⚠️理解のある彼くんに注意⚠️
25歳。小さな頃からかわいいかわいいって育てられてきたけど、小4の時、写真に映る自分が全然可愛くなくて、そこから容姿コンプレックスが始まった。大好きだったピンクのフリフリしたお洋服は、自分には似合わないと気がついて、黒くてクールな服ばかり選ぶようになった。
小6でガチ恋の推しができた。自分と推しの釣り合わなさとか、同担に綺麗な芸能人がいたりして、余計に容姿コンプレックスが悪化した。この頃から、親の承諾書がいらなくなったら美容整形をしようと決めて、少しずつ情報を集めていた。あと、メイクも大学になったらしようと思って色々調べていた(親があまり若いうちのメイクを好まなかったし、自分もメイクというのは大学になってからするものという固定観念をもっていた)。
20歳になったら美容整形をする。それだけが希望で、それまでの姿は極力残したくないから、写真も避け続けたし、年中大きなマスクと大きなメガネで顔を隠していた(これは普通に視力が悪かったのもある)。
そして大学に入学する18歳。待ちに待ったメイク道具を手に入れた。予習はばっちりで、元々絵を描いたりするのは好きだったこともあり、かなりうまくできた。でも相変わらず、ピンクのふりふりしたかわいいお洋服は怖くて着れない。ピンクどころか昔ママがお誕生日にくれた、茶色のロリィタも、怖くてほとんど袖を通せなかった。
ここで予告通り、理解のある彼くんが登場する。
試しにデートに茶色のロリィタを来ていったら、かわいいねって言ってくれた。それからは茶色だけじゃなくて、いちばんだいすきで憧れたピンクのロリィタにも袖を通せるようになった。
美容整形は、彼が嫌がったのもあって、まだひとつもしていない。顔を変えなくたってだいすきなお洋服が着れるようになったし、自分の顔もある程度肯定できるようになったから。
でも今でもたまに、整形したいなって気持ちが顔を覗かせる。確かに今の自分もそこそこかわいいって思えるようになったけど、せっかく女の子に生まれたなら、若くてかわいいうちに、自分の限界までかわいくなって、その顔で生きてみたいなと思ったりしてしまう。
理解があるだけじゃなくて、収入もスペックも高い彼くんとの結婚が、もう手が届きそうなところまで来ているというのに。10年くらい不安定で壊れそうだった精神が、ようやく安定して、幸せまであと一歩なのに。
私は無能なので、美容整形沼に入れば、その費用を賄う方法は正直身体を売る以外にない。絶対病む。そのうえ今の精神が安定している最大要因の彼も離れていくことになる。顔が変わった後に近づいた人間を信用できないタイプの人間なのは自分が一番よくわかっているので、もう彼みたいに心を許せて心から笑える人と過ごせることもなくなるんだろうな。両親も…どうなるんだろ、考えたくないな。
絶対やるべきじゃないってわかっているのに、カウンセリングの予約いれちゃった。
かわいくなりたいって呪いはどうしたら解けるんだろう。今ならまだ引き返せるよ。