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千歳線の旧線区間に行ってきました(その3)
2021/06/23
千歳線北広島-苗穂の旧線区間を活用したサイクリングロードを走行してきました。最後の1駅である上野幌まで到着しましたら、市街地区間はここで終了なのであります。
(旧上野幌駅のサイクリングロード案内看板)
今回は急に人通りも自転車も少なくなった、そして見た目に明らかな急坂に見える残り区間を走行します。
North-tt
千歳線の旧線区間に行ってきました(その2)
https://traffic.north-tt.com/09_article.php?article=1053
上野幌駅-自転車の駅
急に目の前に明らかに道幅が狭くなり、そしてカーブで、そこそこ急な下り坂である自転車道が見えています。「陽だまりロード」って、お日様は完全に木々に遮られています。
GoogleMap
https://goo.gl/maps/Q8rVEmqbWyoQkHbu8
現在の場所はここでございます。さらにはGoogleの道案内は最近は自転車にも対応しており、この自転車道を9.5km進んできたことがわかります。思い出してください。東札幌駅跡に近い自転車道起点近くの距離表示。「北広島19.8㎞」って書いてありましたね。そうなんです。まだ約半分しか終わっていないんです。
なお、高低差に関しては、多分データ的な標高の誤りがあるのか、こんなに極端に下る場所もありません。概ね少しの登りくらいで、トンネルや橋部以外は快適でした。
では、この先、どうなっているのか?
Googleでは、残り9.4kmしかも、恐ろしく急な上り坂のように見えます。怯えていてもしょうがないので進みましょう。
いやぁ、明らかな下り坂です。漕がずに転がる比較的急な下り坂です。この坂が現役時代でしたらSL時代は難儀したでしょう。Googleは元の山の標高をトレースしているのかもしれません。これは助かりました。唐突に現れたこの「森」ですが、厚別南緑地という名称で、所々自転車道から枝分かれする徒歩道があります。自転車はこの徒歩道の通行は禁止で、自転車道から出ることはできません。
いかにも道の形が緩いカーブを描く、鉄道跡っぽいなぁってのを実感できるところです。なお、途中、ほど近いところを走っている千歳線の音がするのですが木々に遮られてよく見えません。
●上野幌自転車道橋
急に開けますと国道274号線を跨ぐ橋に出ました。その名もズバリの上野幌自転車道橋で、上野幌駅側に国道に降りるスロープがつけられていますので、ここから離脱することも可能です。
すぐ横には千歳線が走っていますし、現上野幌駅も見えます。
●上野幌サイクリング橋
●大曲川(札幌市/北広島市境)
多分橋ではなくボックスカルバートになってると思われる大曲川を渡ったところで札幌市はおしまい。北広島市に入ります。
面白いのは、ちゃんと管理は市毎に分かれているということで、北広島側は道路脇の草が刈られていました。ここから自転車道の愛称は「エルフィンロード」になります。
北広島市に入ると、早速一般道との交差か所が。踏切をモチーフにした看板で目立つようになっています。これはいいですね。
●西の里跨道橋
そう遠くないところを千歳線が走っていますので、貨物列車の音などはかなり響き、わかりやすいのですが、だんだんそれも見えなくなってきます。
それほど酷く急ではありませんが、上り坂が続く道になります。景色があまり見えず、単調な感じもしますので、ちょっと退屈を感じるかもしれません。
●ボックスカルバート
西の里地区の市道大曲椴山線をくぐるトンネルですが、妙に新しく2016年竣工です。この上を走る市道大曲椴山線は現千歳線を越えるところが狭くなっており、しかも14tの重量制限があります。これを現在新しい跨線橋に架け替えてる工事が佳境です。線路を渡るこの陸橋は農場橋という名称となりますが、自転車道側のボックスカルバートは特段の名称は見当たりません。なお、このあたりが自転車道の2004年開通区間です。開通後に市道の改良でトンネルが完成したんですね。
さて、現地ではあまり気にしていませんでしたが、この自転車道に対して、どうやら市道大曲椴山線の旧道があるように見えます。ここに踏切があり、千歳線の新線が勾配を避けるために掘り割りの中を通るために、ここに橋が必要になり、道路も付けかわったということになりそうです。
地理院地図
https://maps.gsi.go.jp/#17/42.997982/141.518905/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
●自転車の駅
やっと勾配を登り終わったところにあるのが自転車の駅です。ここも2004年開業のはずです。トイレや自動販売機があり、駐車場もありますので、ここを拠点に自転車も悪くありません。ちょうどこのあたりが頂上のため上野幌側にも北広島側にも下り坂になるのもいいですね。
千歳線の新線区間はそれだけ勾配を考慮して作られており、このあたりを頂上に10パーミル程度の勾配になっています。自転車の駅からはすぐ東側を多数の列車が通るのを見ることができます。
自転車の駅-北広島駅
●東1号線踏切ここからしばらくの区間は道路幅が広くなっており、車いすでも利用可能としています。市道を渡る箇所が設けられており、すぐ脇に踏切があります。
17K791Mですが、苗穂起点となるはずです。ただ、あくまで私が見る限り、現在の新線区間で距離を取れば、このあたりが苗穂起点15K500m程度の場所になるはずです。なぜか新札幌-上野幌間に距離更正点があるはずなのですが(過去に見た資料ではそうなっている)どこにあるのでしょうかね。上野幌-沼ノ端の現状の踏切等の距離は、千歳線旧線の距離が今も使われているということになるわけです。
●西の里信号場
千歳線の本数増で、列車の追い抜きをできる場所としてここに西の里信号場ができたのは1992年のこと。新千歳空港駅の開業と時を同じくしてここに信号場が開設されています。ただ、沼ノ端方面への待避は6両編成までしかできず、貨物列車をここで待避させることができなかったのは不便なようでした。また、旧線である自転車の駅同様このあたりが勾配の頂上でもあるので、貨物列車にしてみればここで停車させられるのも、あまり利便がよくないようで、現在は待避ができない「信号としては存在する」信号場になっています。
なお、旧線時代の千歳線も自転車の駅付近に行き違いができる信号場があったようです。直線区間である先ほどのボックスカルバートの自転車の駅側だったんじゃないかと予想しますが、全く形跡を確認できませんでした。もしかすると丹念に見ればそれがわかるかもしれません。
●裏の沢跨線橋
下り坂を快調に走りますと、急に目の前に跨線橋が見えます。自転車道は大きく弧を描いてこの跨線橋に吸い込まれていきます。眼下に今まで走ってきた自転車道が見えています。
こんな急カーブを鉄道は使いませんから、この少し先で新線と旧線は合流していたのだと思われます。この付近は2回に分けて新線切り替えが行われたのではないかと推測します。
跨線橋の上にいますと、貨物列車がやって来ました。
●公園通り跨道橋
自転車道の初期の開業区間は舗装に赤い塗装がされているようです。歩車を分離した形になっており、きたひろしま運動公園(ファイターズの新球場)へ千歳線の下をくぐり抜けることができる箇所も設けられています。
もちろん建設中の新球場も線路の先に確認できます。
●秋桜橋
●美沢跨道橋
●北広島サイクル跨道橋
●北広島駅
無事に北広島駅まで到着しました。さすがに疲れた感がありますが、一度きちっと自転車で通ってみたかった千歳線旧線のサイクリングロードを制覇です。
なお、この先、自転車道としては繋がっていませんが、将来的には恵庭市まで接続される予定になっています。この先も是非機会をつくって行ってみたいと思います。
折りたたみ自転車の利点は、ここで畳んで、電車で帰ることができること。ここからまた20km自転車で戻るのはちょっと大変。電車に乗せられれば行動範囲が大きく広がります。