そのとき、自分と家族を守るため、また混乱のなか、それでも価値ある人生を生きるため、さらには無用な争いを避け、多くの人と協力して新しくフェアな社会をいちからつくっていくために、ぜひこの本を読んでみてください。
そしてこれまで明らかにされてこなかった「日米間の隠された法的関係」についての、全体像に触れていただければと思います。
「リアル陰謀論」
本というのは不思議なもので、書き手としては、自分が大切だと思ったことをいろいろと並べて書いているわけですが、読者の方の興味というのは、かなり特定の問題にピンポイントで集中することが多い。
そうした読者からの反応を聞いてはじめて、
「ああ、自分が書いた本の核心はここにあったのか」
と気づかされることが多いのです。
私がこれまでに書いた本でいうと、第一章でお話しした「横田空域」と、本章で扱う「日米合同委員会」の問題が、圧倒的にみなさんの関心をひくようです。
しかし、よく考えてみるとそれも当然の話で、もしも私が数年前に誰かから、
「日本の超エリート官僚というのはね、実は月に二度ほど、都内にある米軍基地などで在日米軍のトップたちと秘密の会議をしているんだ。それで、そこで決まったことは国会に報告する義務も、外部に公表する義務もなく、事実上ノーチェックで実行することができる。つまりその秘密会議は、日本の国会よりも憲法よりも、上位の存在というわけさ」
などといわれたら、確実に、
「コイツはおかしいから、つきあうのはやめよう」
と思ったはずです。
「これが陰謀論者というやつか」
とも思ったことでしょう。
けれどもそういう「リアル陰謀論」とでもいうべき世界が本当に実在することが、いまでは広く認知されるようになりました。
それが日米合同委員会です。