劇画『新ワイルド7』では、メン
バーのクロスは第一シリーズの
八百と重なる部分もあるキャラ
だ。色男の悪徳刑事くずれ。
だが、オートバイの運転技術は
八百よりはかなり落ちるようだ。
ヘリから敵の要塞にバイクで
空中降下した飛葉とクロス。
要塞の高所通路を疾走して
敵を蹴散らして人質救出に向か
う。
だが、クロスはフロントブレーキ
の一気握りとリアブレーキの一気
踏みを同時に強く行なってしまい、
滑って転倒転落してしまう。
旧ワイルド7は全員が飛葉なみの
人並外れた二輪操縦能力を持って
いた。それは、入隊直後に徹底的
に訓練された事により更に磨きを
かけていた。
だが、『新~』では、バイクでの
シックシーンは大一作に比べて
やたらめったら少ない。これは
飛葉さえも。
他のメンバーに至ってはほとんど
無いような物語の展開だ。
そして、実際のところ、バイクの
運転は死んだ旧ワイルドメンバー
には遥かに及ばない。
170km/hあたりの(コースなら)
中速域の速度でも、フロント
ブレーキとリアブレーキを一気
に強くかけたらロック→滑り
転倒するのは必至だ。
まして、通常速度の制限速度や
法定速度以内の速度でブレーキ
を一気に強くかけたら更にロック
転倒の発生度は高まる。
かといって、ブレーキはフルブ
レーキの必要性もあるので、
思い切り圧をかける場合もある。
その際には一気にはかけない。
どんなに短時間で制動を利かす
時であっても、じわりとかけて
どんどんプログレッシブに圧力
を増すのだ。一気にガツンと
やると現代のディスクブレーキ
ではまず確実にロックしてしま
う。
21世紀の現代。
このロック転びが非常に多い。
要するに、端的に言えば、「バ
イクの運転がまともにできない
人」がやたらと増えすぎたのだ。
それゆえ、段発的に制動を解除
する危険なABS装置などが二輪
に装着されるようになり、それ
は安全確保という誤認から行政
指導で新車には装着必須とされ
るようになってしまった。
ロック寸前の体感を得ての人間
による操縦というものができな
い人間だらけになったからだ。
現代の20代の若者は、信じがた
いだろうが、手先の細かい運動
が全くできない。グーパーしか
できないのだ。
なので、日本刀の操刀などは
一切できない。ただ丸棒を握っ
て腕で振るだけ。これは日本全
国どこでもそうだ。
それゆえ「手の内」などは全く
使えない。当然試斬でもまるで
おぼつかない。連盟段位などは
関係ない。「出来ない」のだ。
最近の若い人がやたらと二輪
事故を起こすのは、それは昔
のように無謀な運転とかから
ではなく、そうした人間的な
身体運動能力の極限低下によ
るものではなかろうか。
そして、現代若者は走れない。
二輪ではなく、陸上競技のよう
に生身で。
走れるのはごく一部の専門の
選手のみだ。
これは中学生の50m走、100m
走の平均タイムの年度ごとの
40年ほどの変化を見ると即分
かる。
とんでもなく現代若者たちは
鈍足なのだ。極端に言うと、
今の男子は昔の女子程の走力
しか持っていない。
運動音痴勢ぞろいというのが
残念ながら現代の日本人若年
層の現状だ。
家に引きこもってゲームばかり
しているのが当たり前の世代
だからだろう。
昔は運動できない人には勉強
ができる人が多かったが、
今は勉強さえせずにゲームし
かやらないので、頭の発達も
おぼつかない。ゆえに行く末
は勉強もできない、運動も
できないで他人を陰で隠れて
誹謗中傷するのが大好きな
ネトウヨなどに転落して行く。
頭がよくないから、社会規範
意識も著しく乏しく(=社会
性の欠如)、他人を蔑んだり
攻撃したりする事を平気でや
る。
かつては存在しなかった「い
じめ」が登場したあたりとゲ
ーム普及世代はピタリと一致
し、それはネット普及時代に
なってさらに増殖群生した。
さしあたり、全体的な運動身体
能力の世代層的低下は著し過ぎ
て目を覆うのが現状であるが、
確かな事として、「バイクに
乗る人間の技量が著しく低い」
という現実現象が現代には存在
している。
それが証拠にはあちこちで二輪
運転者が転びまくっている。
考えられない。
「運転できない人」だらけなの
だ。
さらに考えられない社会現象と
して、「立ちゴケなどは誰でも
当たり前」とする風潮まである
事だ。
そのうち死にますよ。
「転倒による事故死は誰でも
通る当たり前の事」とでも言い
出すのだろうか。
クロスはたまたま城壁のツルに
絡まって助かった。
敵を蹴散らして人質を救出した
後に敵に包囲された飛葉を中吊
り状態から射撃で助けた。
だが、この部分は漫画だからだ。
現実に転倒したらただでは済ま
ない。それは立ちゴケでさえも
だ。状況によっては公道では轢
死になるだろう。
立ちゴケは、ホームに入ってく
る電車に飛び込むのと同じで
ある、と考えたほうがよい。