用した暖房や料理が客を迎えます。温泉の恵み豊かな街を訪ねる旅です。

市内に130ヶ所以上ある共同浴場。その一つ「朝見温泉」では、地区の住民が月1200円の入浴料を出し合い運営しています。脱衣所と小さな湯船があるだけの簡素なつくりですが、憩いの場として親しまれています。管理人の松村保子さんは、来る人が気持ち良く入浴できるようにと気配りを欠かしません。温泉前の薬師如来に花を手向けたり、足が不自由なお年寄りを気遣ったり。地域になくてはならない温泉を守っています。

いたるところから湯けむりがあがる、鉄輪温泉。この町には、「貸間旅館」という、湯治客に部屋を貸す素泊まり専門の宿が軒を連ねています。54年前から営業を続ける貸間旅館で、女将の安波てるみさんが何よりも大切にしているのが、温泉の蒸気。客は、蒸気をつかって調理する「地獄釜」を使いながら、自炊することができます。湯けむりのもてなしと、家のようにくつろげる場所を求めて、今日も客が訪れます。

海沿いの温泉街、亀川地区。町中で出会ったのは、リヤカーで魚の行商を続けて45年の脇敬子さん。別府湾で獲れた新鮮な魚を、旅館や一般家庭に届けています。脇さんは24歳で行商を始め、漁師だった夫の獲った魚を売り歩いていました。41歳の時、夫が亡くなってからは、市場で仕入れながら二人の子どもを育てます。そんな脇さんが仕事終わりに真っ先に向かうのが、温泉。冷えた指先まで温まり、明日への英気を養います。

旅人 山田敦子から

これまで観光客の眼でしか見てこなかった「温泉地」。別府の街を歩き回って初めて、地元の暮らしが見えてきました。街のあちこちにさりげなく、小さな共同浴場があります。人々が温泉組合を作って自前で運営しているもので、訪ねた所は一か月1200円で入り放題。朝からおしゃべりの声、お湯をかける音が楽しそうです。仕事帰りの毎日の温泉で、ぬぐったように疲れが取れるという人も。どんなお湯だろうと興味は募り・・・、でも湯温が43度と聞いて、とても無理とあきらめました。ツウは熱いお湯に入るんですね。

別府へのアクセス

<飛行機>
大分空港から別府・大分行き空港バス「別府北浜」下車(約1時間)

<電車>
JR日豊本線「別府」駅下車

<車>
大分自動車道「別府」IC

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問い合わせ先

別府観光全般について
別府市役所 観光課
0977-21-1128
別府市観光協会
0977-24-2828

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