「エリートだけが先祖になれるんだよね」港区女子らに“1億円出産依頼”する総資産3000億円超の「光通信」会長・重田康光氏(58)が持つ“ブッ飛んだ思想”とは《本人に直撃》
文春オンライン7/8(土)11:00
近親相姦、アイデンティティの危機…さまざまなリスク
まず、この出産案件のように、第三者の精子提供により生まれてきた子どもは父親を知らずに育っていく可能性がある。子どもが遺伝的ルーツを知るための「出自を知る権利」はアイデンティティの確立においても重要視されており、イギリスやドイツ、スウェーデンなど欧米諸国ではこうした権利を保障するようになった。
また、第三者の精子提供により生まれてきた子どもは遺伝的疾患の有無を知ることができなかったり、ある1人の男性が多くの女性に精子提供することで近親相姦のリスクが高まったりと、世界各地で多くの問題が浮上している。
男性不妊治療を専門として診てきた「みらい生命研究所」の代表取締役・岡田弘医師はこう話す。
「現在の日本における問題として、提供配偶子を用いた生殖補助医療に関する法整備がないことや出自を知る権利を保障するための情報提供機関が未登録であること、多様な家族の形に法整備が追い付いていないことなどが挙げられます。
日本では日本産科婦人科学会の会告が実質的なガイドラインになっており、この中で同一の精子提供者からの出生児は10人以内と規定されているほか、海外でも法律などによって近親相姦のリスクを減らすため、1人の男性の精子提供に偏らないよう定めています」
今年4月には、オランダの裁判所が精子提供を通じて550人以上の子どもの父親となったとされる男性に対し、これ以上の精子提供を禁じる命令を出したことが大きく報道された。
“1億円出産案件”は「倫理的な問題をはらむ」
また、前出のA子さんがオオタ氏から受けた説明を鑑みると、家族とはいえ他人の保険証を使って病院を受診し、多額の現金を受け取ることに問題はないのだろうか。ある弁護士はこう話す。
「具体的に病院でどういった手続きをするのか具体的な例がないと申し上げづらいですが、一般論として、他人の保険証を使ってその他人であるとだまして病院を受診し利益を受けることは詐欺罪に当たります」
現金1億円を受け取ることについて、国税庁職員はこう話す。
「どういう建て付けで1億円をもらったのかによって税務処理が変わってきますが、当然税務署に申告する必要があります。悪質性など総合的に勘案しますが、無申告のままだと贈与を受けた側が無申告加算税といったペナルティが科せられます」
実際、重田氏や女性に刑事的責任が発生する可能性は低いとしても、倫理的な問題をいくつもはらんでいることは明らかだ。
見解を問うべく、重田氏を直撃した。