見出し画像

韓国人という理由でいじめられないように、ずっと日本人として育ってきた #1 無いならメイクで描けばいい

髪やまつ毛、眉毛など、全身の毛が生えない難病、全身脱毛症。そんなハンデを負いながら、美容系ユーチューバー・メイクアップアーティストとして活躍し、同世代から多くの共感を集めているGYUTAE(ギュテ)さん。初の著書『無いならメイクで描けばいい』は、そんなGYUTAEさんの壮絶な半生と、力強いメッセージが詰まった一冊。ページをめくるたびに生きる勇気がわいてくる、そんな本書の一部をご紹介します。

*  *  *

僕の本名は「キム・ギュテ」

動画でも公表しているけど、僕は在日韓国人3世。国籍は韓国で、「キム・ギュテ」は本名です。でも物心つくまでは、自分が韓国籍だと知りませんでした。

画像3

日常生活では、言葉も日本語、学校も日本の公立校。だから在日韓国人っていう自覚が、全然なかったんですよ。そういう風に育ったのは、両親が在日韓国人ということでいじめられないようにと考えてくれたからでした。

うちの両親は在日韓国人2世で、日本にある韓国人の通う学校の出身。映画『パッチギ!』の世界観のまんまで、当時は韓国人というだけで差別を受けていたそうです。

その経験があったからか、両親は子どもたちが差別を受けないように、小さいころから日本人として育て、日本語で生活して、日本人の学校に入れたみたいです。今でも母や母方の親戚はみんな、周りに韓国籍って言っていなくて。そのくらい、昔の差別の印象が強いんだろうなと思います。

僕としては韓国籍ということを隠すというより、質問されたら答えるけど、別に自分からは言わないくらいの感じ。でも僕が韓国籍と知って離れていった友だちは、過去にひとりだけでした。

修学旅行で飛行機に乗る時に、パスポートが違うから初めて韓国籍だって気づかれて。そこから喋ってくれなくなったんですよね。「変わってるなぁ」って感じでしたね。それはそれで、こっちからバイバイって(笑)

昔はこの名前が嫌いだった

そんな環境で育ったので、韓国のことをあまり知りませんでした。法事とか親戚の集まりとかは韓国式だったし、食べるものも韓国料理だったから、そういうところでなじみはあったんですけど。

画像2

そんな僕が韓国に興味を持った、大きなきっかけがあります。それは、東方神起との出合いです。中学生のころ、日本デビューしていた彼らを見て、ビジュアルも歌もダンスも最高で、こんなにパーフェクトなアーティストがいるんだ! と夢中になりました。

そこから、KARA、少女時代、BIGBANGなど韓国の音楽に触れるようになり、知れば知るほど魅力的で、どっぷりハマってしまい……。韓国ドラマも見始めて、あっという間に“韓流カルチャー”のトリコになりました。

僕は活動する時、本名の「GYUTAE(ギュテ)」という名前を使っています。正直言うと、昔は本名がすごく嫌いでした。日本人にとっては、聞きなれない、発音しにくい名前でもありますし。でも、全く違う名前を自分で作って活動することにも、なんだかすごく違和感がありました。

なので“ニックネーム”みたいな感覚で「GYUTAE」と名乗り始めたら、特徴的な名前だから覚えてもらいやすいし、一度聞いたら忘れられない。それってラッキー! と思えるようになりました

未だに「なんでGYUTAEなんですか?」と聞かれることも多くて、その質問にはシンプルに「本名です」と答えています。そうすると必然的に“在日韓国人です”と言っているようなものなんですが、先にも話したように、僕としては隠したいことじゃないので、特に気にしていないです。

今となっては僕と韓流カルチャーは切っても切り離せないですし、「GYUTAE」という名前も気に入っています。

◇  ◇  ◇

連載はこちら↓
無いならメイクで描けばいい

405942_帯

紙書籍はこちらから

電子書籍はこちらから

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。
出版社の幻冬舎・電子書籍部門アカウントです。 小説、エッセイなど文芸作品から、実用書やビジネス書まで、幅広い本の試し読み記事やオリジナルコンテンツ、そのほか幻冬舎にまつわる様々なことを発信していきます!
韓国人という理由でいじめられないように、ずっと日本人として育ってきた #1 無いならメイクで描けばいい|幻冬舎 電子書籍