今から21年前、中国・浙江省(せっこうしょう)・温州市(おんしゅうし)。
それが起きたのは、11月17日…この街にある新聞社に突如、現金が入った小包が届けられた。
全部で2万元、日本円でおよそ30万円(当時のレート)。
中国の一般企業の平均年収は、およそ70万円(当時のレート)と言われており、決して少ない額ではなかった。
小包の中には、現金と共に手紙が添えられていた。
そこに書かれていたのは…
「この2万元は、一生懸命働いて貯めたお金です。これを孤児や母子家庭に寄付してあげてください。私は、今後33年間、毎年2万元の寄付を行い、農民に恩返をししたいと思っています。農民の息子・ラン・シャオ・ツァオ。」
新聞社に突如届けられた、匿名の寄付金。 この件は、記事となり、温州市の住民たちに知れる事に。 防犯カメラにその姿が捉えられており、それを元に目撃情報も募ったが、ラン・シャオ・ツァオという送り主が誰なのか、その正体は分からなかった。
そして、1年後の11月17日。
この日、温州市にある慈善団体のオフィス前に再び2万元が届けられたのだ。
送り主は、去年と同じく『ラン・シャオ・ツァオ』だった。
その後も、毎年必ず11月17日に『ラン・シャオ・ツァオ』から2万元の寄付金が届けられた。
しかも、届けられる場所は毎年変えられていった。
そのため、よほど正体を明かしたくない理由があると考えられた。
なお、目撃情報によると、1年目は二人組だったが、2年目以降は一人の若い男性のみだった。
ラン・シャオ・ツァオが寄付したお金は、要望通り、孤児院や貧しい人を助ける活動などに充てられた。
これを受け、温州市は毎年開催している、地域に貢献した人物を讃える賞に、ラン・シャオ・ツァオを選出。
授賞式に招待する事を呼びかけたが、姿を現す事はなかった。
そして、寄付が続いて15年が経った2017年10月。
一番最初に寄付が届けられた新聞社に驚きの知らせが届いた。
電話をしてきたのは、ホウ・ハイピンという女性。
記者が訪れると、彼女の弟 ホウ・ハイグォ、そして、大学生である彼女の息子 ワン・ズジェンも同席した。
彼女はラン・シャオ・ツァオの妻だという。
『ラン・シャオ・ツァオ』の正体、それは、ワン・ジュエという男性だった。
その職業は、医者だった。
ワンは、温州市内で7代続く医者の家庭に生まれた。
そんな彼は、20歳の時、市内を飛び出し、14の有人島からなる洞頭区(どうとうく)の中の一つ、大門島で診療所を開いた。
人口は1万4千人と少なくはなかったが、フェリーでないと行けず、交通の便が悪い場所だった。
そのため、島で医師をやろうとする人はなかなかおらず、ワンはそれを聞き、自ら進んで島で開業した。
島民はワンを温かく迎え、生活など色々助けてくれたという。
自分を受け入れたくれたという感謝の気持ち、その想いを込め、ワンはある座右の銘を掲げた。
それは…『老人を敬い、幼い子を愛おしむ、貧しきをなくし、弱きを助ける』
そんな彼は、医師を初めて13年が経った時、毎年2万元の寄付を始めることを決意。
それを、妻と義理の弟にだけ話した。
そして、自分で稼いだ2万元と手紙を入れ、自身と妻の弟と2人で新聞社に届けた。
だが、この1回目の時、防犯カメラに姿が捉えられてしまったため、翌年からは妻の弟だけで届けた。
自分が『ラン・シャオ・ツァオ』だとバレないために。
中国では、ワンのような町医者の平均年収は、およそ6万元程度(当時のレートで約90万円)と言われている。
つまり、年収の3分の1を寄付していた事になる。
だが彼は、そこから15年間、毎年11月17日に、2万元を寄付し続けた。
しかし、この年の7月、ワンは身体の不調を感じ、検査したところ…末期の肝臓癌である事が判明。
余命は、あと数ヶ月程度との宣告を受けた。
それでも寄付金の準備をしていたという。
そして、11月17日の一カ月前、10月20日。
ワンは、この世を去った。
ワンが寄付を始めた理由は妻も知らなかった。
33年後に教えてあげると言われていたが、その前にこの世を去ってしまったのだ。
だが、寄付を始めたきっかけは、ワンの弟が癌で亡くなったことにあるという。
ワンはとてもショックを受けていたという。
そんな時、流れ星が流れ、ワンは願い事していた。
そして、「今年から33年間、毎年2万元を寄付しよう。」と言い出したという。
「生涯をかけて恩返しをしていくんだ」と言っていたという。
ワンはよくこう言っていたという。
「人たるもの恩を受けたら、それに報いなければならない」
ワンが島に来た時、島民が温かく迎え入れてくれた。
色々助けてもくれた。
その受けた恩に報いるために、あえて島の人にだけではなく、もっと多くの困っている人たちに向けて寄付を始めたのではないかと家族は考えていた。
そもそも寄付によって、賞賛を得たかったわけではなかったため、偽名での寄付を行なっていたというワンさん。
それでも、彼の思いを少しでも多くの人に知ってもらいたいと、彼の死後、家族は事実を公表することに決めたのだという。
この事実は、温州市のみならず、中国全土で大きく報道。
多くの人がワンさんの行いを讃えた。
すると、彼が医療に従事した大門島で告別式が開催される事になったのだ。
島の人々はもちろんの事、それ以外からも多くの人が集まり、あらためて彼の死を悼んだ。
こうして、33年間という約束通りにはいかなかったものの、毎年2万元を寄付するという、ワンさんの恩返しは終わった…かに思えたが! ワンさんの息子 ワン・ズジェンさんは、父の思いを受け継ぎ、今も毎年11月17日、2万元の寄付を続けているのだという。
ワン・ズジェン「父は財産を残してはくれませんでしたが、精神的な財産は一生分残してくれました。弱い人を助け、約束を守り続けることが大切だという父の教えを僕が寄付を引き継ぐことで多くの人たちに伝え続けたいと思います。」
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