【天皇賞・秋】ドウデュース株大幅下落

公開日:2023年10月30日 14:00 更新日:2023年10月30日 14:00

主戦・負傷で乗り替わりのうえにライバルははるか前

 ドウデュースにとって思わぬアクシデントは東京5Rの新馬戦終了後だった。

 背中を知り尽くしている武豊が、騎乗馬のブラックライズに右足を蹴られて負傷。結果、その後の騎乗は不可能となり、天皇賞は戸崎への乗り替わりとなった。不幸中の幸いなのは骨折ではなかったことだが、「残念、無念。いいメンバーが揃ったレースに水を差すことになってしまって申し訳ない」とは武豊だ。

 そのブラックライズはインゼルレーシングの所属馬。同クラブといえばドウデュースの馬主でもある“キーファーズ”が設立に関わっているクラブ。いわば身内が発端の思わぬアクシデントだったが、最強パートナーが乗れなかったのは大きな痛手には違いない。

 ただ、それを差し引いても結果は惨敗だった。

 スタートを決めた後はちょうど前方のイクイノックスが視界に入る位置で、ポジション取りは文句なしに見えた。4角手前でも持ったままで、直線でははじけていい手応えだったが、持ったままのイクイノックスとは対照的。戸崎の叱咤激励にもライバルに並びかけるシーンさえつくることはできず、ラスト1F標を過ぎると、外から次々にかわされて⑦着。掲示板にさえ載ることはできなかった。

 イクイノックスからの着差は1秒4。昨年の欧州遠征で特殊な馬場だった凱旋門賞での大差負けなどはあったが、国内では馬券圏内を外したことはなく、皐月賞の0秒3差がこれまでの最大着差だ。それが一頭だけ強すぎたとはいえ、1秒4差は言い訳のできない敗戦で、評価は大幅下落といったところか。

 これで同世代の世界王者とは1勝2敗に。それも今回は際どい敗戦ではなく、全く惜しくもないものだ。リセットして最強パートナーの武豊とともにリベンジはかなうのか。ダービー馬の復活を見たいものだが――。

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