伝統と工夫で素材を生かした食品を
 震災前と比べ、現在のマルヤマの仕事量は3分の1から半分くらいに減っています。そのことが仕事に対して考え直すきっかけになりました。
 前はもっと忙しくて、量をこなすという仕事の仕方をしていました。震災後、はじめは昔の仕事量に早く戻らなくてはと思ったんですが、だんだんこのくらいが身の丈に合った仕事量なのかもしれないと気持ちが変わってきました。
 思い直してみると、以前は納期までに量を完成させるのが第一で、そんなつもりでやっていた訳ではないけれど、どこかこのくらいでいいかなという気持ちで、作っていたところがあったのではないかと気づきました。
 今、心から自信のあるものを作れている、美味しいものを作れているという気持ちです。とにかく、仕事をしていて楽しいんです。
 経営的に考えれば、震災前の仕事量のほうがいいのは一目瞭然ですが、震災がもう一度、仕事の原点に立ってもの作りを見直す良い機会になったのかもしれません。
 かつおぶし作りが好きだという自分の気持ち。子供の頃から父の仕事を手伝いながら、教わったことがありました。それを仕事をする上で、最も大切にしています。
 『仕事はみんなリレーなんだ』って言うことです。昔から親父に言われたのは、仕事というのは誰がやっても同じようにはできる。じゃあ何が人によって違うのかって、次の人が最も受け取りやすい渡し方をすることなんだって。
 だから私はかつおぶしを、一番おいしい、一番使いやすい状態で渡すんです。
 ひとつのものは、たくさんの人のリレーがあってできるんです。最後にお客さまに笑顔で受け取ってもらうのが、一番のリレーだと思っています。
 これは人間が生きて生活しているなかの、すべてのことに当てはまる話だと思います。人間一人では成り立たないことばかりですが、繋がりのある人への思いやりが、リレーのバトンとなって、そうしていろいろなものが誕生していきます。
 いつも皆、誰かに何かを渡す役割をもって生きています。
信頼と思いやる心のもとにリレーが続いていきます。


株式会社マルヤマ
代表取締役社長 熊谷 智範


※本文は「明日へのしょうゆ」(株式会社マガジンハウス/著者:塩沢槙)より
インタビューを受けた際の内容を掲載された物より抜粋致しました。


株式会社マルヤマ 集合写真

会社概要
会社名
(事業所名)
株式会社マルヤマ
所在地
〒988-0532
宮城県気仙沼市唐桑町石浜285-6
TEL 0226(32)2272
FAX 0226(32)2890
代表者
代表取締役 熊谷 智範
設立年月日
平成3年3月6日
事業内容
水産加工業、卸販売
(わかめ、こんぶ、かつお)
資本金
1,000万円
従業員数
15人
会社沿革
・昭和25年3月
 丸山商店創業(鰹節加工)
 後に若布、昆布の加工
 現在に至る
・平成3年3月
 株式会社マルヤマ設立