たまに読み直したくなるから、処分しないでとってある7冊

#私の本棚

僕の部屋、本棚がないんですね。

だから本は買ってきたら、部屋の隅の方に積んであるのですが、僕、すごく本を買うので、あっという間にたまっちゃうんです。

で、もちろん妻に「処分しなさい」って定期的に叱られるんですね。

だから、買っては読んで、捨てたり売ったり、誰かにあげたりして、とにかく処分してしまうんです。

だから基本的に「僕の蔵書」ってないんです。

でも、「これは手元に置いといて、たまに読みなおしたいな」って思う本が、数冊あるんですね。

で、それは、さすがに保存してあるんです。

その本のタイトルを今回は書きます。

●フジモトマサル『長めのいい部屋』
フジモトマサルさんは全作大好きなのですが、やっぱりこれが最高傑作だと思います。「シロクマがペンギンのことを好き」という設定なだけで、どうしてこんなに面白くなるんだろうって、本当に色んな発見があるマンガです。

●谷川俊太郎『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』
谷川俊太郎は『二十億光年の孤独』か『トロムソコラージュ』か悩んだのですが、やっぱりこれが一番好きです。チャーリー・ブラウン文体と言いますか、この文体が日本語を変えたと思います。

●田口犬男『モー将軍』
この本、もし、まだ読んだことなかったら、是非、オススメします。僕は数ヶ月に1回読んで、「すごい…」って思って、「自分もこういうのいつか書こう」と思います。ところでこの方、僕が想像するに「エッセイ」とかすごく面白いと思うのですが、編集者の方、誰か是非、依頼してみて下さい。

●岡田英弘『日本史の誕生』
僕、日本の古代がすごく好きで、とにかく色んな本をチェックしているんですね。中国大陸の東側と、朝鮮半島と、日本列島に、昔はどんな人たちが住んでいて、どういう交流があったのか、想像するだけで楽しいんです。この本はfinalventさんが絶賛してて読んだのですが、すごく面白いです。東アジアに興味がある人は是非!

●リチャード・ブローティガン『チャイナタウンからの葉書』
これ、池澤夏樹が小説家でデビューする前1977年に訳しているんです。僕、ブローティガンの全作品を好きなわけじゃないし、ブローティガン信者みたいな感じは好きじゃないのですが、この本はすごいです。何度読んでも「ハッ!」とします。

●辻征夫『ボートを漕ぐおばさんの肖像』
藤子F不二雄がSFを「少し不思議な話」って訳したのはご存じでしょうか。僕、その「少し不思議な話」っていうのが大好きなんですね。それを少ない言葉でこんな風に表現できるんだって、辻征夫の詩を読むと、いつも驚きます。

●コマツシンヤ『睡沌気候』
この方の作品をcakesで知ったとき、「cakes読んでて良かった」って心から思いました。この方の僕が思う最高傑作は『アックス』に収録された『DEEP SKY』です。最近の作品も好きなのですが、この初期の作品の色々とアイディアを詰め込んで、試行錯誤している感じがすごく好きです。

以上でした。基本的に「すごく好きで好きでたまらない!」という世界は、閉じて小さな不思議な世界です。

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「最近始まった朝ドラ」です。

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林伸次

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