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大阪公立大などの研究チームが発表
宇宙から届く高エネルギーの粒子に由来する「宇宙線」が、シャワーのように地球に降り注ぐ様子を画像で捉えることに成功したと、大阪公立大などの研究チームが発表した。これまで捨てていた天体観測データを解析して得られた結果で、論文が国際学術誌に掲載された。
宇宙空間を飛び交う高いエネルギーをもつ粒子が地球に飛来すると、大気の分子に衝突し、分子を破壊する。このときに新たな粒子が大量にでき、地上に向かってシャワー状に降り注ぐことがある。この現象は「空気シャワー」と呼ばれている。
望遠鏡の画像データには粒子の軌跡が写り込んでいるが、通常の天体観測では星を見る際に邪魔になるためノイズとして除去されている。
天体のありかに迫る重要な指標
チームの藤井俊博准教授(宇宙物理学)らは、国立天文台のすばる望遠鏡(米ハワイ)で2014~20年に撮影した約1万7000枚(1枚約50センチ四方)の画像データを解析。このうち13枚が空気シャワーとみられる現象を捉えており、最大で10万個の軌跡が写っているものもあった。
宇宙線は、高エネルギー粒子の発生源となる天体のありかに迫る重要な指標となる。今回の方法では、従来の検出器と比べ、粒子が飛来した位置や角度、通過時間を高い精度で一度に把握できたという。
藤井准教授は「粒子の軌跡の形や向きをより詳細に解析し、個々の粒子の種類を判別できれば、空気シャワーの研究がさらに進むだろう」と話している。
神戸大の青木茂樹教授(素粒子・宇宙線物理学)の話 「これまで捨てていたデータを見直し、宇宙線を可視化できた点が面白い。今回の方法で、さらなる知見が得られる可能性も期待できそうだ」