火葬後に残った金やプラチナ、1.2億円に 京都市「大切に活用」

河原田慎一
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 遺体の火葬、収骨後に斎場に残る遺骨や遺灰に含まれる貴金属を京都市が売却したところ、約1億2500万円になった。市が、市議会9月議会で報告した。売却額は市の収入とし、「斎場を利用する市民の利便性の向上や、炉の維持管理のための費用にあてる」という。

 市医療衛生企画課によると、市内唯一の火葬場「市中央斎場」で火葬時に生じる遺骨や遺灰は、関西では慣習的に部分収骨とすることが多いため、残ったものをこれまで敷地内の専用施設に置いてきた。だが火葬場の使用が増え、このままでは今年度中に施設が満杯になるとして、昨年度から遺骨を粉砕するなどして体積を減らす「減容化」を進めてきた。

 減容化の過程で、貴金属が抽出できることから、売却して市の収入に充てる議案を、市は9月議会に提案。11月2日の本会議で全会一致で可決された。

 昨年4~12月の火葬で生じた約39トンの遺骨や遺灰は、減容化によって約2・3トンまで減った。この中から、金約7180グラム、プラチナ約244グラムなどが抽出されたという。愛知県内の業者に売却したところ、今月2日の相場価格で約1億2573万円になった。

 遺骨や遺灰から貴金属を抽出し、売却することは、火葬場のある政令指定都市の多くで行われている。財政難の京都市にとって、売却による収入で、斎場の整備や炉の維持管理費用をまかなえることになり、担当者は「減容化で満杯になりかけていた施設も数十年延命できた。売却で得た額は、大切に活用させていただく」と話した。(河原田慎一)

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