2023.11.21

20代で年収2000万、日本一裕福な「猿払村」が危ない…中国の禁輸措置で「ホタテ長者」が没落する懸念

週刊現代 プロフィール

ベンツやフェラーリだらけ

Photo by gettyimages

港から少し内陸部に入ると、3階建ての豪奢な邸宅が並んでいるエリアがある。駐車スペースには、ハイラックスやランドクルーザーといった高級車がズラリ。漁師たちが建てた「ホタテ御殿」である。

昼過ぎ、庭で家族とバーベキューを楽しんでいた30代の漁師に「御殿」について話を聞いた。

「このあたりは王子製紙の土地だらけで村が所有する宅地が少ない。漁に行くのが便利な港から近いエリアで土地が出ると、抽選になるほどの人気です。坪単価は1万円くらいかな。今だと、土地と上物で一軒あたり8000万円程度ですかね」

 

御殿にもいくつかお邪魔させてもらったが、中は意外と一般的。家具などは高級品だったが、カラオケルームやジムがついている家はなかった。

「漁師って、経費にできるカネがほとんどないんですよ。落とせるのは車くらい。だからみんな、車はバンバン買いますね。倉庫にはベンツ、BMW、レクサス、ポルシェ、フェラーリがゴロゴロありますよ。みんな塩害対策で高級車は倉庫に入れているんです。以前、エンストしたフェラーリが1週間路上に放置されていたことがあった。遠すぎて札幌の修理業者が全然来れなかったんです。あれは笑えました」

後編記事『ホタテの価格が急降下して「ホタテ長者」が大ピンチ…北海道・猿払村で起きている「厳しい現実」』に続く。

「週刊現代」2023年11月11・18日合併号より

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