言葉で傷つけあい、言葉で世界を滅ぼす。大切な、〈ひとり〉のためだけに。
『言霊』——単語や詠唱の力で火を起こしたり、風を発生させたり、場合によっては雷さえ落とす超常の力。
それらを管理していた塔『バベル』は、ある日突然崩壊した。言霊は欠片となってバベルを抱いていた『能州塔螺島(のすとらとう)』各地に散り、人々はその力を求め争った。
ある者は力のため、ある者のためは知識のため、ある者は富のため、ある者はロマンのため——多くの言霊師が、能州塔螺島に集った。
そしてその若者も、また——、
航海の末島に辿り着いたのは言霊師の一人、半妖の青年レイジ・シノノメ。極東より現れた彼は狐の尾を二つ揺らし、言葉で傷つけ合うそこへ足を踏み入れる……。
最愛の師匠を癒す言葉を探すために——。
※独自色の強いファンタジーです。
※セルフレイティング全乗せです。R15作品だと思っていただければ幸いです。
※殺人・死亡描写多々あります。
※主人公は善人ではありません。