「ある資産家の精子で出産したら報酬は子供人数×1億円」港区女子LINEグループでまわる“1億円出産案件”の驚くべき依頼者《ナゾの男との面接内容とは…》
文春オンライン7/8(土)11:00
しかし日本においては、精子提供についての法律上の規制はない。そのためこうした諸問題を回避するために、日本産科婦人科学会の会告「提供精子を用いた人工授精に関する見解」 が実質的なガイドラインになっている。
第三者の提供精子を使う体外受精の対象を「法的に婚姻している夫婦」に限っており、提供者は原則匿名で、同一提供者からの出生児は10人以内などと規定。「精子提供は営利目的で行われるべきものではなく、営利目的での精子提供の斡旋もしくは関与または類似行為をしてはならない」としているのだ。
関係者や出産案件募集の内容が真実ならば、出産案件はガイドラインを大きく逸脱している可能性が高い。しかしいまや、出産案件LINEは港区女子のLINEグループ外にも広がりはじめているという。
「出産となると女性にとってハードルが高いのもあってか、スカウトも手当たり次第案件を送っている感じはありましたね。最初はギャラ飲みのLINEグループやキャバ嬢とかでしたが、最終的にはTwitterでも拡散されていました」(同前)
繁華街のカフェで“ナゾの男”と面接
都内に住むA子さん(30代)も出産案件のLINEを受け取った一人。目鼻立ちがはっきりとした色白の女性だ。A子さんは「ほんの好奇心で」スカウトに連絡を取ると、資産家と女性をつなげる役割だという男性と会うことになったという。
スカウトから指示された場所は繁華街のカフェチェーン店。そこで面接をすることになった。
「男性はオオタと名乗りました。名刺などをもらったわけでもないので、本名や何者なのかはわかりません。見た感じは40、50代の、ふわっとした茶髪が印象的な物腰柔らかい男性でした。
まず年齢や職業、あとは結婚歴や子供の有無についていくつか質問を受けました。オオタさんは冗談も交えながら、フレンドリーな雰囲気で面接は進みました」
A子さんは「あまりにも怪しげな話だったので、面接の様子は録音していた」。その録音データでは以下のようなやりとりが記録されていた。