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RTA in Japan Summer 2021リングフィットで大トリを務めた感想と今後

日本最大のRTAイベントRTA in Japan Summer 2021にてリングフィットアドベンチャーで大トリを務めてまいりました。

改めて応援してくださったすべての皆様、このイベントの関係者の皆様、リングフィットの関係者の皆様ありがとうございました。

応募からイベント後までざっくりまとめてみます

応募に至った理由

正直言うとハッキリした理由はありません。
恥ずかしながら&申し訳ないことにあまりRTAの文化に詳しくなく、RTA in Japan以外の国内RTAイベントを知りませんでした。リングフィットのRTAしかしたこともなく、応募時はRTA歴1年程度。他のRTA走者とも全然繋がってなく…
配信手伝っていてくれている #例の和室 を貸してくれている友人が「次はRTA in Japan出ましょう!」って言ってくれたから出た。それくらいです。もちろん上を目指したいっていうモチベーションはあったので、RTA走者としての憧れの場として出てみたかったくらいです。


当選時の心境

今でもよく覚えています。
発表時はアクセス過多でサイトに入れず、緊張した時間が続き、ようやく当選タイトルを見れるようになり、「リングフィットアドベンチャー えぬわた」というのを見つけた瞬間心臓の高まりはRiJ走った時よりも高かったかもしれません。

このツイートするときは手が震えていました。実感が沸かない。その言葉が適当だと思います。

実は他に3人のリングフィットRTA走者が応募されていたのですが、そのほとんどが「自分が落選したのは残念だけど、リングフィットが当選したことは喜ばしいから応援する」といった姿勢だったのがありがたかったです。
今までリングフィットRTA走者との交流がなかったので嬉しかったというのもあります。
他のRiJに応募していなかったリングフィットRTA走者の方もご自身の配信や解説動画などで宣伝をしてくれ、本当に周りに恵まれたと思っています。

ちなみに解説を務めてくださったひととせはるさんが速攻でDMでおめでとう&応援しますみたいに言ってくれて、自分の中では解説はこの方にお願いしたいとその時点で思っていました。実際にはたぐちさんとの調整もありその時点でお願いはできなかったのですが。

その1週間後にはスケジュールが発表。大トリということが判明。王道ではないタイトルであったためビックリしましたが前向きにテンションは上がりました。RTA in Japanというイベントの歴史を詳しく知らないからこそプレッシャーもなく、緊張も全くありませんでした。
RTAイベントデビューがRiJの大トリって人も中々いないのではないでしょうか。今思えば申し訳ない気持ちもありますが、結果としてその務めを果たせたようでよかったです。


本番まで

幸いにも(?)リングフィットRTAでは本番にえぬわたに世界記録を出させないように記録更新祭りが行われ、私のモチベーションもとても上がっていました。

たった18分、結局17分になったけど、そんなことに真剣に向き合える機会なんて早々ないです。

練習ペースは、3日に1回はタイムを狙う通し練習。1日に3~5本程度やります。途中でミスしたらやり直すとかもしていたので3~5本って感じです。
残りの2日はウェイトトレーニング。過去の経験からウェイトトレーニングを落としたら絶対に体力も落ちると思っていたので、毎日リングフィットの練習をしたい気持ちを抑えてウェイトトレーニングを行っていました。
とは言え日課として、大幅なタイム短縮になるが成功率の低い階段ジャンプを1日50本以上、タイム短縮に地味に響くドラゴ戦を1本やっていました。


SNS周りも少し力を入れてみました。
ほぼ毎日RTA関連の話題を投稿。こちらを見ていただければわかりやすいですが、Togetterにまとめるのも頑張っていました。


タイミングを逃さずYouTubeの動画投稿も本格的に。これのおかげで自分の前にリングフィットRTAがトレンド入りし、取材も受けるということにもなりました。本番前でバタバタしていましたが、色んなメディアで露出できたことはよかったです。
さらに本番走るカテゴリの解説動画も作成。走り終えた瞬間にアップできるようにしていました。走りとか実況が評価されがちですが実はこういった細かいところもちゃんと頑張っていました。

また過去のRTAイベントや現在進行形で行われているRTAイベントを見てモチベーションを高めていました。
特に刺激を受けたのは昨年末のRiJの大トリsketodaraさんのブレスオブザワイルド


世界でも大きく評価された大ヒット作品であり、爽快なバグ技、精度の高い入力が求められるバグ技、そしてしっかりラスボスと戦ってエンディングまで見る。選定だけで大トリにふさわしいタイトルですがその中身も素晴らしかった。解説は丁寧かつ面白く、茶番や宣伝を混ぜ込む。特に最後心に残ったのが「配信中はsketodaraさんを緊張させたくなかったので言わなかったのですが」というセリフ。ここでミスったら大幅タイムロスみたいなシーンがあったらしいのですが、走者に気を遣い言わなかったとのこと。緊張のあまり完走後息が上がりまともに喋れなかったsketodaraさんとそれを労う解説のPeakさん。泣かされました。記録も「この記録は日本ではsketodaraさんしか出せません」という好記録。憧れました。

また改めてRTAイベントは走者だけでなく、実況と解説の力で作り上げるものであり、自分の重圧というものはほんの3分の1なんだろうと少し気が楽になりました。


本番当日

相変わらず能天気で緊張しないタイプなので前日もぐっすり。
当日はたぐちアナにコンディションのインタビューを受け実況の準備も万端。

そして体を動かすゲームということでウォーミングアップが本当に大事。走る直前に体をしっかりあっためておきたかったのですが、当日スタートが早まるかもしれないということで早めにウォーミングアップ。しかし結局予定通りの時間に開始ということで、とにかくその間30分くらい体が冷えないように着込んで、疲労がたまらない程度に体を動かす。そんなことをしていました。

さてここからは配信開始の話(一部参考にYouTubeのタイムも載せておきます)
アップの時点で心拍数が120程度しかいっていなかったのに、走る前からそれよりも高い心拍数。自分では緊張していないと思っていたものの心拍数は正直でした。

ちなみに走り始めて心拍数が落ちたのは、えぬわた砲を打つ腕の動きが速すぎてスマートウォッチが付いてきていなかったから。

最初の山場はW1-1の2回目の離脱ポイント(10:21)。万が一ここでLv5に達していなかったら15秒近くのロスで、実質放送事故。序盤でこのミスをやってお通夜配信になるのだけは避けたかったのでかなり安全に離脱しています。経験値が167オーバーしているので攻めれば5秒縮められましたがここは守りました。たぐちアナの「レベル5になっていれば成功!」という実況もこのポイントの重要度を表しています。

続く1-2からはTwitterで事前募集した掛け声が届きます(12:17)。

以前の配信から手伝ってくれている友人が叫んでいます。隣の部屋なので笑っちゃうかもだから扉閉めてほしいとかわがままも受け入れてくれて本当に感謝。おかげで集中して椅子のポーズをノーミスで乗り切りました。

その後の山場は階段ジャンプ(14:01)。解説ではうまくいったと言っていますが本当は失敗。階段を全く経由することなく飛び越えられる予定でした。ここでも1秒ほどロス。普段練習で失敗しないところな分くやしかったですね。

また次の戦闘の15:14あたりから敵が休み「運も味方している!」と実況が盛り上がっているのですが実は乱数調整して、休むと分かっていました。

そして最後の山場ドラゴスタディオンの階段ジャンプ(16:14)。解説にもあるように完全に成功すれば15秒ほどの短縮。しかし完璧な成功率は数%なので、許容範囲の成功さえできればいいと思っていました。それが50%程度。そして階段の1歩目でつまずく最悪のミスだけは避けたいと思っていました。…が、それが出てしまいました。練習でも2割くらいしか出ないミス。いやむしろ2割出てしまうというも今思えばまずかったかもしれません。
その後は関係ないのですが募金のためにえぬわた砲を無駄に打ちまくっています。これは攻略には関係ありません(当日はえぬわた砲1回につき10円の寄付を行いました)。

ここまで述べた階段ジャンプの成功パターンや、乱数の話はこちらの動画をご覧ください。

そして最後のドラゴ戦。腹筋ガードではとにかくギリギリでGOODガードを取っています。これは少しでもタイミングを間違えば一気に3秒ほどタイムロス、特に最後のドラゴの攻撃をミスると最初からドラゴ戦をやり直す必要があり5分以上のタイムロス。本当はここは安全に行くつもりですたが、階段のミスを受けゴン攻め状態。完全に冷静さを欠いていましたが無事攻めの走りを決めてギリギリ17分ジャストに間に合ってよかったです。

挨拶で話しているよう、記録としては少し心残りもありましたが、実況が楽しく気持ちよく走れたのでイベント自体は非常に満足して終えることができました。

全体を通してみれば、失敗するかもと思っていたところで失敗した一方、細かいミスはほぼなく攻めた姿勢で走り切り、リカバリーが必要な大きなガバはなく、世界3位、自身の持つ世界1位の記録から7秒遅れ程度の好記録が出たと思います。

完走後の感想についてはこちらの配信の冒頭でも述べているのでよかったらぜひ。


本番当日も挨拶が長くて「巻け!巻け!」と隣で言われていましたが、あまりSNS上で挨拶長いとかいうコメントを見かけなかったので良かったです。


走り終えて

結果として当日は最大同時視聴者数18万7,172人の中走り切り日本のトレンド1位獲得、トレンド3分の1を関連ワードで占めました。直後に上がった電ファミニコゲーマーの記事は、おそらくインタビュー記事では史上最もTwitterで拡散された記事となりました。


さらにリングフィットアドベンチャーも任天堂の公式サイトでパッケージ版が売り切れ、Amazonでは売れ筋ランキング1位を獲得。十分宣伝できたと思います。

私自身もTwitterのフォロワー数、YouTubeのチャンネル登録者数共に12,000人を突破といわゆる時の人になりました。RiJ応募時はフォロワー850人程度。本番走る前は3,500人程度だったんですよ。フォローしてくださった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

ファンアートみたいなものも多くの方に描いていただき本当に嬉しいです。本気記事のサムネはタンポポ様に描いていただいたものです。ありがとうございます。
今回のRTA in Japan全てのタイトルを視聴しイラストを描かれているとんでもない方。


解説について

今回たぐちアナが実況に参加して改めてプロの凄さというものを感じました。
今後もプロが入るべきだとかは言いませんが、RTA界隈で実況解説のクオリティを高めていこう!って風になるといいなと思っています。Super Cable Boyのぼぶそんさんがしっかり準備されてとてもよい解説をされていたのでこういったものを目指したいと思っています。


RTAイベントの効果

先述の通り今回のイベントでリングフィットアドベンチャーがめちゃくちゃ売れました。おそらくですが。Twitter上でもリングフィットRTAに刺激を受けて買ったという声が多く聞きました。本当にありがとうございます。

RTAって走者も視聴者もゲームを愛してやまない人が多いと思っています。
ゲームの反応が面白い実況者の視聴者ってゲームが好きというよりゲーム実況が好きで、RTAの視聴者って純粋にゲームが好きってイメージがあります。
つまり視聴者数をとれる有名人よりも、RTA走者とかにゲームやらせた方が宣伝効果が高いのではと私は思います。
今回自分はそれを証明できたんじゃないかと。

またこちらの記事で主催のNakaさんが述べられているように、「対戦ゲームの多いeスポーツがサッカーやバスケだとすれば、RTAは陸上や水泳。」私自身もそのように並列であるべきものだと思っています。

ゲーム本来の遊び方ではないとか、バグが多様されるとか、そういった観点をうまくクリアにしてもう少し公にできないかなと個人的には思っています。
あとは魅せるフィジカルスポーツの体操とかフィギュアスケートに対する魅せるeスポーツもあってもいいんじゃないかと思っています。もうこれゲームのオリンピックじゃん!もちろんバグなどやり放題でアングラなRiJは残って欲しいですが。

魅せるeスポーツと言えばこの動画。ブレスオブザワイルドの戦闘シーン。


今後の活動について

World1のカテゴリは実はあまり筋肉が重視されないカテゴリで、自分の主戦場とは思っていないので、今後はまたany%(最初からエンディングまで)に注力しようと思います。準備に時間はかかりますので今後も末永く応援頂ければと思います。

リングフィット以外のRTAをやってみたいという思いもある一方で、リングフィットのRTAでやりたいことやりきるまではリングフィットRTAをやり続けたかったりします。自分は今28歳。どうしても体力は衰えるもの。記録狙いの走りは20代のうちにしっかりやっておきたいと思っています。二度と走るかと思っていた28時間かかる100%カテゴリもまた走りたいと少しずつ気持ちが沸いてきました。こちらも準備に1年以上かけて臨みたいと思っています。

そして今回特によかったのがリングフィットRTA走者が増えたこと。まだWorld1のみですが、いずれはany%や100%も出てくるでしょう。いつかはリングフィットRTAオンリーのイベントのもやりたいです。同じタイトルが何度も選ばれるものではないと思ってはいますが、今度RiJや他のRTAイベント応募する際は並走で応募したいなとか、リレーだとか、あるいはリングコンとレッグバンド分担して走るのとか、オフラインイベントとか、色々やりたいなと思っています。

私自身がRiJに今回と同じカテゴリのWorld1で出場することはないと思います。他にも出たい人がたくさんいるから。並走とか解説とかで出場してほしいと声がかかれば考えますが。
ただしオフラインで開催できるようになったら出たいと思っています。一人だけ汗臭くなるけど。あと難しいのは分かっているけど、長距離のカテゴリで出たい。そこが本来自分の得意とするカテゴリだから。
そしてもう一つ。世界最大のRTAイベントGDQに出たい。世界にその名を轟かせたい。そんな野望はあります。

あとリングフィットYouTuber(?)としての活動も頑張りたいと思います。
RTAだけでなく運動のコツや小ネタ解説などなどやっていきたいです。


他の人がやらないぶっ飛んだことをやりたい

リングフィットRTA自体は先駆者がいますが、解説動画をちゃんと自分の声で上げたり、技の解説をしたり、そもそもマッチョなゲーマーのリングフィット専任YouTuberなんて私だけだと思います。

他の人がやらないぶっ飛んだことをやりたい。
自分がずっと憧れていて、人間として尊敬している「がっとれー」という方がいます。
ニコニコ動画のゲーム実況カテゴリで活躍し、現在はYouTubeでも活躍されているのですが、ゲーム実況ではなくゲームを使って一つの作品を作り上げているのが特徴です。その手間暇惜しまずとにかく他の人がやらないぶっ飛んだことをやっています。色んな動画を紹介したいのですがきりがないのでとりあえずこの1本を紹介。

またNintendo Direct実況という文化を日本で作ったのもこの方。

さらに任天堂愛と知識が深く、クリエイターを尊重している。そして何度かお会いしているのですが人間としてもめちゃくちゃ素敵な方で、自分の活動の原点にはがっとれーさんがいて、ファンとしても同じ発信者としても追いかけ続けたい方です。

最後に

改めてこのイベントに出られてよかったです。
自分は人生を通して「ゲーム」も「運動」も全力で取り組んできました。そのどちらも求める「リングフィットアドベンチャー」は自分の人生すべてを肯定してくれるような作品です。RTAを通じて繋がった方々も多く、今「あなたの人生を変えたゲームは?」と聞かれたら間違いなく「リングフィットアドベンチャー」と答えます。本当にありがとうございました。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

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リングフィットRTA走者のえぬわたです。100%カテゴリやany%カテゴリの負荷30の世界記録保持者。RTA in Japan Summer 2021で大トリを務めました
RTA in Japan Summer 2021リングフィットで大トリを務めた感想と今後|えぬわた