ホンダはいよいよ聖域なき改革に着手するか。これは以前から誰もがそう思いながらも口にすることのなかった、ホンダのプーチ解任論が、ここにきてにわかに騒がしくなってきており、パドック内では今季限りでの解任(クビ)がささやかれる事態に。プーチをホンダ低迷の元凶と見るか、あるいは低迷期でも仕事を投げ出さずに貢献した人物と見るかは、それぞれの立場と見る角度によって見解が変わってきそうだが、ホンダで長きにわたりプーチとともにレースを戦ってきたマルケスは、「プーチはホンダのMotoGPプロジェクトになくてはならない人。彼を辞めさせることはホンダにとっての大きな損失になる」とプーチを擁護する。
実際のところ、マシン開発やチーム運営に関してプーチが具体的に果たしてきた役割というのは傍目から見る限りはさしてないように思えるが、ライダーの立場を重んじ、彼らが必要とするものや環境を整える(それは時にチームを離れる準備さえも手助けをする)という点において、プーチは常にライダー側に立った発言と行動をしてきたとは言える。(ペドロサとの一件についてはなんとも言えない部分はあるにせよ)
「プーチは正直な人なんだ」とマルケス「時に正直にものを言い過ぎることがあるが、そうした彼の正直さが、彼を孤独にしているんだと思う。彼は自分が思ったことはすべて包み隠さず話す。必要な議論を避けるようなことはしない。これがぼくがプーチはホンダにとって必要な人材だという理由だよ。ぼくはプーチがホンダのMotoGPプロジェクトの根幹をなしている人物であると思っているし(自分が抜けた後の)ホンダの将来のことを考えても、彼抜きで進めることはできないと思う」
ホンダの凋落、マルケスの離脱。このふたつだけを取ってみても、欧州でレースの現場を取り仕切ってきたプーチの責任は逃れ得ぬものであるとは言えるが、果たしていまの(現場での実体を失っている)日本のホンダに、プーチにクビ切りを宣告するだけの気概を持った人間がいるかどうか。もしここでプーチのクビを切れば、なにかあればとりあえずプーチのせいにしておけばいいやというのができなくなってしまう。これはホンダにとって痛し痒しのような気がしないではない。
しかしチームからマルケスがいなくなることが決まった現状において、これ以上プーチをのさばらせておく必要がなくなったというのも事実。
もしここでホンダがプーチを切るというなら、その代わりとなる人材を誰かしらあてがう必要があるが、その目処がついた、ということだろうか。そうでなければ、日本のホンダの誰かが、かつてのように現場で辣腕を振るう体制に「戻す」つもりなのかもしれないが、そんな気骨のある人材がいまのホンダにいるのかどうか。
今季のはじめの時点でも、プーチを現場から外すという噂は出ていて、その時は元スズキのダビデ・ブリビオやリビオ・スッポに打診をしたがすべて断られたと言われている。いまのホンダを取り仕切るなど、罰ゲームに等しい仕事をいったい誰が喜んで引き受けるか。
しかし、もしホンダが誰か外部に協力を仰ぐというなら、現場における全件をその人物に与える必要がある。何かが必要となったら即断即決を下し、その判断に対して日本のホンダが口出しをするようなことがあっては、体制を変える意味がない。
オレがホンダを再生する。無敵のホンダを取り戻す!プーチを切るなら、そう断言することのできる超強力な人物が必要だ。
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