先日ヒルトン福岡シーホークホテルで行われました「GATE」というeスポーツイベントにてリングフィットアドベンチャーのRTAを披露してきました。カテゴリはany%負荷30Intended（正しい姿勢）という14時間以上ものです。

結果として当日に自身のもつ世界記録を更新、「#えぬわた砲」で世界トレンド1位、同時接続者数も３万人を超えました。
オフラインでこのような成果を出せたのは自分にとって大きな糧になりました。

改めて振り返りをここに残しておきたいと思います。

イベントについて

「GATE」とは福岡eスポーツ協会主催の福岡最大級のeスポーツイベント。参加者の持ち込み機材で他の参加者とゲームを楽しめる「BYOCエリア」（いわゆるLANパーティー）をはじめ、eスポーツのエキシビションマッチ、アニメDJ、協賛企業のブース、RTA in Japanといったイベントがごった煮のお祭り。こちらに当日のレポート載っていますのでよかったら見てください。
https://news.mynavi.jp/article/20220302-2283660/

そんなイベントのいちコンテンツとして「えぬわたのリングフィットRTA14時間」ってものがあったんです。ゲストとして出場しましたってことです。
HPのGUEST欄にちゃんと載ってます。感慨深いです。

走ったカテゴリと出場の経緯

このカテゴリについてリングフィットアドベンチャーにはカテゴリがたくさんありますが、
今回自分が走ったカテゴリは「any% Intensity Level30 Intended」つまり負荷最大の30で、ゲームで指示された通りの正しい運動姿勢で、クリア率を問わず最速クリアを目指すカテゴリになります。

これは私が初めて挑戦したRTAのカテゴリであり、一番得意で好きで極めているカテゴリです。
他にもリングフィットアドベンチャーには16分半程度で終わる短距離カテゴリなどもありますが、自分が得意としているのはこの14時間以上かかる長距離カテゴリです。

自分は過去に一度リングフィットRTAをイベントで披露したことはありますが、相対的に得意ではないカテゴリの短距離カテゴリでの出場でした。
そもそもイベントに採用されるために初めて走ったようなカテゴリ。それって本質的かっていうと否ですよね。

とは言え一方イベントで14時間以上かかるカテゴリを採用するのは分かっている中で声をかけてくださったのがこの「GATE」というイベントでした。
自分としては願ってもない話。喜んで出場させていただくことになりました。

自分のany%の変遷

一番最初に走ったのは2020年６月の頭、このときは配信外で17時間半くらい、その後何回か走り、2020年８月に15時間23分という記録を出し、他のカテゴリに挑戦するためany%への挑戦は一時休止としました。

そして久々に挑戦したのが2021年11月、前回からの１年以上の間に様々なテクニックが見つかっていたこともあり、１年ぶりに走ったタイムは14時間52分。

そのあと何度も走って少しずつタイムを縮め、1月中旬には14時間9分まで縮めました。
ここまでで計12回走り、うち9回は自己記録更新、2回はリタイアといった感じでした。
このリタイアのうち、一度は記録更新できそうもなく、10時間くらい走ったところで気持ちが折れてリタイア、そしてもう一回は本番の1週間前、体調不良で途中リタイアしていました…
この体調不良は本番まで続きます。

体調不良の中の調整

このイベントの1週間前、吐き気と頭痛で3時間程度しか走れず途中で中止
イベント前のラスト１週間で3～5時間程度のランを3回走り、何とかその時は体調を崩さずに終えられました。

食事や睡眠も完璧に調整したものの少し疲労感などもあるまま当日へ
まずは行きのバスで酔って体調不良がよみがえります。
さらに会場の熱気とこもった空気、そしてマスクによる酸欠で気持ち悪くなり思わず自室へ戻ります。自分のリングフィットRTAの他にもRTA in Japanのリングフィットアドベンチャーの解説も請け負っていたためその出番までは休憩。これがもともと19時半くらい開始予定だったのが、おして21時頃開始となります。
自分が解説作成したこともあり、自分がいないと成り立たないのも分かっていたので始まれば何とかなるだろうの精神で2時間かなりのテンションで解説。
終盤は頭がガンガンするなか必死でやっていました。

終了は23時過ぎ、自分の出番が夜中の3時なので4時間もなく、起きる時間を考えると1時間～2時間程度しか寝れない状態。
終わったらすぐにフラフラな状態で自室に戻りベッドに入りますが気持ち悪さで中々寝付けずトイレに吐きに行ったりもしていました。

もし自分がRTA中に倒れたら、
まず任天堂に迷惑がかかる。
次に他のリングフィットRTA走者にも迷惑がかかる。
さらにGATEにも迷惑がかかる。
そして応援してくださっているみなが心配する。
…だったら倒れる前に辞退して、GATEに謝罪し、このイベントを楽しみにしていたみなさんに謝罪するのがベストなのかも知れないとも思いました

これはもう絶対に走れないと思い、運営の方に

本当にすみません
頭痛がひどく、頭痛薬飲んで、寝て起きてダメだったらany走れないかもです（田口さんの出番まで休んで2時間くらいのカテゴリとか）
とりあえず寝ます

と一報打って何とか寝ました。

普段だったら走る2時間半前くらいには起きて食事でエネルギーを補給し体を動かしたいのですがそれどころではなかったので2時に目覚ましをセット、出来るだけギリギリまで寝る気でいました。

寝るときもこれは任天堂さんがリングフィットRTAなんてやめなさいって言っているのかもしれない。自分も歳だからRTA中に倒れる前に引退した方がいいのかもしれない。そもそもリングフィットRTAの長距離カテゴリは辛いし、これを言い訳に引退した方がいいのかもしれない。そんなことを考えながら寝ました。

ただ1:40分頃自然と目が覚め、頭痛と吐き気が収まっていたことに自分でも驚きながら準備。0
しかし食事は一切摂れず、マスクをして会場に入った瞬間にまた気持ち悪さが戻ってきました。
とりあえずギリギリまでバックの風通しの良いところでアップ。
そして運営の方に無理を言って本来開けるべきではない扉を最大に開けて換気を徹底してもらいました。これをしてもらえなかったら完走は無理だったと思うので対応してくださった運営の方、そしてホテルの方には本当に感謝です。

本番

現場は23度、いつも自分の部屋が12度くらいなので非常に暑い状態。
またトイレは遠く、トイレRTAは絶望的でした。（普段は50秒くらい操作しなくて済むタイミングでトイレに急いで行っていました）
ですのでRTAのルール的に許される6時間に一度の休憩でのみトイレに行けるといった状況。暑いからと言って水を飲みすぎたら確実にアウトなので水も普段より少な目を意識しました。

最悪なコンディションながらもいざ始まると空気砲のペースはいつもと変わらずそこでのタイムロスはほぼありませんでした。
立ち回りやコマンド選択がうまく行き、World5までは世界記録を超えるペースでの走りでした。

しかしWorld5と6で立て続けにラッシュの悪乱数にやられ30秒近くあった貯金が一気に借金へ、さらにWorld7でこのカテゴリで一番難しくタイムロスになる敵スキップを失敗し40秒のビハインド。World8でチャートを少し改善した都合少しタイムを巻きますが、World9で凡ミスをしてさらに50秒のビハインドとなりました。

しかしWorld11で以前の記録では大きなミスをしていたので、ここで一気に世界記録より1分速いペースに巻き返します。

この後もミスなく順調に進んでいき、World15まで1分の貯金を守ったまま休憩へ
この時点で9時間20分経過していましたが、ここまでトイレなしで乗り切りました。

この9時間20分というのは、このカテゴリで最も筋肉的に辛いステージがあります。
ここまで休憩を使わずにこれたら体力的にはだいぶ楽なので必死でトイレを9時間20分我慢しました。ちなみに過去の10回の完走したランでもここまで長く我慢したのは初めてです。

またルール上6時間ごとに休憩がとれるということは14時間かかるカテゴリでは2回休憩がとれるということです。
それに対して9時間20分での休憩となると2度目の休憩を使わずに14時間走り切ることも視野に入ります。そうすることで万が一倒れたりアクシデントが起きた時用に休憩を残しておくことができるので、ここまで休憩を使わなかったというのもあります。

休憩も丸々30分使わず、体が冷える前に20分程度の休憩で再開。ちなみにジョイコンの充電は14時間持たないのでこのタイミングでジョイコンを取り替えています。

ということで後半戦
World16はチャートを少し変えたことが功を奏し、さらに2分巻いて3分の貯金。
その後も全体的にスムージーの絞り方を最低限にしていたため8分世界記録より速いペースで最終Worldに突入。

しかしここで必要としていた素材が足りず、チャートが一気に崩れました。
そう、最終Worldは全てアドリブでやっていました。

必要としていたスムージーが5個程度足りないから予定していた戦闘の立ち回りが崩れていたため全てその場で最適解を考え攻めるという状態。水分不足もあり、会場の状況も体調も決して良くなく、まともに回らない頭で必死に考えて何とか手持ちのスムージーで立ち回れる戦い方でボスを倒していきました。

フラフラな中で最後の階段ジャンプを決められたのは良かったです。実況もあいまって熱いですね。

最後のドラゴ戦のHP調整もミスしあまりいいところがなかったのですが、何とかWorld23のロスを2分半に抑え、世界記録を5分半更新という結果を残せました。

終盤は田口さんの実況、およびその呼びかけで会場から掛け声が飛び、最後はみんなで一緒にビクトリーして本当に楽しかったです。
オフラインで辛いことも多かったのですが、やはりオフラインでやって楽しかったというものが上回って本当に良かったです。

夏のRTA in Japanで残した3つの反省点

イベントでの披露はRTA in Japan Summer 2021以来。
その時の反省点はたくさんあるのですが、2つの大きな心残りと1つの反省点がありました。
まず一番大きな心残りは記録。最後の階段ジャンプを一番最悪な形でミスをして、目標としていた17分切りを果たせなかったこと。
ずっとこれは悔しくて二度と後悔したくない。その想いで今回は絶対に本番で世界記録更新するという目標を立てて調整してきました。1週間前の調整ではそもそも途中リタイアでしたし、ちなみにその後分割して走ったタイムは世界記録から3分遅れというタイムで幸先はとても悪かったです。
この14時間のカテゴリはミスを数回に抑えれば世界記録が出せるカテゴリですが、長いカテゴリなだけあってそれが本当に難しい。
さらに本番はコンディションの悪い中、この本番での世界記録ということを成し遂げることができて本当に嬉しく思っています。

そして2つ目の心残りは自分の名前…「えぬわた砲」がトレンド入りしなかったこと。欲張りすぎかもしれません。トレンドの半分近くを関連ワードで占めたものの、そこに「えぬわた」の名前はありませんでした。ちなみに「たぐちアナ」はありました。
今回も実況を担当してくださったたぐちアナはそれを察してくれたのか、「#えぬわた砲をトレンド入りさせよう」と呼びかけてくださり、見事世界トレンド1位まで上がり、1時間以上はトレンド1位だったと思います。
たぐちさんの凄いところって実況とか以上にこういった人の気持ちを察することができることだと思っています。改めて感謝しています。

そして最後の心残りというか、反省していたのは「最後の挨拶が長かった」こと。
自分の持ち時間をオーバーしていました。この挨拶が良かったと言ってくださる方もいます。ただ時間オーバーはダメです。
今回も話そうとすればいくらでも話せたかと思いますが挨拶は簡単にしました。

RiJからのレイド

当日は最後の1時間くらいのタイミングでRTA in Japanのチャンネルからレイドを頂きました。本当にありがとうございました。正直めちゃくちゃ嬉しかったです。

これは私の思い込みかもしれませんが、RTA in Japanのチャンネルからレイドを頂くってある程度RiJと関係値があったり認められている必要があると思っていて、
自分はたまたまバズっただけであり、RTA界からすればぽっと出の一発芸人だと思っています。
偏屈な考えかもしれません。非常にネガティブな考えかもしれません。ただ私が夏のRiJの挨拶で話したように、私が初めてRTAを走った時に非難がついたことが今でも頭によぎっています。
実際今でも私のことを嫉妬している人はいると思います。私も逆の立場だったら嫉妬していたと思います。それでもみんな応援してくれるのはありがたいですし、今回のRiJ終わった時のコメントの雰囲気も「えぬわたさんへレイドだ～」といった雰囲気だったようでとても嬉しく思っています。レイドする価値のある配信者と認めてもらえたかなと。（同会場でRTAやってたからというのが一番大きな要因とは思いますが）

夏のRiJだけで終わっていたら「ぽっと出の一発芸人」止まりだったかと思いますが、また今回みたいな盛り上がりを作れたので「期待の大型ルーキー」くらいにはなれたかなと思っております。解説でもある程度活躍できましたし。

ちょっとリングフィットRTA頼みにはなっているので、今後はそれ以外でも大きな武器は身に着けたいと思っています（とは言え既にリングフィットRTA以外でお仕事頂いてたりもするので感謝しています）

ちなみに今回RTA in Japanの裏でずっと走っていましたが、ちょくちょく休憩中のコメントで「えぬわたさん今〇時間走ってるぞ」みたいなコメントついてて、裏番組（？）としてこのやり方はとてもありだったのかなと思っています。
もし他の走者さんが走っているときにえぬわたに言及するようなコメントがあったらいやだなと思っていたのですがそういった雰囲気は全くなく、同じ「GATE」のイベントとして面白いものが提供できたと思っています。

コロナ対策

走る前の話に遡りますが、イベントの1か月前からはコロナ感染対策を徹底。外食は一切禁止、外出も買い物や仕事以外は禁止、そして遠くから友達が遊びに来る予定もあったのですが心苦しくも断り、また数年越しに楽しみにしていた行きたかったイベントもキャンセル。友達を誘っていたのに自分から断るといったこともして本当に申し訳なかったのですが、理解してくれる友人で良かったです。

また終了後も福岡でおいしいもの食べて帰りたかったのですがお土産だけ大量に買って朝一で帰宅。イベント会場で唯一マスクをしていなかった人間なので、私が感染しないということは会場でのクラスターはないという証明に助力出来ると思っているので。現在2週間近く経ちましたが無事です。
福岡でおいしいもの食べるのはまた出来ますからね。コロナ落ち着いたらまた遊びに行きます。
（もちろん外食している人が悪いとかいう意味ではなく、むしろ観光業にお金を落とせる人は積極的に落とすべきだと思っていますし、ただ私はそれをやるにふさわしくない人間だと思っているだけです。経済回す人がいなければ、コロナ落ち着いておいしいもの食べに行ったらお店がないってなりかねないですから）

解説のお二人

今回リングフィットRTAの走者で会場に来ていたCOUさんとひととせはるさんに解説をお願いしました。解説と言っても14時間以上なので適当に話してくれるだけで大丈夫ですし、暇なときに来てくれるだけで大丈夫です。と伝えていたのですが、COUさんは自身のランで疲れている中、またひととせはるさんは解説を3つ抱えている中、基本的には2人体制で、そしてほとんど寝ずにつきっきりで解説してくださりました。

特にCOUさんは私と同様に長距離カテゴリをやり込んでいるだけあって解説が的確で本当に助かりました。ひととせはるさんも分からないなりに丁寧に解説してくださり感謝しています。

最後に

改めてこのような機会を設けてくださったGATE運営の皆様、今回も実況を務めてくださった田口さん、ほぼ寝ずに解説をしてくださったCOUさんひととせはるさん、現地でたくさんの声援をかけてくださったみなさま、レイドしてくださったRiJ運営およびレイドから応援してくださったみなさま、夜中からずっと応援してくださったいつもの視聴者および交代制で対応しRiJからのレイドを対応しきったモデレーターのみなさま、そしてリングフィットアドベンチャーを私たちのもとに届けてくださった関係者のみなさま、本当にありがとうございました。

今後どういったことをしていきたいかは近日あげる記事で改めて語りたいと思います。応援のほどよろしくお願いいたします。

後日行った振り返り配信はこちら
https://www.twitch.tv/videos/1414066766