「特別区には経験者採用があるらしい!」
「今の会社は激務薄給だし転職したいなぁ」
「でも、社会人の採用は倍率が高くて難しそう…」
“経験者採用”と聞くと、何となく「難しそう」という印象がありますよね?
でも大丈夫!
確かに倍率は低くはありませんが、他の組織と比べると挑みやすい水準なんです!
実際に過去の倍率を見てみましょう。
年度 | 特別区経験者採用 | |
1級職 | 2級職 | |
2022(令和4)年度 | 6.0 | 7.9 |
2021(令和3)年度 | 7.6 | 12.9 |
2020(令和2)年度 | 8.0 | 14.2 |
こうして見てみると「確かに不可能ではないかも…」という気がしませんか?
「それでも倍率は高いなぁ…」という人もいると思います。
ただ、都道府県庁や政令指定都市の倍率は30倍~40倍になることもザラですから、それに比べるとずっと挑みやすいんですよ(例えば、昨年の横浜市の倍率は約30倍でした)。
そもそも、自治体によっては経験者採用枠自体がないので、毎年何百人も採用している特別区はやっぱり狙い目だと言えるでしょう。
今後は経験者採用の枠がさらに増えていくでしょうから、公務員へ転職したい人は絶対に受験すべき組織です!
さて、そんな特別区経験者採用ですが、採用方式は他の組織とかなり異なっています。
特別区は千代田区、新宿区、練馬区といった様々な区からなっており、各区とも独立した自治体です。
しかし、職員の採用試験は共同で行っています。
つまり、
「渋谷区の職員になりたい!」
「地元の台東区がいい!」
「港区で公務員として働きたい!」
といったときには、まず各区が共同で行っている「特別区採用試験」に最終合格する必要があります。
その後、区ごとに行われる面接試験(通称「区面接」)を受けて内定を勝ち取れば、その区で働けるという流れですね。
といっても、いきなり言われてもよく分からないと思います(笑)
そこで今回は、そんな複雑な特別区経験者採用試験について、誰にでも分かるように徹底解説していきます!
・最低4年間の社会人経験が必要
・教養試験、論文試験、面接試験が課される
・教養試験は足切りを超えればOK
・特別区経験者採用試験に最終合格した後、各区ごとの採用試験がある
・希望区に採用されたいなら上位合格が必須
・1次試験は論文の配点がとても大きい
・論文と面接の対策が極めて重要
※ちなみに31歳以下の場合、Ⅰ類(いわゆる大卒程度)採用試験も受験することができます。
ただし、経験者採用試験との併願はできませんので、どちらか一方の採用区分を選ぶ必要があります。
※なお、経験者採用のオススメ予備校については下記の記事で徹底解説しています。
採用区分と受験資格
2つの採用区分
特別区経験者採用試験は、職務経験の年数に応じて2つの区分が設けられています。
それぞれの受験資格は下記の表の通りです。
※厳密には3級職もありますが、ほとんどの職種で募集はありません。
1級職 | 2級職 |
|
|
どちらの区分も試験日程は同一で、内容もほとんど変わりません。
ただし、応募条件と採用人数が異なるため、受験者数や倍率も異なっています。
とはいえ、いきなり1級職や2級職と言われても「?」となるでしょうから、簡単に説明しますね。
次の図を見てみましょう。
経験者採用1級職で採用された場合、実質的には職歴3年目の職員として働くことになります。
つまり、新卒で採用されるよりも基本給が高い上に、出世のための昇任試験を早く受験できるんです!
さらに、2級職で採用された場合はいきなり主任からスタートできます。
本来、主任になるためには一定の在職年数と(かなり面倒な)昇任試験に合格しなければなりません。
しかし2級職で採用されれば、それらを全て飛ばしていきなり主任というポストに就けるのです!
受験資格
以下にある年齢制限と職務経験年数をクリアできれば受験可能です。
年齢制限
1級職、2級職ともに採用年の4月1日時点で59歳以下の人が対象となります。
例えば、2023年度に受験する場合、採用される2024(令和6年)年4月1日時点で59歳ならば受験可能です。
逆に、受験申込時点で59歳でも、翌年の4月1日までに60歳になってしまう場合には受験できません。
受験申込時点での年齢ではない点に注意が必要です。
職務経験年数
会社員(または自営業者など)としての職務経験が必要となります。
必要な年数は採用区分ごとに異なっており、それぞれ以下の通りです。
1級職 | 2級職 |
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|
特別区以外の自治体や、国家公務員として働いた期間も経験年数にカウントされます。
多くの自治体では公務員としての職歴は特別には考慮されませんが、特別区はきちんと考慮してくれるんですね!
そのため、公務員から公務員への転職を希望する人にとっては非常に魅力的な組織だと言えるでしょう。
独自の採用システムを徹底解説
まず、採用内定までの流れについて解説します。
ざっと簡略化すると、以下の5ステップが必要です。
2.特別区採用試験を受験
3.特別区採用試験に最終合格
4.各区ごとの面接を受験
5.区からの内定を獲得
注意して欲しいのが、「特別区採用試験」と「各区ごとの採用試験」の2段階に分かれているところです。
特別区経験者採用試験に合格しただけでは、各区で働くことはできません。
合格発表後に、合格者のみを対象に行われる各区ごとの面接、通称「区面接」に合格して、はじめて内定となります。
では、令和5年度のスケジュールを参考にしながら、内定までの流れを見ていきましょう。
②6/22~ 受験申込
⇒原則インターネット申込
⇒入りたい区を第1~第3希望まで書く。
⇒この時点で職務経歴書を作成・記入する。
③9/3 1次試験・選考
⇒筆記試験(教養試験+論文試験)
④10/20 1次試験合格発表
⇒合格通知に2次試験の日程・集合時間・試験会場が記載⑤10/28~ 2次試験
⇒個別面接1回(通称「人事委員会面接」)⑥11/17 最終合格発表⑦11/17~ 区面接
⇒最終合格順位、希望区等を考慮し、特定の区から面接の電話が来る。
※自分の希望区から連絡が来るとは限らない。
⑧採用内定
⇒受けた区から内定の連絡があれば試験終了
⇒仮に不合格となった場合には、別の区からの面接の電話を待つことになる。
このように、一般的な公務員試験と同様の「特別区経験者採用試験」を受験したうえで、最終合格後に「区面接」で各区から内定を勝ち取る必要があるのです。
また、国家公務員試験における官庁訪問とは異なり、自分からどの区の面接を受けるかを選ぶことはできません。
「最終合格順位」と「受験申込のときに書いた3つの希望区」などを参考に、最も適切な区が選ばれ、その区から最終合格者に区面接の電話が来ます。
そして、その区の面接を受験し合格すれば、内定となります。
仮に残念な結果に終わったとしても、別の区から面接の電話が来ることになります(来ない場合もありますが…)。
なお、区面接については下記の記事で徹底解説しています。
なお、2級職の場合には、1級職とは異なり区面接は一発勝負になります(別の区からの連絡はない)。
ただし、2級職は最終合格≒内定であり、区面接はほぼ意向確認の場となります。
不合格になる可能性は極めて低いため、安心して挑んでください!
特別区経験者採用試験の倍率
大変人気のある組織ですが、採用人数が多いこともあり倍率は10倍前後で推移しています。
著名な民間企業の採用倍率が数十倍、数百倍に達することと比較すると、まだ入りやすいほうだと言えるでしょう。
なお、近年の倍率は下記のとおりとなっています。
年度 | 特別区経験者採用 | |
1級職 | 2級職 | |
2022(令和4)年度 | 6.0 | 7.9 |
2021(令和3)年度 | 7.6 | 12.9 |
2020(令和2)年度 | 8.0 | 14.2 |
倍率のカラクリに注目
ただし、この倍率にはあるカラクリがあるのです。
次の表は、2022年の採用試験の実施結果です。
年度 | 区分 | 申込者 | 1次試験 受験者 |
1次試験 合格者 |
2次試験 受験者 |
最終合格者 | 倍率 |
2022(令和4) | 事務 | 1,702 | 1,287 | 436 | 424 | 215 | 6.0 |
最終倍率は6.0になっていますが、算出方法は「1次試験受験者÷最終合格者」です。
ここで見ていただきたいのが、1次試験合格者数と2次試験受験者数の部分です。
1次試験 受験者 |
1次試験 合格者 |
2次試験 受験者 |
1,287 | 436 | 424 |
1次試験合格者のうち、複数人が2次試験を受けていないことがわかります。
しかし、倍率の算出にあたっては、こうした2次試験を受けていない人も含まれてしまっているので、実際の倍率は6.0を下回るということになります。
真の倍率は?
では、真の倍率はどうなるのでしょうか?
これは「実際の受験者数÷最終合格者数」で算出できますね。
具体的には、次のとおりです。
1級職
年度 | 1次試験倍率 | 2次試験倍率 |
2022(令和4)年度 | 3.0 | 2.0 |
2021(令和3)年度 | 4.1 | 1.8 |
2020(令和2)年度 | 4.0 | 1.9 |
2級職
年度 | 1次試験倍率 | 2次試験倍率 |
2022(令和4)年度 | 3.2 | 2.4 |
2021(令和3)年度 | 4.8 | 2.6 |
2020(令和2)年度 | 4.7 | 3.0 |
これが特別区経験者採用の真の倍率です。
このように見てみると、第一関門である1次試験のほうが競争が激しいことがわかりますね。
2次試験の倍率は高くはありませんが、特別区は面接の配点比率が非常に高いと考えられており、1次試験の結果をひっくり返すほどだと指摘されています。
そのため、上位での最終合格を目指す場合には万全の対策が必要だと言えるでしょう。
人気区となると、倍率は跳ね上がる
ここまで解説してきた倍率は、あくまでも「特別区採用試験の倍率」です。
すなわち、最終合格者を対象に行われる区面接の倍率はまた別物だということです。
なお、区面接においても不合格(採用漏れ)は存在します。
何より、人気区を志望している場合、区面接からが本番と言っても大げさではありません。
実際、人気区における区面接の倍率は非常に高いと考えられます。
例えば、人気区の1つである港区の採用予定者数が若干名(1~3名)となっています。
※令和5年度経験者採用試験・選考のご案内より引用
合格者約200人のうち、20人が港区を第一希望にしていた場合、港区の倍率は7~20倍ということになりますね。
最終合格に至るまでの倍率に加えて、この7~20倍という倍率を考慮すると、東京都庁や横浜市役所などの人気自治体をはるかに上回る倍率だと言えるでしょう。
したがって、希望区からの内定を勝ち取るためには、最終合格を勝ち取る以上の対策が必要となるのです。
なお、採用漏れについては、下記の記事で徹底解説しています。
知らなきゃ損する特別区の特徴!
氷河期採用試験は併願不可能
注意しておきたいのが、特別区経験者採用試験と特別区氷河期採用試験は併願不可能だという点です。
皆さんの中には、経験者採用と氷河期採用のどちらの受験資格も満たしている人もいるでしょう。
しかし、特別区人事委員会の公式HPでは下記のように記述されています。
「経験者採用試験・選考」と、「就職氷河期世代を対象とする採用試験」を重複して申し込むことはできません(重複申込みは、受信の早いもののみ受理します。)。
上記のとおり、経験者採用と氷河期採用の併願はできないので、どちらを受験するか早めに決めておきましょう。
希望区に入るためには上位合格が必要!
一口に特別区と言っても、各区には異なった魅力や特徴があります。
例えば、千代田区と練馬区は雰囲気が大きく異なりますし、新宿区と文京区も趣がまるで別物です。
とはいえ、どちらも特別区ではあります。
そして、どの区の職員になるにしても、特別区経験者採用試験を最終合格する必要があります。
希望区に入るためには特別区経験者採用試験で上位合格することが求められます。
試験自体の難易度はそこまで高くありませんが、上位合格したうえで希望区に入るとなると、難易度は非常に高くなると言えるでしょう。
したがって、配点が非常に高いと考えられる、論文と面接の対策に全精力を注ぐことが重要です。
なお、区面接については、下記の記事で徹底解説しています。
教養試験は足切りのみ。合否は論文・面接で決まる
1次試験で課される教養試験は、足切りとしてしか使われません。
つまり、ボーダーギリギリでも満点であっても同じであり、合否の判断には使われないことが明記されています。
※令和5年度経験者採用試験・選考案内を参照
論文と面接の総合成績によって合否が決まるので、論文・面接対策を重点的に行うことが妥当な戦略だと言えます。
教養試験の勉強に注力しすぎて、結果として落ちてしまう受験生を毎年見かけるので注意が必要でしょう。
申込時点で職務経歴書を書く必要アリ
極めて重要なこととして、特別区経験者採用では申込時点で「職務経歴書」を書く必要があります。
web上で申込する際には、個人情報や各種経歴を入力していくと、職務経歴書の設問が表示されます。
その設問への回答を入力しなければなりません。
単なる履歴書ではなく、詳細な志望動機や職務経験なども書く必要があります。
さらに、ここで書いた職務経歴書は面接試験で実際に使われることになります。
そのため、完成度の低い内容を提出してしまうと、その時点で不合格フラグが立つことになります!
申込開始から締切まで時間はありますので、入念に内容を準備する必要があるでしょう。
言うまでもありませんが、遅く提出したからといって不利な評価を受けることはありません。
なお、昨年問われた設問を掲載しておきます。
今年から内容が変わる可能性もあるので、参考程度に見ておいてください。
1.あなたが特別区職員を志望する理由を、携わりたい職務と、その職務を通じて実現したいことを交えて記入してください。(320文字以内)
2.あなたが、特別区が求める「自ら考え行動する人材」に当てはまる人物であることを、今までの職務経験をもとに記入してください。(320文字以内)
3.今までの職務経験の中で失敗の許されない状況に直面した際、それをどのように解決に導いたか記入してください。(320文字以内)
4.【1級職】今までの職務経験の中で、あなたがチーム(組織)として達成したことを、あなたのチームにおける役割や、どのようにチームに貢献したかを交えて記入してください。 (320文字以内)
【2級職】今までの職務経験の中で、あなたが部下や後輩の指導・育成にあたった際、最も重視した点を記入してください。 (320文字以内)
※職務経歴書作成用の商材として「特別区経験者採用のバイブル」などという怪しげな商材を販売している業者もいるため注意が必要です。
1次試験の傾向と対策
教養試験
1級職 | 2級職 |
一般的な公務員試験とほとんど変わらないスタンダードな科目です。
特別区Ⅰ類(いわゆる大卒程度)採用試験と出題範囲は同じですが、難易度はかなり低めです。
そのため、特殊な対策は必要ありません。
「特別区経験者採用の過去問」を使って対策するのが王道です。
なお、特別区経験者採用の過去問(問題・解答)は下記の記事に掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
ちなみに、特別区経験者採用の教養試験対策について、特別区Ⅰ類の過去問を解くことを推奨する人が時折いますが、鵜吞みにしてはいけません。
なぜなら、経験者採用試験とⅠ類採用試験では問題の難易度が異なるからです。
実際、上記の主張は多くの予備校から「間違いである」と指摘されています。
そもそも、教養試験は足切りにしか使われないため、残念ながら高得点を目指すことにほとんど意味はありません。
論文の点数で合否が決まるので、教養対策は必要最低限におさえ、論文に注力するのが合格者に共通する戦略です。
職務経験論文
・1題必須解答
・制限時間は1時間30分
・1,200 字以上 1,500 字程度
恐らく、これまでの社会人生活で書いたことがないテーマだと思われます。
過去3年間で出題された問題を見てみましょう。
職場の活性化について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください。
仕事における目標設定と振り返りについて、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください。
仕事の優先順位について、あなたのこれまでの職務経験を簡潔に述べてから、その経験を踏まえて採用区分における立場として論じてください。
※ 採用区分とは、 1 級職は係員の業務を行う職、 2 級職(主任)は係長職への昇任を前提とした係長職を補佐する職、 3 級職(係長級)は係長、担当係長、主査又はこれに相当する職とする。
出題の傾向としては、「仕事への取り組み方」「仕事に向き合う姿勢」が問われています。
「職務経験」論文なので、これまでのあなたの職務経験をPRしつつ、出題されたテーマについて客観的に記述する必要があります。
絶対に避けるべきなのが、エントリーシートの自己PRのように書いてしまうこと。
あくまでも「論文」ですから、テーマについて客観的に論じなければなりません。
具体的には、職務経験から得られた学びを一般化して、「特別区の職員としてどのように活かすことができるのか」という形にまで落とし込む必要があります。
とても大変な作業ですが、自身の職務経験を何度も言語化していくことが大切でしょう。
受験生の職務経験はバラバラであるため、ここはテキストを読むだけでは絶対に上手くなりません。
課題式論文
・2題中1題選択解答
・制限時間は1時間30分
・1,200 字以上 1,500 字程度
職務経験論文と併せて書かなくてはならないのが課題式論文です。
上位合格を果たして自身の希望区に行きたいのなら、こちらの論文でも高得点が必要になります。
特に面接に苦手意識のある人は、必ず論文で稼がなくてはなりません。
それでは、過去の問題を確認してみましょう。
2 題中 1 題を選択すること。
1 シティプロモーションについて
2 複雑化・多様化する区民ニーズへの対応について
2 題中 1 題を選択すること。
1 インターネットを活用した誰もが利用できる行政手続に向けた取組について
2 持続可能な財政運営と区民サービスについて
2 題中 1 題を選択すること。
1 住民意識の多様化と自治体職員の役割について
2 若者の区政参加と地域の活性化について
テーマが2つ提示され、そのうち1つを選択する形となっています。
論文の配点が極めて高いため、テーマを複数用意することで受験者のリスクを分散する意図があるのでしょう。
過去の傾向としては「特別区の抱える課題」「区役所と地域(住民)の関わり」「区政運営のありかた」が問われています。
特別区の取組や方向性を踏まえた上で、行政はどうあるべきかをしっかりと理解していなければとても太刀打ちできないでしょう。
オススメの予備校は?
論文対策で重要なことは、「様々なテーマについて何度も書いて練習し、客観的な評価を得ること」です。
なぜなら、論文は択一とは異なり採点者による総合的な評価が必要な科目であり、本格的なトレーニングを行わないと点数が伸びづらい科目だからです。
予備校等を利用し、徹底的に論文を書くトレーニングを積んでおきましょう。
ちなみに、もしも経験者採用を受験することを決めたのなら、予備校は「社会人採用専門予備校Gravity」さんがオススメです。
経験者採用を専門としていて、実際に特別区経験者採用に合格している講師から指導をしてもらえるという点が高評価ポイントですね。
また、論文と面接の指導が手厚いようなので、興味のある人は検討してみるといいでしょう。
2次試験の対策
個別面接
2次試験は個別面接1回で、この1回で合否が決まります。
人格的な側面だけでなく、これまでの職務経験や職務に関連する知識について細かく問われます。
Ⅰ類採用試験、氷河期採用試験と同様、特別区の取組や政策、区政課題といった特別区に対する理解の深さも評価基準です。
面接官はあなたの職務経験やスキルについてほとんど何も知りません。
そのため、まずは自身の職務経験について、業界人ではない一般の人にも分かるように説明していくことが求められます。
1級職
申込時点で書いた職務経歴書の内容をもとに面接が進みます。
1.あなたが特別区職員を志望する理由を、携わりたい職務と、その職務を通じて実現したいことを交えて記入してください。(320文字以内)
2.あなたが、特別区が求める「自ら考え行動する人材」に当てはまる人物であることを、今までの職務経験をもとに記入してください。(320文字以内)
3.今までの職務経験の中で失敗の許されない状況に直面した際、それをどのように解決に導いたか記入してください。(320文字以内)
4. 今までの職務経験の中で、あなたがチーム(組織)として達成したことを、あなたのチームにおける役割や、どのようにチームに貢献したかを交えて記入してください。 (320文字以内)
申込時に書いただけなので、何を書いたのかを忘れてしまう人が後を絶ちません。
しかし、書いた内容を面接までに見返して、どんな内容を書いたか、どんな気持ちで書いたかを必ず確認するようにしましょう。
職務経歴書の内容がボンヤリしたまま面接に挑むのは非常に危険です。
また、面接の冒頭では、職務経歴書に書いた内容を3分程度でプレゼンする、通称「3分プレゼン」を求められるケースがあるようです。
※3分プレゼンはもともとⅠ類(大卒程度)採用試験の方で受験生全員が求められているものです。
これについては「俗説だ!」「噂に過ぎない」という声もありますが、先ほども紹介した「社会人採用専門予備校Gravity」さんなども同様の見解を示しています。
全員が求められるわけではないにしても、準備しておくに越したことはありません。
自分の職務経歴や特別区でやりたい仕事について分かりやすく伝える練習にもなりますからね。
「3分プレゼンを求められるかもしれない」ことを認識し、もしもの時のためにプレゼン対策を進めておきましょう。
2級職
1級職と同様、職務経歴書の内容に沿う形で面接が行われます。
1.あなたが特別区職員を志望する理由を、携わりたい職務と、その職務を通じて実現したいことを交えて記入してください。(320文字以内)
2.あなたが、特別区が求める「自ら考え行動する人材」に当てはまる人物であることを、今までの職務経験をもとに記入してください。(320文字以内)
3.今までの職務経験の中で失敗の許されない状況に直面した際、それをどのように解決に導いたか記入してください。(320文字以内)
4. 今までの職務経験の中で、あなたが部下や後輩の指導・育成にあたった際、最も重視した点を記入してください。 (320文字以内)
そのため、職務経歴書を何度も見返してじっくりと面接対策することが必要です。
なお、2級職では職場事例問題が出題されます。
実務で発生しうる「職場での課題やトラブル」が書かれた紙(A4用紙1枚)を渡され、1分間で読むことを求められます(文章はかなりの長文です)。
その後、その課題やトラブル対して、主任としてどういった行動をとるのかを質疑応答の中で述べるというものです。
2級職は即戦力としてマネジメントの能力が求められるため、このような職場事例問題が出題されるのでしょう。
対策として、常日頃から「どうしてこういう行動をとったのか?」「どのような行動が望ましいか?」ということを考える癖をつけるのが重要です。
おわりに
これまで述べてきたように、特別区経験者採用試験は他の自治体とは特徴が異なります。
そして、特別区経験者採用に最終合格するためには論文・面接を避けて通ることはできません。
何故なら、論文・面接の結果で合否が決まるからです。
最終合格を確実なものにするためには、特別区経験者採用に特化した論文・面接対策が必要不可欠です。
予備校等を活用し、万全の対策をしたうえで、最終合格を勝ち取っていきましょう!
あなたが最終合格を獲得し、特別区への転職を果たすことを心から祈っています。
どうか最後まで頑張ってくださいね。