2023-11-09 政治・国際

途上国が抱える対中債務は総額166兆円 中国の融資を受けた80%の国が借金苦

© REUTERS 人民大会堂で行われた「一帯一路」フォーラムで演説した習近平国家主席=2023年10月18=

注目ポイント

巨大経済圏「一帯一路構想」のもと、中国が推し進めてきた途上国へのインフラ開発のための投融資。その融資の残高は、元本だけで少なくとも1兆1000億ドル(約166兆円)にも上り多くの途上国が返済できず、港湾施設などの権益を譲渡せざるを得なくなる「債務のわな」に陥っている実態が明らかになった。

エイドデータによると、中国から途上国への資金提供はパンデミックで減少した。16年に1500億ドル(約22兆6000億円)に近づきつつあったピークから下降し、20年には14年以来、初めて1000億ドル(約15兆円)を下回った。

だがエイドデータの最新データによると、中国による資金調達額は依然として年間数百億ドルあり、助成金や融資を含む21年の総額は790億ドル(約11兆9200億円)で、前年比50億ドル(約7540億円)増加していた。ちなみに、21年の世界銀行による融資総額は約988億ドル(約14兆9000億円)だった。

21年の融資の58%は緊急救済融資で、外貨準備や信用格付けを強化したり、他の国際金融機関への債務返済を支援したりするもので、危機に陥った債務国の存続を支援する目的だった。エイドデータによると、これは中国がますます「国際危機管理者」としての役割を果たしていることを意味し、どの借り手が救済されるかは中国次第だと指摘した。

「債務危機に陥っている全ての国が、中国からの緊急救済融資を受けられるわけではない。一帯一路の最大の借り手にのみ、これらの資金を融資するということだ」とパークス氏は解説した。つまり、「表面的には中国は借り手を救済しているようだが、実際は自国の金融機関を救済している」というのだ。

こうした焦げ付いた融資が今後、債務問題の増大に悩まされている中国の銀行セクターにどのような影響を与えるかは明らかではない。

一方、返済遅延に対して中国はより強力な金利の罰則も課しているという。2017年までの4年間は上限が3%だったのに対して、21年までの4年間は3倍近くの8.7%に引き上げた。巨額債務を返済できない場合、港湾施設などインフラ権益の譲渡を迫る、いわゆる「債務のわな」が待ち受けている。だがエイドデータは、このようなインフラ施設は現金化するのが難しく、流動性が低い資産だという。

債務返済にあえぎ、中国政府の緊急救済融資への借り換えを検討している国に対してエイドデータは、「安価な債務がより高価な債務に変わる危険性に留意する必要がある」と警告した。

 

 

 

 

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