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12歳の長女が証言「何度もごめんなさい」「算数のノートをちぎって住所などを書かされた」敷地に放り込まれたBB弾に激高 30代夫婦を殺傷した男の裁判

2023年11月15日(水) 14時20分 更新

殺人と殺人未遂の罪に問われている川口和人被告(58)去年9月
殺人と殺人未遂の罪に問われている川口和人被告(58)去年9月

 去年9月、北海道旭川市で、30代の夫婦を死傷させた罪に問われている58歳の男の裁判員裁判で、15日、現場にいた夫婦の12歳の長女への証人尋問が行われました。
 長女は、当時の被告の様子について「みんな殺してやると」言いながら、両親を襲っていたなどと証言しました。

事件現場は、川口被告の自宅前(旭川市)
 起訴状などによりますと、旭川市の無職、川口和人被告58歳は、近くに住んでいた30代の夫婦、AさんとBさんを折りたたみナイフで何度も突き刺し、Aさんを死亡させた殺人、Bさんに重傷を負わせた殺人未遂の罪に問われています。

長女は被告に「ごめんなさい、すみません」と何度も謝ったと証言
 14日に旭川地裁で始まった裁判員裁判は、被害者特定事項秘匿制度により、夫婦は匿名にされています。
 15日は、夫婦の12歳の長女への証人尋問が行われました。

事件のきっかけとなった玩具の銃のBB弾
 長女は、学校の帰りに被告宅の前で拾った玩具の銃のBB弾を、被告の敷地に投げ入れた時の様子や、両親が刺された状況を声を詰まらせながら、証言しました。

長女は右手で下から上に投げたと証言
<長女の証言>
・投げたBB弾は5~6ミリの白いプラスチック製
・右手で下から上に1個投げると、被告の家のコンクリートの階段にぶつかった
・飛び出してきた被告が「おまえら、何やってんだ」
・何度も「ごめんなさい、すみません」と謝った
・被告にランドセルを引っ張られて玄関まで連れて行かれた
・算数のノートをちぎって、名前や電話番号、学校名、担任の名前を書かかされた
・帰宅してママに話すと、謝りに行くことになった
・被告は「石を投げられた」と言っていた
・パパと話をしているとき、被告はずっと右手を隠していた
・パパが「住所を書かせるのはやりすぎではないか」と言ったところで被告が刺した
・被告は、パパを追いかけて何度も刺し、パパが着ていた白いシャツが赤く染まった
・パパやママを襲うとき、被告は「みんな、殺してやる」と言っていた

父親と話しをしているとき被告は右手をずっと隠していたと長女が証言
 14日の初公判では、検察は冒頭陳述で犯行に至った経緯を下記のように説明しています。

<検察が説明、犯行までの経緯>

※きっかけは、子どもの些細な“いたずら”
・Aさんの長女(当時11歳)は友人と下校中、被告の住宅前で玩具の銃の弾=BB弾を拾う
・カーポート奥の玄関前に投げつける
・被告はカーポートに設置した防犯カメラの映像を自室で見て、外に出る
・「おまえら、何やってるんだ」と2人を怒鳴りつける
・さらに、友人のカバンを蹴り、中の水筒を凹ませる
・2人に住所と名前をノートに書かせる

※長女から話を聞いた夫婦は…
・生後7か月の次女も連れ、4人で被告の住宅へ
・Aさんがインターフォンを押すと、被告はナイフをポケットなどに隠して玄関へ
・Aさん「娘がBB弾を投げちゃったみたいで?」
・被告「石を投げられ、傷がついた」
・Aさん「住所を書かせるほどのことなんですか?」
・被告「なに言ってるんだ、やるか?」とナイフを取り出し、Aさんを襲う

※夫婦を刺した状況
・Aさんは腕を上げて防御し、後退する
・被告は背中などを何度も刺す
・妻のBさんが被告に体当たり
・被告は体当たり後に座り込んだBさんの背中を刺す
・その際「全員、ぶっ殺してやる」と叫びながら何度も刺す

<弁護側の反論>

※被告の精神状態
・夫婦を殺すつもりなどなかった
・危害を加えられると勘違いし、恐怖で精神障害を引き起こす
・善悪の判断ができず、思いとどまれない状態
・Aさんに「どこが傷ついているんだ」などと捲し立てられ、恐怖が膨らむ
・急性ストレス反応で、何が起こっているかわからず、行為の危険性もわからない状態

16日の証人尋問には重傷を負った長女の母親が証言予定
 殺意の有無や刑事責任能力などが争点になった裁判…証人尋問は16日も行われ、重傷を負った妻も証言する予定です。
 判決は12月1日に言い渡されます。

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