「涼宮ハルヒ」シリーズのコミカライズ版と言えば、今でこそツガノガク版の事を指しますが、それ以前にもコミカライズ版が存在していました。
幻のみずのまこと版
それはみずのまこと版で、2004年4月から12月迄「月刊少年エース」に連載されており、エンドレスエイトの途中で打ち切られました。
打ち切りに関する噂
連載が打ち切られたのは「みずの氏が無断でハルヒの成年同人漫画を描いた」と言われていましたが、それは全くのデマで、元々角川の系列会社の作品だったのを本家角川が直々にメディア展開をする事になったのと、みずの氏には申し訳ないものの、やはり絵柄に難があり、描き手を交替した方が良いと考える様になり、みずの版は一巻限りで絶版となり、歴史の闇に葬られました。
逆にヒットしたツガノガク版
メディアミックスって何だ
また、角川は自社メディア企画の二次利用に関しても厳格であり、絵師に「展開終了後はそのキャラクターの二次利用を禁止する」と言う覚書があると言われています。
メディアミックスにとって絵師は部品や歯車でしか無いのでしょうか?
危うく封印作品にされる所だった山本寛監督版ハルヒ
山本寛アニメ版も危なかった
山本寛監督・京都アニメーション版のアニメ版第一期も完結後、山本監督が京アニメ社長と対立し、解任される事態が起き、その後アニメ第二期が新アニメ版と称した為、山本版が封印されるのではとの噂も立ちました。
しかし、新アニメ版は問題エピソード「エンドレスエイト」を作ったばかりに視聴者からの抗議が殺到を憂慮し、山本版を再放送で混ぜる事で非難を回避しました。
みずの版の悲劇は親会社の意向に振りまわれた事で犠牲されたと言え、ハルヒ本編でハルヒが「あたしは社会の歯車になるのが嫌でSOS団を作った」と言っており、正にメディアミックスに於いて、絵師や監督は部品でしかないのか、考えさせらる出来事でした。
参考文献安藤健二著「封印作品の憂鬱」・少女と歯車より引用