毎年、特別区では参加希望者を対象にした「合同説明会」が開かれます。
”希望者のみ”の説明会となりますので、参加するもしないも、受験生の自由です。
ただし、受験前の情報収集の場として非常に有効ですので、特ゼミでは「参加する」という選択を強くオススメしています。
今回は、特別区の合同説明会とはどのような説明会なのか、参加した感想も含め、詳しく解説していきます。
特別区の合同説明会とは?
「合同説明会」といっても、どのようなものなのかイメージできていない方も多いと思います。
まずは、どのような説明会なのか紹介していきます。
各区の個別ブースで説明を聞くことができる
特別区の説明会では、23区全ての説明が順に行われるのではなく、各区が個別のブースに分かれています。
参加者は希望する区のブースに行き、それぞれの区ごとの説明を聞くような形です。
まず、参加者は入場時に合同説明会のパンフレットをもらいます。
このパンフレットはHPで公開されているので、電子パンフレットを参加前に見ることもできます。
そして、説明を希望している区の説明会の時間に該当の場所に行き、説明を聞く、というのが簡単な流れです。
各区、何時に何処で説明会を開催するのかが書かれているので、事前に1日のスケジュールを立てておくと良いでしょう。
1つの説明会の所要時間は約1時間ですので、5~6個のブースを回ることも可能です。
中には、複数の区が一緒に説明会を開くケースや、パネルディスカッション、個別相談のブースなどもあります。
ちなみに、令和5年度の合同説明会は立教大学の池袋キャンパスにて開催されるなど、都内の大学が会場になることが多いです。
<令和5(2023)年度 特別区(23区)合同説明会 詳細>
・日時
令和5年1月15日(日)10:00~16:00
・会場
立教大学 池袋キャンパス
【注意】人気区は満席になることも
参加者が自由に区を選んで説明を聞ける会のため、どうしても、人気の区と不人気の区が出てしまいます。
人気の区は、前の区の説明会中から行列ができるほどなので、満席になってしまうことも。
逆に不人気の区は、職員自ら説明会へ誘導するようなこともあります。
定員に達してしまうと、その時点で満席となり、説明を聞くことができなくなるため、人気区の説明を聞きたい場合は時間に余裕をもって並ぶようにしましょう。
ただし、各区何回かにわたって説明会を開催するので、次回以降の回に参加すれば、「説明を聞けなかった」なんてことはありません。
ちなみに、下記の記事では特別区の人気区・不人気区など、志望区について考察しています。
希望区選びで悩んでいる方は別途ご参照ください。
説明会を上手に回る方法
上記の通り、人気の区は長蛇の列で満席になってしまうこともあるので、時間に余裕をもたせたスケジューリングがカギとなります。
まず、説明を聞きたい区を5つほど選び、優先順位を決めておきます。
パンフレットを見れば、その区が何時に何処で説明会をするのかが分かるので、何時にどこに行くという目星を付けておきましょう。
満席で入れないケースも考慮して、人気区から聞きに行くというのもアリですが、開会直後の説明会は人気区ほど人が集中するため、あえて午後に人気区を回るという方法もオススメです。
ただ、「希望する区の説明を聞けなかった」なんてことになってしまっては元も子もないので、なるべく開会とともに参加し、早めに行動することをオススメします。
説明会への参加をおすすめする理由
特別区の受験を希望しているのであれば、ぜひこの合同説明会に参加してください。
「希望する区は決まっているから、説明は行かなくても大丈夫」、「参加する時間があるなら受験勉強に当てたい」、そんな人もいると思いますが、受験生にとって有益な時間になるのは間違いありません。
説明会への参加を強くオススメする理由は、3つあります。
①各区職員から直接情報収集ができる
この説明会は区の現役職員の方が行っているため、実際のリアルな情報を入手することができます。
今はネットで色々な情報を収集することができますが、やはり実際に働いている方からの情報というのは相当有益です。
説明会の内容については、それぞれの区に委ねられているため、区によって個性が出ていて面白いですよ。
同世代の若い職員を中心にカジュアルな雰囲気で説明してくれる区もあれば、ベテランの職員がしっかり分かりやすく説明してくれる区もあります。
一概にどちらが良いとはいえませんが、実際に参加してみると、自ずと”自分に合っている区”というのが見えてくると思います。
特別区は原則としてOB訪問を禁じられているので、現役職員の話が聞ける機会はなかなかありません。
また、説明会ではそれぞれの区のパンフレットを配ってくれるので、各区の情報収集や比較にも役立ちます。
区によっては、受験生のためにつくられた合格者の勉強方法をまとめたものを配布してくれることもあるため、参加して損は絶対にありません。
そういったパンフレットを頂けたときはしっかり目を通し、面接等に活かしてください。
②希望区を絞ることができる
個人的に合同説明会に参加してよかったことは、希望区を明確にできたことです。
私は、第1希望の区があり、この区の説明会を聞くために参加しました。
しかし、第1希望区の説明会は思い描いていたものとは大きく異なり、率直に「ここを志望するのはやめよう」と思いました。
というのも、説明会の内容もいまいち頭に入ってこず、職員の方々も何となく適当にこなしているように見えてしまったのです。
一方、せっかく来たのだからと説明を受けたとある区の職員はとても生き生きとしていて、区の方針や将来展望にも共感することができました。
合同説明会に参加するまでは、「絶対この区の職員になるぞ」という強い思いがありましたが、その区の志望はやめて他の区を第1希望として受験し、無事入区することができました。
この点は実際に参加してみないことには分からないことなので、既に第1希望区を決めている人も、ぜひ参加して様々な区を比較・検討してみてください。
③希望する区の人気度を把握できる
特別区は志望者数や倍率を公開していないため、受験生は”目安”のようなものがないままに勉強をすることになります。
しかし、合同説明会は、実際にその区を志望している受験者がどのくらいいるのかを目で見て実感することができるので、今後の受験勉強のモチベーションにもなります。
説明会を一緒に聞いている他の受験者たちは、全員ライバルだということです。
予備校に通っている人にとっては見慣れた光景かもしれませんが、独学の人にとっては、実際のライバルたちを見るチャンスでもあります。
ぜひ、このときの思いを勉強に活かしてください。
合同説明会への参加は評価に影響するのか?
合同説明会への参加の有無は、「特別区職員採用試験・選考」の合否には影響しないと明記されています。
ただし、各区の採用試験(区面接)の選考に影響しないとは明記されていません。
各区の説明会に参加すると、説明会に関するアンケートの記入を求められることがあります。
このアンケートは名前も明記するものなので、説明会を受けた人の名前は、区にリストアップされていることになります。
憶測にはなってしまいますが、例えば区面接において「説明会に参加したか?」と聞かれて「参加しました」と意欲をアピールすることができたなら、面接の評価にプラスに影響する可能性も十分に考えられます。
全く影響しないこともあるとは思いますが、これまで説明してきた通り、説明会への参加は自分にとってもプラスになることなので、ぜひ参加してみてください。
まとめ
合同説明会への参加は、各区の雰囲気や職員の様子、その区の”リアル”な部分を知ることのできる最高のチャンスです。
今年は、3年振りにオンラインではなくオフラインの実地開催となり、約3,000人が参加しました。
合同説明会は各区の説明だけではなく、色々な面で非常に有益ですので、時間を確保してでもぜひ参加しましょう。
特別区は、論文と面接の配点が高いことで非常に有名です。
合格するためには、教養試験、専門試験の勉強だけではなく、論文対策と面接対策がとても重要なのです。
択一試験以外にもしっかり時間を割いて、入念に対策していきましょう!