1日午前6時35分ごろ、福島県会津若松市旭町の無職石山貞さん(88)が自宅脇の駐車場で頭から血を流して倒れているのを近隣住民が発見し119番通報した。石山さんは心肺停止の状態で市内の病院に搬送され、約1時間後に死亡が確認された。会津若松署が死亡ひき逃げ容疑事件を視野に捜査を進めている。
同署は当初、石山さんの顔にある傷痕などから、熊に襲われた可能性もあるとみて捜査に入った。正午ごろにかけ、署員や市職員が現場の周囲を捜索したが熊の発見には至らなかった。その後の捜査で、複数の傷や、駐車場から道路側へと続く血痕などからひき逃げの疑いが強まったとして、周辺住民への聞き取りや防犯カメラの映像などから当時の状況を調べている。
石山さんは1人暮らし。倒れていた駐車場は石山さんが管理していた。現場はJR会津若松駅から南東に約1キロの住宅街で、近くには小学校や娯楽施設がある。
■「熊の出没」警戒 近隣住民に緊張 小学校では見回り
熊の出没を警戒した近隣住民には一時、緊張が走った。現場近くの行仁小は登下校時に教職員が通学路の見回りを実施した。保護者の女性(32)は「熊ではなかったようだが、ひき逃げも心配。明日も子どもと一緒に登校する」と不安がった。市内旭町の自営業男性(78)は「(現場前の道路は)早朝だと住民以外はほとんど通らない場所なのに一体何があったのか」と話した。