東京電力福島第一原発の汚染水から大半の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS=アルプス)」で、配管を洗浄した廃液を作業員が浴びた問題で、東電は26日、20代と40代の男性作業員2人が除染の継続と経過観察のために入院したと発表した。
【写真】東電が公開した原発内の処理水放出設備=2023年8月27日
東電によると、医師の診断で2人とも放射線障害による熱傷の可能性は低いと判断されていて、汚染部位の皮膚の外傷も確認されていない。体調にも特段の変化はないという。
この2人を含む男性作業員5人は25日午前10時40分ごろ、汚染水が通る配管に硝酸液を流して洗浄していた。その際、廃液をタンクに流すためのホースが抜け、約100ミリリットルの廃液が飛び散ったという。
5人に廃液がかかり、うち4人に体の汚染を確認。全身に汚染があった20代と、下半身や両腕に汚染を確認した40代は、原発で除染しても体の表面で基準値(1平方センチあたり4ベクレル)を下回らなかったため、25日夜に福島市の病院に搬送されていた。(福地慶太郎)
外部リンク朝日新聞デジタル