ボケる人は頭を使っていてもボケる

最近、お年寄りの徘徊者が目立ってきた。認知症になった人が決まって言う事は、「ごはん、まだか」「嫁が金を盗んだ」、「家に帰れない」の三つだという。
 大学の偉い先生が突然、認知症になる。レーガン、サッチャーも認知症になった。作家の某氏もなった。
 普段、頭をつかっていても、なるのである。原因がわかないから、恐ろしい。

 しかし、何もしないでいると、なる可能性がずっと上がる。
 そのための予防策であった、決して、これを守ったからと言って、止める手立ては今ののところない。
 特に、親が認知症にかかると、自分も将来、その遺伝子をもっているので、成る可能性が高いという。

 フレディ松川著 『絶対ボケない生活』

 1 ボケて入院する人が圧倒的に多いのは公務員?


 著者の病院に「入院する男性の職業は、圧倒的に多いのが公務員だった。
人は、長い間の消極的な知的生活および貧しい精神生活によって、脳の神経細胞が減少し、記憶力、思考力が低下し、認知症を発症する。


 消極的な知的生活とは、本を読んだり、映画や演劇を見たりしない、感動しない、いつも悲観的な、あるいは物事を杓子定規のように考え、余計なことを一切考えないことである。
 こう言う人は、ほとんど、生真面目で、几帳面、頑固、粘り強く、どちらかと言うと、ネクラで、無愛想である」と。

 図書館等の公共の場へ行くと、エレベーターから、人の対応、何から何まで、遅いと感じる。
 ここで、働く人は毎日、この環境に身を置く。自然と、ボケてくるのではいか。

 さらに、著者は公務員の次にボケて入院するのが、学校の先生だという。特に、文系の国語、歴史、地理、公民、英語の先生らしい。
 反対に、入院したことのない科目は体育の先生だという。
理系の先生も少ないと。
 どうやら、毎年、同じ事を繰り返ししていると、脳に支障をきたすようだ。
 将来、安泰というイメージがあれば、駄目なようだ。切羽詰まったものが日々必要なようだ。


2 バーのマダムはボケない?

著者は80歳のママに出会い、こう聞く。
「うちの病院はママより若い人がボケて、たくさん入院している。ママのように、年をとって、こんなにきれいで元気なのはなぜか」と。
 すると、
「欲ですね。欲がなくなると、すぐボケるよ」と。
 「彼女たちの欲はお金だった。バーのママは独身が多い。頼るものはお金だから」と。

また、「女性で言えば、離婚を重ねたり、波乱万丈の生き方をするような女はボケないで、夫や家族のために尽くす良妻賢母がボケる」と。

 僕は、これは見習えないが、参考になる。欲はお金以外にもある。知識欲を伸ばせばいいと思うが。

3 頭、手を使ってもボケる?

 「頭をふだんから使うとボケない」とか「指先を動かせばボケない」とよく言われる。

 今でも信じている人が多い。

ところが、頭をよく使う大学の教授がボケる。
学校の教師なんか何人も著者の病院に入院している。
 ある学問の権威が秘密裡に著者の病院に入院した。誰もが尊敬している人だという。

 秘密裡というのは、その先生がボケたとわかると、その業績が落ちるというので、教え子が人を介して秘かに入院させた。もう亡くなったが。
 だから、弟子たちは、この時、「頭を普段から使っていればボケない」は迷信だと、知ったのである。

 あえて言えば、「ふだんから頭を使いながら、よく指を動かしていればボケないかもしれない、ということだ。

だから、画家や音楽家はボケが少ないのだろう。


4 認知症の権威がボケた?

去年の月刊雑誌に認知症の権威の長谷川和夫氏本人が書いていた。
 何もせず、悠々自適の生活を送っていない。
 むしろ多忙で、八十九歳まで現役で各地で講演をした。だから、まさか、認知症になるとは、と考えていなかった。

 そんな先生すら、認知症になってしまった。

 長谷川先生によると、次の順番で認知症になると思っていた。

 いまがいつかわからない。いま、自分がどこにいるかわからない。目の前の人が誰かわからない。

 だから、それさえわかれば認知症にならないと、信じた。
 
 ところが、現実は違った。
まず、「自分が話したことを忘れてしまう」ことから始まって、「あれ、おかしい」と思うようになった。 
 やがて、昨日そんなことはなかったのに、今日になると、いまがいつかわからなくなった。そして、家に鍵をかけたか心配で、何度も家に確認に戻ったと。それで、やっと、自分が認知症だとわかった、と言う。

 認知症の第一人者がこうなるのである。だから、我々はいつ、どこで、どんな形で認知症になるかわからないのである。認知症は突然、やって来るのである。


5 一旦、認知症になると、元に戻れない?

認知症になる段階がある。
 「健康―プレフレイルーフレイルー軽度認知症―認知症

 となる。
 フレイルとは老化による衰えである。
フレイルには、身体の衰え、心と脳の衰え、社会性の虚弱の三つである。

 認知症は進行性でかかったが最後、決して治らない。
 フレイルの段階で、努力すれば、元に戻る可能性がある」と。

だから、少し、思い出せない事が多い、と気づいたら、受診を受けた方がいい。

6 次の七ツの事をすれば、防げるかもしれない?

 ボケない人には7つの習慣があった


 ただ、七ツの習慣をするのは大変なので、まず、三つの習慣を最低してほしいという。

   1 体を動かす(散歩をする)

あくまで、防止率が高まるのであって、たとえ、毎日、散歩しても認知症になっている病人が著者の病院には多数いるという。

 そのためには、ただの散歩ではダメで、研究散歩をすればよい。
 絵が好きなら、スケッチする。道端の花でもいい。
 写真が好きなら、朝の散歩に犬の写真をとって、飼い主な上げると、喜ばれるだろう。
 俳句を散歩の途中で、浮かべるのもよい。

 散歩しながら、「風が気持ちいい」と感じるだけで、脳の刺激になる。その分、血流が増える。

 ボケない歩き方があるという。

 できるだけ、つま先を意識して歩くことだ。

 
   2 回想(思い出す、日記をつける)

 その日やらなければいけないことを前日までに書いておく。
 夜、その日に起こった楽しかった事を書く。
朝、読書した内容をどれだけ思い出して書いてみると面白いと思うが。

 大事なのは、思い出す事である。
  
 例えば、アスパラガスを見て、思い出せない。しかし、「思い出そう」とすることが大切。結局、思い出せなくても、これをすると、大量の血流が脳に注ぎ込まれる。繰り返すと、ボケる可能性が低くなる。
 毎日の繰り返しが20年後、30年後に決定的に嵯が出てくる。

   3 孤立しない(人と会う、社会参加する)


 一人で閉じこもって、テレビを見たり、インターネットばかりしていると、孤独老人になる。定年後、多くの人がこれでボケる。
 その対策として、麻雀、カラオケがいい。
 カラオケは新曲を学ぶことで、脳が刺激され、新曲に挑戦する意欲がボケから守る。
 
 そして、次の四つを新たにプラスすれば、ボケからかなり遠ざかる

 4 本や新聞を読む

 できれば、声に出して読むと、認知症予防につながること請け合いである。

読むスピードも意識的に早くする練習をしてみる。


 5 料理をする

  材料を考え、味付けに注意を払い、煮たり焼いたりの火加減や時間に注意を払う。盛り付けにも。
 食べてもらって「おいしい」と言ってもらえれば、喜びになる。
 料理をしていると、脳内に血流が勢いよく流れ、認知症になる暇はない。
 女性だけでなく、男性がする必要がある。

 6 バスや電車に乗る

 横浜や東京、あるいは、近くの大都市へ行くととなると、それなりの身なりをしなければならない。ホームも間違えられない。駅の出口も探さなければならない。
人込みを歩くと、人とぶつからないように、意識する。
 そして、他人が見ている、と意識することが大事だ。

マイルドな脳の緊張感がいる。これが脳の活性化になる。


 7  恋心を持つ


 最後に、生きがいを持つ。なんでもいい。人が喜んでくれること、人のためになること、それを生きがいにすれば、認知症も怖
くない。
笑顔だけでもいいのではないか。道行く人に素晴らしい笑顔を見せるだけでも、社会的貢献をしていると思うが。


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