内容説明
「ロシア300年」の盛衰を赤裸々に物語る通史
愛憎相半ばする一族、戦争と革命、陰謀と謀反、弾圧と殺害、性愛と嗜虐……王朝の絢爛たる歴史絵巻と血にまみれた秘史を語りつくす。[カラー口絵16頁]
本書は、上巻がピョートル大帝からエカチェリーナ大帝、ナポレオン戦争まで、下巻がクリミア戦争から、日露戦争、第一次大戦、ロシア革命までの三〇〇年間、愛憎相半ばする一族、戦争と革命、陰謀と謀反、弾圧と殺害、性愛と嗜虐……王朝の絢爛たる歴史絵巻と血にまみれた「秘史」を、赤裸々に物語る通史だ。欧州の公文書館の膨大な史料、未刊行の日記類、未公開の書簡などに基づいて、ロマノフ朝の栄枯盛衰を追いながら、登場人物たちの心理の襞にまで分け入り、臨場感あふれる筆致で描き出している。著者は本書の主題を、「ロマノフ家は偉大な王朝であるだけでなく、絶対的専制支配の象徴であり、その歴史は絶対的権力につきまとう愚昧と傲慢の物語集に他ならない」と述べている。
著者は英国の歴史家・作家で、『スターリン:赤い皇帝と廷臣たち 上・下』で「英国文学賞」の年間大賞、『スターリン:青春と革命の時代』(以上、白水社)で「コスタ伝記文学賞」ほか多数を受賞している。
カラー口絵各一六頁・地図・家系図・人物紹介・人名索引(下巻)を収録。
[目次]
地図:拡大するロシア帝国
ロマノフ朝系譜
凡例
序言
謝辞と出典
序幕 動乱の嵐の中の二人の少年
第一幕 王朝の興隆 リューリク朝および初期ロマノフ朝系譜(1500-1700)
第一場 花嫁選考会
第二場 若き修道僧
第三場 銃兵隊の反乱
第四場 酔いどれ宗教会議
第二幕 王朝の絶頂期 ロマノフ朝系譜(1700-1800)
第一場 皇帝
第二場 女帝の時代
第三場 ロシアのヴィーナス
第四場 黄金時代
第五場 陰謀
第六場 対決
原注
[下巻 目次]
地図:拡大するロシア帝国
ロマノフ朝系譜
凡例
第三幕 王朝の衰退 ロマノフ朝系譜(1800-1918)
第一場 全能の皇帝
第二場 解放の皇帝
第三場 巨漢皇帝
第四場 全国土の地主たる皇帝
第五場 破局
第六場 皇帝ミハイル二世
第七場 終末
終幕 白い皇帝、赤い皇帝
訳者あとがき
図録一覧
参考文献
原注
人名索引
[著者略歴]
サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ Simon Sebag Montefiore
国際的なベストセラー作家であり、各種の出版賞を受賞したその作品は48ヵ国語に翻訳されて刊行されている。『エカチェリーナ大帝とポチョムキン』はサミュエル・ジョンソン賞の最終選考に残り、『スターリン:赤い皇帝と廷臣たち 上・下』(白水社)は英国文学賞の年間大賞を受賞した。また、『スターリン:青春と革命の時代』(白水社)はコスタ伝記文学賞、ロサンジェルス・タイムズ伝記文学賞、エルサレムのブルーノ・クライスキー政治文学大賞、米国のJBC年間出版大賞、中国の文津図書賞などを受賞している。本書『ロマノフ朝史:1613-1918 上・下』はイタリアのルピカイア・デル・テリッチョ文学賞を受賞した。モンテフィオーリは、また、「モスクワ三部作」とされる小説『サーシェンカ』、『赤い空』、『冬の夜』を著して年間政治フィクション賞を受賞したほか、『世界を変えた歴史的手紙』、『世界を変えた歴史的演説』の著者でもある。
[訳者略歴]
染谷徹
翻訳家
主要訳書:モンテフィオーリ『スターリン 赤い皇帝と廷臣たち 上・下』、ファイジズ『クリミア戦争 上・下』、『囁きと密告 スターリン時代の家族の歴史 上下』、デイヴィス『ワルシャワ蜂起1944 上・下』、サリヴァン『スターリンの娘 「クレムリンの皇女」スヴェトラーナの生涯 上・下』(以上、白水社刊)ほか