学校の聖母~純心学園高校の短い春~
39,004文字1時間18分
逃げ馬さん原作の学校の聖母を、私が脚色したものです。新年度から共学化した純心学園高校に入学した生徒さんたちの運命やいかに・・・・あちこちにリンクが飛ぶ系なので、もしかしたら間違えているかもしれません。リンク違いがありましたら直しますので教えてください(←怠慢な作者:苦笑)昔上げてたやつから今回はほとんど直しておりません。
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<プロローグ:春の訪れ>
「純心学園高校」は、去年までは女子高だった。しかし、少子化も進んでいるため、理事長が交代したのをきっかけに、生徒を確保するために今年から共学にする事になっていた。
その、新学期前の学園の会議室。
「共学にするのを止めろだって?!」
理事長が、声を荒げる。
「ハイ・・・そうしていただく方が、学校のためかと・・・」
女性教師の一人、家庭科の小島が言った。定年間近の彼女は、今、この学校にいる教員の中では一番勤続年数が長い。
「なにを今更・・・なぜ共学に反対なんだ!」
校長が彼女に向かって叫んだ。
「この学校の伝説をご存知ですか? “乙女に危機が迫る時、聖母が現れて乙女を救う“・・・建学以来、男子学生どころか、教員や職員すら女性しか受け入れてこなかったこの学校が、男子生徒を受け入れるなんて・・・」
「馬鹿な事を言うな!くだらん!!」
教頭が被せるように言った。
「もう決まった事だ!いいな!今年度から男子学生を受け入れて共学にするのは決まった事なんだ。変更は出来ない。」
「どうなっても・・・知りませんよ・・・」
理事長の言葉に、その女性教師はそう言い残して会議室を出て行った。