なぜアメリカ軍は「日本人」だけ軽視するのか…その「衝撃的な理由」

『知ってはいけない』

いちばん驚いたこと

「?????」

一瞬、意味がよくわかりませんでした。

私は沖縄で米軍基地の取材をしている最中、米軍機が市街地でギョッとするほどの低空飛行をする場面に何度も遭遇していたからです。軍用ヘリコプターが巻き起こす風で、民家の庭先の木が折れるほど揺れるのを見たこともありますし、マンションの六階に住んでいて、

「操縦しているパイロットといつも目が合うのさー」

と言っていた人にも会いました。

実際、丘の上から普天間基地を見ていると、滑走路から飛び立った米軍機やヘリが、陸上、海上を問わず、島の上空をどこでもブンブン飛びまわっているところが見える。

「それが、米軍住宅の上だけは飛ばないって、いったいどういうことなんだ?」

しかも伊波氏の話によれば、そうした米軍の訓練による被害から守られているのは、人間だけではないというのです。アメリカでは、たとえばコウモリなどの野生生物や、砂漠のなかにある歴史上の遺跡まで、それらに悪影響があると判断されたときには、もう訓練はできない。計画そのものが中止になる。

なぜなら、米軍が訓練をする前には、訓練計画をきちんと公表し、環境への影響評価を行うことが法律で義務づけられているため、アメリカ国内では、人間への悪影響に関して米軍の訓練が議論されることはもうないというのです。

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いや、いや、ちょっと待ってくれ。おかしくなりそうだ──。

どうして自国のコウモリや遺跡にやってはいけないことを日本人にはやっていいのか。

それは人種差別なのか?

それとも、よその国なら、何をやってもいいということなのか?

いや、そんなはずはない。

なぜなら、たとえば沖縄本島北部の高江では、ノグチゲラという希少な鳥の繁殖期には、ヘリパッドの建設工事が数ヵ月にわたって中止されているからだ。

「日本人」の人権にはまったく配慮しない米軍が、「日本の鳥」の生存権にはちゃんと配慮している。

これはいったいどういうことなのか……。