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野生のシカやイノシシを捕獲する滋賀県長浜、米原両市内のハンター約30人が昨年、大阪国税局の税務調査を受け、捕獲に応じて国などから支給される報償金で得た所得計約1億7000万円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。国や自治体が有害鳥獣の捕獲に力を入れる中、報償金の支給額は増加傾向にある。ハンターの多くは国税局の調査に「報償金が課税対象とは知らなかった」と説明したという。
農作物や環境保護のため、シカやイノシシといった有害鳥獣の捕獲頭数などに応じ、国は自治体を通じてハンターに報償金を支払っている。滋賀県では、県と市町が独自に上乗せし、1頭あたり最大2万3000円を支給。報償金は、事業所得や雑所得として課税対象となる。
関係者によると、約30人は2020年までの5年間で、長浜市などから年に数十万~500万円超の報償金を得ていたにもかかわらず、所得の申告を怠ったり、過少に申告したりしていた。無申告加算税などを含む追徴税額は計約600万円で、いずれも修正申告を済ませたとみられる。
約30人は滋賀県猟友会の支部に所属。国や自治体の補助金に関する納税意識が不十分だったことが一因とみられる。
国は来年度までにシカとイノシシの生息数の半減を目指しており、報償金に関する自治体への交付額は21年度約56億円に上り、19年度に比べて約10億円増えた。中には年1000万円以上の報償金を受け取るハンターもいるという。