結局、憲法が機能していないということだ
そこまで考えてきて思い出したのが、第1章で触れた「航空法特例法」でした。
「米軍機には、〔最低高度や飛行禁止区域を定めた〕航空法第6章の規定は適用しない」
という法律です。
日本には、国民の人権を守るための立派な憲法があり、危険な飛行を禁止する立派な航空法も存在する。しかしそのせっかくの条文が、米軍に関しては「適用除外」になっている。
もちろん、どんな特例法があろうと、国民の人権が明らかに侵害されていたら、憲法が機能してそれをやめさせなければならないはずだ。ところが現実はそうなっていない。
つまり在日米軍に関しては、
「結局、憲法が機能していないということなんだ」。
そう思った瞬間、それまでまさに混沌状態にあったいろいろな思いが、スッと整理されて、目の前が急に開けたような気がしたのです。
「憲法さえきちんと機能すれば、沖縄の問題も福島の問題も、ほとんど解決することができるんじゃないのか」
いま考えると、それは当たり前の話で、どうしてもっと早く気づかなかったんだろうと思うのですが、そのことにはっきり気づくまで、丸々二年かかりました。
でも、そこからはスラスラと謎が解けていったのです。