性同一性障害特例法の、所謂「手術要件」の内の「不妊化手術要件(生殖機能を除去する手術)」に付いて、最高裁大法廷は「15人の裁判官全員一致」で「違憲」の判決を下した。
最高裁大法廷で「弁論」が開かれる時点で、2019年の最高裁小法廷での「合憲」判断が変更される事は、半ば「既定路線」だったとは言え、判決の衝撃は大きい。
これにより、所謂「不妊化手術要件」については違憲となったため、可及的速やかに国会での法改正が必要となった。
また、それに先だって行政手続きが変更されて「不妊化手術無しでの戸籍性別変更」が実施される可能性がある。
今回は、所謂「手術二要件」の内「不妊化手術要件」のみが違憲とされ、もう一つの「外観適合手術要件(外観を移行する性別に合わせる手術)」の判断は「下級審で審理されていない」として、高裁に差し戻しとなった。
つまり、現状では、
・「トランス男性」に付いては「不妊化手術無しでの戸籍性別変更」が可能
・「トランス女性」に付いては、外性器形状の関係上「不妊化手術と外観適合手術が一体」となるため「不妊化手術無しでの戸籍性別変更」が事実上出来ない
と言う「男女の差異」が生じている。
高裁に差し戻されたとは言え、この様な「不平等状態の解消」等の理由を付けて「外観適合手術」に付いても、最高裁で「違憲判決」が下される恐れがあり、それが実現すると、名実共に「性自認のみでの戸籍性別変更が可能」となる。
当判決の影響は計り知れず、当然ながら性同一性障害特例法の運用変更に止まらない。
例えば「父親から生まれる子供」が生じる事になるし、また「戸籍性別変更したトランス男性と、女性の結婚(事実上の女性同士の同性婚)」は「憲法や民法を改正せずに可能」となる。
この様な状態を極左LGBT活動家らが放置する筈も無く「事実上の同性婚が可能になっているのだから、同性カップルにも門戸を開くべき!」などど主張し「なし崩し」的に「同性婚」を実現させてしまうかも知れない。
更に、今後「外観適合手術要件」まで撤廃された場合は「外性器が付いたままのトランス女性」が「戸籍女性」となる事が可能になり「女性スペース使用の権利」を、より声高に主張し始める可能性がある。
その場合「身体性と戸籍性は別との取扱いは差別」だと主張されても、それを否定する事は今より格段に難しくなる。
この様な事態が顕在化した場合、これをどうにかしようとして発生する動きとして考えられるのが「性同一性障害特例法自体の廃止」だ。
そうする事で「違憲立法自体が無くなる」事になる。
だが、これは当「身体違和の解消の為に、性別適合手術を受けた」としても「戸籍性別変更が不可能になる」事を意味する。
当判決を審理した最高裁判事らは、判決の及ぼす社会的影響に付いて「どうなるか分からない」などと極めて無責任な言及をしている。
これは「社会の混乱と、そこから生じる怒り」を極めて甘く見た態度であり、その結果「性同一性障害特例法」自体が消滅する事になるかも知れないと1ミリでも考えた事はあるのだろうか。
当裁判の判事らが「目先の潮流」に乗ろうとするばかりに「最も護るべき当事者を、絶望の淵に追いやる可能性」を作ってしまった事は、極左LGBT活動家らと共に、万死に値すると言わざるを得ない。
だが、判決を下した判事の中に「GID当事者」は一人もおらず、例え特例法が消滅してしまおうが、彼らの内の誰一人として当事者の被る「痛み」を感じる事が一切無い事は、余りにも「理不尽」だと言う他無い。
sankei.com/article/202310
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