未成年の性行為をめぐる「免責規定」
条例違反による罰則は「2年以下の懲役、または100万円以下の罰金」とされていますが、その一方、26条では「この条例の罰則は、青少年に対しては適用しない」とする免責規定があります。
富山中央警察署によると、逮捕当時、少年は17歳で、免責規定の対象となります。
このことから、チューリップテレビに「罰則が適用されない免責規定があるのに17歳の少年を逮捕するのはおかしいのではないか」という問い合わせがあったほか、ニュースが掲載されたサイトには「違法な逮捕なのではないか」「警察官も裁判官も免責規定を知らなかったのでは」など逮捕に疑問を投げかけるコメントが多数掲載されました。
未成年の性行為をめぐっては今年、法律に大きな変化がありました。今年7月13日に刑法改正で性行為に関する「規定」が変更されたのです。
刑法改正で、性的行為に同意できるとみなす年齢が13歳から16歳に引き上げられました。16歳未満との性行為は、原則としてお互いの同意があっても処罰されることになりました。
ただし年齢の差が5歳未満の同年代の性行為は、お互いの合意があれば処罰されないことになっています。青少年の恋愛まで法律でしばってはいないということでしょうか。
今回の事件で17歳の少年が逮捕されたのは7月上旬なので、刑法改正前となります。その場合、性的行為に同意できるとみなす年齢は「13歳」です。
刑法改正前は13歳未満との性行為は、相手が何歳だったとしても強制性交罪として処罰されました。
13歳以上だった場合は、相手と合意があれば性行為をしても処罰されず、暴行や脅迫などを用いて合意がなく性行為をすれば強制性交罪で処罰されました。
今回の事件で17歳の少年が逮捕された容疑は、改正前の刑法違反ではなく「条例違反」です。条例では18歳未満の青少年と「何人も」性行為をしてはいけないとなっていますが、相手が青少年だった場合は免責規定があって罰則が適用されないはずです。