釣り糸やルアーなどのごみが野鳥に与える深刻な影響
実は、この野鳥観察館がある名古屋市港区の藤前干潟でも、ヒトの出すゴミが鳥たちに影響を与えていました。
(名古屋市野鳥観察館・小川和彦さん)
「釣り糸や重りを回収したものを展示している」
藤前干潟で回収される、「釣り糸」や「重り」などのごみ。コロナ禍の釣りブームで釣り客がおよそ5倍に増え、ごみも大幅に増加。干潟にやってくる野鳥を苦しめていました。
(名古屋市野鳥観察館・小川和彦さん)
「そこに展示してあるのが、(野鳥に)釣り糸やルアーが絡まったりして、野鳥に影響を与えている(写真)。先ほどのハトも、糸系のものが絡まれば指が取れる可能性は十分にある」
多くのハトたちが足指を失っている「オアシス21」。吹き抜けの下には、一面にプラスチック製の青いメッシュのマットが敷き詰められています。そこには、思った以上に髪の毛やほこり、糸くずなどのゴミが落ちていました。
ハト達は、ゴミが絡まって傷んだ足をメッシュの網目に引っかけて、失ってしまうのかもしれません。
オアシス21のすぐ東側にある公園に行ってみると、誰かがまいたと見られるご飯を集まってついばむハトたちが。ここには、足に異常のあるハトはいませんでした。
しかし、中にはご飯粒がノリのようにくっついてゴミを集めているハトも。
(名古屋市野鳥観察館・小川和彦さん)
「足にご飯粒を付けて歩き回ると、糸くずなども(足に)付きやすい。それで何らかの形で絡まって、最終的には(指を)締め付けるような形で指をなくしてしまう可能性は十分にある」
都会の真ん中で暮らすハトたちに、人知れず起きていた“異変”。それは、人間と自然との関わりを考える一つのきっかけとも言えそうです。
CBCテレビ「チャント!」2023年11月8日放送より