『ボウモアと海』リリースにあたって

お知らせ

 あれっとお思いの方もいらっしゃるようです。この作品ではタイトル・表紙をはじめ、酒類その他の既製品名称をばっちりだしていることについて、少しお問い合わせをいただきました。
このことについて、簡単にご紹介をしようと思います。

題して

『商品名を小説に出していいのか問題2023』

 結論から申し上げますと、出してもいいんです、法律上。(人物と同じで名誉毀損にはご注意を)
ただ、一般名称と登録している商品名を混同して誤解の生じる描写をすると、権利者に不快感や不利益をもたらすリスクがあります。使用する固有名詞については、誤解が生じないように気を配りたいですね。例えば、「シャーペン」や「チャッカマン」など、調べると興味深いことが分かります。いろいろとチェックしてみてください。
 権利関係も誤解をされがちな分野のひとつです。
 ザックリ言うと、著作権は一般的な工業製品にはおよばない。商標権は類似の用途を持つものにのみ適用される。意匠権は登録制で25年が期限など、法律上の規定があります。
表紙デザインについても同様です。
 気になる場合は意匠登録の有無が確認できる特許情報のデータベースが無料で利用できます。特許庁のリンクからどうぞ。

 以下に参考になりそうなものを文化庁・特許庁のサイトから引用します。興味のある方は一度のぞいてみてください。

著作物とは

 著作物は、小説、音楽、絵画、写真、映画、漫画、コンピュータプログラム等、人間の知的・精神的活動によって創作されたものを指します。プロかどうかは関係なく、その人の個性が何らかの形で表現されたものであれば、著作物に該当する可能性があります。(文化庁 「著作権Q&A」より)

商標権とは

 商標登録がなされると、権利者は、指定商品又は指定役務について登録商標を独占的に使用できるようになります。また、第三者が指定商品又は指定役務と同一の商品又は役務に自己の登録商標と類似する商標を使用することや、第三者が指定商品又は指定役務と類似する商品又は役務に自己の登録商標と同一又は類似の商標を使用することを排除することができます。(特許庁「 商標制度の概要 」より)

意匠権とは

 意匠制度は、新しく創作された意匠を創作者の財産と位置付け、その保護と利用のルールについて定めることにより、意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的としています。
 意匠法の保護対象となる「意匠」とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいい、物品の「部分」のデザインも「意匠」に含まれます。
 登録査定がされた意匠登録出願については、出願人が登録料を納めれば、意匠権の設定の登録がされ、意匠公報が発行されることになります。
 この意匠権を得た人は、登録された意匠と同一及びこれに類似する意匠にまで効力を有し、登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有することができます。
 なお、意匠権の存続期間は意匠登録出願の日から最長25年をもって終了します。(特許庁「意匠制度の概要 」より)