昨日、大阪で行われた仁藤夢乃さんの講演イベントで、司会が質疑応答の時点で、「否定する意見は受け付けません」と呼び掛けたんだそうだ。
主催者で司会の青年は「僕自身が議論を押さえ込んでいたとは非常に不愉快」と反省してるようだが、参加した人は「仁藤さんの講演内容に対する部分的な異論さえ受け付けさせなかった」と印象を書いている。
そもそも、人が複数集まるイベントでは、誰もが自由に話していいことを許さないと、集まる意義はない。
一方的に自分の気持ちを伝えたい青年の主張がしたければ、Youtubeの動画で十分。
人を同じ場所に集める以上、そこには年齢も性別も人生経験も文化も発想も異なる人が集まるわけで、ナチス帝國でない限りは、「否定する意見は受け付けません」なんて言葉が出てくるわけがない。
どんな意見でも、まっさらな心で、まずは受け止める。
ヤンキーの意見でも、頭の悪そうな意見でも、勘違いでも。
そのように、お客さんの自尊心を1人1人大事にするつもりがなければ、優等生的に理屈を論理的に話すことだけが議論だと勘違いしかねない。
人間は理屈だけで議論してるんじゃない。
とくに、社会科学は、情念に基づいたモチベーションがどういう「よのなかの仕組み」によってもたらされるかをふまえなければ、その結果である社会問題を分析できない。
今回のように人間のやることをテーマにするなら、しかも仁藤さんという個人の経験則だけをネタに話を聞かせる場合は、むしろ「率直な意見をお聞かせください。なんでもけっこうです。仁藤なんかキライでも歓迎です」と司会が言わないと、そこに参加した偏差値30で無職の若者は、口をとざす以外になくなるだろう。
そういうことまで全部考えたうえでイベントができていないところを見ると、主催のD×Pも、もしかしたら低学歴ヤンキー文化については無関心で、高学歴インテリ文化による救済しか望んでいないのかもしれないね。
人を集める人間は、「自分以外のみなさんから自分の知らないすぐれた知恵を教えてください」という構えでいないとだめよ。
とくに、入場料を受け取るなら、なおのこと、そういう構えでいないと、お客さんが怒り出すに決まってる。
それどころか、主催者は「ソーシャル」の基本的な意味がわかってない子なんだろうけど、いつかはその愚かしさに気づいて心を開いて成長してほしいと、おじさんはひそかに期待してますよ。
今回のD×P公開型勉強会は、『難民高校生』『女子高生の裏社会』の著者として有名な女子高生サポートセンターColabo代表の仁藤夢乃さんがゲストです。
仁藤さんは居場所を持たない高校生、特に女子高生に焦点を当て、活動されています。
家庭に居場所がない、学校に居場所がない、
友人関係が上手くいっておらず、自分のことを相談できる相手がいない、「難民高校生」。
居場所をなくし、困っている少女に声をかけるのは、彼女たちを利用しようとする大人ばかり。そんな大人の言葉を信頼し、「JKリフレ」や「JKお散歩」など、少女の未熟さを売りにした仕事に就く少女も多くいます。
“そろそろ辞めたほうが良いかな…”
“やっぱり危ない仕事かも…”
そう思いながらも、心に空いた穴が埋まるような気がして…
仕事を辞めることが出来ないのは、彼らが心の拠り所を持たず、時には生活の基盤さえ持たずにいることを余儀なくされているからではないでしょうか?
そんな世界、自分には関係ない
自分の娘はそんなことはしない
自分の街ではそういうことは起きていない
と思っている、大人のみなさん、
いつもの駅のウラ側で、それは実際に起きています。
なぜ彼女たちは居場所を失い、このような状態を抜け出すことが出来ないのか。
女子高生の目線になって、一緒に考えてみませんか?
当日の詳細
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■テーマ
NPO法人D×P 第19回公開型勉強会
「”難民高校生”の居場所をつくる」
■ 日時: 2014年10月16日(木)
OPEN18:30/19:00〜20:30/CLOSE21:00
■場所:大阪・梅田の会議室
※開催場所は、お申し込みを頂いた方に個別にご連絡します
■定員:42名
■参加費:1,000円
■主催:NPO法人D×P(ディーピー)
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参加お申込み方法
以下URLからお申込みくださいませ。
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■ゲストプロフィール
仁藤夢乃さん(にとう ゆめの)
女子高生サポートセンターColabo代表
1989年生まれ。中学生の頃から「渋谷ギャル」生活を送り、高校を2年で中退。その後、ある講師との出会いをきっかけに農業、国際活動に触れボランティア活動をはじめ、明治学院大学に進学。在学中には高校生を対象とする国際支援のファッションショーを成功させた。
東日本大震災後、「Colabo」を立ち上げ、被災地の高校生・地元企業と開発した支援金付大福は、発売3カ月間で3万3700個売り上げた(現在も販売は続いており、計15万個近く販売されている)。
2013年3月、『難民高校生』(英治出版)を出版。
現在、声を上げることのできない少女たちの声を聴き、「居場所のない高校生」や「性的搾取の対象になりやすい女子高生」の問題を社会に発信するとともに「若者と社会をつなぐきっかけの場づくり」事業を展開し、少女たちの自立支援を行っている。
■ コーディネータープロフィール
今井紀明(いまい のりあき)
特定非営利法人D×P(ディーピー)共同代表
1985年札幌生まれ。大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)2010年春卒。大阪の専門商社勤務を経て、現在特定非営利活動法人D×P(ディーピー)の共同代表を務めている。通信制高校の高校生向けのキャリア教育事業を関西で展開し、「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」を目指して行動している。
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