はしゃぎすぎた週末のしわ寄せ
懐かしい感じがした。
そうだ、これがずっと俺の求めていた・・・
そうだ
これが俺の
日常
復帰するにあたり色んな準備をして迎えた週末。
きっとまたこの場所で素敵なドラマが待っているはず。
もしかしたらもう通用しないのかもしれない一抹の不安もある。
それでもやってみないと分からない。
ダメだったらそのとき考えよう。
夕方になり出撃した。
現場についてかなり緊張している自分と対峙する。
理由のわからない不安が襲ってくる。
引退してから2年半以上経ってる。
毎週のようにストに出ていたあの頃とは違う。
声がかけられない自分の方が恥ずかしいと言い聞かせて無理やりでも声をかけ始めた。
身体も口も少しずつあったまってきたのがわかる。
そして、9人に声をかけた時に、うち3人にガンシカされたが他は普通に話せている。
少しだけまだできるんだと思えた。
10人目はアーケードに面した免税店から出てきたスラっと背の高い子だった。
身体が反応した。
フロントから声をかけていた。
「圧倒的だね、存在感。この雑踏の中で」
この時、緊張はまったく感じない。この空間の時間だけ遅く感じた。
ああ、ずっと求めていた理想的な入り方だと感じた。
相手がこちらを見て笑った。会話が始まった。
「首が綺麗だから、23歳でしょ!」
「あたり!」
「じゃあ10WAONポイントゲットで!」
「意味わかんないw」
あー、そういえば昔こんなやりとりもしてたなと、過去の自分をなぞる。
「今、何してたの?」
「この後、待ち合わせで時間調整中なんだ」
相手はこの後予定があるが、40分は時間がある。
お茶でもしながら会話しよ!と打診して目の前のカフェに連れ出せた。
会話の節々で察していた。
彼女のこの後の予定はアプリで知り合った相手と会い飲みに行くと。
その予定まで何ができるか自分を試してみる。
席に座って会話をする。
これも久しぶりだ。
連れ出し先を個室に誘導しなかったことは反省したが、徐々に変えていこう。
まず自分が必要なのは現場でしか得られない勘や慣れといった経験値。
しばらく元嫁以外の女と接点がなかったんだ。これも経験だな。と言い聞かす。
相手の子は自分のことはあまり話したがらないので、俺の話を聴いてもらった。
離婚したことや結婚生活で感じたことを話した。
またその際に年齢を何度も聞かれた。
あーそういえばこんな時はこうだったなーと
はぐらかしはぐらかし、すぐには与えないようにした。
いくつに見えるか聞いてみたら同い年くらいからちょっと上というので、見た目はそこまでオジじゃないと思ってもらっているようだった。
素の自分で勝負と開示した。
「えぇwwwやばぁぁぁ全然見えないwww」
年齢開示が食いつきを下げなかった。
これはたまたまなのかもしれない。
諸刃の剣だと思うしギャンブルだからこれからはなるべく開示しないようにしようと思う。
時間が来たので、バイバイした。
「もし相手の男といても全然つまらなかったら俺に連絡して!」
「わかったー!」
といって手を振ってくれた。
21時前、いったん休憩をとった。
流石に慣れないことをすると疲れがどっと押し寄せて来る。
時間とともに酷くなっていく
それでも気合を入れて準備をする。
23時半、再び街へ向かっていた時、LINEが入る。
見慣れた文字が光る
その通知ひとつで全てを救い得るあなたの間の良さに
しんどいなぁってなんて思ってんのバレてるみたいだ
なかなか再出撃できない自分を奮い立たせて街に出てきたらタイミング良すぎるwww
「つまらないw」
きくと無理やり襲われされそうになりドン引きしたらしい。(不同意・・・)
個室搬送されているが距離をとっているそうなので、そっち解散して合流しよう打診が通る。
逃げてきたようにこちらに向かってきた。
無事でよかったね!」
「ほんとありえん!!」
とりあえず反省会しよ!で近くのカフェへ搬送。
多少のお酒が入っているせいか、すこし喋るようになっていた。
いろんな話をした。
その中で、
もともとは年上が好きだった。最近付き合ってたのは年下ばかりだったけど年上もいいなって今は思っている。
離婚している人でも中身が素敵ならアリだよ。
養ってほしい。
と食いつきを感じるフレーズが出てきてオジの俺も捨てたもんじゃないと思った。
店を出た。
寒いなといって手をつなぐ。
迷子になっちゃいけないから、、、俺が!
という使い古された理由で距離を縮めた。
どこ行くの?
もう帰る?
俺はもう少し君と一緒にいたい。
そして、思いを込めた言霊をぶつける。
素直な気持ちなんだけど、俺は君を抱きたいんだ、今すぐ誰かと付き合いたいとか結婚したいとかそういう気持ちは流石に今はないんだけど、今まで君と過ごした時間の中で、君が素敵な女性だということは分かった。
今の自分の最大級の言葉は君を抱きたいなんだ。
・・・いいよ。
打診が通った。
そのままラブホへ搬送した。
シャワーを浴びて
まぢですげー久々に
ストリート・ブーメラン天使!
朝方、眠たい目をこじ開けて家の近くまで送る。
また連絡するね!
そう言われて別れた。
はしゃぎすぎた週末のしわ寄せ
懐かしい感じがした。
そうだ、これがずっと俺の求めていた・・・
そうだ
日常だ。
ストリートで天使は久しぶりだ。
それに元嫁より若い子だったから、かなり自信になった。
俺はここから始めるんだ。
心身ともに錆び付いた俺には、昔を超えるくらいに己と向き合わないといけない。
解決策はいくつかある事 分かっても踏み出せない
そんな奴にはなりたくない。
結果が出なくて辛いとか辞めたいとか
まだ言いたくない。
まだ俺はやれるんだ。
強がれるこの強さが割と大事みたいだ
やはりオジがストリートで結果を出し続けるには断固たる決意が必要なんだ。
そう、決意が。
後日、、、
師匠に依頼した。
師匠、また講習を受けたいです。
おけ!
あのー、、、初心者として扱ってください笑
おけ!
こうして8年ぶり2度目の流講習を受けることになった。
つづく!