1963年10月10日。
世界グランプリ第12戦、日本
GP。
史上初、日本での世界選手権が
鈴鹿サーキットで開催された。
すでにこの時、膝を擦りこそ
はしなかったが、膝開きのハ
ングオンは使われていた。
膝を初めて路面に擦り始めた
のは70年代に入ってからで、
ヤーノ・サーリネンが始めた。
1972年、ヤーノは世界チャン
ピオンになった。
マシンはヤマハの2スト。
膝擦りはヤーノが初めて行い、
そして、後輩の世界チャンピ
オンのケニー・ロバーツが完
成させた。
ヤーノ・サーリネンは1973年、
WGPイタリアグランプリで、
レース中の事故で死亡した。
首から上が切断される事故だ
った。
前レースでオイルが撒き散ら
されているのが分かっている
のに、レース主催者が強引に
興行の為に次のレースをスタ
ートさせたのが原因だった。
ヤーノとTD3。
私は富士スピードウェイで
TD3に乗った事がある。
チームのマシン専用保管場所
には幻のヤマハワークスマシ
ンの50cc2気筒レーサーも
あったが、それは毎日のよう
に磨くだけで乗らせてはくれ
なかった。