モハメド・ナジブ
ラマッラー:パレスチナ人の人権団体と囚人の権利団体が、占領に対する非暴力的な抵抗を弱めるために物議を醸す行政拘禁政策をエスカレートさせているとしてイスラエルを非難している。
パレスチナ人囚人の権利団体によると、今年に入ってから行政拘禁として400件以上の逮捕が行われたという。
この政策による命令は反イスラエル活動家を標的としている。2021年5月にパレスチナ人とイスラエル人の間での対立が激化した際に広く用いられた。
この物議を醸す制度の下では、パレスチナ人囚人は裁判を経ず、罪を犯していないのに、将来法律を犯すかもしれないというイスラエル側の判断のみに基づいて拘束される。
この措置は予防的なものとされており、期限が設けられていない。法的手続きも存在しない。犠牲者に明かされない機密の証拠に基づき、地域の軍司令官の命令によって発効することができる。
そのため、拘留される人々は無力であり、未知の申し立てに直面し、それを反証する手立てもなく、いつ釈放されるかも分からない。
パレスチナ囚人クラブの代表カドゥラ・ファリス氏はアラブニュースに次のように述べた。「イスラエル当局は最近のパレスチナ人とイスラエル治安部隊の衝突を受け、行政拘禁の範囲を強化・拡大して苦し紛れの策に頼り始めており、最近数十人がその被害を受けた」
この措置によって昨年5月の対立激化の後と同様に、多くの被拘禁者が各自でハンガーストライキをせざるを得なくなりそうだと、ファリス氏は述べた。
ここ数年間で、この強権的な政策の犠牲となったパレスチナ人の何人かがハンガーストライキを行い、中には141日も続いたケースもあった。
このような行動はイスラエルの「治安」組織が混乱と恐怖のもとで運営されていることを示すものだと、ファリス氏は述べた。
「このところイスラエル軍当局がパレスチナ人に対して発した行政拘禁命令は、イスラエルの安全保障を実現するものではない。むしろ、パレスチナ人の抵抗激化に直面する中で、無力であるように見せることを目的としている。イスラエル軍にはパレスチナ人の抵抗を抑える手段がいくつかある」とファリス氏は、ラマッラーでアラブニュースに語った。
同氏によれば、イスラエル軍当局はヨルダン川西岸地区における治安状況が囚人の釈放に適さないという口実で、囚人に対する行政拘禁命令を更新しているという。「囚人らは牢獄にいる間にイスラエルの安全に対して何をしたというのだろう」とファリス氏は述べた。
イスラエルは行政拘禁によって約500人のパレスチナ人を拘束している。多くの人々は数年間にわたって拘留されており、その中には、ベツレヘム出身のショローク・アルバダンさん、アルビーレ出身のブシュラ・アルタウィールさんの女性2名や、抗議のためにストライキを36日間継続しているカリール・アワウダさんがいる。
一方、被拘禁者による拘禁への抗議としてのイスラエル法廷のボイコットは97日目に入った。
パレスチナ人の人権団体は、医療ケアの不足を除けば、拘留者に最も大きな被害を及ぼすと考えられているこの政策の廃止を目指して奮闘している。
ファリス氏は、囚人の窮状を無視しているとして国際組織を非難し、多くの人々が「イスラエルによるパレスチナ人への人権侵害であり…脅迫、不正行為」であると彼らが見なさない「この政策と共存」しているとした。
この政策は1987年から1993年の第一次インティファーダの時期に大規模に実行され、1997年と1998年には取り止められたが、2000年後半に第二次インティファーダ(アル・アクサ・インティファーダ)が起こったことで再開された。
イスラエル軍当局は2015年以降、パレスチナ人に対し8,700件の行政拘禁命令を出している。
最も多かったのは2016年の1,742件だ。2011年末から2021年末までの間に、行政拘禁の対象者たちは400回以上の個別のハンガーストライキを行い、2014年には62日間にわたる合同ストライキを行った。
パレスチナ人は毎年4月17日の囚人の日を大切にしている。イスラエル軍に捕らえられたメンバーがひとりもいない一族はないからだ。
1967年半ばにイスラエルの占領が始まって以来、100万人以上のパレスチナ人が逮捕されている。
およそ4,400人は今もイスラエルの監獄におり、その中には女性、160人の子ども、病人、高齢者もいる。囚われの身で42年以上を過ごした人もいる。最も長く収監されている囚人はナエル・バルグーティさんだ。
ベツェレムの報告書は「イスラエルは日常的に行政拘禁を用い、長年にわたって、告訴することも、罪状を伝えることも、本人や弁護士に証拠とされている事柄を明かすこともなく、数千人のパレスチナ人を数か月から数年の間監獄に収容してきた」としている。
エルサレムを拠点とする非営利団体ベツェレムは、イスラエルが占拠しているパレスチナ人地域での人権侵害を記録し、そういった人権侵害の存在を否定するものと戦い、イスラエルにおける人権文化の創造に貢献しようと努めている。