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D&D第3版 FAQ(よくある質問)

翻訳:北島靖己

翻訳協力:D&D日本語版翻訳チーム


第六回:呪文編(その1)


Q.『プレイヤーズ・ハンドブック』によれば、クレリックは毎日、そのキャラクターがアクセスできる各レベルの2つの領域呪文のうちどちらか一方の呪文を準備できるとあります。と言うことはつまり、クレリックは、低いレベルの領域呪文を高いレベルのスロットに準備できないということです。また、修正した呪文も高いレベルのスロットを必要としますから、クレリックは領域呪文に呪文修正特技を使用できないということにもなります。魔法系統に専門化したウィザードも同じような制限を受けるように思われます。これは意図的な制限ですか?

A.確かにルールを読めばそういうふうにもとれるが、そういう制限を意図してはいない。領域スロットには、そのクレリックの領域のうち1つからの呪文しか入れられないが、クレリックは領域呪文に呪文修正特技を使用することもできるし(この場合、高いレベルの領域スロットが埋まる)、高いレベルの領域スロットに低いレベルの領域呪文を準備することもできる。
専門家のウィザードも同様に、ボーナス呪文のスロットに低いレベルの呪文を準備したり、修正した呪文を準備することができる。ただし、それらの呪文はそのウィザードの専門系統のものでなければならない。


Q.ディクタムブラスフェミイホーリィ・ワードワード・オヴ・ケイオスの呪文の説明によれば、術者が自分の出身次元界にいる場合、術者の出身次元界のものでないクリーチャーをその出身次元界に送り返し、術者の出身次元界の属性がその呪文と反対のクリーチャーはさまざまな不利な効果を被る、となっています。悪の属性を持つ来訪者の中には、これらの呪文と同様の擬似呪文能力を持つものが何種かいます。こうした擬似呪文能力は出身次元界ではない物質界にいる来訪者に対して、どのように働くのでしょうか?あるいは逆に、そうした来訪者がそれぞれの出身次元界にいる場合、こうした呪文は役に立つのでしょうか?たとえば、バートルにいるデヴィルにとって、ディクタムには使い道があるんでしょうか?ほとんど誰もが秩序にして悪の属性だというのに。

A.このうちのどの呪文であっても、対象が他の次元界から来たエレメンタルや来訪者でないならば、その効果は属性とヒット・ダイスによって決まる。各呪文の説明文の3段落目の最初の文章に書いてあることとうらはらに、君が術者と同じ次元界の出身でなくても、この呪文の影響は受ける。
呪文の対象が他の次元界から来たエレメンタルや来訪者であって、術者が自分の出身次元界にいるならば、その呪文は対象をその出身次元界へと送り返す。そうしたクリーチャーは属性とヒット・ダイスで決まる効果も受ける。呪文の説明では誤解を与えかねないが、出身次元界へ送り返されるか不利な効果を被るかどちらかではなく、不利な効果を受けた上で送り返されるのだ。


Q.スペル・ターニング効果によって守られている呪文の使い手は、相殺呪文アクションからも守られるのでしょうか?部分的に跳ね返された相殺呪文は、その相殺呪文を発動したキャラクターにどんな効果を及ぼすのですか?

A.スペル・ターニング効果によって守られている呪文の使い手は、相殺呪文アクションから完全に守られるわけではない。定義からすれば、相殺呪文は呪文の使い手を目標とする。従って、スペル・ターニング効果は相殺呪文を跳ね返すことができる。相殺呪文が完全に跳ね返されれば、その相殺呪文は失敗する。相殺呪文が部分的にしか跳ね返されなかった場合、跳ね返されなかった部分の比率に等しい確率で、その相殺呪文が有効となる可能性がある。たとえば、6レベルの相殺呪文のうち、2レベルぶんを跳ね返した場合、4/6の確率でその相殺呪文が有効となる。
跳ね返された相殺呪文は、その相殺呪文の術者にはいかなる効果も与えない。相殺呪文というものは、呪文を相殺する効果を生み出すために多少変化しており、呪文を相殺する以外のいかなる効果を与えることもできなくなっているのだ。


Q.モンクやその他のキャラクターは素手攻撃を行なって、距離が“接触”の呪文の効果を及ぼすことができますか? できるとしたら、その攻撃はどうやって解決するのですか。

A.素手攻撃を使って接触呪文の効果を及ぼすことはできる。呪文発動は標準アクションなので、通常、素手攻撃を行なうためには次のターンまで待つ必要がある。この時の素手攻撃は、他のどんな素手攻撃ともまったく同じように解決する。攻撃側は、防具や鎧も含めてすべての修正を加味した防御側のアーマー・クラス以上の数値を出さなければならない(攻撃側は単に敵に触れようとしているのではなく、ダメージを与える打撃を与えようとしているからだ)。攻撃側が《素手攻撃強化》を持っていなければ、その攻撃は機会攻撃を誘発する(ダメージを与えようとすれば、単に呪文の効果を及ぼすために触ろうとするより、危険を冒すことになる)。攻撃が命中すれば、攻撃側は素手攻撃のダメージを与え、呪文もチャージ消費される。攻撃が失敗しても、攻撃側はまだチャージを保持したままだ。


Q.凝視攻撃を持つクリーチャー――この質問ではメドゥサとしておきますが――はチェンジ・セルフ呪文の影響下にあっても凝視攻撃を使えますか?オルター・セルフではどうでしょう? ポリモーフした場合の答えは明らかに“ノー”です。凝視攻撃は超常能力ですから。

A.チェンジ・セルフオルター・セルフも超常能力の使用を妨げない。しかし、(幻覚)は凝視攻撃を使用不能にする。凝視の対象となるには、君がメドゥサの目や顔を見ることができなければならない。不可視状態のメドゥサは君を石化できないし、もはやメドゥサとはわからない姿になっているメドゥサもそうだ。もちろん、メドゥサはそれ自体凝視攻撃を持っている姿になったなら、凝視攻撃は効果がある(バジリスクに化けたメドゥサは君を石化できる)。ポリモーフしたメドゥサについての君の見解は正しい。ポリモーフしたクリーチャーは超常能力を使うことができない。


Q.呪文の使い手はダメージを与える接触呪文や光線呪文によってクリティカルすることができるそうですが、メルフス・アシッド・アローの場合はどうでしょう?クリティカルするのだとすれば、この呪文は毎ラウンド、4d4のダメージを与えるのでしょうか?それとも最初のラウンドだけですか?レイ・オヴ・エンフィーブルメントのように能力値ダメージを与える光線呪文はどうでしょうか?この呪文でもクリティカルをロールし、大量の【筋力】を失わせることができるのですか?接触攻撃や遠隔接触攻撃に《クリティカル強化》をとって、こうした呪文のクリティカル可能域を拡大することができますか?

A.メルフス・アシッド・アローでクリティカルを出した場合、初期ダメージのみがクリティカル・ヒットによる上昇を受ける。従って、クリティカル・ヒットは4d4ポイントのダメージを与え、酸はそれ以降、持続する間じゅう毎ラウンド、2d4ポイントのダメージを与える。クリティカル・ヒットするためには、呪文が攻撃ロールを行ない、ダメージを与えるものでなければならない。レイ・オヴ・エンフィーブルメントは【筋力】ペナルティを与えるものであり、【筋力】ダメージを与えるものではないため、クリティカル・ヒットすることはない。

戦闘力を強化する特技を呪文に使用することはできる。こうした特技は以下の呪文カテゴリーのいずれかに対して適用する必要がある:光線(ダメージを与えて、光線効果を生み出す呪文)、エネルギー・ミサイル(メルフス・アシッド・アローなどの呪文)、接触呪文(距離が“接触”でダメージを与える呪文)。


Q.『プレイヤーズ・ハンドブック』P.148の『発動時間』の項には、“術者は発動開始時に呪文についての必要な決断をすべて下さなければならない(距離、目標、効果範囲、効果、バージョンなど)”とあります。しかし、同ページの『呪文の狙いをつける』には、“術者は呪文の発動を終えるまで目標を選ぶ必要はない”とあります。どちらが正しいのですか?

A.『発動時間』の項に記載されているように、君は呪文を発動開始する時点で、呪文を完成するのに必要な決断をすべて下さなければならない――ただし、呪文の目標だけは別だ。この手順は銃を装填するのに似ている。狙いをつけて、引き金を引く前に、どんな種類の弾丸を使うか決めなければならない。しかし、引き金を引く準備ができるまでは、どの目標を狙うかを決める必要はない。


Q.ポリモーフしたクリーチャーを念視の対象としたらどうなりますか?誰かが別の誰かを殺して、ポリモーフ・セルフ呪文で被害者に成りすましたとします。その後、キャラクターがその被害者を探すために念視をしました。この念視によって、本当は偽者であることが念視者にわかっていない犠牲者のイメージが見えるのでしょうか?それとも何も見えないのでしょうか?同じ人物が、偽者の正体のほうを念視しようとしたらどうなるでしょう?偽者が現在とっている姿が見えるのでしょうか?

A.ポリモーフしたからといって、君の正体が変わるわけではない――君はあくまでも君なのだ。君自身を対象とした念視効果ならば、君が見える。君が成りすました相手を対象にした念視ならば、念視を行なうキャラクターによっては、君が見えることもある。

君の例に挙げた状況を考えてみよう。偽者の正体のほうを探そうとする念視は、現在の姿をとっている偽者を映し出すだろう。犠牲者を念視する者には、犠牲者の死体が見えるだろう。成りすましている偽者のほうにしか会ったことのない者には、偽者のほうが、しかも現在の姿で見えるだろう。
〈念視術〉判定の難易度は、念視を行なうキャラクターがどれだけ対象のことをよく知っているかで決まることに注意。君が対象を成りすました姿・身元でしか知らないなら、よくて“会ったことがある”程度だろう。従って、君の〈念視術〉判定の難易度は10以上になるだろう(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.216を参照)。


Q.キュア・ライト・ウーンズフライのような呪文は、チャージを保持できはするものの、1人の仲間にしか効果がないと言っている人がいます。『プレイヤーズ・ハンドブック』のP.151によれば、接触呪文は全ラウンド・アクションとして6体までの仲間に使用できるとあります。つまり、1つの接触呪文を6体までの相手に使えるということなのでは?

A.それは呪文の“目標”の項や説明に何と書かれているかによる。キュア・ライト・ウーンズフライはどちらも、“目標”の項に“接触したクリーチャー”としか書かれておらず、本文中にも特別な記述はない。どちらの呪文も、1体のクリーチャーに接触した時点で完全にチャージ消費されてしまうのだ。
実際、距離が接触の呪文をチャージ保持して、全ラウンド・アクションとして、6体までの仲間に触れることはできる。しかし、その呪文が1回の接触ですべてのチャージを消費してしまう呪文であれば、そうしたところで何にもならない。たとえば、ウォーター・ブリージング呪文の説明には、“術者が接触したすべてのクリーチャーの間で持続時間を等分すること”との記述がある。この場合は、『プレイヤーズ・ハンドブック』のP.151にあるルールを使用することができ、6体までの仲間の間で持続時間を等分することができる。


Q.光線の効果が命中しなかった場合、どうなりますか?その光線が何かほかのものに命中する可能性があるのでしょうか?光線攻撃を行なうためには、目標が見えていなければなりませんか?それとも、不可視状態の目標や、霧や暗闇によって視認困難となっている目標に対して、やみくもに撃つことができるのでしょうか?

A.光線を使用する際には、遠隔攻撃ロールを行なう。外れた光線に何が起きるかは、なぜはずれたかによる。君が光線効果を撃ち、単に攻撃ロールに失敗した場合、その光線は何にも当たらない。たとえば、ディスインテグレイト呪文がはずれたからといって、あやまって天井に穴を開けてしまうようなことはない。
光線など、遠隔攻撃ロールを使用する呪文は遠隔攻撃に関するすべてのルールに従う。これは、目標をはずして、代わりに遮蔽に当たってしまうルールも含まれる(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.132を参照)。このルールは、君の目標が遮蔽をとっていて、その遮蔽のために目標をはずれてしまった場合にのみ適用される。君はディスインテグレイト呪文をはずして天井に穴を開けてしまうことはないが、君の目標が遮蔽に使おうとしていたものに穴を開けてしまうことはある。
光線やその他の遠隔接触呪文をやみくもに撃つことはできる。不可視状態のクリーチャーを攻撃する場合と同様、まず、どの場所(マス)を攻撃するかを選ぶ(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.78~79を参照)。その場所に何があるかは知らないが、いずれにせよ完全視認困難ではあろう。君が失敗確率で失敗しようと、攻撃ロールで失敗しようと、その呪文の効果がはずれたなら、その呪文の効果に何にも当たらない。光線やその他の効果は、君がその光線を向けた場所(マス)のどこかで、何の害も与えずに消えてしまうのだ。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』に記述があるように、非常に大きな目標は完全視認困難の利益を得られない可能性があることに注意。


Q.敵の武器に触れることによって接触呪文を伝えることはできますか?たとえば、敵のファイターが間合いの長い(10フィートの)武器を持っていたとします。呪文の使い手がそのファイターの機会攻撃範囲に入って、その武器に触れ、持ち主に効果を及ぼすことはできるのでしょうか?接触呪文が装備を伝わる距離に制限はありますか?

A.魔法効果のほとんどにおいては、クリーチャーの装備に触れることはクリーチャーに触れることとまったく同様に見なされる。そのため、接触呪文は鎧や外皮、盾を無視するのだ。とは言え、接触点は目標の肉体にかなり近くなければならない。

呪文の使い手が接触呪文を伝えられる距離に制限は決められていないが、基本的には、目標となるクリーチャーが占めている場所(マス)に手が届く必要がある。たとえば、人間は5フィート四方の場所を占める。従って、たとえその人間の装備の一部(長さ50フィートの垂れ下がったロープや間合いの長い人工的武器など)がその場所からはみ出ていたとしても、敵が接触攻撃を与えるには、その場所(マス)に届く必要がある。
間合いの長い肉体武器を持つクリーチャーはこのルールの例外だ――たとえそのクリーチャーの肉体が自分の間合いの外にあったとしても、間合いの長い肉体武器に触れることにより接触攻撃を伝えることができるのだ。とは言え、そうした戦術を使うには多少の準備が必要となる。クリーチャーが肉体武器(噛みつき、爪、触手など)で君に攻撃できる距離にいるなら、君は待機アクションを使って、その肉体武器で自分に対して近接攻撃が行なわれたときに接触呪文を使用することができる。呪文の発動には通常、標準アクションが必要だが、呪文の発動時間が1アクション以下なら、待機アクションで呪文を発動し、接触しようとすることができる(これは普通のアクションの一部として呪文を発動し、接触攻撃を行なうのと同様である)。その呪文の発動時間がそれより長い場合、まず呪文を発動し、上記のやり方で伝えられるまで呪文を保持しなくてはならない。


Q.ほぼ直線に並んでいるキャラクター集団に対してライトニング・ボルト 呪文を発動した場合、その稲妻は一番前にいるキャラクターに当たったあと、後ろにいる者たちにも影響を与えて、距離の端に達するまでダメージを与え続けるのでしょうか?それとも、列の一番前にいるキャラクターが障害物となって、そこで稲妻を止めてしまうのでしょうか?つまり、呪文の5フィートか10フィート幅の中に横あるいは斜めに並んだキャラクターにしか効果を与えられないのでしょうか?それとも、稲妻はクリーチャーを突き抜けて、先へ進んでいくのでしょうか?ブラック・ドラゴンのブレス攻撃など、“直線”と書かれた他の効果の場合はどうでしょう?テーブルなどの物体はそうした効果を止めてしまいますか?それとも最大距離まで効果を与え続けるのでしょうか?

A.効果範囲を満たすタイプの呪文や超常能力は、その効果線が遮られないかぎり、範囲内のすべてに効果を及ぼす。
ほとんどの呪文と超常能力の場合、物体は効果線を遮る。ただし、ディテクト・マジック のように障害物を通過するものもあれば、テレポート のように障害物を無視するものもある。障害物の25平方フィート(5フィート×5フィートの範囲)ごとに少なくとも1平方フィートの開口部があれば、効果線は遮られていないと見なされる。たとえば、幅5フィートで高さ8フィートの扉が閉まっており、鍵穴以外に開口部がなければ、その扉は効果線を遮る。この扉を鉄格子や魚網に置き換えれば、効果線は遮られなくなる。ひっくり返ったテーブルのような小さな物体は、少なくとも高さ5フィート幅5フィートなければ、効果線を遮ることはない。それより小さいものならば、その周囲に、魔法の効果がすり抜ける充分な空間がある(とは言え、そうした物体は遮蔽を与えはする)。

クリーチャーはたいてい、自分の占めている5フィート×5フィートの空間に、最低限必要な1平方フィートの空間を常に残しているため、効果線を遮ることはない。ライトニング・ボルト 呪文もブラック・ドラゴンのブレス攻撃も、そうしたクリーチャーが何体1並んでいたとしても突き抜けて、効果の最大距離まで効果を与え続ける。たとえば、10レベルの術者が発動したライトニング・ボルト 呪文は幅5フィート、長さ200フィートの直線を作り出す。それだけの広さの範囲には中型サイズのクリーチャー40体が1列に並んで入ることができ、この広さの効果範囲を持つ稲妻は、そのすべてに効果を及ぼす。さらに言えば、この直線の一番前にいるクリーチャーが、その背後にいるクリーチャーに対して、この効果を遮ることはない。

しかし、クリーチャーの中には、必要な範囲を完全に遮ってしまうものもいる。たとえば、ゼラチナス・キューブは10フィート四方の通路を完全に覆うことができる。そうなった場合、ゼラチナス・キューブはどんな呪文であっても、効果線を遮る。呪文の効果範囲よりはるかに大きなクリーチャーも、効果線を遮ることがある。たとえば、呪文の起点近くに超巨大サイズのドラゴンがいれば、直線や円錐形の効果範囲を持つ呪文は遮られてしまう――それだけの巨体であれば、幅5フィートの稲妻を迂回させて放つことは無理だということもある。

効果が複数のクリーチャーを突き抜けられるかどうか判断するには、呪文や特殊能力の説明をチェックすること。たとえば、レイ・オヴ・エンフィーブルメントディスインテグレイトのような呪文は“効果範囲”呪文ではなく“効果”呪文だ。こうした呪文は“光線”を作り出すのであり、“光線”は1つの目標にしか効果を与えない。


Q.一度精神集中を失った呪文の精神集中を取り戻すことはできますか?ヒプノティック・パターンのように精神集中が途切れた後まで持続する呪文の場合はどうですか?呪文が終わっていないなら、精神集中をいったん止めて、後から再開することもできるのでは?加速されている場合はどうですか?精神集中に1アクションを、その他のことに1アクションを使用できますか?

A.呪文の持続時間が術者の精神集中による場合、一度でも精神集中を失えば、それを取り戻すことはできない。精神集中を止めたり、精神集中が破られたりしたあとに呪文が直ちに終了しない場合であってもだ。

呪文を維持するために精神集中を行なうには、術者のターンに標準アクションが必要となる。この標準アクションを費やしているなら、術者は時間の許すかぎり、ほかのアクションをとることもできる。ヘイスト呪文の効果を受けて加速状態となっており、追加アクションを取れるなら、そのアクションを何に使おうと自由だ。ヘイスト呪文から得た部分アクションを精神集中の維持に使い、通常のアクションをほかのことに使うこともできる。


Q.呪文抵抗、ロッド・オヴ・アブソープション(吸収)、スペル・ターニング(跳ね返し)効果を持った者に対して呪文を発動したとします。どれが最初に働きますか?

A.術者はまず、呪文抵抗を打ち破れたかどうかのレベル判定を行なう。呪文が呪文抵抗を打ち破るのに失敗したら、跳ね返されたり吸収されたりする可能性はあるが、そのクリーチャーに効果を与えることはできない。吸収された呪文が跳ね返されることはないし、完全に跳ね返されなかった呪文は、跳ね返されなかったぶんのレベルと同じ呪文レベルの呪文であるかのように吸収される可能性がある。呪文と跳ね返しのどちらを先に解決するかは、呪文をかけられたものが決定する。


Q.アンシーン・サーヴァントはどんな作業ができるのでしょうか?技能はあるのでしょうか?カーテンやロープをしっかり抑えることはできますか?この召使いが運搬できる物体の数に制限はありますか?

A.一般的に言って、アンシーン・サーヴァントは【筋力】が2の人間のできることなら何でもできる(ただし、この召使いは三次元移動できることに注意)。召使いは心を持たず、技能も持っていない。勝手に行動するよう放っておけば、人間が会話しながらできるようなたぐいの非常に簡単なアクション(床を掃いたり、靴下を繕ったり、本のページをめくったり、物体を拾い集めたり)を行なうことができる。
召使いには知覚力がなく、勝手に行動するよう放っておかれれば、判断を下す能力もない。たとえば、物体を拾い集めるよう指図し、放っておけば、召使いは特定のアイテムを拾い集めることはできない。ただし、放っておく際に、特定の大きさや重量の物体を拾い集めるよう指示しておくことはできる。たとえば、部屋の床から、硬貨と同じ重量の極小サイズの物体を拾い集めるよう指図することができる。硬貨や宝石だけを拾い集めるよう指示することはできるが、それは硬貨や宝石を1つ1つ指示してやれる場合だけだ。そうするためには、君が効果や宝石を見ることができるか、それらの正確な場所を知っているかしなくてはならない。また、そうだとしても、それだけ正確に召使いを行動させるには、君は召使いに精神を集中していなくてはならない。

君が召使いに精神を集中していたとしても、召使いは本当に複雑な作業を行なうことはできない。修得済みの技能判定が必要な作業や、難易度が11以上の未修得技能判定が必要な作業を召使いに行なわせることはできない。 召使いはその【筋力】で持ち上げられるものならば何でも押さえておくことができるが、柔軟な物体(ロープやカーテン)のうち、6フィートほどの部分しか押さえておくことはできない。

アンシーン・サーヴァントは一度に何個でも物体を運搬することができるが、その合計重量が運搬能力を超えてはならない。召使いは一度に何個でも物体を運搬することができるが、一度に扱えるのはそのうち2個だけだ。たとえば、召使いはホウキとチリトリとモップとバケツを一度に運ぶことができるが、一度に使用できるのはそのうち2つだけだ。


Q.アンティマジック・フィールドアーケイン・ロック や魔法の罠、魔法の隠し扉などで閉ざされた扉といった効果を抑止しますか? アーケイン・ロック 呪文には、アーケイン・ロック で閉ざされた扉を通るには「破壊するか、ディスペル・マジック ないしノック の呪文を成功させるか」しかないと特記されています。

A.アンティマジック・フィールド は“放射”型だ。従って、閉ざされた扉などの固体障壁の中やその向こう側に広がることはない。君の挙げた例では、アンティマジック・フィールド アーケイン・ロックのかかった扉で止まってしまう。アンティマジック・フィールド は扉に接触しているので、その扉のアーケイン・ロック 効果は抑止される(クリーチャーや物体がアンティマジック・フィールド に接触していれば、それは“内部にある”ものと見なされ、それに働いている魔法効果はすべて抑止される)。その扉が固体障壁でなければ、アンティマジック・フィールド はその向こう側へ広がっていくことに注意。たとえば、その扉に1フィート四方の開口部があれば(『プレイヤーズ・ハンドブック』第10章の『効果線』の項を参照)、その扉はアンティマジック・フィールド を遮らない。その扉に働いているすべての魔法効果はアンティマジック・フィールド によって抑止され、アンティマジック・フィールド は通常の効果線のルールに従って、その扉の向こうへと広がってゆく。同様に、その扉が物理的な障壁ではなく、それ自体が魔法効果であったなら(恐らくマイナー・イメージ のような虚像なのだろう)、アンティマジック・フィールド はその魔法を抑止し、その“扉”は消える。
ほとんどの魔法の罠も、アンティマジック・フィールド によって機能停止されてしまう。


Q.コマンド呪文を使って、敵に「死ね」とか「眠れ」と命令した場合、敵は“無防備状態”となり、従って“とどめの一撃”の対象となりますか?

A.クリーチャーがコマンド呪文に対するセーヴに失敗したら、そのクリーチャーは命令形の動詞ひとことによるその命令を全力で遂行しようとする。ほとんどの場合、この呪文による「死ね」とか「眠れ」といった命令は対象を“伏せ状態”かつ事実上“朦朧状態”にするが、“無防備状態”にすることはない。戦闘の真っ最中に本当に眠ったり、死んだふりをしたりすることはできないものだ。


Q.私のウィザードはサモン・モンスターVIを使用して、戦闘にレッド・スラードを招来しました。レッド・スラードの攻撃の1つは犠牲者に卵を産みつけることであり、これは明らかにレッド・スラードの繁殖方法でもあります。呪文が切れ、スラードがいなくなれば、この卵も消えますか? それとも残りますか?

A.招来が終了すれば、招来されたクリーチャーが作り出した魔法効果も終了する(普通なら永続的な効果であってもだ)。しかし、そうした効果は持続時間こそ“瞬間”だが、その結果は恒久的に持続するものであることが多い。たとえば、生命力吸収は一瞬に行なわれるが、犠牲者は長い間、レベルの喪失に苦しむことになる。

招来されたクリーチャーの肉体から離れたものは、招来が終了すればすべて消え失せる。肉体から切り離された一部や、毒や卵など、クリーチャーの肉体から作り出されたものはすべてそれに含まれる。毒の場合、その毒がすでに与えた効果はそのまま残る。たとえば、招来されたフィーンディッシュ・ヴァイパーがキャラクターを噛んで毒を与え、3ポイントの一時的【耐久力】ダメージを与えたとする。1分経つ前に招来が終わった場合、噛まれたキャラクターが予後ダメージを受けることはないが、3ポイントの一時的【耐久力】ダメージは残る。