翻訳:北島靖己
翻訳協力:D&D日本語版翻訳チーム
第八回:モンスター編
Q.強力な種族のモンスターがいつ特技を取得し、いつ能力値が上昇するかはどのように決めるのですか?たとえば、『モンスター・マニュアル』によると、6ヒット・ダイスで【知力】が10の異形は特技を1つ持っています。キャラクターは3レベルごとに1つの特技を修得し、4レベルごとに能力値が1点上昇するのですから、異形のキャラクターはさらに2個の特技を修得し、能力値も1点上がっているはずではないですか?
A.ヒット・ダイスが2以上のクリーチャーの場合、このヒット・ダイスはレベルに換算される。ただ、そのクリーチャーがキャラクター・クラスを1レベルたりとも取っていないのであれば、特技、技能、セーヴ、攻撃ボーナスはそのクリーチャー種別とヒット・ダイスと能力値だけで決まる。1ヒット・ダイスしかないなら、そのクリーチャーが最後にとったクラスのヒット・ダイスが種族のヒット・ダイスに置き換わり、そのキャラクターは同じクラスの他のメンバーとまったく同様と見なされる。 君が例に挙げたキャラクターがキャラクター・レベルを1レベル上げた場合、そのキャラクターは7レベル・キャラクターとなり、『プレイヤーズ・ハンドブック』の表3-2で7レベルになったキャラクターが得るものを得ることができる。つまり、何も得られないわけだ。種族固有のレベルで特技や能力値を得ることはできないのだ。このキャラクターはクラス・レベルを1レベル加えたマルチクラス・キャラクターであるかのように扱われ、それに従って技能ポイントやクラスによる追加特技、クラス能力、適切な攻撃ボーナスやセーヴ・ボーナスを得る。このキャラクターは8レベル(クラス・レベルを2レベル加えた時点)で能力値が1点上昇し、9レベル(クラス・レベルを3レベル加えた時点)で特技を1つ修得する。
Q.ヴァンパイアとゴーストとリッチ以外に、アンデッドのテンプレートがないのはどうしてですか?グールやレイスやワイトのテンプレートは?
A.それらのクリーチャーによって同族とされてしまった犠牲者は生前の意識をまったく失ってしまい、自分を襲ったクリーチャーの標準的な固体と同じものになってしまうのだ。
Q.【知力】のないクリーチャーはどのくらい利口(あるいは愚か)なのですか?そうしたクリーチャーが扉を開けたり、装備を使ったり、ものを運んだりできるのでしょうか?そうしたクリーチャーに対して〈はったり〉や〈威圧〉を使うことはできますか?
A.D&Dのルールにおける【知力】は、クリーチャーが考え、学び、思い出す能力の尺度だ。【知力】を持たないクリーチャーには、そうしたことができない。謎を解いたり、芸を学んだり、何かを思い出したり、ということができないのだ。一方、すべてのクリーチャーは【判断力】値と【魅力】値を持っており、従って、周囲の状況を知覚したり、それに対応したりすることができ、(恐らくは本能レベルでのことだろうが)自分が存在していることを知っている。
モンストラス・スパイダー(巨大蜘蛛)など、【知力】を持たぬ生きているクリーチャーは、食べ、つがい、自分を守るよう(通常はこの順番で)プログラムされた生物学的なロボットのように機能する。スパイダーは通常の環境の中で生き残り、捕食生物として生態系内の役割を果たす能力がある。獲物を狩り、縄張りを守り、火や落下や鉄砲水などの災害を避けるようできている。進化の過程で対処すべく用意されてこなかったものはどれも、認識することもできなければ、処理することもできない。たとえば、スパイダーはどうやったら扉を開けられるのか理解することはできないし(ただし、獲物が扉を抜けて逃げるのを見たなら、単純に力押しでぶち破ろうとするかもしれない)、パーティのウィザードを認識して攻撃することもできない(ただし、武器も鎧も持たない獲物を好むかもしれない)。
【知力】値を持つ生きていないクリーチャーは、これに比べるとわずかだが、より洗練されている。というのも、彼らは通常、何らかの魔法によって作られ、“組み込まれているプログラム”も多いからだ。たとえば、ゴーレムは製作者が与えた基本的な知識を持っていると仮定してよい。たとえば、扉を開けたり、皿と洗面器を区別する能力などだ。こうしたクリーチャーも自分の周囲の環境下で十分に機能することができるが、この場合、“自分の環境”とはそのクリーチャーの製作者の環境である。
人造やアンデッドのクリーチャーを作成する呪文や儀式は、その呪文を発動したり儀式を執り行なったりする人物が、そのクリーチャーを支配できる能力も与えてくれる。クリーチャーにはその命令を理解するだけの知的能力はないが、主人はそれを補えるだけの支配をそのクリーチャーに及ぼしている。人造や自律行動能力を与えられたアンデッドは、「追え」を除き、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』のP.46に挙げた動物の相棒の命令をいずれもこなすことができる(《追跡》特技か鋭敏嗅覚能力を持っているクリーチャーなら、「追え」もこなすことができる)。さらにこうしたクリーチャーに対しては、持つことができる物体ならどんなものでも運搬したり、“西へ2日進んで、最初に出会ったクリーチャーを攻撃せよ”というような短い命令に従ったりするよう、命じることができる。
【知力】のないアンデッド・クリーチャーの場合も、生前のわずかな痕跡を残している。従って、たとえば、松明を持つよう命令されたスケルトンはそれを頭上に掲げることだろうし、水の入った水盤やバケツを持つよう命令されたなら、こぼれぬよう水平に保ちながら運ぶことだろう。人造も同様の能力を持っているが、これは製作者の知識に基づいている。
【知力】値のないクリーチャーに〈はったり〉を仕掛けようという試みのほとんどは失敗する。これは単に、そういたクリーチャーには意思疎通能力がないからである。【知力】のないクリーチャーに対してフェイントを仕掛けるために〈はったり〉を使用することはできるが、それ以上のことはできない。【知力】のないクリーチャーは基本的に恐れ知らずであり、従って、〈威圧〉することはできない。
Q.ダメージ減少を持つクリーチャー(ダメージ減少15/+1を持つガーゴイルなど)は肉体武器を使って、他のクリーチャーのダメージを強化された武器であるかのように打ち破ることができますか?私がインヴァルナラビリティ能力の付いた鎧(ダメージ減少5/+1)を買って、ガーゴイルと遭遇したなら、ガーゴイルは私のダメージ減少を無視することができますか?私のほうは魔法の武器を使わずにガーゴイルのダメージ減少を無視できますか?
A.ダメージ減少を与えているのが何であるかによらず、ダメージ減少を無視できるかどうか決定する際に、ガーゴイルの肉体武器は+1の武器のように扱われる。しかし、アイテムや呪文からダメージ減少を得た場合、その効果を受けたものが、他のクリーチャーのダメージ減少を無視する能力を得ることはない。上の例では、ガーゴイルの肉体武器による攻撃はキャラクターのダメージ減少5/+1を無視するだろうが、キャラクターのほうがガーゴイルのダメージ減少15/+1を無視するためには、少なくとも+1の魔法による強化ボーナスを持った武器が必要となるだろう。
Q.『モンスター・マニュアル』によれば、アンデッドは[精神作用]効果を無視するとあり、さらに、[精神作用]効果のタイプとして、(強制)、士気、(魅惑)、(紋様)、(惑乱)の各効果が挙げられています。このうち、幻術系統であるものは、(紋様)と(惑乱)の2つだけです。幻術のうちこれ以外の3タイプ、すなわち、(虚像)、(幻覚)、(操影)については記述がありません。これら3つのタイプについての説明を読んでみると、感覚を欺くのであって、直接、精神を欺くのではないとあります。しかし、インヴィジビリティ・トゥ・アンデッド呪文は幻術系統ではなく、防御術系統です。と言うことは、アンデッドは幻術一般をすべて無視してしまうため、彼らを欺くには別の呪文が必要だということです。アンデッドは犠牲者の生命力を(デスウォッチ呪文のように)“見て”いるのではないですか?それとも何か他の種類の秘術的な視覚でしょうか?前者が正しければ、デスウォッチ呪文を使うと、幻術が看破できませんか?アンデッドに秘術版のインヴィジビリティが効くのだとすると、通常や魔法の暗闇の影響も受けることになりませんか?
A.アンデッドは(虚像)や(幻覚)、あるいは幻術一般に完全耐性を持たない。もし持っていたとすれば、アンデッド種別の説明に、そうした情報が含まれていただろう。
インヴィジビリティ・トゥ・アンデッドのような特定対象を持つ呪文が存在するのだから、それ以外のインヴィジビリティがアンデッドに効かないと考えてしまうのは、よくある間違いだ。よくあることだか、それでも間違いに違いはない。インヴィジビリティ・トゥ・アンデッドが防御術系統なのは、アンデッドがインヴィジビリティやその他の(幻覚)呪文に特殊な完全耐性を持っているからではなく、このゲームのデザイナーたちが専門家ウィザードのルールを眺めてみて、防御術系より幻術系統を禁止系統にする死霊術士のほうが多いだろうと考えて決めたからだ。ある種別のクリーチャーが特定の効果に対して完全耐性を持っているとすれば、その種のクリーチャーに実際に効果を及ぼす類似の効果には、混乱を避けるためにはっきりと区別できる名前が付けられるだろうことに注意。たとえば、ホールト・アンデッド呪文の名前はホールド・アンデッドでもよかったはずだ(実際、旧版ではそう呼ばれていた)。しかし、ホールド効果は(強制)であって、アンデッドはそれに完全耐性がある。そのため、ホールド・アンデッドはホールト・アンデッドに改名されたのだ。
アンデッドの種別に対する説明では、アンデッドは暗視能力を持つとある。確かに『モンスター・マニュアル』ではアンデッド・クリーチャーの一般的な視覚能力については記述されていないが、他のクリーチャー種別についてもそうした記述はない。実際、アンデッドは暗視だけではなく、通常の視力も持っている。各クリーチャーの説明や種別の説明に特記ない限り、クリーチャーに基本的な4種類の知覚能力(視覚、聴覚、嗅覚、触覚)かせないとは考えぬこと。たとえば、粘体は視力を持たない。味覚はデフォルトの知覚ではないが、生きているクリーチャーはすべて味覚を持っており、生きていないクリーチャーは持っていないと見なしてよい。
各クリーチャーの説明や種別の説明に特記ない限り、クリーチャーが特殊な知覚能力を持っているとは考えぬこと。たとえば、アンデッドは暗視能力を持っている、粘体は擬似視覚を持っている。アンデッドに生命を見る能力があれば、アンデッド種別の説明にそう特記されていただろう。
ともあれ、暗視能力のおかげで、アンデッドは通常の暗闇の影響は受けない。魔法の暗闇は暗視能力を持つクリーチャーでも見通せぬため、アンデッドもそれを見通すことはできない。
最後に、デスウォッチ呪文の1行目には“反生命の力”うんぬんとの記述がありはするが、これは、死霊術系統に属することを言っているのであって、アンデッドのクリーチャー種別のことを言っているのではない。たまたまではあるが、デスウォッチは少なくとも間接的に幻術を見破る能力がある。あるクリーチャーが本当は(虚像)なら、デスウォッチを使えば、それが生きているわけでも死んでいるわけでもないとわかる。(操影)呪文で作り出されたクリーチャーはデスウォッチ呪文を欺くことに注意。たとえば、影でできたオークは生きているクリーチャーであるかのように見え、影のゾンビはアンデッドであるかのように見える。
Q.非実体のクリーチャーに影響を与えようとする場合の“実体のもの”という言葉がどういう意味かということでちょっと混乱しています。これは攻撃しようとしているクリーチャーを指すのですか?それとも使用された武器や呪文を指すのですか?『ダンジョン・マスターズ・ガイド』の『非実体』の説明によると、[力場]呪文だけがきちんと命中し、実体のあるクリーチャーが発動したそれ以外の呪文にはどれも50%の失敗確率があるようです。これは本当ですか?実体のあるクリーチャーが行なったアンデッド退散の試み(超常能力)にも失敗確率があるのですか?“実体のもの”が使用された武器や呪文を指すとすれば、どの呪文が“実体のもの”で、どの呪文がそうではないのですか?
A.“実体のもの”という言葉は、攻撃を行なったクリーチャーと、その攻撃に使用されたアイテムや効果の両方を指している。実体のあるクリーチャーが行なった物理攻撃(近接および遠隔)は“実体のもの”によるものであり、非実体による失敗確率の対象となる。非実体クリーチャーが行なった物理攻撃は“実体のもの”によるものではなく、従って、失敗確率の対象とはならない。
どんなクリーチャーが生み出したものであっても、呪文効果のほとんどには実体がある。たとえばファイアーボールは、非実体クリーチャーが発動したものであっても、非実体による失敗確率の対象となる。
このルールの例外となるものもある。[力場]効果とゴースト・タッチ能力の付いた武器による攻撃は、どこから来たものであっても、非実体による失敗確率の対象とならない。アンデッド退散の試みは非実体による失敗確率の対象とはならないが、それ以外で正のエネルギーを使用する効果(キュア・ウーンズ 呪文など)は、聖水と同様、失敗確率の対象となる。
Q.再生能力は、クリーチャーの命を救ううえでどれほど有効なのでしょう?冒険者のパーティが聖なる武器も祝福された武器も持たずにピット・フィーンドを倒したとします。彼らはピット・フィーンドが気絶状態になるまで、大量の非致傷ダメージを食らわせているでしょうが、本当のダメージは一切与えていません。次に彼らは、ピット・フィーンドの息の根を止めようと切り刻み始めたとします。彼らはこのピット・フィーンドを殺せるでしょうか?頭を切り落としたらどうでしょう?どんなに小さくとも、一番大きな肉片が再生してピット・フィーンドに戻るのでしょうか?ピット・フィーンドは聖なる武器か祝福された武器からしか本当のダメージを受けません。と言うことは、気絶状態のピット・フィーンドにライトニング・ボルト を発動しても、やがては再生してしまうということでしょうか?
A.再生能力は、クリーチャーの命を救ううえで実に実に有効だ。クリーチャーの説明に特記ない限り、身体をバラバラに切り離しても、そのクリーチャーが死ぬことはない。たとえば、気絶状態にして頭を切り落とそうと、細切れにしようと、ピット・フィーンドが死ぬことはない。ピット・フィーンドを殺すためには、少なくとも+3の魔法の強化ボーナスを持った聖なる武器か祝福された武器でダメージを与えなければならない(聖水も効く)。ピット・フィーンドを殺すには、少なくとも+3の魔法の強化ボーナスを持った聖なる武器か祝福された武器で十分なダメージを与え、そのピット・フィーンドのヒット・ポイントを-10まで減らすか、その武器でピット・フィーンドにとどめの一撃を成功させる必要がある。
再生するクリーチャーから切り離された体の一部は、そのクリーチャーに再び取り付けられない限り、しなびて死んでしまう。従って、ピット・フィーンドを細切れにして、肉片をバラ撒けば、1つを除くすべての肉片はやがて死んでしまうが、生き残った一片は再生してピット・フィーンドへと戻ってしまう。
ある種の攻撃、たとえば、[即死]効果やその他、大規模ダメージ、溺れ、飢え、【耐久力】を0にするといった、死をもたらす効果に対しては、再生は必ずしも有効ではない。
とんでもなく根気のある攻撃者なら、ピット・フィーンドが餓死するまで気絶状態の身体を切り刻み続けることもできるだろう。
Q.『モンスター・マニュアル』の『はじめに』によると、【耐久力】を持たないクリーチャーは常に頑健セーヴィング・スローに失敗するとあります。ディスラプション能力の付いた武器や“アンデッド”スレイング・アローはアンデッドを(頑健セーヴィング・スローなしで)即座に破壊してしまうのでしょうか?それとも、このようなアンデッドは頑健セーヴィング・スローを行なって、他の能力修正値を適用できるのでしょうか?
A.『モンスター・マニュアル』の『はじめに』では、正確には、【耐久力】を持たないクリーチャーは常に【耐久力】判定に失敗するとなっている(そのため、そうしたクリーチャーは、たとえば疾走アクションをとれないのだ)。
さらに、【耐久力】を持たないクリーチャーは、頑健セーヴを持たないクリーチャーは、頑健セーヴを要求するすべての効果のうち特に物体に対しても働くと明記されていないものに対して、完全耐性を持つ。従って、たとえば、アンデッド・クリーチャーには毒は効かないが、ディスインテグレイトで分解されることはあり得る。
(ディスラプション能力はスレイング・アローなど)武器効果の中には、物体に対しては働かないが、【耐久力】を持たないクリーチャーに頑健セーヴを強要するものがある。どんなクリーチャーが影響を受けるか知るには、その効果の説明を調べることだ。【耐久力】を持たないクリーチャーが頑健セーヴを行なわなければならない場合、その能力修正値は±0だ。詳しくは、『モンスター・マニュアル』の『はじめに』の章の、『持っていない能力値』を参照。
Q.ヴァンパイアのモンクが行なった素手攻撃はすべて叩きつけ攻撃と見なされ、負のレベルを与えるのでしょうか?それとも、徒手打撃のダメージを使うのでしょうか?
A.生命力吸収能力を持つクリーチャーは、1アクションに1回だけ生命力吸収を行なう。従って、複数回攻撃を行なう場合、一連の攻撃のうち最初の一撃だけが負のレベルを与える(加速状態のクリーチャーは、通常のアクションの間の命中で1回、追加部分アクションの間の命中で1回、負のレベルを与えることに注意)。モンク・レベルを持つクリーチャーは肉体武器による攻撃とモンクの徒手打撃による攻撃を、好きなように組み合わせることができる。たとえば、このモンクは叩きつけのダメージとモンクの徒手打撃によるダメージのどちらでも、好きに選んで与えることができる。どちらの場合も、前述のように生命力を吸収する。ヴァンパイアがモンクの徒手打撃のダメージを使おうとするなら、モンクの攻撃ボーナスしか使えない。
Q.グールになってしまったキャラクターが生前、大型サイズのクリーチャーだったらどうなるでしょう?大型サイズのグールの爪と噛みつきのダメージは増えますか?【筋力】はどうですか?
A.『モンスター・マニュアル』P.16にある、クリーチャーのサイズを大きくするルールを使用すること。標準的なグールは中型サイズなので、大型サイズのグールは+8の【筋力】、-2の【敏捷力】、+4の耐久力(アンデッドは【耐久力】を持たないので、この場合は意味がないが)、そして+2の外皮を得る。また、大型サイズのグールは攻撃とACに-1のサイズ・ペナルティを受けるが、大型(立ち)のクリーチャーなので、生来の間合いが10フィートとなる。
Q.タイガーはどのくらいの頻度で引っかき攻撃を行なうことができますか?タイガーが最初の爪攻撃を命中させたとします。そうすれば、そのタイガーは2回の引っかき攻撃を行なうことができますね?もう一方の爪で相手を捕らえたなら、さらに2回の引っかき攻撃を行なうことができますか?さらに噛みつき攻撃で相手を捕らえた場合、さらに2回の引っかき攻撃を行なえますか?それとも、引っかき攻撃は最初のラウンドにしか行なえませんか?
A.タイガー、レパード、ライオンが引っかきを行なうためには、敵に飛びかかりか組みつきを行なう必要がある(組みつきは通常、つかみ強化能力を使って行なう)。
飛びかかった場合、タイガー、レパード、ライオンは同じラウンドに5回の近接攻撃を行なうことができる。すなわち、爪/爪/噛みつき/引っかき/引っかきだ。つかんだ場合、引っかくためには相手を捕らえる必要がある(猫科の猛獣の大部分は、つかみ強化能力のために爪攻撃ではなく、噛みつき攻撃しか行なえない。タイガーは猫科の猛獣の中でも大きく獰猛なため、爪でも噛みつきでも使うことができる。ライオンやレパードも爪で敵をつかんで捕らえることができるが、その場合は、通常の組みつきルールを使用せねばならない)。つかみ強化を使ったかどうかに関わらず、相手を捕らえたなら、タイガー、レパード、ライオンは2回の引っかき攻撃を行なうことができる。ターン開始時に敵を捕らえた状態であれば、2回の引っかき攻撃を行なうことができる。どの場合でも、1ラウンドに何回、相手を捕らえる試みを行なうか、捕らえた状態を維持するかに関係なく、1ラウンドには2回の引っかき攻撃しか行なえない。
Q.レッド・ドラゴンがサジェスチョンやディサーン・ロケーションのパワーを得るのはどの年齢段階ですか?ディサーン・ロケーションは何回使用できますか?
A.レッド・ドラゴンの擬似呪文能力と、それを得る年齢段階については、すべて『モンスター・マニュアル』P.133の表に示してある。レッド・ドラゴンはサジェスチョンのパワーをオールドの年齢段階で得、これは1日3回使用できる。ディサーン・ロケーションのパワーはグレート・ワームの年齢段階で得、これは1日1回使用できる。
Q.ドラゴンが自分にエンラージを発動し、次のサイズ分類に入るほど大きくなった場合、そのサイズに相当するダメージを与えることができますか?それ以外の能力についてはどうですか?
A.ドラゴンに対して発動したエンラージは、ドラゴン以外のクリーチャーに発動した場合とまったく同様に働く。ドラゴンは20%拡大するごとに【筋力】に+1のボーナスを得る。この呪文からそれ以外の利益を得ることはない。
Q.ドラゴンの説明に、そのドラゴンがクレリック呪文と特定領域の呪文を秘術呪文として使用できるとあった場合、それはドラゴンが使用できる特殊ソーサラー呪文として働くのでしょうか?それとも、マルチクラスのキャラクターの場合のように、2番目のセットになるのでしょうか?ドラゴンはこれらの呪文の込められたワンドやスタッフや巻物を使用できるのですか?
A.ドラゴンはそれらの呪文を、ソーサラー呪文リストにある秘術呪文であるかのように使用できる。ドラゴンはそれらの呪文を、ソーサラー呪文の1日の使用回数の一部として使用する。もう1セットの“1日の呪文使用回数”を得るわけではない。
ドラゴンは自分のソーサラーとしてのレパートリーにある呪文が込められた呪文開放型アイテム(ワンドとスタッフ)を使用できる。ドラゴンはこれらの呪文が込められた呪文完成型アイテム(巻物)も使用できるが、その巻物が秘術呪文の巻物である場合のみだ。
Q.『モンスター・マニュアル』には、サイズによってドラゴンの皮から高品質の鎧がいくつ作れるかということについてのルールがあります。しかし、そうした鎧のACがいくつになるのか書いてありません。着用者はドラゴンの外皮と同じACを得るのでしょうか?それともその何パーセントかでしょうか?それとも、ドラゴンの鱗は鋼鉄より硬いため、アダマンティン製のものと同様の追加鎧ボーナスなのでしょうか?作ることのできる鎧の種類が違う場合、これらのボーナスはどう変わるのでしょうか?1体のドラゴンの皮からは、鎧がいくつ作れるのでしょう?皮から盾だけを作りたい場合は?ドラゴンハイドの鎧のコストは?
A.ドラゴンの皮から作れる鎧は、それ以外の鎧となんら変わるところはない。そうした鎧から得られるACを計算するには、まず、君が作ろうとしている鎧のサイズと種類を決めることだ(『モンスター・マニュアル』にあるように、これにはドラゴンのサイズによる制限がある)。君が選んだ鎧の種類によって、すべてのデータが決まる。たとえば、君が大型サイズのドラゴンを殺したなら、その皮を使って中型サイズのクリーチャーの高品質のハイド・アーマー1着を作ることができる。『プレイヤーズ・ハンドブック』の表7-5と表7-9によれば、高品質のハイド・アーマーは165gpのコストがかかり(基本となるハイド・アーマーが15gp、高品質であるために+150gp)。完成した鎧は着用者に+3の鎧ボーナスを与え、最大【敏捷力】ボーナスは+4、判定ペナルティは-2(ハイド・アーマーの基本値が-3、高品質で1軽減される)。秘術呪文失敗率、重量、移動速度は、ドラゴンハイド以外の高品質のハイド・アーマーとまったく変わらない。
以下の表では、ドラゴンの皮から作れる鎧の種類を一覧にした。
一般的なルールとして、通常、作ることのできる鎧1着につき、最大サイズよりサイズ分類が1段階小さいごとに2着の鎧と、鎧1着に対して適切なサイズの盾が1つ作れる。たとえば、超巨大サイズのドラゴンの皮からは、中型サイズのクリーチャー用のフル・プレートが1着か、小型クリーチャー用のもの2着か、超小型サイズのクリーチャー用のもの4着か、微小サイズのクリーチャー用のもの8着か、極小サイズのクリーチャー用のもの16着が作れる。ただし、サイズが超小型以下のクリーチャーの鎧に関しては、特殊なルールがいくつかあることに注意(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.105のコラムを参照)。
ドラゴンの死体には、表に示すよりもっと多量の皮があるのだが、鎧を作る過程では大量の廃棄物が出る。盾だけを作りたければ、通常作れる鎧1着につき、盾が2つ作れると見なすこと。
ドラゴンハイド・アーマー | |||||
ドラゴンのサイズ | 鎧の種類と最大サイズ | ||||
ハイド | バンデッド | ハーフプレート | ブレストプレート | フル・プレート | |
超小型 | 微小 | 極小 | |||
小型 | 超小型 | 微小 | 極小 | ||
中型 | 小型 | 超小型 | 微小 | 極小 | 極小 |
大型 | 中型 | 小型 | 超小型 | 微小 | 微小 |
超大型 | 大型 | 中型 | 小型 | 超小型 | 超小型 |
巨大 | 超大型 | 大型 | 中型 | 小型 | 小型 |
超巨大 | 巨大 | 超大型 | 大型 | 中型 | 中型 |
Q.私のグループでは、D&Dでトロルを殺す方法について議論しています。私はとどめの一撃はトロルを殺すのに有効だと言ったのですが、仲間たちは信じてくれません。これについてはどこかで読んだことがあるはずですし、クリティカル・ヒットを受けるクリーチャーならとどめの一撃が効くはずだということにも確信を持っています。もちろん、DMが効かないと言えばその判定に従うべきだということは理解していますが、私を支持するコメントがほしいのです。
A.確かに、トロル(あるいは再生を持つ他のクリーチャー)に対してとどめの一撃を行なうことはできる。そうするためには、君はそのクリーチャーに通常ダメージを与える攻撃を使用しなければならない(トロルの場合なら、[火]か[酸]だ)。『モンスター・マニュアル』の『はじめに』の章にある、『再生』を参照。
クリティカル・ヒットの対象とならないクリーチャーにとどめの一撃を行なうことはできないが(とどめの一撃については、『プレイヤーズ・ハンドブック』P.133を参照)、それ以外のクリーチャーなら、とどめの一撃を行なうことができる。
再生は[即死]効果やその他、大規模ダメージ、溺れ、飢え、【耐久力】を0にするといった、死をもたらす効果に対しては防御を提供してくれない。たとえば、ファンタズマル・キラー呪文に対する2回のセーヴに両方とも失敗したら、トロルは死に、再生能力で生き返ることはできない。
Q.ナイト・ハグの心臓石は、属性が善以外のキャラクターに何か利益を与えてくれますか?最後の文には、善の属性のクリーチャーはイセリアルネスの能力を使用できないとありますが、この説明のどこにも、それ以外のものなら使用できるとは書いてありません――ナイト・ハグにさえ(持っていなければイセリアルネスを使用することができないとはありますが)。属性が善以外のキャラクターはこのペリアプトを無制限に使用できると考えてよいですか?
A.属性に関係なくナイト・ハグ以外のものが心臓石を持っていると、病気に対して完全耐性となり、セーヴに+2の抵抗ボーナスを得る。ナイト・ハグ以外のものが持っている場合、この石は10回使用すると砕けてしまう。“使用”とは、このボーナスが適用されるすべてのセーヴと、無効化されるすべての病気だ。イセリアルネスの能力については、君の言う通りだ。ナイト・ハグは、心臓石なしではイセリアルネスの能力を使えないが、それ以外のクリーチャーに心臓石がイセリアルネスの能力を授けてくれるわけではない。