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D&D第3版 FAQ(よくある質問)

翻訳:北島靖己

翻訳協力:D&D日本語版翻訳チーム


第二回:技能編


Q.〈威圧〉技能の説明によれば、“ごろつきを追い払ったり、捕虜から欲しい情報を得たりできる”とあります。だとすれば、高い【魅力】が役に立つ状況もあれば、低い【魅力】の方が役に立つ状況もあるのではないかと思います。高い【魅力】と低い【魅力】のどちらを使うか、そのつど決めてもよいのでは?

A.能力値へのペナルティをボーナスに変えてはいけない。【魅力】の低いキャラクターは他人を説得することが上手ではないのだ。【魅力】の低いキャラクターは産みの母親さえびっくりしてしまうほど醜いかもしれないが、それは、彼がその醜さを自分の有利なように利用できるということを意味してはいない。多くの人が信じていることとは逆に、おびえた人は、必ずしも君が望むように行動してはくれない。実際、おびえた人はそれとまったく逆に、予期せぬ行動をとる傾向がある。【魅力】の高いキャラクターが〈威圧〉技能を使用するとき、彼は相手を、多少は言いなりになるが、恐慌状態になったり、反感を抱いたりしない程度に適度におびえさせるこつを心得ている。

君は状況に応じて〈威圧〉判定(やその他の判定)にボーナスを与えたり、判定に別の能力値を使わせたりすることができる。


Q.『プレイヤーズ・ハンドブック』P.104によれば、自分の着ている種類の鎧に《習熟》していない場合、移動に関連する技能判定にペナルティを受ける、とあります。この技能はどれを指しているのでしょう?

A.鎧に《習熟》していない場合のペナルティは《解錠*》、《隠れ身》、《軽業》、《騎乗*》、《忍び足》、《すり》、《装置無力化*》、《脱出術》、《跳躍》、《登攀》、《平衡感覚》に適用される。

*この技能は通常なら、防具による判定ペナルティを受けないが、防具に《習熟》していない場合のペナルティは受ける。


Q.〈視認〉判定や〈聞き耳〉判定の基本難易度はいくつですか?『プレイヤーズ・ハンドブック』によれば、〈視認〉判定の基本難易度は5のようです。ところが、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』では基本難易度は20とあります。同様に〈聞き耳〉判定でも、基本難易度は5となっているところもあれば、もっと高い数値になっているところもあります。

A.どんな技能でもそうだが、〈視認〉や〈聞き耳〉の難易度も状況による。君がいろいろと違う数値の難易度を見かけるのはそのためだ。通常、〈視認〉や〈聞き耳〉の判定には対抗ロールが必要となる。〈視認〉の場合、使用者の〈視認〉判定は、気付かれぬようにしようとしているクリーチャーの〈隠れ身〉判定との対抗となる。〈聞き耳〉も同様だが、対抗技能は〈忍び足〉となる。

対抗判定には基本難易度はない。相手方の判定結果が難易度となる(詳しくは『プレイヤーズ・ハンドブック』P.60の『対抗判定』参照)。時に、状況が対抗判定の難易度に影響することがある。たとえば、距離はほとんどの〈視認〉と〈聞き耳〉の判定に影響する。〈視認〉や〈聞き耳〉技能の使い手と、気付かれまいとするものとの間の距離が10フィートあるごとに、難易度を+1する。


Q.私は、自分の冒険で、不意討ちに気付くかどうかの判断を下すのに苦しんでいます。敵に気付くかどうか決めるのに〈視認〉と〈聞き耳〉の両方を使っていますか?それともどちらか1つだけですか?後者なら、どちらを使うか決定するのはいつですか?距離、視認性、障害物、光源、視覚の種類といった要素が〈視認〉判定の難易度に影響することは明らかです。また、プレイヤー(やモンスター)のロールが高ければ高いほど、遠くで行なわれている活動に気付くことでしょう。しかし、こういったことは、2つの集団の間の距離を決める完全にランダムなダイス・ロールにまとめられてしまっているように思えます。それでいいのですか?そうだとすれば、なぜですか?

A.遭遇の開始時に誰が誰に気付いているかを決定する前に、君は『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.59~60に示したシステムを用いて、2つのグループ間の初期遭遇距離を決めなければならない。遭遇開始時における2つの集団間の距離は、大部分が地形と視認性で決まるものだ。

PCの冒険者たちが野外にいる場合、初期遭遇距離を決めるためにランダムにロールする必要がある。というのも、野外での遭遇では、DMが考えに入れることのできぬほどさまざまな要素が関わってくるからだ。たとえば、オークが木々の間に顔を出した一瞬に、誰かがちょうどその方向を見ていただろうか?

PCが周囲の危険を調べていたのは正確にはいつで、顔から転んでしまわぬように3フィート先の地面を見ていたのはいつか? 見渡せるような、平らで開けた場所がすぐそこにあるだろうか? それとも、視界を遮る藪や小山があるのだろうか? といったことだ(ほとんどのDMは野外マップにすべてのくぼみ、すべての小山、すべての木、すべての藪を記入したりはしないものだ)。

『ダンジョン・マスターズ・ガイド』の表3-1を見れば、どうやって、さまざまな地形における初期遭遇距離を決定するのかがわかる。

野外における2グループ間の距離を決定したなら、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』表3-2に示した修正値を用いて、各グループのための〈視認〉判定を行なうこと。これによって、両グループが互いを目にしたかどうかが決まる。この〈視認〉判定には距離による修正はない。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』に記したように、成功したものは皆、相手のクリーチャーやグループを目にする。この判定に失敗したものは皆、両者の間の距離が最初にロールした距離の半分に縮まるまで、相手側に気付くことはない。たとえば、4人の冒険者から成るパーティが陽光の射し込む森の空き地に出、そこで8匹のトロルが食事をしていたとする。DMである君は、空き地を“草原”として扱い、互いを目にするまでにパーティがどれだけ近付いたかを決定するために6d6×10フィートをロールする。君は210フィート(平均値だ)という結果を得た。パーティがトロルたちから210フィートのところまでやって来たら、君はパーティ・メンバーそれぞれと、トロルそれぞれについて〈視認〉判定を行なう。

パーティの〈視認〉難易度は24だ。これは以下のように求められた:20(この状況下での〈視認〉判定に対する基本難易度)-4(トロルのサイズ)+5(背景との色合い:君は、トロル側がかなり背景に溶け込んでいると判断した)+5(トロル側は動いていない)-2(トロルが6体以上いるため)。

トロル側の〈視認〉難易度は20(基本)±0(サイズ)-5(背景との色合い:パーティの防具や武器は陽光の射し込む空き地の中ではかなり目立つ)で、合計難易度は15となる。

どちらのグループの誰も〈視認〉判定に成功しなかったなら、どちらのグループも、105フィートの距離で自動的にお互いを目にする。そして、遭遇はその距離で、両グループが互いに気付いている状態で始まる(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.61参照)。一方のグループのみが相手を目にしたなら、判定に成功したグループは相手に気付いており、もう一方のグループが気付くまでの間に行動することができる。気付かなかったほうのグループは、状況が進展して気付くはめになるまで、相手に気付かぬままとなる。

PC側はトロル側に気付かず、トロル側はPC側に気付いたと仮定しよう(かなりの可能性で発生する事態だ)。トロル側が単にPC側に向かって前進したなら、PC側は105フィートの距離でトロル側に気付き、君はイニシアチブを振ることになる。トロル側が遠隔武器を持っていたら、君はパーティに対して遠隔攻撃を始めようとすることができる。その場合、105フィート以内に入る前に射撃を始めたなら、トロル側はPC側を不意討ちすることができる。

トロル側には遠隔武器がないが、ちょっとばかりずる賢かったとすれば、彼らはPC側を待ち伏せようとするかもしれない。トロル側がほふく前進で藪の中に隠れ、PC側が突撃距離に入るまで隠れようとしたとしよう。

PC側は気付いていないが、遭遇はすでに始まっている。トロル側がPC側を不意討ちできたかどうか決定するために、105フィート(最初の遭遇距離ロールの半分)でPC側に〈視認〉判定を行なわせ、50フィート(前に判定を行なった距離の半分、切り捨て)でもう一度、そして最後に30フィート(トロル側が突撃に入る直前)で判定を行なわせることをお勧めする。この判定は通常の〈視認〉判定として、トロルの〈隠れ身〉判定と対抗で、距離による修正を入れて解決すること。すでに遭遇は始まっているので、最初の遭遇距離を決める手順は使用しないこと。

トロルの〈隠れ身〉判定には、隠れる時間がたっぷりあったということで+2のボーナスを、藪に隠れていることで即興の状況ボーナスとして+5のボーナス(この場合、遭遇距離を決定する際に背景との色合いとして与えたのと同じボーナス)をつけよう。注意深く隠れているトロル側にとっては簡単なことであるため、トロル側の〈隠れ身〉判定に出目10ができることとしよう。

PC側の〈視認〉判定の難易度は10(トロル側は出目10を選んでいる)+2(『モンスター・マニュアル』のデータを使用すると、トロルの【敏捷力】は14なので)-4(トロルのサイズは大型なので;『プレイヤーズ・ハンドブック』の〈隠れ身〉技能の説明参照)+7(トロル側への状況ボーナス)で、合計難易度は15となる。105フィートの距離では、PC側の〈視認〉難易度は25(15+距離による10)であり、50フィートの距離では20に下がり、30フィートでは18に下がる。

PC側が幸運で、105フィートか50フィートの距離でトロル側を目にしたなら、トロル側の策略は失敗し、PC側を不意討ちできなかったとみてよいだろう。2つのグループがこれだけ離れているのに(特に、相手側に気付いている方のグループが隠れて、相手側が近付くのを待っているだけなのだから)不意討ちラウンドを解決するのには意味がないため、両者が互いに気付いているものとして遭遇を始めればよい。PC側が気付かぬうちに30フィートまで近付いたなら、30フィートに入った時点で行なった〈視認〉判定の結果によっては、PC側のうち何人か、あるいは全員が不意を討たれるかもしれない。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』のP.61に解説されているように、不意討ちラウンドを解決すること。

トロル側に気付いたかどうかの〈聞き耳〉判定をPC側にさせることもできるが、トロル側はじっとしているだけで、大きな音は立てないため、〈聞き耳〉判定の難易度は30(動かず、不可視状態のクリーチャーを聞きつける難易度に等しい;『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.78参照)で、それに距離による修正がかかる。そのような場合、成功する可能性が最も高い技能(〈視認〉)だけを使用し、両方を使用せぬこと。

ダンジョン内や建物の内部での冒険を行なっている際には、マップを見れば、クリーチャーの視線が遮られているかいないかわかるため、遭遇距離をランダムにロールする必要はない。このような場合、相手に気付いたかどうか決めるには、〈視認〉判定より〈聞き耳〉判定のほうがよいことが多い。一般的に、最初の遭遇距離が照明や視線によって制限されているなら、相手に気付いたかどうか決めるのに〈聞き耳〉判定の使用を考えてみよう。

例に挙げた4人組のパーティが地下で8匹のトロルに会ったとしよう。トロル側は扉のない部屋で休んでおり、その部屋からは長さ50フィートの通路が延びていて、そこで右に曲がり、さらに40フィート延びて、さらに曲がっているとしよう。ほとんどの場合、トロル側とPC側は、PC側が角を曲がった時点で、50フィートの距離を隔てて互いを目にする。しかし、一方が非常に静かで、もう一方が非常に騒がしければ、〈聞き耳〉判定がふさわしいだろう。

トロル側がナックルボーン(訳注:羊の趾骨を使った遊び)を遊ぶのに忙しいとしよう。最初の曲がり角を曲がったときに、パーティはトロル側を聞きつけるかもしれない。話しているクリーチャーを聞きつけるための基本〈聞き耳〉難易度は0で、これは距離(この場合は90フィート)によって修正され、〈聞き耳〉難易度は9となる。パーティがトロル側を聞きつけたとすると、遭遇が始まり(トロル側は気付いていないが)、PC側は次の角までこっそりと進み、恐らくはトロル側を不意討ちすることができるだろう。そうするためには、PC側は〈忍び足〉判定を行なわなければならず、これは(〈忍び足〉技能の説明にあるように)移動速度と防具によって修正を受け、トロル側はPC側の〈忍び足〉の結果を距離(この場合、PC側が見られずに最大限近付ける距離である50フィート)によって修正したものに基づいて〈聞き耳〉判定を行なう。


Q.〈隠れ身〉の機能について、ちょっと混乱しています。『ダンジョン・マスターズ・ガイド』では、P.60で、遭遇開始時に誰が誰を見つけたかを決定する方法について書かれています。しかし、『プレイヤーズ・ハンドブック』の〈隠れ身〉技能の説明には、10フィートごとに-1の距離によるペナルティが与えられています。これは『ダンジョン・マスターズ・ガイド』では使われていないように思えます。一体、どのように働くのでしょう?

A.誰かが他人から隠れようとしているなら、気付かれまいとするクリーチャーは〈隠れ身〉判定を行ない、これはもう一方のクリーチャーの〈視認〉判定と対抗となる。この時は確かに、距離10フィートごとに-1のペナルティがつく。

しかし、君が言っているのは〈隠れ身〉の使用例ではない。それは、最初の遭遇距離を決定する際に、気付かれにくくする場合の効果なのだ。そしてそれは、隠れることとイコールではない。

1つ前の質問に出てきたPCたちが、〈隠れ身〉技能を使おうとしているなら、彼らの野外移動速度は半分になり、彼ら自身がほかのクリーチャーに気付くための〈視認〉判定は-2のペナルティを被り(これらすべては『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.60の『隠れ身と視認』で説明されている)、彼らがトロル側を目にするための〈視認〉難易度は22となる。

1つ前の質問に出てきたトロルたちがPC側を目にするのは非常に難しくなっただろう。具体的にどれだけ難しくなったかは、PC側がどれだけ〈隠れ身〉に修正を得ることができたかによる。この場合、グループ内でもっとも低い〈隠れ身〉修正を使用すること。PCの中で〈隠れ身〉技能がもっとも低い人物の〈隠れ身〉修正が0だとしよう。すると、トロル側の〈視認〉難易度は25(視認しようとする対象のグループが隠れている際の基本値)±0(サイズ)±0(パーティでもっとも低い〈隠れ身〉修正)±0(背景との色合い:前の質問の例では、PC側の防具や装備のため、色合いによる修正は-5だったが、今回は、防具の効果はすでにパーティの〈隠れ身〉修正に含まれている)で、合計難易度は25となる。

〈視認〉判定に成功あるいは失敗した場合の効果は、前の質問に書いた通りだ。


Q.キャラクターは、自分の持っていない技能に対して相乗ボーナスを使用できますか?

A.得られる。君の技能によって、別の技能に相乗ボーナスを得ることができるなら、君はその“別の技能”を使用して判定を行なう際にはいつでもそのボーナスを得ることができる。たとえ、未修得で技能判定を行なう場合でもだ。ただし、相乗ボーナスがあるからといって、その技能を修得したということにはならないことに注意。その技能に1ランクでもあれば、修得したことになる。


Q.〈軽業〉技能の説明によれば、軽業によって通常の移動の一部として20フィートまで、敵の占めている場所を移動するか(難易度25)、敵の機会攻撃範囲を移動することができる(難易度15)、となっています。この20フィートは連続していなければならないのでしょうか?敵がジグザグに配置されていて、その全員を通り抜けるだけの移動力があったとすると、それぞれの敵を通り抜けるためにこの20フィートを5フィートずつの塊に分割することはできますか?それとも、これは〈軽業〉技能を複数回使っていることになるからダメですか?できるのなら、通り抜けようとする敵1体ごとに別々にロールしなければなりませんか?《一撃離脱》の一部として〈軽業〉を行なう場合はどうですか?

A.〈軽業〉は移動の一部であり、独立したアクションではない。君は、〈軽業〉で20フィートを超えて移動したり、移動速度より長い距離を移動したりするのでないかぎり、移動アクションの間に何度〈軽業〉を行なうこともできる。〈軽業〉を行なうたびに、その時々にふさわしい難易度を用いて、別々の〈軽業〉判定を行なう。君が2倍移動の間に〈軽業〉を行なうなら、君はそれぞれの移動アクションの一部として、20フィートずつの〈軽業〉移動を行なうことができる。

《一撃離脱》を使用している場合、君は移動アクションと攻撃アクションをとっていることになる。従って、君は1回ぶんの移動アクションをとり、その一部として最大20フィートまで〈軽業〉移動することができる。ただし、攻撃の前と後の両方で〈軽業〉移動をすることができる。


Q.〈言語〉技能について疑問があります。これは、読み書きができないクラスのキャラクターが読み書きできるようになるための技能だと思っていました。その後、ローアマスターがこの技能をクラス技能として持っていることに気付きました。この技能は何のために使うのですか?読み書きできるようになるために技能ポイントを2点使うのではないのですか?それとも、言語1つにつき2技能ポイントの割合で言語を学ぶために技能ポイントを使うのですか?学べる言語の数は種族によって制限されますか?それとも【知力】修正値以外には制限されませんか?

レベルによって、いくつ言語が学べるかに影響がありますか?【知力】が変化したらどうなるでしょう?

A.〈言語〉技能によって、新たな言語を会話できるようになる。読み書きができるなら、会話できる言語の読み書きもできる。この技能のおかげで会話できるようになる言語は、種族、クラス、【知力】によって会話できる言語に追加して学ぶものだ。大部分のキャラクターは、新しい言語を1つ学ぶのに技能ポイントを2点消費しなければならないが、ローアマスターは〈言語〉がクラス技能であるため、技能ポイント1点で1つの技能を学ぶことができる。

〈言語〉技能ではランクを買うことはないため、最大ランクについて思い悩む必要はない。費やせる技能ポイントがある限り、好きなだけ多くの言語を学ぶことができる。

開始時の【知力】は、この技能を取っていない段階でどれだけの言語が会話できるかを決めるものだ。【知力】が上がっても新しい言語を学ぶことはないし、【知力】が下がっても言語を失うことはない。

バーバリアン以外のすべてのキャラクターは、プレイ開始時に自動的に読み書きができる。バーバリアンは技能ポイントを2点消費することで、読み書きができるようになる。しかし、これは新しい言語を学ぶこととイコールではない。


Q.ちょっと〈真意看破〉技能について混乱しています。プレイヤーの代わりにこっそりDMがロールするのはどんなときで、プレイヤーが意識的に選んで使おうとするのはどんなときでしょう?〈はったり〉判定と対抗する場合、DMがプレイヤーの代わりにこっそりロールするのだというのははっきりしています。しかし、“直感”や“心術感知”の際は、誰がロールするのでしょう?プレイヤーが心術をかけられたNPCと遭遇した場合はDMがこっそり振るのでしょうか?それとも、プレイヤーがDMに「このNPCは心術にかかっていると思うから判定したい」と言うのでしょうか?多くの技能で私が問題としているのは、(〈視認〉や〈聞き耳〉のように対抗判定に使う技能において)「DMがプレイヤーの代わりにこっそり技能判定を行なう」ということを言っているのだと思っているのに、「プレイヤーは技能判定をロールすることができる」と書いてあることです。

A.一般的に、どんな技能でも積極的に使う場合は、プレイヤーがロールする。キャラクターが特にそうしようとしていないのにたまたま何かに気付く場合や、実際に起こっていることをDMが秘密にしておきたい場合には、DMがこっそりとロールする。たとえば、キャラクターが扉の向こうに〈聞き耳〉を立て、本当に何の音もしないのか、それともロールの結果が悪かったのか、プレイヤーに判らないようにDMがこっそり〈聞き耳〉判定を行なうということがある。いつプレイヤーにロールさせて、いつDMがこっそりロールするのかはその時々の判断と好みの問題だ――ゲームにDMがいるのはそのためだ。


Q.私のPCがダメージを及ぼすモールド(カビ)を発見したとすると、そのモールドの種類を知るのに必要な難易度はいくつですか? この場合、〈野外知識〉判定をすればよいのでしょうか? それとも〈知識:自然〉判定でしょうか?この2つの技能の違いは何ですか?〈知識:自然〉のほうが多くのことがわかるので、〈野外知識〉でできることは何でも〈知識:自然〉のほうがもっとよくできるように思えます。〈野外知識〉があれば、迷わないようにすることができますが、〈知識:自然〉があれば、自然環境下でトラブルにあったときにそこから抜け出す手順を知っているはずです。

A.〈野外知識〉でも〈知識:自然〉でも、モンスターを識別することはできない。〈野外知識〉があれば、骨が散らばっているのを見つけたり、土地の動物がそこを避けていることに気付いたりすることで、そのモールドのある場所が危険であるということがわかる。そうした危険に気付くための〈野外知識〉判定の難易度は少なくとも15で、危険なモールドなどというものは月並みな危険ではないことを考えれば、20とするのが適当だろう。いずれにせよ、そのモールドが危険だと気付くために〈野外知識〉を使うには、そのモールドが野外の環境下になければならない。

〈知識:自然〉を持つキャラクターが殺人モールドについて何かを知っている可能性はある。殺人モールド(やその他の、一見して危険とはわからないが危険なクリーチャー)に気付くための難易度は20から30の間になるだろう。クリーチャーが珍しいものであればあるほど、難易度は高くなる。

〈知識:自然〉は〈野外知識〉の代用にはならない。事実、現在でも、自分には野外でどう行動すべきかがわかっているのだと思っていながら実際はわかっていなかった者たちの事故死、凍死、餓死、渇死した死体が大自然の中には転がっているのだ。〈知識:自然〉技能を持つキャラクターは、本から野外環境下でどのように行動するのが適切かということを多少学んでいるかもしれない。しかし、〈知識〉技能からは、実用的なノウハウはほとんど得られない。よくても、〈知識:自然〉判定に成功することで、〈野外知識〉判定を行なう際に+2の状況ボーナスが得られるくらいだろう。〈知識〉判定の難易度は、ある問題がどれくらい難しい(とDMが考える)かによる。それでも、常に最低15はあることにすべきだ。


Q.私のモンク・キャラクターは移動速度以上の距離を跳躍することができます。この距離と、走り幅跳びに必要な20フィートの助走距離を加えると、私のモンクはただ助走し、跳躍し、着地するだけのために2倍移動アクションを使わなければなりません。なぜなら、これらの距離はそのターンの最大移動距離に含まれてしまうからです。ロールした距離は跳ばなければならないのでしょうか? たとえば、幅10フィートの裂け目を跳びたいだけなのに、よい目が出て、私のモンクは25フィート跳ぶことになりました。25フィートまるまる跳ばなければならないのでしょうか?

A.いや、〈跳躍〉判定の結果は、君がどれだけ遠くまで跳べるかを示しており、どれだけ遠くまで跳ばなければならないかではない。

キャラクターがどれだけ遠くまで跳べるかには、さまざまなことがらが影響する。どれとどれが累積して、どれが累積しないのだろうか?累積するとしたら、そうした修正はどのような順番で適用していけばよいのだろうか?ハーフリングの1レベル・バーバリアン(移動速度30フィート)が、+12の〈跳躍〉技能修正値を持ち、リング・オヴ・ジャンピング をはめ、ブーツ・オヴ・スピード をはいているところを考えよう。さて、このキャラクターが疾走アクションをとったとしよう。このキャラクターはどれだけ遠くまで跳ぶことができるだろう?ブーツ・オヴ・スピード ではなく、ブーツ・オヴ・ストライディング・アンド・スプリンギング をはいていたらどうだろう?このキャラクターがバーバリアンではなく、モンクだったらどうだろう?

いつでも、まず君のキャラクターの基本移動速度を計算するところから始めよう。これには魔法による上昇分も含まれる。次に、君の〈跳躍〉判定の効果を計算し、それに対する上昇分があればそれも計算しよう。跳躍距離を計算するための倍数を掛ける前に、君のキャラクターの移動速度の変更を計算するのだ。

この例のキャラクターはバーバリアンなのだから、基本移動速度は30フィートだ(ハーフリングなので20フィート、少なくとも1レベルのバーバリアンなので+10フィート)。

魔法による効果が一切なく、走り幅跳びを行なって〈跳躍〉判定で20を出したと仮定すると、このキャラクターは最大で27フィートまで跳べる(最小距離の5フィート+〈跳躍〉判定の結果が10を超えた1ポイントにつき追加で1フィートなので、12+20=32;32-10=22;22+5=27)。しかし、走り幅跳びで跳べる最大距離は身長の6倍だ。平均的なハーフリングの男性の場合、これは18.5フィートだ(ハーフリングの男性の平均身長は3フィート1インチだ)。

君は他の種類の跳躍距離についても、同じ方法で計算できる。ただし、最小距離と〈跳躍〉判定の効果は、跳躍の種類によって異なる。

リング・オヴ・ジャンピング は〈跳躍〉判定に+30を加え、さらに、身長による制限をなくす。ブーツ・オヴ・スピード はヘイスト呪文の効果を与えるので、跳躍距離は50%だけ伸びる。従って、この例のキャラクターが走り幅跳びをしたならば、85.5フィート跳べることになる(12+20+30-10=52;52+5=57;57×1.5=85.5)。

ブーツ・オヴ・ストライディング・アンド・スプリンギング は、着用者の基本移動速度を2倍にするため、この例のキャラクターの基本移動速度は60フィートとなる。〈跳躍〉技能の解説で与えられている跳躍距離は基本移動速度が30フィートの場合のものであるから、基本移動速度の増加・減少は跳躍距離に比例関係で効いてくる。この場合、跳躍距離は2倍となるため、この例のキャラクターは走り幅跳びで114フィート跳べることになる(12+20+30-10=52;52+5=57;57×2=114)。  疾走しても基本移動速度は増えないため、走っても跳躍距離が増えることはない。単に、君のターンの間により遠くまで移動できるようにしてくれるだけだ。

この例のキャラクターがバーバリアンではなくモンクだったなら、基本移動速度が少しばかり低くなるため、跳躍距離も少しばかり減るだろう。モンクの高速移動能力は9レベルから超常能力になることに注意。そうなれば、モンクの高速移動はもはやブーツ・オヴ・ストライディング・アンド・スプリンギング と累積しなくなる。たとえば、人間の9レベル・モンクの移動速度は60フィートだ。ブーツ・オヴ・ストライディング・アンド・スプリンギング を着用すれば、このモンクの移動速度は100フィートになる(このモンクが達成できる魔法的でない最高の移動速度は8レベル時の移動速度である50フィートなので、それを2倍したものだ)。


Q.〈跳躍〉技能の説明によれば、跳躍で移動する距離は1ラウンドの移動距離に含まれるそうです。私のキャラクターが、1ターンの移動距離より遠くまで跳躍したり、移動速度より速く跳躍したら何が起こりますか?移動速度が40で、魔法のアイテムを起動したとします(標準アクション)。そして、次に走り幅跳びに必要な20フィートの助走をしたとします。すると、このターンに私が移動できる残りの距離は20フィートになります。〈跳躍〉距離の結果が25フィート以上になったらどうなるのですか?

A.君が可能な移動距離より遠くまで跳躍した場合、君はそれより短い距離だけ跳ぶか、あるいは、空中でターンを終え、次のターンに跳躍を完了させるかすることができる。君の跳躍距離が君の移動速度によって制限されるという記述はない。跳躍距離はそのターンでの移動距離に含まれるというルールがあるだけだ(この場合、君は〈跳躍〉判定結果を用いて、1回の跳躍でどれだけの距離を跳べるかを決定し、次に、どの跳躍を完了するまでに必要なだけの移動を消費するのだ)。

君が空中でターンを終えたなら、君の次のアクションは、跳躍を完了するか続けるかするための移動アクションでなければならない。1回の跳躍には判定は1回だけ行なえばよいことに注意。


Q.高さ30フィートの高跳びをした場合、そのキャラクターは落下ダメージを受けますか?あるいは、幅200フィートの幅跳びができたとすれば、そのキャラクターは落下ダメージを受けますか?受けるとしたら、どれだけですか?

A.『ダンジョン・マスターズ・ガイド』では、跳躍時に高いところから進んで飛び降りた場合にダメージを被るとなっている。しかし、離陸地点より低いところに着陸したのでないかぎり、高いところから飛び降りたことにはならない。これは、離陸地点と着陸地点の間を跳躍する間にどれだけ高いところまで跳びあがったかには関係ない。また、どのような場合でも、君の〈跳躍〉判定結果が15以上なら、君は最初の10フィートぶんの落下によってダメージを被ることはなく、次の10フィートぶんは非致傷ダメージとなる(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.112参照)。君が30フィートの障害を高跳びによって跳び越え、向こう側の床がこちら側と同じならば、君が落下ダメージを被ることはない。しかし、向こう側の床の方がこちら側より30フィート低かったならば、君は30フィートよけいに落下することになる。この時のダメージは1d6ポイントの通常ダメージと1d6ポイントの非致傷ダメージになる(君が跳躍した30フィートぶんはダメージなし、落下の最初の10フィートはダメージなし、次の10フィートは1d6ポイントの非致傷ダメージ、最後の10フィートは1d6ポイントの通常ダメージ)。もちろん、これは君の〈跳躍〉判定結果が少なくとも15はあった場合のことだ。