見出し画像

RTA in Japan Winter 2022にてピクミン3DXの解説を務めました~走者でないRTA解説の挑戦と葛藤と感謝~


日本最大のRTAイベント、ゲーム業界の冬の風物詩、RTA in Japan Winter 2022にて披露されたピクミン3デラックスのRTAの解説を務めさせていただきました。

その経緯や振り返りなどをさせていただきます。

経緯

以前から、リングフィットアドベンチャー以外のRTAもやってみたい。一方で頂点を目指すのはとてつもなく大変なことというのは分かったし、リングフィットRTAで満足した。ゲームを語るのは好きなので、解説できるレベルまで走れるRTAが欲しい

というのがありました。
そのうえでやってみたいRTAは特に下記の3シリーズ
・スーパードンキーコングシリーズ
・オクトパストラベラーシリーズ
・ピクミンシリーズ

自分の好きなゲーム上位ですね。
ちなみにこの話を配信で初めてしたのは、のちに一緒に解説をすることになるTELさんが自分の配信のチャット欄で「他のRTAはやらないんですか」と書いたことに対する返答でした。これが11/3

ただ、手を出すのは自分のリングフィットRTAの活動が落ち着いてから、2023年の2月以降のつもりでした。
が、そんな矢先に自分にとっても憧れの舞台、RTA in Japanにてiid01さんのピクミン3デラックスが当選したと発表。これは11/6
iid01さんと絡んだことはほとんどありませんが、一応Twitterは相互フォローですし、しばしばRTAの勉強もかねてiid01さんの配信を見に行っていたこともあり、ピクミンRTA走者ではないが解説をやらせてもらえないか思い切って連絡することに。
何より自分がiidさんを知ったきっかけであるRTA in Japan Online 2020で解説がなかったのがきがかりでしたし、もったいないとも思っていたから。今思えばそのRTA in Japanは自分がRTAを始めてから初めてのRiJだったこともあり、まともに見始めた回でした。

…と、iidさんに連絡する前にもう一人ピクミンRTA走者で繋がっているTELさんに連絡しました。
流石にいきなり走者じゃない人が解説やりますって手を挙げて、他の走者の方で解説をやりたかった人がいたりしたら申し訳ないと思って「他にやる人いますか」と確認したら「いなければやりますみたいな人がいるかも」みたいな返事で、そのままだとまた解説なしになるかな?と思いiid01さんに連絡しました。イベントでピクミンRTAが披露されることも少ないので解説に慣れている人いなさそうとも勝手ながら思っていました。

もちろん
・他に走者の方で解説がいらっしゃったらそれの方が良いのでそちらを優先してください
・あるいは解説ない方がよいのであれば断っていただいて大丈夫です

ということを添えてご連絡。

返事としてはスケジュールが出るまで待ってほしいとのことと、あわせてご自身が作成した解説動画も送ってくださり、選択肢としては考えてもらえたのかなと安心。

これは後で知ったのですが、ピクミンやり込み勢日本人サーバーでiid01さんが解説を募集してくれていたようで、ここにTELさんが手を挙げてくださり2人体制でやることに。
TELさんがどういう気持ちで手を挙げてくださったかはご本人の振り返り記事をぜひ。

またこれも後で聞いたのですが、iid01さん視聴者の方的にもえぬわたがちょいちょいiid01さんの配信に顔出していたのは分かってくれていたので、えぬわたが解説ということに違和感なかったとのことです。ありがたい限りです。

台本作成

まずは12月頭目途に台本を作成。TELさんが話すところも含めて全部自分が作成
これは自分が過去にリングフィットRTAをRiJで解説した時にやったスタイルなので自分の中で懸念はなかったつもりでした。前回は2時間くらいのカテゴリを1日で書き上げたので問題なく行けると思っていましたが、今回は1週間以上かかりました。改めて自分の知らない領域に手を出すということの難易度の高さを感じ、何度も何度もiid01さんの解説動画を止めては見てを繰り返し何とか作成。

前回の解説の振り返り記事でも書いているのですが、解説2人体制は息を合わせるのが難しいけど掛け合いが出来るので仕上げればクオリティとして高いものになると分かっていました。

今回のコンセプトはTELさんがRTA面を解説えぬわたが司会進行および原生生物やら世界観周りの説明といった形で、初心者であるえぬわたがTELさんにRTAの説明を振っていくというもの。
このツイートが顕著なのですがTELさんは当り前ですがRTAとして伝えたいことがある、一方で私はそれだけでなく、今任天堂で最も熱いIPであるピクミンの素晴らしさというものを伝えたいという思いが強くありました。

解説2人の場合はこれくらいはっきりと役割分担した方が視聴者としては分かりやすいと思いますし。結果としてTELさんの喋る量の方が圧倒的に多く、ご負担はかけてしまったのですが1人でやるよりかましかと思っています。
というか実際解説する量が多すぎて1時間のRTAと言えどもこれを一人で解説しきるのは相当難しいと思いました。コメントとかでも「なんで解説が2人いるのかと思ったらこれは1人じゃ無理だ」というコメントもよく見かけました。
また茶番だったり笑いどころみたいなのは用意する余裕はなく、どストレートに解説に徹すると決めていました。
しいて言うなら、ルーイメモ(食レポ)はピクミンに興味を持ってもらえるかつ面白ポイントかなと思っていれてみました。
また唯一笑いの起きた「一方そのころ」のくだりはiid01さんの解説動画で面白かったので、これは2人でやる価値のあるものだし、場面が切り替わっているのが分かりやすくなるだろうと思って入れました。

ちなみに他の印象に残るパワーワード
・タイムは命より重い
・iidさんはピカチュウでして
・ピクミンRTA界の王
・ピクミンRTA界の大谷翔平、藤井聡太
といった言葉は全てTELさんから出てきたもので、私は台本に書いていませんでした。

今回のRiJでトレンドが強かった「寿司不足」とかは(ゲーム内に登場するワードをそのまま読んだだけですが)RiJ知らない人の中でも盛り上がってしまって、バズマーケ的には大正解だと思ったので、次回以降はこういったものも狙いたいと思っています。

RTA練習

間に合うとは思っていませんでしたが、解説なのにRTA走っていないはあり得ないと思いもちろん練習しました。TELさんにRTAの解説を任せられると言えども知っているかどうかで振れる話の引き出しは増えますし、初心者目線でどれだけ難しいかもよく分かります。

私自身ピクミンは好きと言えどもやり込むタイプではないのでWiiU版とSwitch版1回ずつというほとんどやっていない状態。あとはiid01さんの配信で見ていたくらい。

なのでまずは通常プレイで1周、そしてRTAのルートを一通りプレイしました。解説動画だけ見ていても本来はどのようなルートを通ってどれだけ時間がかかるか分かりますのでやって良かったと思っています。
またRTAのルートでクリアするというのは想像以上にハードルが高かったです。iid01さんが 息を吸うように決めていたRTAテクニックも全然うまく決まらない。ピクミンたちが急に動かなくなってしまったり、想定以上の犠牲でリセットせざるを得なかったりでとても時間がかかってしまいました。幸いTELさんが丁寧に教えてくれたこともあり、遅くなってはしまいましたが12/27時点でRTAのルートを全て走ることができました。
これもまたRTAの難しさ、特にどのあたりが難しいのか分かるようになったので非常に大事でした。

見どころツイート作成

見どころツイートも作りました。
iid01さんには自分の走りの練習に集中してほしいですし、喋る量がえぬわたの2倍以上あるTELさんにもRTAのインプットや喋る練習に徹してほしいと思っていたので、それ以外の細かいところは自分がやろうと思っていました。

デザイン周りにあまり自信はありまりませんが、解説動画とか作っていることもあり、全く出来ないわけでもなかったので。
またピクミンRTAの王にぴったりなイラストを以前友人から貰っていたこともあり、iid01さんにピッタリだと思って使わせていただきました。お気に入りです。

解説練習

TELさんとは台本を照らし合わせて打ち合わせをし、こここうした方がいいとか色々言い合って初項からは大きく変えていきました。
特にTELさんの部分はご本人に大きく書き直して頂いたので、今後また何かで2人解説をする際は台本どう作ろうかは悩んでいたりはします。

とにかく解説の練習でよかったのは相方のTELさんと練習への温度感が一緒だったこと。
お互いiid01さんのことを尊敬していて、その大舞台を解説のせいで台無しにしてたまるか、iid01さんの速すぎて何が起きているか分からないプレイのすごさを伝えたいという思いが強かったと思います。今回うまくいった一番の要因はこの練習に対する温度感が一緒だったことだと思っています。

最後3日間は毎晩二人で時間合わせて練習し、録画して各々振り返り、良くなかった部分の台本を喋りやすいように変えていくといった作業をしていきました。

また台本以外の部分では、TELさんはiid01さんがいつもと違うことをしたときに対応して実況解説できるRTAの知識を、えぬわたは時間調整のためのアドリブ雑談や説明(主に1日が終わったタイミング)のピクミンネタのインプットに努めました。

自分は拾いやすい原生生物の小ネタや果実の名前は攻略本を購入して読み漁りましたし、以前コラボさせていただいたピクミンYouTuberのペーさんの動画などを見たり、その他ネット上の情報漁ったりしていました。元々こういうのは好きなので性に合っていたと思います。

日付終わった時の雑談は台本に書いておりません。練習で喋ったことある内容だったりで頭には入っておりますが台本には書いていません。

当日も出番直前まで原生生物の説明などを読み返していました。テスト勉強みたいですね。

本番

当日は任天堂オフィシャルショップで販売されているピクミンのパーカーを身に付けて登場。解説の2人が現地で走者がオンラインだったのでTELさんは赤ピクミンパーカー、えぬわたは黄ピクミンパーカーで、青ピクミンいないの寂しいから現地調達しようとの話になりました。最初は確実に現地にいるとよまなさんにお願いはしたのですが、とは言えご本人も毎日いて忙しく、いかんせん我々の出番が早朝ということもあり他の人にお願いできれば…というところもありました。

といった中で現地につくと「いい人」の権化せれゆことセレナーデ☆ゆうきさんがピクミン好きで楽しみにしてます~と待機していたので、これはせれゆさんに頼むべきではと思ってお願いすることに。そしたらとよまなさんもせれゆさんに託していたらしく話が早かったです。

そして本当は走者のiid01さんも一緒に並んでやりたいという思いもあったので代わりと言ってはなんですが、iid01さんのアイコンで象徴でもあるピカチュウを連れていくことに。iid01さんは界隈でもピカチュウ、ピカニキといった愛称で呼ばれているので。

色々と恰好などに凝ったりすると解説が目立ちすぎて良くないかなとかも思っていたのですが、そんな心配をする必要のないくらいiid01さんのプレイにみな釘付けでしたし、ピクミンの恰好自体も好評だったので良かったと思います。何ならピクミンのぬいぐるみ全部持っていけば良かったと後悔したくらいです。

そしていざ本番。
ここでこう言う予定だった、とかなんとかはiid01さんのチャンネルで行った振り返り配信で見ていただければと思います。

自分としては大事なセリフとばしてしまったりと正直パフォーマンスは練習の時より良くなかったのですが何とかやり切れたなという感じでした。

ちなみに今回我々は協賛の紹介を解説中に全て入れました
2021夏のRiJまでは皆が当たり前のようにこういったことをしていたのですが、2021冬からピタリとなくなりました。明らかに何かあったのでしょうね。

これが原因かは知りませんし、それだけが原因でないとも思いますが、その次の2022夏は協賛が一気に減りました。
最高同時視聴者者数も、おそらく平均の同時視聴者数も2021夏から2021冬は減っていますのでそういった影響もあるかもしれません。

個人的には協賛している企業様には感謝し、それに対する何かをお返しするべきだと思っています。
特に今回運営からは「協賛の紹介は控えてください」みたいな通達は全くありませんでしたので敢行しました。

ただ寄付金の話や国境なき医師団様の話を入れ損ねたのはとても反省しています。

あともう一つ、このゲームを生み出してくださっているメーカー様にも強く感謝すべきだと思っていますし売り上げに貢献するべきだと思っています。

実は最後エンディングを全部流すことを把握しておらず、エンディング中にさらに行ったグッズ紹介やピクミンの宣伝は全てアドリブです。エンディングはカットするとばかり思っていたので(事前にiid01さんからは全部流すと連絡頂いていたことを後で気が付きました)

自分の、生みの神様に対する返せるものであったり、あるいは愛といったものが自然とあふれ出たんだと思います。
今後もこういったことはやっていきたいですね。

最後に

まず、今回始めに手を挙げた時は一人で解説するつもりでした。が、相方を買って出てくれたTELさんがいなかったら、解説動画通り、台本以上のことは言えなかったと思います。
ご本人の振り返り記事に書いてあるのですが、初心者からピクミンRTAのインプットは間に合わないと思って助け舟を出してくれたの事。私はピクミンRTAのこと舐めてましたね。本当に感謝しております。
ただ終わった後、振り返り配信をiid01さんのチャンネルでやりたいけど、本人があまりそういうのやらなさそうだから断られたらTELさんとえぬわたどっちのチャンネルでやる?といった話になった際に「一番最初に手をあげてくださって、積極的にやってくださったのもあるので」えぬわたさんのチャンネルでぜひと仰ってくださりとても嬉しかったです。嬉しかったというか動いてよかったという安心感ですね。よそ者がピクミンRTAコミュニティかき乱していないかなという不安はあったので

また、ピクミンRTAコミュニティからどう見えるかは不安でしたが、多くの人が満足してくれたようで何よりです。
自分としてはぽっと出の走者でもない人が解説するなんてみたいに思われるのが不安でした。実際にRiJでは走者としては落ちたけれども、目立ちたがりで走者じゃないけど解説をやり、あまりその内容がよくなかったという例はあります。
そうならないためにも必死で勉強しました。結果的に思っていた以上にみな自分のことを受け入れてくださったみたいで本当に安心していますし、ピクミンコミュニティの温かさみたいなものを感じました。

視聴者からの反応も良かったと思っています。
・解説の掛け合いがスムーズでよかった
・忙しさが伝わった
などなど。

また私個人の裏目標として、リングフィットRTA走者としてのイメージが周りから強かったと思うのですが、そうでない側面を見せられたかなと思っています。
なかなかあのイメージを塗り替えることは難しいと思いますが、今後も少しずつ塗り替えていければと思っています。

そしてiid01さん、配信では喋らないし、Twitterでも寡黙なので思考が読めない方です。この人に満足してもらいたいというのもやはり強かったので満足してもらえたようで何よりです。
振り返り配信で「改めてお二人の解説で良かったと感じました」とついたコメントに対して、iid01さんが「そらそうよ」「事前準備の量は自分が一番知っている」と言ってくれたのが本当に嬉しかったです。
改めて今回解説を任せてくださりありがとうございました。

今後

今回初めて自分が走っていないRTAの解説をしたわけですが、大変だった一方でとてもやりがいがあり楽しかったです。

良い感触を得られたのでまた今後も他のゲームのRTA解説はやりたいと思っています。
特に自分がRTAやりたいと思っているオクトパストラベラーや、自分が好きで網羅している任天堂のゲームのRTA解説は依頼してほしいと思っています(走者ではなく積極的に手を挙げるのは難しいと思っているので、必要であれば声かけて欲しいです)

一方でこれはまたどこかで改めて話す必要はあるのですが、今後はプライベートの都合でどれだけ今まで通りに活動できるかは正直分からないところがあります。
無責任に任天堂ゲームのRTA解説なら何でも任せろなんて言えたものではないですが、その時自分がもし解説できる状態であれば喜んで解説をしたいと思っていますのでお声がけいただけると嬉しいです。
これからさらに解説のスキルを磨くべく頑張りたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

…もちろんピクミンの解説もまたしたいぞー!123はもちろん4もね!

走者iid01さんの振り返り記事も貼っておきます


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。
リングフィットRTA走者のえぬわたです。100%カテゴリやany%カテゴリの負荷30の世界記録保持者。RTA in Japan Summer 2021で大トリを務めました
RTA in Japan Winter 2022にてピクミン3DXの解説を務めました~走者でないRTA解説の挑戦と葛藤と感謝~|えぬわた