九份、十分、初めての台湾で魅了された“脳を刺激する”光景たち
フォトグラファーの高橋伸哉さんが、「或る旅」の記憶をつづるフォトダイアリーです。
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今回は、みんな大好き台湾の旅。日本から3、4時間で到着する気楽に行ける場所、それが台湾。旅行代金も、行き先によっては国内旅行より安いこともある。ただ、なぜか今まで行ったことがなかったので、弾丸2泊3日で旅してきた。
「本場台湾」で楽しむ、夜市とタピオカミルクティー
関西空港からだと、フライトは約3時間で着いた。蒸し暑い時期に行ったので、湿気がなかなかだったけど、以前に中国大陸で経験した湿気に比べれば余裕である。まずは、今もまだはやってるのか知らないけれど、タピオカミルクティーを並ぶこともなく買って飲んだ。これがめちゃくちゃうまい。本場はやはりうまい。なんとなく台湾に来たことを実感して、気持ちも上がってきた。
街中はバイクの通行量がすごく多いが、これもベトナムやインドネシアに比べたら全然マシである。
台湾といえば夜市が有名である。夜になると、あちこちで所狭しと夜店が並び、街は活気がみなぎる。そんな夜市を楽しもうと行ってみた。雨が降っていたので、ぬれたアスファルトに屋台の明かりの反射があったりして、なんだか気分がそそられる。
地元の人たちが食べる料理を見てみたり、マンゴージュースを買ってみたりしながら写真を撮り歩いた。筆者は虫が大っ嫌いなのだが、普通によくわからない虫が売っていたり、ものすごくにおいが強い臭豆腐が売っていたり、申し訳ないが、その屋台前では立ち止まれなかった。
とはいうものの、台湾の夜市は、なんだか子供の頃に行ったお祭りで並んでいた屋台と同じ雰囲気で、歩いてるだけで楽しい。初日から素敵な夜を過ごさせてもらった。
『千と千尋』を想起させる「九份」でシャッターを切りまくる
そう、台湾には、アニメ映画『千と千尋の神隠し』に出てくる街に似ているとして有名な「九份」がある。ベタではあるが、これは見ておかなくては……と歩いてみた。とにかく人気の場所だから人混みがすごい。おまけに蒸し暑いのと、不意にやってくる臭豆腐の攻撃に、正直言うと、ちょっとヘトヘトになった(笑)。
とはいうものの、カメラを取り出した瞬間から撮影モードに切り替わる。現地に着いた瞬間からワクワクが止まらず、シャッターを切りまくった。確かに『千と千尋』の世界を思い出す景色であり、情緒もたっぷりである。海外を旅して毎回感じるのだが、初めて見る情景は、何歳になっても新鮮であり、脳を刺激してくれる。それはとても大事なことだなぁと思うのである。
その日は九份にあるホテルに泊まった。ルーフバルコニーから九份全体を見渡せて気持ち良かった。なんとなく、日本から遠いところに来たような気持ちになるのは、夜明けの空がとてもきれいだったからかもしれない。
商店街を列車が走る「十分老街」でスナップを撮ってみた
翌日は、台北から東に電車で1時間ちょっとの距離にある「十分」に遊びに行くことにした。十分は、ランタンに願いを書いて空高く飛ばす風習があって人気の場所である。そして、十分老街といえば、商店街のような店が並ぶど真ん中に線路があり、1時間に1本あたりのペースで列車が走るところだ。列車が走らない時には、観光客も線路を歩ける。にぎわっているので、スナップ撮影には最高なのである。
筆者も列車が通り過ぎるのを待って撮影してみた。台湾に行くことがあるならぜひ立ち寄ってほしい場所である。
台湾は物価も比較的安く、親日的な人も多い。そして、距離も日本からめちゃくちゃ近い。なぜ今まで訪れたことがなかったのかと不思議に思った。今回の旅は2泊3日と短かったけれど、みんなが魅了される台湾をもっとよく知るためには、まだまだ日数をかけて回る必要がありそうだ。