ただしオカメインコである。 (タラレバ蟹)
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プロローグ

習作です。
不定期更新。
9割がノリと勢い。
深いこと考えずに読めるものが出来たらなと。


 それ以前の自分がどういった存在だったのか正直あまり覚えていない。

 

 覚えているのは神を名乗る存在と出会ったこと。

 その自称神が言うには自分は事故によって死んだこと。

 所謂転生特典を付けて生まれ変わりを許されること。

 そしてその時自分が何を願ったかということである。

 

 特典とやらがどの程度許されるのかは分からない。

 しかし口にするだけならただというもの。

 とりあえず思いつく限りで伝えた願いは大きく三つ。

 

 一つ、無敵の存在になりたい。

 二つ、最強の存在になりたい。

 三つ、可愛くなりたい。

 

 自分が死んだという事故の記憶がなくその実感が伴わない以上、死に対する恐怖や忌避感も人並み以上のものではない。

 しかしせっかく得た二度目の人生の権利。再び簡単に終わってしまうような人生は何となく御免というもの。

 そのための無敵。

 

 しかし無敵とはいえただ死なないだけというのであれば無力化手段が無数に存在してしまう。

 拘束されて永遠の時を過ごし、無敵であるが故に終わりを迎えることすら出来ない、……なんてことになってしまえば目も当てられない。

 平穏な生活を守るためにはありとあらゆる障害を排除する手段も必要だ。

 そのための最強。

 

 とはいえ。そんな分かりやすい超常の存在がいたとしてそれが人の目からどう映るかという問題が残る。

 尊敬や憧れなどの良い方向に転がるのであれば問題はないが、それも過ぎれば崇拝や盲信へと変わり、振る舞いを一歩間違えれば畏怖や恐怖の対象にもなりかねない。

 

 ただ生きるだけであれば上二つあれば十二分。周りの目を気にしなければいくらでも生きている。

 しかしそんな人生の何が楽しいのか。

 孤高も孤独も真っ平御免。むしろチヤホヤされる人生を送りたい。

 そのための可愛さ。

 

 どんなに化け物じみた強さを持っていてもその存在が可愛いとなればギャップ萌えに早変わり。

 神も悪魔も歴史上の偉人さえも美少女化されるこの世の中。人々は可愛いを求めている。

 可愛いの前では無敵も最強も余程それらを振りかざさない限りはフレーバーに過ぎない。

 可愛さは正義。可愛さは全てを解決する。

 

 これが美しさでもきっと似たような効果を得ることは期待出来るだろう。

 しかし美しいというのは触れがたい印象を与えることにもなりかねない。

 

 やはり路線としては可愛い路線がいいと、半ば以上冗談で告げたそれらはあろうことかそのまま叶えられた。

 

 地球上の兵器どころか惑星の爆発でさえ傷一つ付かない絶対的な防御力に隕石ですら一撃で粉砕出来る圧倒的な身体能力。

 他、無敵や最強の名に相応しいちょっとしたオプションの数々エトセトラetc……。

 

 それらは正に願った通りの可愛いを体現した器の中に収められた。

 

 性別はおろか人種や民族の壁さえ超えて愛でられるであろうその姿。

 そこに精神に直接作用するような超常の要素は付随しない。

 しかしそんなものがなくても確かにこれならたくさんの人からチヤホヤされるに違いないと、自身の感性と照らし合わせても納得出来るものではあった。

 

 

 

 

 

 

 

 ──ただしオカメインコである。

 

 

 

 

 

 

「ッテ、ソウハナランジャロガーイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 無敵!(宇宙スケール)

 最強!(宇宙スケール)

 

 オカメインコ!(手のひらサイズ)

 

 いや突っ込みどころ大杉ぃ。

 

 最強にしてくれと安易なお願いをしたのは確かに自分だけども、こうもポンと渡されても非常に困る。

 もしかしたら何か役割を与えられているのだろうか、あるいはそこに意味なんていうものはなく、神様という存在にとってはこんな馬鹿げた能力だろうと簡単に渡してしまえる程に取るに足らないものだったのか。

 仮に後者ならまるで分かり合える気がしない。理解が及ばないからこその神様なのかもしれないがそれはさておき。

 

 感覚が告げるところによると能力自体は完全にコントロール下に置かれているため暴発の恐れはなさそうというのがせめてもの救いかもしれない。

 

 いやでもほんとなんでオカメインコ。

 崇められるのも恐れられるのも御免であると確かに言った。

 そのために可愛さが必要であるのだと。

 

 しかし求めていた方向性としては本当はめちゃくちゃ強いけど可愛いからいいやであって、とても強いとは思えないような小動物的可愛さを求めていたわけではない。

 

 ……いや、もしかして神様もオカメインコを可愛いと思っていて趣味を反映してしまったとか?

 もしそうであれば先の発言は撤回する。すごく分かり合えると思う。

 

「デモマァ、ナッチャッタモンハ ショウガナイヨネ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ぶっちゃけた話、さすがに突っ込まざるを得なかったとはいえ、そう不満はなかったりする。

 なぜオカメインコという疑問は残ってこそいれども貰った特典自体は破格の一言に尽きる。

 ここまでぶっ飛んだチート能力なら大抵の世界ではイージーモードはほぼ確定。

 もちろん先に述べた通り、この能力が何らかの役割を期待されているからという可能性もまだ残っている。

 とはいえ、よくよく考えれば本当にそんな役割が存在しているのならいくらなんでも一言あって然るべき。

 

 姿も形もその声も何一つ思い出せず、やり取りの内容だけ思い出せるという不可解な状況ではあるけども、少なくともその中に役割云々の話は存在していない。

 要するに好きに生きていいものだと判断する。

 

 しかし何をするにしてもまずは現状把握。延いてはここがどんな世界かを知ることが必要だ。

 ……必要なのだが、視線を下ろした先には夜だというのに街灯の下を忙しなく行き来する人々に道路をライトで照らしながら次々と行き交う車。

 眼下に拡がる景色は見れば見るほど見覚えのあるそれで。

 

「ドウミテモ トウキョウデス。ホントウニ アリガトウゴザイマシタァ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 やっぱ過剰ですねぇ! この能力。

 てっきり転生先は定番の剣と魔法のファンタジーだと思ってたから無敵だの最強だの言ってたのに絶対これ必要ない。

 魔物をバッサバッサとなぎ倒して俺TUEEEEする展開なんて望むべくもない。

 もしかしたらこの世界が現代ファンタジーであってその可能性は残っているのかもしれないが、とりあえず現代日本で転生者がやることと言えば決まっている。

 

「ヨシ、ハイシンシャニナロウ」(めちゃ可愛ボイス)




プロローグと1話を分けて文字数も稼ごうと色々してたらめちゃくちゃ冗長になったので削りに削ってまとめてプロローグに。
まだまだ文章書くのは難しい。書き直すかも。


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自称最強無敵唯一絶対にして最強のオカメインコ配信者ピーちゃんについて語るスレpart1

これもほぼプロローグ


1:名無しのヒトカス

このスレは自称最強無敵唯一絶対にして最強のオカメインコ配信者ピーちゃんについて語るスレです。

 

荒らさない程度にご自由に語りましょう。

 

次スレは>>950が立ててください。

立てられない場合は誰かに頼みましょう。

 

前スレ

http://********

 

2:名無しのヒトカス

縦乙

 

3:名無しのヒトカス

縦乙

 

4:名無しのヒトカス

たて乙

 

5:名無しのヒトカス

最強2回言ってる定期

 

6:名無しのヒトカス

で?結局ピーちゃん何者なん?

本人(?)はオカメインコって言ってるけど

 

7:名無しのヒトカス

今のところ有力な説三選

・オカメインコの動きに声をあててるだけ

・技術の無駄遣いしてるCG or ロボ(AI含む)

・本当にオカメインコが喋ってる

 

8:名無しのヒトカス

いや普通に考えて本当にオカメインコがあんな流暢に喋るわけない

普通に考えてCG一択だろ

 

9:名無しのヒトカス

まぁそれか声当ててるだけってのが一番常識的ではあるんだが、

その割には自然な感じでめっちゃ動くしめっちゃ喋るんだよなぁ

 

10:名無しのヒトカス

>>9

それな

投稿動画だけなら作ったって言われて納得出来るけど生配信でも挙動変わらんのがね

 

11:名無しのヒトカス

なんなら俺のコメント拾っててちょっと嬉しかった

なんかめっちゃ煽られたけど、声めっちゃ可愛いから許せるw

 

12:名無しのヒトカス

ピーちゃんみたいな美人さんなオカメインコ飼いたいよね

 

13:名無しのヒトカス

まぁ見た目だけはめっちゃ可愛いからな

あんな真っ白で毛並みの整ったオカメインコ見たことない

 

14:名無しのヒトカス

一応女の子らしいな

本人の言う事信じればだが

 

15:名無しのヒトカス

>>13

ペットショップに勤めてる知り合いが言うにはたぶんアルビノだろうけど

毛並みはほんと見たことないレベルの美しさってね

 

16:名無しのヒトカス

それだけに余計にCGとか言われるやつ

 

17:名無しのヒトカス

>>10

いやだからそれ含めて全部仕込みでしょ

コメントもコメント反応すんのも全部仕込み

 

18:名無しのヒトカス

それをやる意味が全くないって何度も言わせんな

そうやって暴こうとして赤スパに反応するか試した奴ら何人も見てきただろ

 

19:名無しのヒトカス

普通にノータイムで反応してたな

 

20:名無しのヒトカス

だから赤スパ含めて仕込みだろっつー

 

21:名無しのヒトカス

いやだからやる意味がn(ry

 

22:名無しのヒトカス

ピーチャンカワイイ!

 

23:名無しのヒトカス

まぁ俺も本当にオカメインコが喋ってるとは思えんけど、

ピーちゃん生配信で地震にも反応してたんよな

さすがにあれを仕込みというにはちょっと無理がある

 

24:名無しのヒトカス

>>23

ア ジュウビョウゴニ ジシンクルカラカクレテ!

じゃねーんだわ

 

25:名無しのヒトカス

突然何いってんだこいつって思ってたら2秒後にスマホ鳴りまくって死ぬほどビビった

 

26:名無しのヒトカス

しかも直後に本当に地震来たしね

 

27:名無しのヒトカス

これも仕込みだとしたら国のシステムに先回りしてるってことだからな

おかげで今のところ主超高性能AI説が一歩リード

 

28:名無しのヒトカス

まあ一番納得出来るってだけなんだけどな

 

29:名無しのヒトカス

ピーちゃんが地震を感知出来る超生物の可能性は?

 

30:名無しのヒトカス

>>29

いまのところ絶対ないとも言えんのがなんとも

AIだとしてもそんな技術どっから来たんだって話だし

 

31:名無しのヒトカス

その気になったら一兆度の炎吐けるとか地球上の兵器じゃ傷つかないとか本人(鳥?)が言ってる設定がノイズ過ぎる

 

32:名無しのヒトカス

それはもうオカメインコとは言わんのよ

 

33:名無しのヒトカス

昭和の特撮で見た設定

 

34:名無しのヒトカス

ゼッ○ンかな?

 

35:名無しのヒトカス

ピーチャンハピーチャン!

 

36:名無しのヒトカス

というか本当に存在するなら配信だけじゃなくて表で顔出せっつー話よ

 

37:名無しのヒトカス

まぁそれもそうなんだが一応騒ぎになるから自重してると言ってたな

 

38:名無しのヒトカス

色々コラボの話は貰ってるらしいけど全部断ってるんだってな

 

39:名無しのヒトカス

>>36

地球に隕石が落ちてきたり怪獣が襲ってきたら顔出しするし

全力で倒しに行くって言ってるからその時まで待て

 

40:名無しのヒトカス

実質表に顔出す気ねーんじゃねーか!

 

41:名無しのヒトカス

ピーチャンサイキョー!

 

42:名無しのヒトカス

でもなんかちょっと含んだ言い方してたよね

もしかしたらそういう地球の危機のために自分は存在してるんじゃないかって

 

43:名無しのヒトカス

あの時いつになく真剣な感じでちょっとびびった

 

44:名無しのヒトカス

まぁ十中八九冗談で口にしてるだけだろうけどな

 

45:名無しのヒトカス

不謹慎だけどちょっとそういう展開見てみたい

 

46:名無しのヒトカス

いつも最強最強言ってるけど、シンゴ○ラまでなら勝ててもゼッ○ンは良くて相打ちで基本的に勝てないってな

シンゴ○ラは一段階目の変身の本気モードで倒せる

でもゼッ○ンは二段階目の命を引き換えに変身する決戦モードでようやく相打ちの可能性が出てくる程度

 

47:名無しのヒトカス

変身出来るオカメインコはオカメインコじゃないんよ

 

48:名無しのヒトカス

ちゃんと出来ないことは出来ないって言えてえらい!

ピーちゃんの控えめなところ好きよ

 

49:名無しのヒトカス

シンゴ○ラまでなら勝てるってのを控えめと言っていいのか果たして

 

50:名無しのヒトカス

せいかく:ひかえめ

 

51:名無しのヒトカス

ピーちゃんは特殊アタッカーだった?

 

52:名無しのヒトカス

ほんとうに本人がオカメインコと信じさせたいのか謎

喋れば喋る程オカメインコからかけ離れていく

 

53:名無しのヒトカス

割と本気でピーちゃんめちゃくちゃ強いんじゃないかと信じてるのは俺だけじゃないはず

 

54:名無しのヒトカス

>>53

俺も俺も

 

55:名無しのヒトカス

ところでさっきからピーチャンピーチャン言ってるやつはなんなん?

 

56:名無しのヒトカス

普段暇だから巡回してるって言ってたからたぶん本人だろ

 

57:名無しのヒトカス

本人巡回してんの!?

 

58:名無しのヒトカス

最近はオカメインコもネットをする時代になったのか

 

59:名無しのヒトカス

配信してるんだから今更すぎるだろ

 

60:名無しのヒトカス

ピーチャンヲノゾクトキ、ピーチャンモマタコチラヲノゾイテイルノダ

 

 




次回配信話予定
・お歌配信
・ゲーム配信
・雑談配信
・飲み配信
・ゲーム配信

の、どれか。もしくは組み合わせる予定。
でも全く書いてないので次話出てくるのめっちゃ遅くなりそう。


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【ピーチャンネル】ピーチャン コンシンノ テリョウリヲ ツクルヨ!

週末には何とかって言ってたのぎりぎり滑り込みセーフと思いたい。
相変わらず難産。
毎日書こうとはしてたけど筆の進まないこと進まないこと。
掲示板形式のなんと書きやすかったことか。
あと前回の後書きの予告()に書いてない内容になってしまったのはわざとではないです。


 “ピーちゃん”と聞いて人が思い浮かべることと言えば何だろうか。

 圧倒的多数の答えは鳥につけるペットの名前として思い浮かぶに違いない。

 しかし昨今、一部界隈、とりわけネット上では複数の不特定多数のそれではなく、とある個人(鳥)?を指すものとして認識されるようになっていた。

 

 配信者ピーちゃん。

 見た目だけで言えばちょっと目にしないレベルの可愛らしい純白のオカメインコ。

 その愛らしい見た目だけでも十分に話題をさらえるポテンシャルを秘めているというのに、このオカメインコ、喋る。それはもう喋る。明らかに人並みかあるいはそれ以上の知性を持って。

 とはいえ口にする言葉は大言壮語を超えて妄言としか思えない内容ばかり。しかし配信中の端々で見せる超常の片鱗のせいで全てを否定しきれないでいるのも事実。

 

 芸風としてただ口にしているのだけなのか、あるいはもしかしてと思わせる不思議な魅力に溢れた存在として世間から受け入れられ始めていた。

 

 そんなピーちゃんの配信が、今日もまた始まる。

 

 

 

○月✕日 21:00 配信開始

 

「ハイ!キョウモ ゲンキニ コンニチピーチャン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お、始まったな

:コンニチピーチャン!!

:コンニチピーチャン!!

:もう夜だけどな

:細かいことはええねん

:というかピーちゃんどこ?

 

 開始時刻と同時に真っ黒な待機画面から一般的な一軒家に見られるようなキッチンの風景に切り替わる。

 そこに本来映るべき主役の姿はない。しかし声がするということはちゃんと近くにはいるようだ。

 

「ピーチャン、サイキンキヅイチャッタ。

 ピーチャンノ ハイシン、チョットシゲキテキ スギタナッテ!!」

 

コメント

:まぁ喋るオカメインコとか見たことないしな

:インパクトでかいのだけは認める。

:ゆーて、基本ぐだぐだしてるだけだし刺激強いかというと微妙なような

:しれっと非現実的なことちょいちょいやるけどそれのことか?

 

 しかし姿を見せず続ける言葉は何か意味有りげなだけで要領を得ない。

 視聴者たちの間に僅かながらに困惑したコメントが続くが次の瞬間それも吹き飛んだ。

 

「ピーチャン ノーパンデ ハイシンシテタ!!」

 

コメント

:wwwwwww

:ノーパンwwwwww

:ノーパンwwwwwwwww

:そりゃ鳥だしな

:ええ・・・(困惑

:ノーブラはええんか

:ただただ笑う

 

「ピーチャンガ ナニモイワナイカラッテ、

 ズット エッチナメデ ミラレテタカト オモウト、

 ピーチャン イキドオリヲ カクセナイ」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ざけんなwww

:そんな奴はおらんw

:訴訟

:訴訟

:ピーチャンにも穴はあるんだよなぁ

:訴訟不可避

 

「ピーチャンガ オヨメサンニ イケナクナッタラ オマエラノセイ!!」

 

コメント

:どうせぇとw

:ひでぇ言いがかりw

:ほんとにピーチャンをエロい目で見てるやつの性癖はなんと呼べば良いんだ

:ケモナーでもないし、・・・と、トリナー?

:語感が悪い。

:ピーチャン結婚してくれ

 

「ダケド ピーチャンハ ヤサシイカラ、

 エロタイサクト カワイサヲ リョウリツシタ

 トクベツヲ ヨウイシタヨ」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:なんだなんだ?

:別にエロくはねーっつってんだろw

:もらえる物はもらう主義

:もう嫌な予感しかしない

:来る・・・

:来るぞ・・・

 

 バサバサと羽音と共に今まで姿を隠していたピーちゃんが現れる。

 しかしそれはいつも視聴者に見せる姿と随分と様変わりしてるそれで……。

 

「オカエリナシャーセェー! ゴシュジンサマー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 黒と白を基調としたひらひらとしたエプロンドレスと頭部に装着されたカチューシャ。

 そこにとある動物要素を付け加えたそれはまさしく、

 

コメント

:猫耳メイドwwwww

:情報過多w

:バケモンじゃねぇかw

:なんでそれいけると思ったんだwww

:ラーメン屋のノリ

:勢いだけでゴリ押すのやめてwww

:いかんツボったwwwww

:電車の中で鼻水飛び出した

:カワイイ+カワイイ=???

:何故足し算してしまったのか

 

 

「ゴメンニャ! ピーチャンカワイクッテ! ニャ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ただのオカメインコが器用に片目を瞑り猫のようなポーズまで決めるとなるときっと可愛らしいに違いない。しかし残念ながらここにいるのは猫耳メイドオカメインコ。異形である。

 可愛いは可愛いにしても溢れ出るシュールさを前にして可愛さは敗北を喫していた。

 

コメント

:ニャwwww

:ニャwwwwwwwwwwwwwwww

:ニャってwww

:ニャwwwwwwwwwww

:可愛いけどさw

:これもう訳分かんねぇなw

:ピョンピョン跳ねるな

:見え・・・見え・・・

:見えた

:白!

:ちゃんとパンツ履いてるのでもう駄目だった

 

 コメント流れるに任せてしばらく。

 注目させるように羽をパタパタと動かすと早速本題を切り出した。

 

「ハイ! チュウモク!

 キョウハ オリョウリハイシン!

 メイドサントイエバ オムライス! オムライスヲツクルヨ! ニャ!」

 

コメント

:どうやって作るんだ

:まさか今日ずっとその姿でやるんか? www

:またニャwww

:もう既にお腹いっぱいなんだがw

:ニャで死にそうになるからマジでやめてくれwww

 

「デモ ヒトリジャ ムズカシイカラ 、

 キョウハ ケンゾクト イッショニ ツクルニャ! カモン!」

 

 ピーちゃんの呼び声とともに眷属と呼ばれた一人の少女が画面内に姿を現す。

 メイド服は着ていない。芋っぽいジャージ姿である。

 そして何よりも特徴的であるのが頭に被った紙袋、そして巨乳。

 

コメント

:うおおおおおお!眷属ちゃん!俺だああああああ

:眷属ちゃん結婚してくれ

:眷属ちゃああああああん

:正直ピーちゃんより可愛いと思う

:なんでこっちが猫耳メイドじゃないのか小一時間

 

 眷属とは。目下ピーちゃんの飼い主と噂される存在である。(ピーちゃん曰く逆らしい)

 いつぞやの配信でピーちゃんが協力者のことを眷属と呼んで以来いつの間にか定着してしまった。

 もっぱら裏方に徹し、配信に映ることはあまりない、所謂レアキャラだ。

 その腕の中には今回使うであろう野菜の数々。それをそのまま台の上に乗せると、一度カメラに向かってひらひらと手を振るとそのままキッチンに向き直った。

 

「…………」

 

 配信で顔を出すこともなければ声すら発しない。

 唯一映し出されたことのある口元から美少女ではないかと噂されているが真相は定かではない。

 知っているのは一緒に暮らしているというピーちゃんのみである。

 たまにピーちゃんと一緒に映し出される際の仲の良さから、一部界隈でこれを百合の内に含んで良いものか議論が為されているらしい。

 閑話休題。

 

 とはいえ仲が良いとはいえそれはそれこれはこれ。

 ピーちゃんとしてはあまりおもしろくないらしい。

 

「オマエラ ケンゾクノホウガ ハンノウイイノナンナン?」

 

 ジト目で視聴者を責めるピーちゃんがそこにいた。

 

コメント

:ごめんなさい

:だっておっぱい・・・

:おっぱい大きいのが悪い

:おっぱい大きいのが悪い

:せめて哺乳類がいいです

:眷属ちゃんを僕に下さい

 

「ケンゾクガ ホシイッテ? イイケド ジョウケンガ アルニャ」

 

 カメラに背を向けてシンクの上をピョンピョンピョンと跳ねるピーちゃん。

 

コメント

:いいのか!

:欲しい!

:立候補します。

:だからニャやめてw

 

 そしてぐるりと首だけをカメラに向けて90度回転させて絶叫した。

 

「ピーチャンヲ タオセルナラナァッ!!!」

 

コメント

:言うと思った

:知ってた

:知ってた

:そんな奴はおらん

:というかピーちゃんも料理の手伝いなんかしろ

 

 そんな茶番をピーちゃんと視聴者で繰り広げている間、件の眷属ちゃんはある程度下準備を済ませていたらしい。

 ちょいちょいとピーちゃんを手で呼び寄せるとおもむろにピーちゃんの身体を掴み、まな板上の皮の剥かれたニンジンとタマネギのそばに寄せるや否やすっと横にスライドさせる。

 その瞬間、ピーちゃんの頭がブレた。

 そして数拍もおかないうちにまるで思い出したかのように野菜は形を失いバラバラに崩壊した。

 

コメント

:!?

:!?

:え?え?

:見えんかった

:あまりにも早い手刀

:マジで今何が起こった?

:一家に一台欲しい

:・・・手刀?

 

 そしてそのまま眷属の少女の手でフライパンの中に野菜を移すもコンロに火は付いていない。

 なぜなら火はここにある。

 フライパンの近くを飛ぶピーちゃん、その口から一瞬にも満たない溜めの後放たれた炎が野菜の表面を焼いた。

 

コメント

:!?!?!?

:!?

:!?!?

:ナチュラルに火を吐くな

:火を吐くネコミミメイドオカメインコwww

:やめろ文字にするな余計にカオスさが増す

:wwwwwww

 

 それからは語ることはあまり多くない。

 幾度かの火炎放射と具材の曲芸切り、ピーちゃんによるグリーンピース食い尽くしを経て無事にオムライスが完成した。

 

 それは過程がそれなりにおかしかったことを除けば極めて一般的なオムライスに見えた。

 皿に盛られ食卓の上でホカホカと湯気を上げる姿はそれなりに食欲をそそる。

 

 そこにピーちゃんがケチャップで似顔絵を施し、

 

「ピーチャンノ テヅクリ オムライス カンセイ!!」

 

コメント

:美味しそう

:殆ど眷属ちゃんが作ってた

:これはピーちゃんの手作りと呼んでいいのか

:ちゃんとフードプロセッサーとコンロ役やったから・・・

:初めて見る料理への関わり方

 

 

 

「マサカ コレデ カンセイダトハ オモウマイナ!?

 サイゴニ ダイジナ シアゲヲスルヨ!」

 

コメント

:完成って言ったやん

:お前が完成言ったんや

 

 床に正座する眷属ちゃんの前に置かれたテーブル。

 その上に鎮座するオムライスと眷属の少女の間に移動し、カメラに目線を向けるなりポーズを決めると高らかに叫びをあげた。

 

「オイシクナーレ! モエモエ キュン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 その瞬間、羽と羽の間から放たれたハート型の熱線がオムライスに突き刺さり皿とテーブルを貫通すると絨毯の表面に焦げ跡を作った。

 

コメント

:なんか出たw

:なんか出たwww

:気功砲www

:気功砲かな?

:世界一物騒なラブ注入

 

( ゚д゚)

 

( ゚д゚)

 

( ゚д゚)

 

( ゚д゚ )

 

コメント

:こっち見んな

:こっち見んな

:こっち見んな

 

「……ハイ! ブジニ カンセイ シタトコロデ キョウノ ハイシン オワリマス!

 ミンナモ マネシテ オムライス ツクッテネ!ニャ!」

 

コメント

:無理

:無事とは

:まずは火を吐けるようにならんとな

:本人がほぼ忘れている猫耳設定

:何一つ真似できるところなかった

:・・・無事?

:テーブルは犠牲となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




なお、オムライスは眷属ちゃんが美味しく頂いた模様。
後ピーちゃんは怒られた。


裏話
水星の魔女のミオリネの髪型ってオカメインコみたいだなから始まったので実質ガンダム二次
ぼざろ見ながら妄想膨らませてたので実質ぼざろ二次
話数がちょっと進んだら何時かぼざろ世界にピーちゃん投入したSS書いてみたい

後藤ひとり
後藤ふたり
後藤とり ⇐ NEW!!

みたいな。

次話は例のごとく全く用意してないのでまた遅くなります。ご容赦ください。

コメント欄の色のスクリプトを修正。これで「ここ好き」出来るはず……
行がズレて「ここすき:おかしくなってたら申し訳ない。(23/02/19)


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【ピーチャンネル】オフロハイシン!ポロリモアルヨ!

一週間まるまる更新なくて申し訳ない。
じんわりと評価バーが伸びていくのをめっちゃにやにやしながら見てました。大変ありがたい話です。
そして相変わらずめっちゃ短いです。
あと多少の下ネタがあります。


○月△日 22:00 配信開始

 

「フーンフーンフーン♪ フーンフフーン♪ フーンフフーン♪」

 

 いつもの時間より晩い深夜の時間帯の配信、それは風呂場のくもりガラス越しに聞こえるシャワーの水音と女性の鼻歌から始まった。

 気分良く鼻歌を歌う扉越しの存在は扉一枚隔てた先のカメラに気づいていないようだ。

 このまま扉を開けてしまえばきっとあられもない姿をカメラの前に晒すことは想像に難くない。

 しかし撮影者は容赦なくその手を風呂場の扉にかけ──、

 

「キャー! ヘンターーイ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 タオルで身体を隠しながら撮影者の足元で非難がましく叫ぶオカメインコがそこにいた。

 

コメント

:知ってた

:知ってた

:知ってた

:鼻歌がダー○ベーダー

:なんで眷属ちゃんじゃないのか定期

:少しでも騙したいなら鼻歌のチョイスもうすこし何とかしろ

 

「モウ!シンジラレナイ!! マッテテッテ イッタノニ!!」

 

コメント

:言ってない

:ピーチャン劇場

:相変わらずの茶番

:茶番

:雑なAVの導入

 

「エ? タオルノ ナカガ ミタイ?

 コノヘンタイ! ミセルワケ ナイジャナイ!

 ……デモ、チョットダケナラ イイヨ……」

 

コメント

:言ってない

:言ってない

:見せなくていいです

 

 もじもじと顔を赤らめ(羽毛で判別不能)、身を捩らせるピーチャン。

 その手が焦らすようにゆっくりと身体を隠したタオルに手をかけ、はらりと風呂場のタイルの上に落ちる。

 そして布一枚越しに隠されていた生まれたままのピーちゃんの姿が露わに──、

 

「デモザンネン!ナカニ ミズギ キテマシター!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 当然ならなかった。

 

コメント

:はい

:はい

:はい・・・

:別に残念ではない

:く、くそー(棒読み)

:ちょっと期待しちゃってた自分に気づいて絶望

:マイクロビキニwww

 

「オアイニクサマ! ピーチャンハ タヤスク ハダヲ ユルス ヤスイ オンナ ジャナイノヨ!」

 

コメント

:服着だしたの最近のやつがなんか言ってる

:おん・・・な?

:この水着といい眷属ちゃんの手作り?

:ほとんど隠れていないんだが

:ほぼ紐

:一体どんな気持ちでこれ作ったんやろなぁ

:メスガキ変異種

 

 ブレないピーちゃんの態度にコメント欄がざわつきを見せている間、画面が一瞬のぐらつきを見せた後固定される。

 

「ナンテネ! キョウハ、チョット セクシーロセンデ イクヨ!」

 

コメント

:セクシーとは

:せくしー・・・?

:あまりにも高すぎる種族の壁

:上級者向けが過ぎる

:検索:ここからエロくする方法

 

「モシカスルト、ピーチャンノ ハダカガ ミラレルカモ!?」

 

コメント

:・・・そっすか。

:ピーチャンの裸なんて見てもなぁ・・・

:ピーチャンに興奮出来るやつは動物図鑑で興奮できる上級者やろ

:せめて哺乳類にしてくれ

:お前ら馬鹿だなぁ。ピーチャンは“変身”出来るんだぞ?

:!?

:!?

:!?

:そうか!美少女になれる可能性あるのか!

:上コメ天才かよ

:天才現る

:え?ピーチャン人型になれんの!?

 

「エ? ピーチャンノ ヘンシンガ ミタイッテ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんが明言している二回の変身。今までの配信で何度か要求されつつもなんやかんやと理由をつけて今までその姿を公開することはなかった。

 

コメント

:見たい

:見たい

:見たい!!!!

:お願いします!何でもしますから

 

 見たいと口にしつつも今回も無理だろうと視聴者達が考える中、しかし今回に限ってはその例から漏れるもので……。

 

「ショウガナイニャア……。イイヨ」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:まじか

:うおおおおお

:え?まじ!?

:よりにもよってこんなタイミングで!?

 

 ピーちゃんの身体が薄っすらと光り輝き始め風呂場を照らす。その輝きが更に増さんとしたところで、突如画面の外から飛んでくる液体によって中断された。

 映り込むジャージ姿の手にはボディソープの容器。それは一般的なドラッグストアで容易に見かけることの出来るものだ。

 

コメント

:眷属ちゃん急に何してんの?w

:眷属ちゃん突然の乱心

:俺も眷属ちゃんにぶっかけられたい

:風呂場にあったってことはもしかして眷属ちゃんが使ってるやつ?

:!?

:!!

:!!!!!!

:ちょっとコンビニ行って探してくる

:天才

:またも天才現る

:えへへ、眷属ちゃんと同じ匂いになれるんだね・・・

:↑きっしょ!

:↑↑きっしょ!!!

:コメント欄がかつてなくきもい件

 

「ピーチャン、ヨゴサレチャッタ……」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ひとしきり容器をしゃこしゃこと動かした後、残されたのは白濁液(ボディソープ)塗れのピーちゃん。

 全身を白濁液(ボディソープ)塗れにしながら両手(羽)を床に突き足を横に揃え、口から液体を垂らす様はどこか扇情的だ。

 もちろん、それがオカメインコでなければであるが。

 

コメント

:えっち

:えっちかなぁ

:いや、えっちだろ。この場が毎日眷属ちゃんが入ってるお風呂ってだけで興奮する。

:!!!!

:!?!?!??

:!?!?!??

:天才

:天才

:今日のコメント欄は天才が多くて困るな

:ちょっと男子ぃ・・・

 

 そんなセクシーさを増した(当社比)ピーちゃんにジャージ姿の影がにじり寄る。

 これ見よがしに両腕を捲り、今にもこれから何かをすると示すように。

 

「ヤメテ! ランボウスルツモリデショウ!

 エロドウジンミタイニ!! エロドウジンミタイニ!!」

 

 そして身を捩りその場から逃げようとする小さな肢体を容赦なくその両の手で蹂躙した。

 

「ア! ア! ヤメテー!」(めちゃ可愛ボイス)

「ソコハ ダメナノ!」(めちゃ可愛ボイス)

「ユルシテ! オネガイ!」(めちゃ可愛ボイス)

「ラ、ラメェエエエエエ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:俺たちは一体何を見せられているんだ・・・

:そりゃぁ、AVだろ

:AV(アダルトビデオ)

:AV(アニマルビデオ)

:この場合マジでどっちだ

:眷属ちゃんお手々綺麗ね(現実逃避

 

 約十分。それがオカメインコの嬌声ASMRの再生時間。

 ボディソープをこれでもかと塗りたくられもみくちゃにされた結果、本来のピーちゃんの姿は最早なく、時折動く泡の塊が残るばかり。

 そこに容赦なく注がれるシャワーの湯が泡の塊だったピーちゃんからその姿を取り戻すかいなやというタイミングで、立ち上る湯気がカメラのレンズを白く塗りつぶした。

 

コメント

:湯気

:見えねぇ

:見えない。

 

 そんなコメントを受けてかカメラのレンズがきゅっきゅと磨かれ今度こそありのままの姿をカメラが映す。

 そしてそこに映るピーちゃんの姿は先程までのそれとは一転して様相を変えていた。

 

 ポタポタと頭の羽の先から水滴を垂らし、全身を水分でしっとりとさせた姿はまさに水の滴るいいオカメインコ。

 そして何よりも特徴的な変化として、先程までピーちゃんの身体を覆っていた名ばかりの水着は先の行為の最中で失われてしまったのか、生まれたままの姿のピーちゃんがそこにいた。

 しかし画面の向こうにその姿がそのまま届けられることはなかった。なぜなら──、

 

コメント

:モザイクw

:モザイクwwwww

:絶対いらない配慮www

:誰に対する配慮だwww

:これやりたかっただけだろwww

 

 首からは上の姿は確認出来るも、それ以外の全身を修正されて水着が無くなってそうということしか画面越しには判断出来ない。

 

「キャー! ノ○タサンノエッチー!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 しかしそれでも裸体をカメラの前に晒したことには違いない。

 本人の今までの言動もあって本当に恥ずかしがっているのかどうか果てしなく怪しい片言の悲鳴と共に、ピーちゃんの口から放たれた水流がカメラを直撃、横転するのを最後にして接続は途絶えた。

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後の掲示板

 

 

123:名無しのヒトカス

前回の配信、アーカイブから見ようとしたら運営に削除されててワロタw

 

ttp://***********

 

124:名無しのヒトカス

>>123

ほんとで草

 

125:名無しのヒトカス

不適切なコンテンツwwwwwwwww

 

126:名無しのヒトカス

誰だよあんなん通報したやつw

 

126:名無しのヒトカス

ヤハリ、ピーチャンハセクシー・・・

 

128:名無しのヒトカス

いや草

 

 




なお、ピーちゃんは人型にならないしなれない模様

プロットとかまるでなく思いついたネタを切り貼りして一話にしてるだけなので本当に書くのが遅い。
とりあえずこれやりたい!ってシーンはあるものの数話したらネタが早くも切れてしまいそう。
ネタ切れたらネタ補充期間のために他の新作書いたりとかピーチャンが登場する二次創作(一発ネタ)とかするかもです。

あと始めて予約投稿使ってみるテスト。

コメント欄の色のスクリプトを修正。これで「ここ好き」出来るはず……
行がズレて「ここすき:おかしくなってたら申し訳ない。(23/02/19)


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【ピーチャンネル】雑談配信1

いつものように更新遅くて申し訳ない。
日間1位になってたのもお気に入りが6000超えてるのも未だ実感が湧いていなかったり。
本当に感謝。
誤字報告も助かってます。(名前は一応伏せておきます)
二とニの違いとかよく気づいたなとめちゃくちゃ関心しました。



○月✕日 20:00 配信開始

 

 雑談配信と予告されていた通り、いつぞやのように風呂場の風景が映し出されることもなく、普段配信に使われている部屋の一室が映し出される。

 かといって何の変哲もないかと言えばそんなこともなく、なぜか紐でぐるぐる巻きにされたオカメインコという明らかな異常が穴の空いたテーブルの上に転がっていた。

 

「………テ。…………シテ」

 

コメント

:なんでピーちゃん捕まってるんだw

:最強無敵どこいった

:よく大人しく捕まったな

:それはそれとしてテーブル穴空いたままなの笑うわw

:わかる

:というか何か言ってない?

 

 いつもであれば鬱陶しい程のテンションで配信開始を告げるはずがどこか様子がおかしい。

 口から蚊の鳴くような声を漏らしつつ、ただその場で力なく横たわるばかり。

 

「……シテ。……モドシテ」

 

コメント

:戻して?

:何か怖いことを言ってる。

:急なホラー始まったな

 

 そこでようやくカメラが撮影を始めていることに気づいたのだろうか。

 先程と打って変わってじたばたと身体を動かしながら力強く主張を始めた。

 

「……アイツガ! アイツガ モドッテクルマエニ!!」

 

コメント

:あいつ?

:眷属ちゃんのことか?

:なんかやらかしたんか

 

 と、その時、音もなく後ろに映っていた扉が開き、たった今噂をされていたジャージ姿の少女が姿を表す。

 グリーンピースが山盛りとなった小皿を手にし、一瞬ピーちゃんの姿を見て動きを止めながらもテーブルの上に手にしたものを置こうとして──、

 

「ハヤク ニンゲンニ モドシテエエエエエエ!!」

 

 びくりと一度身体をすくませ、手を止めた。

 

コメント

:マジで洒落にならんやつやめろ

:怖い怖い

:ピーちゃん人間だったの?

:実は眷属ちゃんが黒幕だった?

:眷属ちゃんチッスチッス

:それピーちゃんのおやつ?

 

 そして何が起きているか分からずといった具合で紙袋越しの視線をコメント確認用のモニターとピーちゃんの間を行き来させる。

 一方、テーブルの上に転がっている方はと言えば。

 通常鳥の表情なんてものは人と比べて豊かなものではなく読み取ることは難しい。

 しかし今回ばかりは視聴者達にもその表情は何となく理解の出来るそれで。

 

「ア、ヤベ」

 

コメント

:ヤベw

:やべってwww

:ヤベwww

 

 そこで大体のことは察したらしい。手にしたグリーンピースを置くことなくその身を翻した。

 

「アー! マッテェー! ピーチャンノ! ピーチャンノ グリーンピース!!」

 

 今までの縛られていた状態はなんだったのか、慌てて紐をかなぐり捨ててジャージの裾をくちばしで引っ張るピーちゃん。

 

コメント

:わからせ

:わからせられた

:やっぱり縛られてないんやんけ

:力関係。眷属ちゃん>>>>>ピーチャン

:ピーチャンふざけてないと死ぬ病気なの?

 

 そんなやり取りがちょっとだけ続いて。

 

「ハイ! トイウワケデ、キョウノ ハイシンヲ ハジメルヨ!」

 

 何事もなく配信開始を宣言するピーちゃんとその横に正座し、ひらひらと手のひらを振る眷属ちゃんの姿があった。

 そんなピーちゃんはといえばいつぞやのように派手なコスプレをするわけでもなく、首元にシンプルな赤いリボンを付けるのみ。

 一方で眷属ちゃんはというといつもと変わらないジャージ紙袋スタイルである。

 

コメント

:何事もなかったように始めるな

:リボン可愛い

:これくらいでいいんだよ

:ピーちゃんが全裸全裸言うから逆にいかがわしく見えて辛い

:それな

:最近眷属ちゃんとの配信多くて助かる。

 

「デハ ハジメニ! キョウハ シチョウシャカラ」

 

 グリーンピースついばみついばみ。

 

「トドイタ マシュマロヤ メールノ」

 

 グリーンピースついばみついばみ。

 

「シツモンニ コタエルヨ!!」

 

 グリーンピースついばみついばみついばみ。

 

コメント

:とりあえず食うのやめろw

:食うのやめろw

:一旦食うのやめろw

:wwwwww

 

「ダイイチモン! デデン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

【眷属ちゃんのOPPは本物ですか?】

 

コメント

:なぜ初めにそれを選んだ

:さっきワカラセられたのにこれである

:懲りないやっちゃなw

:頭ピーチャンかよ

 

「ピーチャンニ オマカセ!」

 

 しかしそんなコメント欄の懸念をものともせず、テーブルから飛び降りて隣の少女の太ももの上に着地。

 器用に上着を捲ると何のためらいもなくその中に侵入した。

 

コメント

:!?

:1?!?

:おいwww

:何してんだお前w

:暴挙が過ぎるw

 

 そして身を捩らせる眷属ちゃんの服の中をもぞもぞと小さな膨らみが移動し、その首元からピーちゃんが顔を出した。

 

「ホンモノ!!」(達成感)

 

コメント

:エッッッッ

:ピーちゃんそこ代われ!!

:本物!やった!大勝利!!

:本物!じゃねーよwww

:今日はもうこれでいいや

 

 と、セクハラされた少女はといえば当然なすがままでいるはずもなく、首元に手を突っ込むと達成感を顔に浮かべるオカメインコを鷲掴みにすると中空に放り投げた。

 その時、それが意図したものか意図していなかったのは分からない。ピーちゃんの爪がひっかかりジャージを持ち上げた結果、瞬きにも満たない一瞬、カメラが少女のおヘソを映し出していた。

 

コメント

:!?

:!?

:見え

:腰ほっそ!

:エチチチチチチチ

:えっちコンロ点火あああああああああ

:くっそ見逃した!!!!

 

 高速でコメント欄が流れていく中、原因となったオカメインコはというと、バサバサと羽音を立てて戻って来てコメント欄を確認し、

 

「ピーチャンノホウガ コシ ホソイ デショーガ!!」(怒)

 

 謎の逆ギレをしていた。

 

コメント

:なんでお前がキレてるんだw

:細いっつーか・・・

:小さい

:丸い

:鳥の腰って意識したことなかったな

 

 そしていそいそと服の乱れを直す少女の様子にもどこ吹く風。いつもの調子を崩さず言葉を続ける。

 

「ソレニ、ピーチャンノ ホウガ セクシーナノハ、カクテイテキニ アキラカ」

 

コメント

:なんで?

:どのへん?

:おっぱい揺れるようになってから出直してこい

 

「ダッテ ピーチャン、ドウガ サクジョサレタコト アルカラ!」(嬉)

 

コメント

:wwwwww

:なんで嬉しそうなんだコイツwww

:アレ結局判定なんだったんだ?w

:セクシー判定だったのか

:あるいは動物虐待

 

「ツヅイテダイニモン! デデン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

【ピーちゃんのことが好きです。結婚してください。】

 

「エ!?」

 

 ぽろりと先程までついばんでいたグリーンピースがテーブルの上に転がる。

 普段はセクシーだの可愛いだのと口にしていながら、あまりにも直球な好意を前にまるでそれが信じられないのか呆然と立ち尽くす様子が見て取れた。

 そして数秒。やがてようやく受け止めることが出来たのか、はにかむように身体を揺らしながらその想いに応えた。

 

「……ピーチャンモ! ……ピーチャンモオンナジ! ピーチャンノコトガダイスキ!!」

 

コメント

:そうじゃねぇんだよなぁw

:両思いやったじゃん!!

:自分大好きちゃんかよwww

:ブレないなぁw

:お前はそういうやつだよ

:いつも通りのピーちゃんで安心した

 

「ツヅイテダイサンモン! デデン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

【眷属ちゃんの顔が見たいです。なんでもするので顔出しお願いします】

 

「ダメ!」

 

コメント

:そりゃそうだ

:でも正直見たいよな

:うん

 

「トイイタイトコロダケド」

 

 ずりずりと鉛筆の乗ったノートを画面の外から引き摺ってきた。

 

「ピーチャンガ ニガオエ カイテアゲルヨ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お、おー

:おー・・・

:ピーチャン絵描けるの?

 

 そんな視聴者達の不安を他所にいそいそと準備を始め、何を思ったか未使用の鉛筆を器用に片足で掴むとその小さな口に含み、

 

 ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ!

 

 そして口から離し電動削りよりも滑らかに削られた鉛筆を眺めて満足そうに一度頷くと、そのままノートに向き直った。

 

「ジャァ、カイテイクヨー」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:待て待て待てw

:そのまま始めんなw

:ピーちゃんほんとなんでもありな

:お腹壊さないのかそれw

 

 そして数分後。

 

「デキタ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お

:待ってた

:わくわく

 

 眷属ちゃんの手でノートが立てられカメラの前にその絵が(あらわ)となる。

 

 突然だがシミュラクラ現象という現象がある。

 逆三角形に配置された点を目にした時、人はそれを顔として認識してしまうというものだ。

 それを踏まえた上でピーちゃんの描く眷属の似顔絵というのは、

 

コメント

:・・・顔、かなぁ

:たぶん顔!!

:頑張ったのは認める

:オカメインコ界世界一の画家

:わからん!全然わからん!

 

 たぶん顔!

 

「ジャァ、シツモンハ コノヘンニシテ、

 キョウノ ホンダイニ ハイルヨ!!」

 

コメント

:本題?

:また変なこと始めるんか

:嫌な予感

:もう何やらかしても驚かない

 

 コメント欄が疑いで溢れるのは日頃の行いか、あるいはこれも信頼の証と言えるかもしれない。

 

「ピーチャンノ イショウヲ ミンナノ コメントヲ モトニ ケンゾクガ デザインスルヨ!」

 

コメント

:お?

:おおおおおおお

:結構まともな企画で驚いた

:やっぱ今までの服は眷属ちゃんが作ってたのか

 

「トイウワケデ アイデア オネガイ!」

 

 そのピーちゃんの一言を皮切りにコメント欄が溢れ始める。

 

コメント

:セクシー路線ばっかだったから清楚で

:清楚とは

:白ワンピとか

:白い幅広帽子とか

:田舎のお姉ちゃん感

:ピーちゃんにおねショタは無理ぞ

:でもピーちゃんらしさも欲しい

:最強!無敵!一兆度の炎!

 

 コメントをもとにさらさらと先程の鉛筆を用いてデザインを起こしては画面に映し、その度にコメント欄が中々の盛り上がりを見せる。

 一方で本来主役であるはずのピーちゃんはといえば、絵に関してはまるでやることがない。

 はじめのうちこそコメントに反応したり、デザインを起こす眷属ちゃんの周りをちょろちょろと動き回っていたものの、いつの間にやら山盛りだったグリーンピースと共に姿を消していた。

 

コメント

:眷属ちゃんめっちゃ絵うまいな

:グリーンピースないなってる

:ピーチャンどこいった?

:お前のように感のいいガキは以下略

 

 そんな噂されている本人はといえば、姿を消してそう間を置くこと無く、テーブルの上をコーンの缶詰を転がしながら現れた。

 それも何やら歌を口ずさみながら。

 

「キイロイ~ツブツブ~ カンニツメテ~♪」

 

コメント

:まだ食うんかお前w

:まさかのお代わりwww

:オカメインコって毎日こんな食うの?!w

 

「アマミヲ~ トジコメルゥ~♪」

 

コメント

:何この歌?w

:オリジナルか?www

:急に歌うよ!

 

「アマクテ~♪」

 

「オイシイ~♪」

 

「コーン~♪」

 

「アマクテェエ!」

 

「コーンハァアア!!」

 

「オイシイィイイイイイイイ!!」(クソデカボイス)

 

コメント

:ピーちゃんうるせぇw

:静かにしてろ!w

:でも結構可愛いw

:なんだよこの歌w

 

 ひ鳥で器用に缶詰にくちばしを引っ掛けて開封した後、コーンをついばんでいるその間、一方の肝心なピーちゃんのデザイン案はというと、まさにクライマックスを迎えようとしているところであった。

 次々と流れるコメント欄の意見を集約しピーちゃんらしさを追求した結果が以下の通り。

 

 全長:八寸(約24cm)

 服装:白いワンピースと白い幅広帽子

 特徴:ピポポポポポと鳴きながら追いかけてきて「ピーチャンカワイイ?」と聞いてくる。

   :グリーンピースを投げつけると気を取られて逃げ切れる可能性が高まる。

   :一兆度の炎を吐いてくる。

 

 ここに新たな都市伝説、八寸様が爆誕した。

 

コメント

:あっれえええええええ?

:どうしてこうなった

:今回ピーちゃん何もしてなかったのになんで

:これも全部ピーちゃんが悪い・・・!

:太陽系ごと消し飛ばす系都市伝説

:グリーンピース!グリーンピース!(退散の呪文

 

 コメント欄が混沌としていく最中、ピーちゃんだけが満足そうにコーンを食べていた。

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




コーンの歌を適当な歌に差し替え。(23/02/13)

次回バレンタイン回を予定。でも当日には間に合いそうにない。
次回予定はいつも嘘にしかならないので話半分でどうか。

八寸のサイズ記載を合わせてちょっと修正(23/02/13)
ダイイチモン⇒太字指定抜け修正(23/02/13)
八寸様の特徴追加(23/02/13)
コメント欄の色のスクリプトを修正。これで「ここ好き」出来るはず……
行がズレて「ここすき:おかしくなってたら申し訳ない。(23/02/19)


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【ピーチャンネル】バレンタイン配信

感想欄にて昨日のうちと言ってたのに間に合わなくて申し訳ない。
ただでさえ遅筆なのに今週急に平日も休日も小忙しくて時間が全然取れてませんでした。
かなり急いだんであとでちょっと書き直すかも。


2月14日 20:00 配信開始

 

「ミンナー! キョウハ、バンアレンタイデーダヨー!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:バレンタインな

:バン・アレン帯、地球を取り巻く放射線の帯

:ぬ~○~で見たやつ

:ネタが古いんだよなぁw

:2.5次元でも見た

 

 ピーちゃんの元気な掛け声と共にカメラが映しだした場所はキッチン。

 纏うヒラヒラとした服装からもピーちゃんがコスプレを始めた日の配信を彷彿させる。

 とはいえあの日のようなメイド姿というわけでもなく。

 茶色と白を基調とし時折赤の散りばめられたドレスと頭の上にちょこんと乗った小さなシルクハット。

 いわゆるロリータなそれはその色合いからも今日という日を意識していることは明らかだった。

 

コメント

:バレンタイン特別衣装か

:かわいい

:可愛いw

:可愛いいいいいいい

:はえー、よう出来とる

 

「ケンゾクガ、ヒトバンデ ツクッテクレマシタ」

 

コメント

:毎度のことながら本当に器用

:センスあるううう↑↑↑↑

:どこのガチャ回したら出てきます?

:これを一晩で!?

:一回300石、天井80連

 

「ホントウハ、ミッカ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:まぁそんなもんか

:いやでもかなり早いって

:眷属ちゃん本業こっちだったりする?

:眷属ちゃんは一級ハンクラーだった?

:探したらどっかに出品してたりするんだろうか

 

 そんなコメント欄をひとしきり眺めた後、見計らったかのようにピーちゃんが本題を切り出した。

 

「サテサテサテ、キョウハナニヲスルトオモウ?」

 

コメント

:キッチンってことはやっぱそういうことだよな?

:チョコ作る?

:チョコ食べたい

:チョコだろうなぁ

 

「セイカイ! テーヅークーリー チョコヲ ツクルゾオラアアア!!」

 

 可愛らしい衣装とは裏腹に無駄に力強く無駄に男らしく拳(?)を天に突き上げる。

 

コメント

:うおおおおおおお

:うおおおおおおお!!!!

:うおおおおおおおおお!

:うおおおおおおお!!!!!

 

「チョコガ タベタイカー!?!?!?」

 

コメント

:食べたーい!!!

:うおおおおおおお!!!!

:食べたいぞおおおおおおおおお

:ヒュー!!ヒュー!!ドンドンパフパフ

:ギブミーチョコレート!

 

「テヅクリ チョコト イッテモ、キョウノハ ヒトアジ チガウヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 その一言と共にジャージ姿の少女が片手に持った小皿と共に現れ、コトリと音を立ててピーちゃんの前に置く。

 中に入ったやや大きめの豆は一般的にあまり見かけないものだ。

 とはいえこの流れで連想することの出来ない人間はあまりいないだろう。カカオ豆だ。

 

コメント

:眷属ちゃああああん俺だあああああ

:眷属ちゃんの手作りが食べられると聞いて

:え?カカオ豆から作るの?

:キット使って作ったことあるけど二度とやりたくない

:だからなんで眷属ちゃんはコスプレしないかと小一時間

 

 眷属ちゃんの登場でコメント欄が盛り上がる中、主役であるはずのピーちゃんはといえば。

 普段目にしないとはいえ豆は豆。一心不乱にカカオに向かって突きを繰り出していた。

 

「コレハピーチャンノブン!」

 

「コレモピーチャンノブン!」

 

 ピーちゃんが頭を振る度に一つ、また一つと小皿の上のカカオ豆が消えていく。

 

「ソシテコレモ! ピーチャンノ(スッ)ブン!」

 

 そして三度振り下ろされたくちばしは眷属ちゃんの手によって器を避けられたことで空を切っていた。

 

( ゚д゚ ) ⇐ エッ!?という顔

 

 二度三度とカカオ豆と眷属ちゃんの間を視線が行き来し、

 

「ピーチャンノ(スッ)ブン!」

 

( ゚д゚ ) ⇐ エッ!?という顔

 

 再び二度三度と豆と眷属ちゃんの間を視線が行き来し、改めて、

 

「ピーチャンノブンダアアアアアアア」

 

 ズガガガガガガガガガガガガガガガガ。

 今度は皿が避けられることはなかった。

 

※ピーちゃんは無敵なのでなんでも食べられます。ピーちゃんと同じ食べ物をペットに与える際はご注意ください。

 

コメント

:ピーチャンよく食うな

:いつも何か食べてる

:その身体のどこにそんだけ入ってるのか

:口のサイズ的に一口で食えるのおかしくね?

:いや、ちゃんと音を聞いてよく見てみろ

 一回頭を振る度に3回打撃を与えて砕いて高速で食ってる。

:そんなん分かるかwww

:動体視力ニキおっすおっす

:というかカカオ豆って生で食っても美味しいの?

 

「ンー、オトナノ アジ!」

 

コメント

:大人の味かぁ

:大人の鯵?

:美味しそう

:アジエンド

:食えんこたぁないけど意味分からん苦さぞ

 

「サテサテ、アジミハ コノヘンニシテ! サッソク コレヲクダイテイクヨ!」

 

 一つ二つと眷属ちゃんの手で小皿からまな板の上にカカオ豆が並べられていく。

 その横にちょこんとピーちゃんが乗り移り、

 

「フタエノキワミッ!」(日本語)

 

 一瞬にして距離をゼロにしたくちばしがカカオを砂状に粉砕した。

 

コメント

:!?

:!?

:動体視力ニキには見えた?

:見えるわけないだろ

 

「フタエノキワミ、アッー!」(英語)

 

「ゴブリンバットォ!」(スペイン語)

 

「ノーパンスタイリストォ!」(ポルトガル語)

 

コメント

:懐かしすぎて吐きそう

:懐ネタのオンパレード

:海外空耳ネタとか十年ぶりくらいに聞いたわ

:調べたら俺が生まれる前のネタじゃん

:やめてくれ、それは俺に効く

 

 と、このまま一つずつ砕いていくのかと思いきや、突如ピタリとその動きを止める。

 

「デモ コレダト チョット ジカンカカルカラ、ジタンヲスルヨ」

 

 その一言とともにいつの間にやら姿を消していた眷属の少女が再びカメラの前に姿を現す。

 手の中抱える程の器の中には山盛りと言って差し支えない量のカカオ。

 一つ一つは一瞬で砕いているとはいえ、確かにこれを一つひとつを砕いていくとなるとそれなりに時間がかかるのは否めない。

 そもそもカカオからチョコを作ること自体がそれなりに時間を要するとはいえそれはそれ。

 最強オカメインコには何やらいい案があるようで。

 

コメント

:え?これ全部砕くの?

:割とずっと見てられる感じだからそれならそれで構わんけど

:まぁ一個ずつやったら時間かかる・・・か?

:それでも砕く速度おかしいんだけどな

 

「コレヲコウシテ」

 

 眷属ちゃんにより足元から取り出した大きくて透明な瓶。

 その首元にまでカカオを入れ、

 

「コウ!」

 

 蛇口から水を入れて蓋を閉める。

 

「サラニ コウシテ、コウジャァ!!」

 

 ピーちゃんが瓶の側に寄り、ツンとくちばしを瓶の側面にくっつける。

 その僅か二秒後、何をするのか見守る視聴者たちの目の前でピーちゃんのくちばしの先から見えない何かが放たれ、瓶の中のカカオ豆その尽くを粒子状にまで粉砕した。

 

コメント

:!?!?!?

:!?!?!??

:???????

:今何した????

 

「スイチュウショウゲキハヲ、イチマンパツホド タタキコンダヨ!!」

 

コメント

:なにそれ怖い

:火吐くとかビームとかよりやばいことしてる気がする。

:やべーよやべーよ

:ほんと今更ながらにピーちゃんやばいのではって思い始めた

 

「イジョウ! ジタン テクニックデシタ!

 コウソクデ スリツブスヨリ マサツネツガ ハッセイシナイカラオススメ!」

 

コメント

:無理

:無理無理無理

:摩擦熱ってどんな速度で擦ること想定してんだ

:時短とは

:あー、衝撃波ってなんだと思ったら結石破壊するやつ?

:・・・あれってあんな木端微塵に出来るん?

 

「アトハ、ミズケヲトルタメニ エンシンブンリニカケテ……──、

 

 

 

 …………

 …………

 

 

 

 それから紆余曲折を経て、約30分程の時間をかけて大量の一口チョコレートが完成した。

 なおその際、瓶の中に竜巻を発生させカカオの成分を分離し、チョコを固める際にはれいとうビームが放たれていたことをここに記す。

 

コメント

:おー!出来たー!

:美味しそう!

:表面つっやつや

:テンパリングしてないのになんであんな艶々なんだ

:あの衝撃波がどんな威力だったのか分かるな・・・

:いつにも増して真似出来るところがなかった

:恐ろしい話よな

 

「マズハヒトクチ」

 

 眷属ちゃんの手から一口二口と口に収めていくピーちゃん。

 

※ピーちゃんは無敵なのでなんでも食べられます。ピーちゃんと同じ食べ物をペットに与える際はご注意ください。

 

コメント

:俺もピーちゃんに食べさせたい

:可愛い

:こう見てる分には可愛いんだけどな

:黙れば可愛い、喋ればクソトリ、動く姿は大怪獣

:美味しい?

:さて出来はいかほどか

 

「オトナノアジ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:さっきも言ってたやつ

:つまり不味いのでは?

:苦いんかな

:結構砂糖大量にぶちこんでたのにな

:お菓子ってそういうものよ。悍ましい量砂糖使う。

 

「ツギハ、ピーチャンガ タベサセテアゲル!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 器用にチョコを咥えるとピョンピョンと跳ねながら眷属ちゃんの顔を覆う紙袋の中に消えるピーちゃん。

 そして二つ、三つと紙袋の中に消えていき、四つ目を運ぼうとしたところでストップが入る。

 ペースが早かったらしい。慌てて口の前でバッテンを作っていた。

 

コメント

:・・・よく考えたらピーちゃんに手で食わせるのはともかく逆は口移しでは?

:!?

:!?

:くそ! ピーちゃんそこ代われ!

:今日ほど紙袋の中が気になる日はないよ

 

「ハイミンナオチツイテ。ナンデコンナニタクサンチョコツクッタトオモウ?」

 

 にわかに沸き立つコメント欄を前にどうどうと落ち着かせるように羽を上下に動かすピーちゃん。

 

コメント

:そういえばそうだな

:一人と一羽で食うにはちょっと多い

:それもそう

:って思ったけどピーちゃんなら全部食いそうだったわ

:それもそう

 

 そして次のピーちゃんの一言で先程と異なる理由でコメント欄が沸き立った。

 

「シチョウシャプレゼントヲスルヨー!!!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:え?マジ?

:おおお!

:欲しいいいいいいいいいいい

:え、私女だけど欲しい。

:チョコ作るって時から期待してたけど本当にくれるとはあああああ

:食べたいいいいいいい

:めっちゃ欲しいいいいいいい

 

「ハハオヤカラシカ チョコ モラッタコトナイ オマエラニ ピーチャンカラノ アイノテ」

 

コメント

:うっせぇわwww

:余計なお世話じゃ!w

:ほんとお口わるわるで草w

:初めて女の子から手作りチョコ貰えるけど相手が鳥とか激レア体験過ぎんか

:初めてじゃなくても激レアなんだよなぁ

 

「ハイデハ、ゴチュウモク!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 その一言と共に画面上に文字が浮かび上がる。

 

**************************

『方法』

・以下のメールアドレスにピーちゃんへの愛を綴ったメールを送ること。

「p-chan***********.com」

(当選はメールの返信をもって行われる)

 

『条件』

・国内に限る。

・この画面が表示されて10分以内にメールをした場合に限る。

・今すぐ受け取り可能。

・外れても文句を言わない。

・外れても泣かない。

・当選した場合に直ちに現在地の住所の連絡及びメール記載の指示に従うこと。

(※プレゼント以外の用途で住所を使用することはありません。)

 

『注意』

・複数応募は無効。

・転売を見つけた場合制裁を覚悟すること。

**************************

 

コメント

:一部の条件ってどういうことだ?

:今すぐ受け取り可能ってなんじゃらほい

:後日発送じゃないのん?

:指示って何をやらせるんだ

:変なことじゃないといいが

:・・・もしかしてピーチャン今から行くって言ってる?

:は?

:!?

:いやそんなまさか・・・

 

 そして制限時間の10分から更に15分。画面の中でノートパソコンをカタカタと動かしていた眷属ちゃんがパタリとその画面を閉じる。

 

「トウセンシャニ メールヲ オクリオワッタヨ!

 ジャァイコウカ。オテヲ、オヒメサマ。ソレジャ、マタネー!」

 

 眷属ちゃんに羽を差し出しその先を掴む眷属ちゃん。

 そのまま二人仲良く手(羽)をつないで手を振りながら画面の中から姿を消した。

 

コメント

:いや身長差

:身長差

:ピーちゃん紳士ね

:女の子だぞ

:またねー

:またねー!

:まじで今から行くつもりか?

 

 

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 

 

 

 

 

 

 ──とある当選者Aの場合。

 

 メールが届いたときはドクンと力強く心臓が跳ねるのを感じた。

 

 まさか、どうせ、と思っていたというのに本当にまさかだ。

 期待していなかったと言えば嘘になる。しかしこれが大人になるということなのか、当選確率の低さを思って心に予防線を張る自分がいた。

 それがどうだ。実際に当選した今はただただ嬉しい。

 何も考えずにただ純粋に喜べるというのは本当に久しぶりのことかもしれない。

 

 そんな逸る心をどうにか落ち着けて届いたメールの本文に目を通す。

 

 そこに書かれた肝心な指示の内容といえば以下の通りだ。

 

・音声ファイルを添付しているのでそれを近所迷惑にならない程度に大きな音量で鳴らすこと。

・もしくは機器による再生が不可能な場合は本文中の詞を口にすること。

 

 一瞬音声ファイルにウイルスが仕込まれている可能性が脳内に過ぎる。

 しかし一個人を騙すためにこんな大掛かりなことをする必要はないと考え直し、スマートフォンを用いて音声ファイルの再生に踏み切った。

 

『ナムダイジダイヒキュウグキュウナンコウダイレイカンビャクエカンゼノン……』

 

「……なにこれ? お経?」

 

 音声を再生して十秒程経とうかというその時、突如としてドンドンドンとベランダに繋がる窓が叩かれた。

 先程とは別の意味で心臓が飛び跳ねる。何故ならここはアパートの8階。仮に登ってこれたとしてもあまりにもタイミングが良すぎた。

 

「オカアサン! オカアサン、アケテヨ! オカアサン!」

 

「いや怖い怖い怖い……」

 

 その台詞は知っている。たまたま動画でしか見たことはなかったが怖すぎて放送禁止になったというCMのそれだ。

 あまりにもたちの悪い悪ふざけ。人生の中で一番驚いたかもしれない。

 いくら声が可愛いとはいえ突然そんなことされたとしたら誰だって怖い。自分も今すごく怖い。

 しかし恐怖で心臓が震える一方で再びメールが届いたときのような期待が顔を表しはじめる。

 音がするということはもしかしてそこにいるのだろうか? 今世間を賑わせているオカメインコ、ピーちゃんが。

 

 自身の配信以外でのメディア露出をしたことのないピーちゃんに本当に会えるかもしれない。

 

 心臓の逸るまま意を決してベランダのカーテンを開ける。そこには白い鳥の姿はなく、ハンカチの上に載ったラッピングされたチョコだけが残されていた──。

 

 

 

 

 ──とある当選者Bの場合。

 

『ナムミョウホーホケキョー』

 

「ピポポポポポポポポポポポポポポ」

 

 

 ──とある当選者Cの場合。

 

『リン! ビョウ! トウ! シャ! カイ! ジン! レツ! ザイ! ゼン!』

 

「ワタシピーチャン! イマ アナタノ イエノ マエニイルノ!」

 

 

 ──とある当選者Dの場合。

 

『ワレコガレ、イザナウハショウネツヘノギシキ。ソニササゲルハエンテイノホウヨウ』

 

「ショウボウショノホウカラキマシター!」

 

 

──とある当選者Eの場合。

 

『イア! イア! クトゥルフ! フタグン!』

 

「イツモニコニコ! アナタノトナリニハイヨルピーチャン!」

 

──とある当選者Fの場合。

 

──以下略。

 

──とある当選者Gの場合。

 

──以下略。

 

──とある当選者Hの場合。

 

──以下略。

 

 

 

 

 

 後に当選者の一人は語る。防犯用のカメラは動いていた。

 しかし防犯用の監視カメラに何者も映ることはなく宙から突然現れるチョコだけが映っていたという。

 

 そして後日ピーちゃんの唱えていたお経を流すと悪霊が祓えるという噂が流れ始めるのだがそれはまた別の話。

 




なお、ピーちゃんは霊的にも最強な模様。

奉神御詠歌歌わせようかと思ったけど配信NGみたいで断念。
節分の小ネタ入れようと思ったけど時間なくて断念。いつか掲示板回にでも混ぜます。
配信者から配信外で食べ物配るってほぼないと思うけどほぼ番外編みたいなもんなので許して。

なんか今回調べ物にめちゃくちゃ時間かかった。
ほんと更新速度早い人は尊敬する。

【本編で語っていない設定】
・居場所は住所で大体の位置を特定⇒自分と同じ声と⇒霊的な波長的なものを感知してた。
 特に詞に意味はなく声だけに力を込めてたり。
・配達の際は眷属ちゃんも一緒にいた。しかし本当に一緒にいただけ。
 位相の違う世界の裏側みたいなところを移動して誰からも見られないようにしていた。

話数増えてきたらいつか更新する時に設定集として色々まとめるかも?
 
コメント欄の色のスクリプトを修正。これで「ここ好き」出来るはず……
行がズレて「ここすき:おかしくなってたら申し訳ない。(23/02/19)


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自称最強無敵唯一絶対にして最強のオカメインコ配信者ピーちゃんについて語るスレpart2

いつものごとく亀更新
でも少しずつ文字数増えてるから許して・・・
配信回よりも掲示板のほうが執筆コスト低いかと思ったら別にそんなことはなかった


559:名無しのヒトカス

最近ピーちゃんめっちゃ流行ってきたな

 

560:名無しのヒトカス

俺たちだけのピーちゃんだったのに・・・

 

561:名無しのヒトカス

朝の番組の動物コーナーと夜の衝撃映像枠兼任出来る逸材だから時間の問題だったぞ

 

562:名無しのヒトカス

実際出来そうだけど文章読んでも???にしかならん

 

563:名無しのヒトカス

>>559

配信とか見ないって人でも見てるって人よく見るようになったからな

 

564:名無しのヒトカス

女の子に話しかけるのにピーちゃんの話題出しとけば安牌

 

565:名無しのヒトカス

それはある

 

566:名無しのヒトカス

男同士で語り合うときはとりあえず眷属ちゃんのおっぱいに触れとけばすごく盛り上がる

 

567:名無しのヒトカス

それはある

 

568:名無しのヒトカス

でも女の子に話しかける勇気はないから実際に試したことはない

 

569:名無しのヒトカス

それしかない

 

570:名無しのヒトカス

急に悲しいこと言うなよw

 

571:名無しのヒトカス

でもまぁ話題にしやすいってのはホントよな

生まれてからほとんど会ったことのない甥っ子に「コンニチピーチャン」って話しかけたらすぐ笑ってくれるようになったわ

ピーちゃん様々やでほんま

 

572:名無しのヒトカス

>>571

良かったやん、ちびっ子人気すごいもんな

 

573:名無しのヒトカス

ピーちゃんが女子や子供の人気を集めて、一方で眷属ちゃんが野郎どもの人気を集める無敵の布陣

 

574:名無しのヒトカス

顔見せたこと一度もないのになんであんな人気なんだかね

まぁ俺も好きなんだけどさ

 

575:名無しのヒトカス

>>571

確かにちびっ子人気があって子供に接するのには便利なツール

でもちびっ子どもが余計なこと覚えはじめる弊害があるぞ

息子を風呂に入れようとしたら先に入ってた息子に「キャーエッチー!」って言われた時の父親の気持ちを30字以内で簡潔に述べよ

 

576:名無しのヒトカス

www

 

577:名無しのヒトカス

想像出来て草

 

578:名無しのヒトカス

可愛いもんじゃないかw

 

579:名無しのヒトカス

>>578

娘に同じことやられた俺としてはマジで洒落にならんかったんだが・・・

嫁もピーちゃん知ってたから良かったが一歩間違えたら児相行きだぞ

 

580:名無しのヒトカス

 

581:名無しのヒトカス

全国的に結構やられた親御さん多いんやろなって

 

582:名無しのヒトカス

もうすでに余計なこと覚えた弊害出てるのはさすがに草だわ

加えてピーちゃんお口わるわるだからなぁ

子供達のお口もわるわるにならないか心配

 

583:名無しのヒトカス

>>582

つまりこれからのちびっ子たちが全員メスガキかオスガキになってしまうってコト!?

 

584:名無しのヒトカス

いいことじゃん

 

585:名無しのヒトカス

・・・いいことだろうか?

 

586:名無しのヒトカス

二次元みたいに美少女美少年ばかりじゃないからシンプルにクソガキが量産されるだけだぞ

 

587:名無しのヒトカス

じゃぁダメだわ!

ピーカス許せねぇ!

 

588:名無しのヒトカス

手のひらグルングルン

 

589:名無しのヒトカス

・・・あー、あと親としてはオカメインコ飼いたがるの困るわ

オカメインコはね、あんな喋らないのよ・・・

 

590:名無しのヒトカス

かえんほうしゃ

いあいぎり

みずでっぽう

れいとうビーム

 

全部出来ない

 

591:名無しのヒトカス

俺氏「オカメインコは喋らないんやで」

息子氏「でもピーチャン喋ってるじゃん!」

俺氏「・・・・・・・」

 

なんも言えんかったわ

 

592:名無しのヒトカス

>>591

父ちゃんもうちょっと頑張れよw

 

593:名無しのヒトカス

オカメインコを襲う遥か彼方の銀河系からの風評被害

 

594:名無しのヒトカス

オカメインコ今めっちゃ売れてるってニュースで見た

 

595:名無しのヒトカス

ちゃんと最後まで面倒見る飼い主ばっかならいいんだけどそうじゃないんだろうなぁ

ピーちゃんの生態は飼う上で何一つ参考にならん

 

596:名無しのヒトカス

ニュースでキャスターが大真面目にオカメインコに限らずペットを飼う際はうんたら言ってたのは少し笑った

 

597:名無しのヒトカス

>>590

ポケモンわざで思い出した

配信じゃなくて動画でタネマシンガンもしてたな

眷属ちゃんに漏斗で口の中に節分の豆大量に装填されてたやつ

あの小さな体のどこにってのは今更か

 

598:名無しのヒトカス

あれ笑ったわ

 

599:名無しのヒトカス

遠くに見えてた鬼の服着せられたカカシの群れが一瞬で木端微塵になってて草だった

 

600:名無しのヒトカス

秒間120発の鬼は外

鬼さん可愛そうでコメント溢れてて笑ったw

 

601:名無しのヒトカス

どう見てもオーバーキル

 

602:名無しのヒトカス

アパッチの機関砲掃射動画見たことあるけど完全にそれ

 

603:名無しのヒトカス

さすがにあの勢いで福は内はせんかったか

家消し飛んじゃう

 

604:名無しのヒトカス

8mmピーチャン砲

 

605:名無しのヒトカス

桃太郎もキジじゃなくてピーチャン連れてけよ

 

606:名無しのヒトカス

>>605

鬼さん可愛そう

 

607:名無しのヒトカス

どこで撮ったんだろね

土地借りたならそっから足付きそうだが

 

608:名無しのヒトカス

私有地らしいぞ

単純に金持ってそうな気配あるけど山とかって意外と買える値段だからな

 

609:名無しのヒトカス

へぇー

ピーチャンやっぱ金持ってんのね

 

610:名無しのヒトカス

名義的には眷属ちゃんなんだろうけどな

 

611:名無しのヒトカス

推定美人でおっぱい大きくてスタイル抜群な上にお金もあるのか

ますます眷属ちゃんと結婚したい

 

612:名無しのヒトカス

そのためにはピーちゃんに勝てるようにならないとな

 

613:名無しのヒトカス

ああ、あとは心配ついでに性癖狂わされたちびっ子たち出て来ないか心配

・・・いないよな?

 

614:名無しのヒトカス

お風呂のだって意味よくわかってないけど真似してるだけだろうから基本的には大丈夫なはず

俺らと違ってな

 

615:名無しのヒトカス

勝手に一緒にしないでくださるぅ?

 

616:名無しのヒトカス

ピーチャンが全裸全裸言うから犬猫見た時に全裸なんだよなってノイズ走るようになって辛い

 

617:名無しのヒトカス

>>616

わかる、猫科の尻ってエロいよな

 

618:名無しのヒトカス

>>617

そこまでは言ってない

 

619:名無しのヒトカス

でも実際ピーちゃんにちょっとエロい目向けてるやつおるやろ?

 

620:名無しのヒトカス

少し、少しだけな

 

621:名無しのヒトカス

全く開こうとしてない扉を延々とノックされて無理やり意識させられるこの感覚

興味全くないのにNTRの漫画広告ひたすら見せられる感覚に似ている

 

622:名無しのヒトカス

むしろ扉のない所にトンネル掘られて未開ルート開通させられようとしてる感じ

 

623:名無しのヒトカス

めっちゃ可愛いのは認めるけど間違っても女の子としてじゃないのにピーちゃんのあの自信

 

624:名無しのヒトカス

いやでもほんと可愛いよ

素直に眷属ちゃんが羨ましい

どこで拾ってきたんだあんなオカメインコ

 

625:名無しのヒトカス

ピーちゃんが聞いたらピーちゃんが拾ったとか言いそうな

 

626:名無しのヒトカス

絶対言う

 

627:名無しのヒトカス

ピーちゃんの動画の楽しみ方は音を消して動画だけ見るか、逆に音だけ聞くかだと気づいた

見るだけなら愛くるしいオカメインコが動き回ってるだけ

聞いてるだけなら良質なメスガキASMR

 

628:名無しのヒトカス

>>627

天才

 

629:名無しのヒトカス

>>627

お、そうだな

(口から火吐いたり、れいとうビーム撃つの思い出しながら)

 

630:名無しのヒトカス

もう最近はピーちゃんが何者かとか考えるの止めた

 

631:名無しのヒトカス

>>627

馬鹿かお前

見るからに愛くるしい存在に罵倒されて何とか分からせてやりたいと思っても絶対無理だと気づいて悔しさに身を悶えさせるまでがセットじゃろがい

 

632:名無しのヒトカス

ひえっ

 

633:名無しのヒトカス

レベルたけぇな

NTR好きそう

 

634:名無しのヒトカス

お?性癖暴露する流れか?

俺は尻ならピーチャンのふわふわのお尻で顔踏まれたい

 

635:名無しのヒトカス

ピーちゃんに毎朝起こされたい

 

636:名無しのヒトカス

ピーちゃん吸いたい

 

637:名無しのヒトカス

>>635

耳元で大声出すバカやりそう

 

638:名無しのヒトカス

>>637

頭消し飛ばんかそれ

 

639:名無しのヒトカス

逆に俺たちが服を着てることに違和感を持ち始めた俺みたいなやつおらんか?

 

640:名無しのヒトカス

ピーちゃんの卵にぶっかけたい

でも手に入らんからスーパーの卵で我慢してる

いつか産卵配信してくれんかな

 

641:名無しのヒトカス

豆になってピーちゃんに喰われたい

 

642:名無しのヒトカス

やばい奴ら急に出てきましたねぇ

特に>>640

 

643:名無しのヒトカス

>>631だけど、俺って異端だろ?ウフフって思ってたけど>>640とは一緒にされたくない

 

644:名無しのヒトカス

>>640

卵をかけるんじゃなくて卵にかけるのか・・・(困惑

 

645:名無しのヒトカス

>>640

お前がNo.1

ちょいちょいやばいのいるのに霞む

 

646:名無しのヒトカス

はい止め止め!

これ以上続けるともっと絶対やばいやつ出てくる

こんなきっっっしょい話よりバレンタインの話しようぜ!バレンタイン!

 

647:名無しのヒトカス

同意

 

648:名無しのヒトカス

同意

 

649:名無しのヒトカス

じゃぁ話題を変えて。

あの視聴者プレゼントって結局マジだったんかな

結構偽物出てきたって聞いたが

 

650:名無しのヒトカス

防犯カメラの動画見た?

フェイクかなーとは思ったけど昨日の今日で一般人が用意出来るとは思えんのよな

宙からハンカチがひらっと現れてラッピングされたチョコがその上にポン

 

651:名無しのヒトカス

あれ当選した人本当に羨ましい

口を揃えてホラー体験させられたって言ってるのは草だったが

 

652:名無しのヒトカス

なんか音声ファイル添付されてたってな

何故かお経とか呪文とかあんま耳にしないようなやつばっか

 

653:名無しのヒトカス

あと眷属ちゃんの手書きらしき手紙も添えてあったってね

応援ありがとうと日持ちしないと思うから早く食べてくれ的な

ハンカチといい家宝だろこれ・・・

 

654:名無しのヒトカス

俺の知り合い当選したって言ってたわ

安いからって事故物件に暮らしてたらしいんだけど、

どんどん顔色が白どころか黒くなってたのね

なんか音声ファイル流した瞬間に急に部屋が明るくなったって感じたらしい

そんで毎日死にたいって思ってたのに急にすごく生きたいって気持ちが強くなって

泣きながらチョコ食ったらしい

味は苦くて少ししょっぱかったとか

 

655:名無しのヒトカス

>>652

普段効かないワードにすることで場所特定しやすくなるとかやろか

地震予知したこともあるしちょっと地獄耳なくらいでもう驚かんのだが

 

656:名無しのヒトカス

>>654

その人ツ○ッターやってる?

RTで回ってきたやつ見たと思うわ

 

657:名無しのヒトカス

>>656

たぶんそれ

ピーちゃん教作るって息巻いてるやつならそいつ

 

658:名無しのヒトカス

そのおかげでピーちゃんの音声で悪霊祓えるとか言われてるのは草生えるんよ

 

659:名無しのヒトカス

ピーちゃんは霊的にも最強だった?

 

660:名無しのヒトカス

除霊用ASMRという新しい概念

 

661:名無しのヒトカス

知り合いの霊能力者がピーちゃんやばいやばいってずっと言ってるのなんのこっちゃって思ったら繋がってくるとは思わんかった

 

662:名無しのヒトカス

霊能力者とか胡散臭いけどピーちゃんのほうが1000倍胡散臭いから許す

 

663:名無しのヒトカス

>>657

ピーちゃん教(仮称)ネットで調べたらHP出てきて草ぁ!

BGMで流れてる九字切ってるピーちゃんボイスが例の添付音声か

 

664:名無しのヒトカス

勝手に使って許されるんか

 

665:名無しのヒトカス

好きにしていいってメールに書いてあったらしいし

良識の範囲内で自由につかっておkって呟いてもいたからいいんじゃね?

さすがにそんな使い方されてるとは思わなかっただろうが

 

666:名無しのヒトカス

あー、でも再配布されたやつには霊的な力半減するから過信するなって注意喚起してたね

直接送ったという行為こそが効果に繋がってるとかなんとか

再配布されてるやつはせいぜいお守り代わりってね

 

667:名無しのヒトカス

いやでもお風呂配信で変身した時ちょっと神々しくなってたから霊的にもってのは納得だわ

 

668:名無しのヒトカス

>>667

は?

なんも変わってなかっただろ

意味もなくそれらしい嘘つくのやめろと

 

669:名無しのヒトカス

いや、嘘じゃないけど・・・

なんか隈取りって言うの?

目元と額に赤いライン浮かんでたよね?

 

670:名無しのヒトカス

嘘乙

 

671:名無しのヒトカス

>>669

やっぱなんか変わってたよね!?

知り合い全員知らんとか言うから見間違いかと思ってずっと黙ってた

 

672:名無しのヒトカス

なにそれ知らん怖

 

673:名無しのヒトカス

え、マジでなんか見えてたの?

 

674:名無しのヒトカス

動画見返せば分かるって思ったけど動画削除されてるじゃねーかクソ!

 

675:名無しのヒトカス

あー、切り抜きも全滅してるっぽいな

非公認のも見つからんわ

 

676:名無しのヒトカス

もー、すぐピーちゃんの話題ホラーになるー

 

677:名無しのヒトカス

シンジルモノハスグワレル!

 

678:名無しのヒトカス

パリーンつってな!ってバカ!

 

 




いつもいつでもアドリブ執筆してるから感想返しで言ってることでも変わる可能性あり
あと自分で言ってて気に入った部分は回収したり
譲れないラインってのはあるんですけどね。ピーちゃんは人にならないとか。
気持ち悪いやつ書いてる時が一番イキイキしてるんじゃないかと思い始めた今日この頃。
次話は配信回予定。今後も合間に掲示板回挟んでいきたい。


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【ピーチャンネル】ユルキャンスルヨ!(昼の部)

いつも遅くて申し訳ない。
誤字報告いつも助かってます。
パソコン死んで傷心中。新しいの買いました。


□月○日 14:00 配信開始

 

「ココヲ キャンプチ トスル!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 元気のいいピーちゃんの宣言と共に始まったこの日の配信は、いつもと違い日の昇った時間帯であることだけに留まらず明確に違う点が見て取れた。

 

コメント

:おおおお!外だあああああ!

:山!

:川辺でキャンプするのは危険だぞ

:眷属ちゃんがジャージじゃないだと・・・

 

 ピーちゃんと眷属ちゃんの背景に映る圧倒的な大自然。

 都会では見ることの出来ない木々の群れと陽光を反射し煌めく川の流れが眩しい。

 一方でいつもはジャージと紙袋スタイルの眷属ちゃんの服装もその上にジャケットを羽織り、いつもより暖かそうな装いである。

 反面、ピーちゃんの姿は何も身に着けていないノーマルスタイル。これを全裸と呼ぶかどうかで訓練度合いが分かる踏み絵と化していた。

 

「コウズイ トメルクライ ワケナイケド、ネトマリハ ベツノバショデ スルヨ!」

 

コメント

:そりゃそうか

:川全部凍らせるくらいはやってのけそう

:ピーチャンはどっちかっていうと天災側だし・・・

:隕石どうこう言ってるやつがたかが自然現象くらいでどうにかなるわけないんよ

:万一洪水来たら川さん逃げてーってなりそう

 

「ソレジャ、サッソク キョウノゴハン オサカナヲ トルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そんな一言とヒラヒラと手を振りながら見送る眷属ちゃんをその場に残し、地面に置いてあったバケツを足に取ると十数メートルは離れた川の中に姿を消すピーちゃん。

 

コメント

:お魚って言い方かわいい

:はっっっっっやw

:ピーちゃんがまともに飛ぶの初めて見た

:オカメインコってあんなレーザーみたいに飛ぶんだな()

:初速からあの速度おかしいわ

 

 ピーちゃんが川の中に消えて程なくして、川から水しぶきと小さな影が飛び出すと同時に川沿いに置かれたバケツの中に次々と魚が溜まっていく。

 

「オサカナヲバケツニ シューッ!! チョウ! エキサイティンッ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お魚さん逃げてー

:ピーちゃんからは逃げられない

:すごい勢いで捕れてくな

:この時期の魚ってなんだろう

:鵜飼ってあるけどオカメインコにも出来るとはたまげたなぁ

 

 一方、眷属ちゃんはというと。カメラの映る位置に木のテーブルを運びその上にまな板、包丁と道具を並べていく。

 

コメント

:眷属ちゃん魚も捌けるんか

:生活能力ばちくそ高いよな

:生魚怖いって女子も多いだろうに

:男子も無理ってやつ多い

 

 そんな穏やかな時間が続く中、突如画面の端に明確な異変が形を伴って姿を現した。

 川とカメラの位置の中間あたりといったところか、それは全長1.5mに届くかという大きなイノシシ。

 まだ距離はあるものの、どこか落ち着かない様子で顔を動かす様子は何か嫌な予感を抱かせる。

 

コメント

:イノシシ!

:でえええええっっか

:あれ?ピーちゃん気付いてない?

:眷属ちゃん後ろー!

:ピーちゃんはよ何とかして

:え?こっち見てないか?

 

 そして得てして嫌な予感というのは当たるものだ。

 その存在に気づくことなく準備を進める眷属ちゃんの姿を認めると川辺の砂利を撒き散らかしながら一直線に走り出した。

 

コメント

:眷属ちゃん逃げて!

:ピーちゃんはよ助けて!

:魚とかいいから!

:気付いてー!

 

 そんなコメント欄の悲痛な訴えが届くことなく、あわや激突するかというその瞬間、黒くて大きな影にイノシシ(・・・・)が吹き飛ばされた。

 

コメント

:は?

:は?

:ってまたなんかきた!

:でっっっっっっっっか!!!

:待って待って待って!

 

 イノシシを吹き飛ばした黒い影。クマ。

 それも全長3mを優に超える異常なまでに巨大なそれ。

 ただそこにいるだけであっても生物としての本能的な恐怖を抱かずにはいられない。

 か弱い少女と巨大なクマ。イノシシが現れた時の比ではない凄惨な結末が視聴者の脳裏を過る。

 

コメント

:うわあああああ

:でけぇえええ

:助かったと思ったけど助かってない!

:ピーちゃんマジで何してんの!

:さすがにピーちゃん気づけ!

 

 後ろの出来事にようやく気づいているのかいないのか、緊迫感というものを一切感じさせない様子でピーちゃんは、

 

「ヤマダーーー! ゴハンヨー!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 飛んだままその場でくるんと回転すると掴んでいた魚をクマの方に投げ放った。

 

コメント

:誰だよ山田!

:呑気か!

:気づいてんならはよ何とかせえ!

:魚あげてる場合ちゃうで!!

 

 ピーちゃんが弾き飛ばした魚を口でキャッチして地面に並べていくクマ。

 十に届かんといった魚を器用に両の前足で抱えるとペコリとピーちゃんと眷属ちゃんに一度ずつ頭を下げると森の中へ去っていった。

 

コメント

:ヤマダってクマかよ!

:数々の褪せ人を屠ってきた強者感ある

:あんなでかいの日本にいるとかこっわ

:てか山田ってなんだよおおおおお

:しれっと二足歩行すんな

:まじで山田ってなんだ

 

 騒然としたコメント欄を余所に明らかにオカメインコでは運びきれない量の魚入りバケツを掴んで戻ってくるピーちゃん。

 先程まで川に入っていたというのに水に濡れた気配はない。耐水性も一般的なオカメインコとは一線を画すのかもしれない。

 最近の配信と違いアクセサリの一つも身につけていない理由は川に飛び込むがためと分かったであろう。

 しかし当然ながらコメント欄にそのような冷静さを保った者はいるはずもなかった。

 

「オサカナ イッパイ トレタ!」(満足)

 

コメント

:お魚とかどうでもいいから!

:あのクマは何!?

:熊の説明してくれませんかねぇ!?

:唐突に餌やりされても困るんだが

:ヤマダis何?

:熊の説明はよ

 

「ヤマダノコト? ヤマダハ コノマエ ヒロッタ ワガヤノ ペット!」

 

 とんでもないことを言い出すオカメインコとその横で軽く頷く紙袋。

 

コメント

:ペットて・・・

:ペットwwwww

:ペットじゃねーんだわw

:俺たちに出来ないことを平然とやってのけるッ

:そこにシビれる! あこがれるゥ!

:さすが最強生物の飼うペットはスケールが違うなぁ(白目)

:眷属ちゃんも何頷いてんねんw

 

「ヤマダハ コドモノイル シンママ ダカラ テヲダシチャダメヨ!」

 

 不倫浮気! ダメ絶対!

 

コメント

:ピーちゃんのことだから駆除とかって意味じゃないんだろうなぁ・・・

:・・・・・もしかしなくても性的な方でおっしゃってます?

:熊に対して一度すら考えたことない概念

:熊にも穴は(ry

:不倫・・・・・・?

:クマに!?

:熊のシンママwwwwwwwww

:旦那が熊と浮気した奥さんの気持ちってどんなもんやろ

:地獄かよw

:クマ相手に慰謝料は請求出来るのだろうか

:出来ませんね・・・

 

「マァマァ、ヤマダノ コトハ イイノヨ! オサカナノハナシシヨ!」

 

 そう先を促すピーちゃんだがそう簡単に忘れることの出来る光景ではないわけで。

 一般的な配信者で同じ出来事が起きれば放送事故になることは間違いない大事件である。

 

コメント

:人はピーちゃんと違ってそう切り替え早くないのよ

:ピーちゃんの配信であんま驚かなくなってきたけどクマは流石に驚いた

:人にとっちゃインパクトは「クマ>>>>>魚」なので・・・

:そういえばイノシシどっかいった?

:そいえばいなくなってるな

 

「コノヘンジャ ミナカッタカラ、マヨイコンダ ミタイネ。

 マヨイコム クライナラ イイケド、ウチヲ トクテイ シヨウトカ ダメヨ?

 ダイイチボウエイライン ヤマダガ マチウケルカラ!」

 

コメント

:この前の節分動画と同じ敷地内よな?

:あれ見て場所特定しようとしてるやついたな。お前らのことだぞ

:命知らずにも程があるんだよなぁ

:ピーちゃんは加減してくれても熊は加減してくれっかな・・・

 

「ヨシンバ ヤマダヲ トッパシテモ、ピーチャンノ

 キョドウフシンシャゲキメツハドウホウヲ オミマイスルカラネ!」

 

コメント

:なんだその技www

:見たいから誰か生贄になってくれ

:ピーちゃんは倒せないけど、熊ならいける!とはならんやろがい

:あんなでかい熊とか出会った瞬間死を覚悟する

:お辞儀もしてたし、たぶん結構賢そう

:猟師泣かせのやつ

:歩兵装備だとどんだけいいの持ってても勝てる気がしない

 

「ハイハイ! モウイイデショ? オサカナオサカナ! ドウヤッテタベヨ!?」

 

 ピョンピョンと眷属ちゃんの肩の上で跳ねるピーちゃん。

 話を誤魔化したいというわけではなくただ単純に魚をどうするか楽しみなだけらしい。

 

コメント

:これ以上熊の話してるとピーちゃんが拗ねちゃう

:焼き

:新鮮な魚は生に限る

:焼き魚にするのが一番無難か

:天ぷらとかどうよ

:生は寄生虫が怖いんよなぁ

 

「オッケー! ゼンブヤロウ! ヤルノハ ホボ ケンゾクダケド!!」

 

 言って、眷属ちゃんの紙袋をつつく。

 

コメント

:ピーちゃんも食べるん?

:とりあえず眷属ちゃんに任せるスタイル

:まぁ眷属ちゃんも食べるだろうしな

:ピーちゃんだけで料理は無理ぞ

 

「ピーチャンモ タベルヨ! デモ、ジェネリックピーチャンニハ アタエチャダメ!」

 

コメント

:ジェネリックピーチャンw

:ジェネリックピーチャンw

:ジェネリックピーチャン言うなw

:ジェネリックピーチャンは草

:寄生虫はどうするの?

:ピーちゃんはともかく眷属ちゃん死にそう

 

 キセイチュウ?と一度首を傾げ、

 

「ソリャア、コウシテコウヨ!」

 

 ピョンピョンと肩の上で跳ねて向きを変えると魚の入るバケツに視線を向ける。その先でバケツの中の魚たちが突如白い光に包まれ、先程までピチピチと跳ねていた魚が急に動きの一切を止めた。

 

「ハイカンリョウ!」

 

コメント

:????

:なんかすんごい背筋ぞっとしたんだが!?

:???

:なんか光ったけど

:なんかしたの?

:????

 

「ヒカリゾクセイノ ソクシマホウデ センドヲ ソコネズニ ショリシタヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:こっわwww

:過去一ぶっそうなもんしれっとぶっ放すなw

:マ○ンマオン?

:マジで一瞬ヒヤッとしたけどほんまにやべーじゃねぇか!

:ピーチャンは怖い生き物です!

:いやほんまに怖いわw

 

 それは物理現象を介さずに直接死という結果のみを押し付けることで身を一切損ねない非破壊式寄生虫処理。

 いつの日か、魔法という現象が一般的になった暁には当たり前に使われる日も来るかもしれない(来ない)。

 

「チナミニ サッキンモ デキル。カキトカ アタラナクナルヨ」

 

コメント

:まじかよ!

:くっそ便利じゃん

:牡蠣一度あたってから食えなくなった

:生食用は鮮度がどうしても落ちてるのよね

:焼き牡蠣用のが新鮮らしいな

 

「マァ、ドクソハ キエナイケドネ」

 

コメント

:腐りきってるのはさすがにダメってことか

:フグとかそのまま食えるようにとかは無理か

:やれんことはなさそう

:謎の信頼感

 

「シタショリハ ケンゾクニ マカセテ、ピーチャンハ ヒヲ オコスヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 任され、魚を一匹手に取りまな板の上に置く眷属ちゃん。

 慣れた動きで魚の頭を落としスッと腹に包丁を入れ、瞬く間に三枚に卸すと更に細かく包丁を入れて一口大にカット。

 流れるように自然な動きで瞬く間に刺し身が完成していた。

 

コメント

:眷属ちゃんほんま手際いいな

:素で見入ってたわ

:ピーちゃんのせいで霞んでるとこあるけどめっちゃ有能よな?

:裁縫は神レベルだし料理も超手際が良い。ピーちゃんいなくても人気配信者になれそう

:(結婚しよ・・・)

:(結婚しよ・・・)

:マジでガチ恋しそう

 

 一方のピーちゃんも負けてはいない。

 

「ヤッパ キャンプスルナラ マキガ イイトオモウノ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:わかる

:炭とか持ってきてもいいけど、BBQ感強くなる

:そういう空気って大事

:薪は用意が大変そうだけどやってみたい

 

 小さな体に見合わないサイズの石や薪を足で掴むと、まるでその空間だけ時間の流れがおかしくなったと錯覚する速度で次々と積み上げていく。

 それは明らかに自然とはかけ離れ、ダイジェストではないはずなのにダイジェストにしか見えないという不思議な光景だった。

 

コメント

:ほんま不自然な塊w

:おかしいな生配信に倍速機能がついてるだと?

:たまに動き止めてドヤ顔向けて来るの草

:分身してるように見えるんだが気の所為だよな?

:殺せ○せーといい勝負しそう

 

 そんな速く動けば早く終わるというパワープレイとしては意外なほどの精密さを以ていつの間にやら石かまども完成する。

 

コメント

:おお!

:眷属ちゃんの作業とは違う意味で目が離せないこの感じよ

:思ったよりなんかいい感じ

:ピーちゃんもなかなか器用

:さすがッスねぇ!

:ピーちゃんと眷属ちゃんと一緒にいたら食うのは困らなさそう

:間に挟まるのはゆ゛る゛さ゛ん゛!!

 

 完成した石かまどを満足気に見て頷くとじっと薪を見つめ、その視線の先の一点が赤から白に変わった瞬間、そこを中心にして一息に炎が燃え上がった。

 

コメント

:!?

:!?

:!?

:今なにした

:俺はもう驚かない・・・

 

「キャッ! ピーチャンノ アツイ シセンデ マキサンガ テレチャッタ」(照)

 

 もじもじと身を揺らすピーちゃんの姿は相変わらず愛くるしいに尽きる。直前、理解の及ばない高速移動に加え視線で火をつけるようなことが無ければ素直にそう思えたかもしれない。

 

コメント

:照れたとは

:熱い視線(物理)

:薪さん照れちゃったかぁ

:それを照れるというならピーちゃんの前だとみんな照れちゃうな

:俺も照れる自信がある

:もう目からレーザーくらいじゃ驚けない

:真の英雄は目で殺す

:ピーチャンはランチャーのサーヴァントだった?

:どう見てもバーサーカーの間違いだろ・・・

:ワンチャン、セイヴァーの可能性ないか・・・?

 

「アトハ ゴハンモ タキマショウネー」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 その後、ピーちゃん流時短料理術超重力式圧縮調理法を持ってほかほかのご飯も完成。

 川魚の刺し身に天ぷら、焼き魚の贅沢なメニューを取り揃えたフルコースが完成した。

 

 眷属ちゃんは眷属ちゃんで紙袋をズラさないまま汚さず食べる謎技術を以て食事を終える頃には空は薄っすらと赤く染まり始めていた。

 

 

「コンドハ ヨルニ ハイシン スルカラネ!」

 

 羽をパタパタさせるピーちゃんと手を振る眷属ちゃんを最後に映し、画面は暗転した。

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




登場人物が二人(?)しかいないこの作品についに新キャラ()が!!

ノリと勢いだけで書ける作品を書こうと思って始めた作品だけど、逆にそれだけで勝負しなきゃならないのって結構難易度高い作品じゃないかと思い始めた。

この作品の略称があったら『ただオカ』かなぁ?とか一丁前なこと考えてる今日このごろ。
ただいまおかえりに通じるとこあって小洒落てない?とか思ったり。

「ヤマダ」
山の主的存在。巨体もさることながらとても賢い。
賢さ故に人から駆除されるなく健やかに育った。
突然なわばりに現れたピーちゃんを分からせようとするも逆に分からされた。
3児の母。
名前は適当に付けられた。
※羆から熊に変更しました。

追記:ランチャーはFATE/EXTRA CCC公式ネタです。実際に表記変わってて笑うやつです。
追記:執筆垢は作ってないので、いいねは出来なかったのですが、ツイッターでピーちゃん描かれているの拝見しました。
ここで100いいねくらい連打してる意思表示をば。


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【ピーチャンネル】ユルキャンスルヨ!(夜の部)

先日パソコン壊れたのはワイルドハーツのラスボス倒した直後っていうね。
エンドコンテンツやるか!って時に壊れたら新しいの届いたら反動来るよねっていう言い訳。
日曜一日書いてたけど書き終わらず月曜火曜水曜と過ぎてもうこんな日。
なぜか文字数が増えて時間が二乗倍かかるという不思議。


□月○日 20:00 配信開始

 

「ベツノヒ ダト オモッタ!? ザンネン! キョウデシタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 昼間の配信から数時間。まだ肌寒さを感じさせるとはいえ、もう冬というにはやや過ぎた季節。

 日が沈む時間も晩くなったものの、既に日が暮れるには十分な時間帯である。

 既に頭上には都会では見ることの出来ない星明りが明るく夜を照らしていた。

 とはいえ、星明りだけでは当然撮影に十分な光源足り得ない。下から照らす焚き火の灯りがなければピーちゃんの姿をカメラが捉えることは叶わなかったであろう。

 もしこれが昼間であれば節分動画で使われた場所と分かる者もいたかもしれない。

 

コメント

:あぶねー!普通に見逃すところだった。

:なんか今日はあれで終わりみたいな雰囲気やったやん

:普通に予定にあったしファンなら忘れるわけないよなぁ?!

:今日ってあったけどやっぱ別の日かと思ったんじゃい!

:寝泊まりは云々言ってたからやるならまぁ今日の続きよな

:暗くてよくわからんけど昼間の川じゃないね。節分動画のところ?

 

 訂正。分かるやつもいた。

 まぁ、それはそれとして。

 

「ヒルマハ オサカナ ダッタケド、ヨルハ オニク メインヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:っぱ、キャンプで肉焼かないと嘘だよな

:肉も魚もどっちも食いてぇ

:こういうの見てるとキャンプしたくなる

:実際行けないめんどくさいから見るだけで満足する派

 

「デモソノマエニ、タコヤキヤクヨーーーー!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 カメラが回り、昼間に見たようなものと同じような石かまどが映し出される。

 そこにセットされている網とその上に載せられているたこ焼きプレートは既に火で十分に熱せられ、後は材料を流し込むのを待つばかりである。

 

コメント

:たこ焼き!

:夜空の下でやるタコパも乙なものよね

:たこ焼きもいいね!

:テーマとか決めずとりあえずやりたいことだけやるスタイル嫌いじゃないわ

 

 カメラ側から紙袋を被った少女眷属ちゃんが現れ、ピーちゃんを肩に乗せるとそのまま手にしてたボウルの中の生地をプレートの中に流し込んでいく。

 そして一つ一つ生地の入った穴の中へタコ、タコ、タコ、グリーンピース、タコ、タコ、グリーンピース。

 

コメント

:なんでグリーンピース?

:いや不味くはないだろうけどさw

:普通に美味しいだろうけど初めて見るアレンジだわ

:絶対に不味くはないのは分かる。

:まぁ大体理由は察するけどさw

 

「ピーチャンノリクエスト!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:でしょうねw

:知ってた

:知ってた

:逆にそうじゃなかったら驚きなんだが

:シューマイの上に乗ってるグリーンピース根こそぎ奪いそう

:俺グリーンピース嫌いだからピーチャンにあげるわ

:ピーちゃん本当にグリーンピース好きねぇw

 

 普段ピーちゃんは自身が可愛いという言動を繰り返しておきながら素直に可愛らしい姿を見せることはほぼ無い、というより皆無。カメラの前で見せる姿は巫山戯ているか罵ってくるかのどちらかだ。

 可愛さを全面に推しだすことに照れがある、そんな可愛らしい理由であろう筈もなく、ノリだけで生きているだけというのが口に出さずとも一致する視聴者達の見解である。

 故に、ピーちゃんの次の一言は呑気に雑談に興じる視聴者達にとってまさに不意を突く一撃となった。

 

「スキ♡」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ぐあああああ!

:ぐあああああああああああ

:スキ!可愛すぎか

:油断してた可愛い

:俺もピーちゃん好きいいいいいい!

:そうだよピーちゃんはこうしてりゃ可愛いんだよ

:わりぃ俺死んだ

 

 表情こそ人のように豊かなそれではないし、好意も自分達に向けられているものでもない。

 ただ純粋に好物に対する思いを口にしただけ。

 しかしそれでも普段発したことのない甘い声音のめちゃ可愛ボイスはそれなり以上の破壊力を有していた。

 視聴者達の中に犠牲者(死んでない)が出る中、肝心のピーちゃんはといえば、

 

「アレ? ピーチャン ナニカ ヤッチャイマシタ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 知れば確実に調子に乗るであろうに、こういう時に限って気づいていなかった。

 

コメント

:なんでも無いよ

:そのままの君でいて

:ピーちゃん可愛いよピーちゃん。

:切り抜き確定だな

:無限ループで毎日キメるわ

 

「フーン? ヨクワカンナイヤ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 首を傾げる仕草に再び犠牲者(生きてる)が出つつも、そんなこんなでたこ焼き生地が熱で固まり始めるには十分の時間が過ぎていた。

 後はこれをどれだけ上手くひっくり返すことが出来るかでたこ焼きの出来が決まるといったところで、パタパタと羽音を立てながら一瞬画面の外に姿を消すピーちゃん。

 程なくして画面内に戻ってきたその小さなクチバシには竹串が一本咥えられ、あろうことか熱せられた鉄板の上にそのまま飛び乗った。

 

コメント

:ヒエッ

:びっくりした

:熱くないんかそれ?

:!?

:見てて怖いのヤメテ

:心臓ヒュンとした

 

「キカネェ! ムテキダカラ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 自己申告の通りなら地球上の兵器では傷つかない以上、たかだが鉄板の熱だけでどうにかなるわけはないのだがそれはそれ。心臓に悪い瞬間であったのは間違いない。

 

コメント

:なんやかんやでピーちゃんの防御面見たの初めてかもしれん

:普通にたこ焼き作るだけかと思ったらだめでしたねぇ!

:ほんとに無敵なんだなって

:可愛らしい小動物が鉄板の上に乗ってるの本気で心臓に悪い

:また虐待てうるさくなるぞ

 

 にわかに騒がしくなるコメント欄を横目にしながらそのままプレートの上をよちよちと移動すると、竹串を突き刺し器用にひっくり返した。

 そしてカメラに向き直り、

 

 (σº∀º)σドヤ

 

 二つ、三つとひっくり返し、

 

 (σº∀º)σドヤァ

 

 四つ、五つ、

 

 (σº∀º)σドヤヤァ

 

コメント

:どやぁ可愛いかよ

:マキマさん助けて!俺ピーちゃん好きになっちまう!

:今日のピーちゃんずっと可愛い

:いちいちドヤッってくるの可愛すぎる

:もしや偽物・・・?

:こんなんたくさんおって堪るかいな

 

 あとは焼色をつけるために何度かひっくり返し青のりをかければ、

 

「タコヤキ! カンセイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:美味しそう

:出来立て良き

:やけどしそう

:外はカリッ、中はとろふわ?

 

 そしてテーブルの上の笹舟に盛られたたこ焼きにいそいそと近寄り、

 

「アトハ、シアゲニ モエモエキュ──」

 

 と、羽を持ちあげようとしたところピーちゃんに向けて人差し指でバッテンを作る眷属ちゃん。

 

「カ~↑ラ~↓ノ~↑?」(体を揺らしながら)

 

 今度は腕をクロスして力強くバッテン。

 

「ア、ダメッスカ。ハイ」(諦め)

 

 阻止した。

 

コメント

:萌え萌えキュン阻止

:萌えキャン

:そりゃ阻止するわw

:阻止www

:萌えキャンは草なんだw

:萌えキャンwwww

 

「ジャァ、シカタナイカラ、サメナイウチニ タベチャイマショウネェ~」

 

 そして、無事(?)に星空の下で二人+賑やかし多数によるたこ焼きパーティが始まるのだった。

 眷属ちゃんファインプレーである。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「ミテミテ~、ダイシャリン~」(めちゃ可愛ボイス)

 

 お腹が膨れたことで襲ってきた眠気の中、視線の先でたった一人の小さな家族が大きな肉の刺さった肉焼き機の柄に止まり回転する姿が目に入る。

 ハンドルが回っているのではない、身じろぎ一つしていないというのにその柄を中心としてその場でくるくるくるくるくるくる、と。

 その回る様子を見ているとつい眠気に身を任せそうになる。

 

コメント

:なんだその動きwww

:どうやって回ってんだそれw

:うーーーーん、大車輪かなぁ?

:大車輪じゃねーってw

 

「エ?」

 

 静止。↙

 

コメント

:止まんなw

:止まったwwww

:止まるなww

:ぜってー大車輪じゃねーw

 

「エ~? ダイシャリンダッテ~」

 

 と、口にしながら再び回転。

 

コメント

:大車輪かなぁ?????

:大車輪ではねーよw

:ローディング画面で見そうな動きw

:勢い皆無の大車輪www

 

「エ?」

 

 そして静止。↖

 

「ダイシャリンダッテ~。ネー、ケンゾクモソウオモウヨネ? ッテ、アレ?」

 

 私を呼ぶ声が聞こえる。しかし既に眠気が限界だった。

 

コメント

:眷属ちゃん寝た?

:めっちゃ首カックンカックンしてる

:眠そう

:なんかの拍子に紙袋外れんかな

 

「ツレヲ オコサナイデヤッテクレ。シヌホドツカレテル」

 

コメント

:それ寝てるんちゃう死んでるやつや

:めっちゃ首カックンカックンしてる

:眠そう

:なんかの拍子に紙袋外れんかな

:なぁそういえばこの肉ってまさか昼間の・・・

:え、やだ怖い

 

「マァ、オニク ヤケタラ、オコシマショウネ~」

 

(……相変わらず変なことばかりしてるなぁ)

 

 そんな思いを最後に、優しい声音とハンドルの回る動きに誘われるようにして意識は夢の中へと旅立っていた。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 昔からいつもよく同じ夢を見ていた。

 それは知らない誰かの人生の記憶。

 記憶といってもひどく断片的で見る夢の内容はいつもばらばら。仕事をしていたり遊びに出かけたりと様々で連続性は見られない。

 なぜ自分がそのような夢を見るのかとんと検討はつかないけれど、何となくもうその人はこの世にはいないのだという確信があって。

 記憶の中のその人はいつも笑っていて、周りの人達もいつも笑っている。

 この人と一緒にいることが出来たらきっと毎日が楽しい、そう思わせるその夢は、人生を変えたその日を最後に二度と見ることはなかった。

 

 

「ボクト ケイヤクシテ マホウショウジョニ ナッテヨ!」

 

 出会って一番初めにかけられた言葉は、そんなどこかで聞いたことある言葉だった。

 夜闇の中で浮かび上がるかのように真っ白で可愛らしいオカメインコ。

 たまに人の言葉を真似て喋る鳥は見かけるものの、果たしてオカメインコはこのように人間の言葉を真似出来る鳥だっただろうか。

 そんな当然の疑問が思い浮かぶも、その直前、それがただ喋る鳥といった枠に収まる存在ではないということを私はこの目で見ていた。

 

 私を路地裏に引き込み襲おうとした暴漢二人を一瞬にしてその鳥が強かに打ちのめす様を。

 

 意識を失いながらも僅かにうめき声を漏らす様子を見るとどうやら生きてはいるらしい。

 

「アンシンセイ! ミネウチジャ!」

 

 けして心配というほどではないものの、一瞬そちらに視線を向けたのを見やってか、そんな言葉が向けられる。

 

(……峰ってどこだろう)

 

 そんなことを現実逃避気味に考える一方で、何故か初めてあった気がしない。それどころか懐かしさすら覚えていた。

 それはこちらを見つめる小さな存在も同じなようで。

 

「ドコカデ アッタコト アッタッケ?」

 

「ないと思う、よ?」

 

 一緒になって首を傾げることたっぷり十秒。

 アー、と一度前置きし、先に口を開くのは向こうが先だった。

 

「チョット オカシナコト イッテイイ?」

 

「うん、いいよ」

 

 どこか言いづらそうな姿に一瞬身構えそうになるものの、不思議と悪い予感はしなくて。

 

「カゾクニ ナロウヨ~」(精一杯のねっとりしたイケボ風めちゃ可愛ボイス)

 

「ふふっ」

 

 思わず笑ってしまった。両親が亡くなってしばらくずっと人目を避けるように一人暮らしを続けていた。

 ただ漫然と生きるだけとなっていた人生、それが今日変わる。

 白馬の王子様だなんて期待するような趣味はなかったけれど、自分にとってのそれが白いオカメインコの姿であることが無性に可笑しかった。

 

「わたしの名前は片羽空(かたはね くう)。空って書いて“くう”って読むんだ」

 

(クー)チャンカー。ジャァ、コッチノ ナマエハ(ピー)チャンッテ ヨンデ!!」

 

「そっか、よろしくね。ピーちゃん」

 

 宙に浮いたまま差し出してくる羽の先をちょこんとつまむ。

 

「アッ、ピーチャンガ オネーチャン ダカラネ!」

 

「うん、お姉ちゃん」

 

 喋る鳥がお姉ちゃんになるなんて正気を疑われるような出来事で間違いない。

 しかし不思議と収まるところに収まったかのような安心感があって、そこで、あ、と一つ思い出した。

 

「ところでさっきの契約って何か私が変身出来たりするようになるの?」

 

 握手をしたくらいで他に何か特別なことはしていないし何か変わったという感覚もない。

 とはいえ魔法少女、その非日常な響きには惹かれる部分があるわけで。

 

「アー、ピーチャン ソウイウ チカラナイ。イッテミタダケ」

 

「そっかぁ。残念」

 

 とはいえその答えは期待したものではなかった。

 聞けばすごい力はあるらしいものの、個で完結したもので分け与えるような力はないのだとか。

 

「ア、デモ、オネーチャンハ ヘンシン デキルンダヨ」

 

「おー、見てみたい」

 

 本音を言えば少し残念なのは間違いない。

 でもそれはそれとして目の前の存在が更に姿を変える姿も見てみたいのも事実。

 

「ジャ、ミセテアゲルネ」

 

 期待する声に応えて眼の前の新しい家族の姿が突如白い輝きに包まれ、その白い光が収まった後には元の姿を残しつつも確実にその姿を異なるものとしていた。

 背中に炎の円環を背負い、顔に赤い隈取りと紋様が現れる。尾羽根の先に七色の光を引き連れ、薄っすらと全身が輝くその姿。

 可愛らしい印象を残したまま神々しさを覚えるその様子に一瞬呆けたように見つめ……、突如私の服が()から吹き飛んだ。

 

「は?」

 

「ハ?」

 

 見下ろした自分の体は一部が純白の羽毛に覆われ腕には袖のように伸びる羽。手足のその先からはまるで鳥のような鉤爪が生えていた。

 自身の顔の様子をこの場で確認することこそ出来ないものの、顔を含めた全身が変化しているということだけは分かった。

 そしてそれがつい先程から家族となったオカメインコの変身が原因ということも。

 

「あれ? そういう力はないってさっき……」

 

「エ、ナニソレ シラン。コワ……」

 

「えええええええ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつの間にか眠っていたらしい。懐かしい夢を見た。一年と少ししか経っていないというのに随分と昔に感じる出会いの記憶。

 その余韻に浸るにしても、やけに周囲の様子が騒がしい。

 

「ウオオオオ! ヤマダ ヨクヤッタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:感動した!

:よく子供をまもった!

:ヤマダよくやったーーー!!!

:クソオスザマァアアアアアアアア!www

:手に汗握るバトルだったな

:ピーちゃんもよく手を出さなかった

:クマのぶつかりあいコエエエ

:・・・なんで俺たちクマのバトル見てるんだろ

 

 両脚で立ち上がり雄叫びを上げるクマ(ヤマダ)とその足元に倒れ伏す知らないクマ。そしてその周りを狂ったように周り続けるお姉ちゃんの姿。それとちょろちょろと走り回る子熊の姿。

 

 懐かしい夢を見たことと、起きた時の状況のわけの分からなさにカメラが回っていることをついうっかり忘れていて……、

 

「あれ? お姉ちゃん、何が起こって──」

 

 思わず声が口をついた瞬間、まるで今まで騒いでいたことが嘘のように静まりかえり、クマの親子までもが動きを止めてこちらを見ていた。

 

「ア、コレアカンヤツヤ」(真剣)

 

コメント

:お姉ちゃん!?

:え、声可愛いっ!

:眷属ちゃんは妹だった!?

:え?!眷属ちゃん今喋って・・・!

:うおおおおおお!祭りじゃああああ!

:ピーちゃんはお姉ちゃんだった!?

 

 

眷属ちゃんの旦那予定:¥50000

眷属ちゃん結婚してくれえええええええ

 

ピーチャンの義弟:¥50000

ピーチャン!お義姉さんと呼ばせてください!

 

眷属ちゃんの婚約者:¥50000

どけどけー!俺が眷属ちゃんの婚約者だから!

 

ピーちゃんの奴隷:¥50000

ペット枠!ペット枠は空いてますでしょうか!?

 

眷属ちゃんの結婚相手:¥50000

お前らご祝儀ありがとな!俺お前らの分まで幸せになるから!

 

 以下、超長文のスパチャの嵐が続き、この日スパチャが過去最高額を記録した。

 

 そんな配信の主役を忘れた様子にピーちゃんはわなわなと体を震わせ、

 

「コレ ピーチャンノ ハイシンダカラーーーー!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 口から上空に向けて見えない何かが放たれ、上空を覆い始めていた雲を吹き飛ばし、ついでに大気圏を超えた遥か先の侵略目的で太陽系に送られていた宇宙人の無人偵察機も消し飛ばした。

 

 天気予報。明日の天気は晴れだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。




無敵、最強、可愛い。前二つが宇宙スケールとかいう馬鹿な調整がされてたのに3つ目だけあんな控えめだったのは何故か的な話。
書ききれてないだけだけどなんか匂わせるみたいな感じになってしまった。

ピーちゃん:転生事故食らって魂の一部が剥げた。ぶっちゃけ配信で本気で怒ってない。普段の言動は半分演技と言うかノリ。
クーちゃん:もらい事故食らった現地人。良い子。APP20くらい。可愛すぎて人生ハードモードになってる。ピーちゃんが変身すると強制的に変身させられる。ただし変わるのは見た目だけ。羽生えたけど飛べないし特殊能力も何もない。耐寒性能+2。

焼いてた肉は猪ではない。牛肉ブロック。


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【ピーチャンネル】ゲーム配信1

パソコン逝ったときからペースが狂い続けてるのとなんか月末急に忙しいのと集中力無さすぎていつにも増して亀更新。


☆月☓日 20:00 配信開始

 

「ミナサン コンバンハ!

 セカイイチノ トリインフルエンサー、ピーチャン デス」(めちゃ可愛ボイス)

 

 今日のピーちゃんは鼻の上に小さな眼鏡をちょこんと載せ、ワイシャツにネクタイを巻いたちょっぴりインテリ風味。

 先のキャンプ配信では文字通りたとえ火の中水の中であったためか惜しげもなく裸体を晒していたものの、屋内の配信ではまだまだコスプレを続けていくつもりのようである。

 

コメント

:こんこんー

:トリインフルエンサーは笑う

:コンバンワ!

:トリインフルエンサーwww

:鳥インフルエンザかよwww

:感染したらピーチャンになりそう

:もう国レベルで認知されてきたからな

:インフルエンサーって天気にも影響与えるものだったっけ

:ナンバーワンっつーかオンリーワンなんだよなぁ

 

「セイジカノ オッサンガ ピーチャン カワイイヨネッテ、

 ワカモノブンカヲ リカイシテルアピール スルコロアイ」

 

コメント

:生々しいこと言うなw

:ピーちゃんの悪口聞くと安心する

:それくらい許してさしあげろw

:お口わるわるなの毎回草生える

:というか政治家もだいぶ言葉選んでるだろw

:なにかの間違いで地球が滅(メッ)されたら洒落にならんからなw

 

 何かしらのコスプレをしている、そしてなんか微妙に口の悪いいつもの光景。

 映し出されるのもいつもの一室ではあるものの、やけにピーちゃんとカメラの位置が近い。

 雑談配信では基本的にテーブルの上にはピーちゃん以外存在しないのが常。

 それが今日に限って置かれた普段見ないマウスやキーボード、そしてコントローラー。

 これらの存在がこれから何をするかということを如実に表していた。

 

「キョウハ! ゲームハイシン! ゲームハイシン ヤルヨー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ゲーム配信!

:ゲーム配信待ってた!

:いうもよりテンションたけーな

:ゲーム配信なんて配信の王道なのにピーちゃんがやると全てが珍しい。

:小さな大怪獣だから仕方ないね

:わくわく

:そいえばキャンプのあの後どしたん?テントとか張る予定じゃなかったん?

 

「ン。モウ フツウニ イエ カエッテネタ!」

 

 元々はピーちゃんのアシスタントとして裏で活躍していた通称眷属ちゃん。

 紙袋で顔を隠しその服装もやぼったいジャージ姿という不審者のような見た目をしているものの、所々から窺わせる美少女の気配から密かな人気を博していた、──というのも今や昔。

 ただ一言「お姉ちゃん」と発しただけだというのにその瞬間に燻っていた視聴者人気に火がついた。爆発したと言い換えてもいい。

 荒れるコメント欄、乱れ飛ぶスパチャ。軽くパニックになる眷属ちゃん。当然のようにその日はもう配信を続けるような状況ではなかった。

 

コメント

:大騒ぎだったもんな

:妹ちゃんの婚約者出すぎてカオスだった

:バトルロイヤルでもして数減らせよ

:でも初めての一言が「お姉ちゃん」ってポイント高いよ

:今日スレで眷属ちゃんと呼ぶか妹ちゃんと呼ぶか論争勃発してるの見たわ

:てかその妹ちゃんは今日おらん感じ?

 

「ケンゾクモ、ナカナカ イソガシイノヨー」(めちゃ可愛ボイス)

 

 普段はカメラの後ろに控えていることも多いものの、いつもと違い今日は近くにも控えていないらしい。

 忙しいという理由も嘘ではないにしろ、騒ぎから昨日の今日であるが故に万一ということを避けたという理由もあるのかもしれない。

 

コメント

:なんか仕事してるんかな

:働かんでもスパチャやばい額手に入っただろうにな

:妹ちゃんと結婚するためなら金なんて惜しくない

:あの一言だけでとんでもない金額投げまくる奴らばっかで軽くホラーだった

:ほんそれ

:どんなに貢いでもお前らは金持ってくるだけの家畜だってのにな。

 お前らは家畜と結婚したいって思うか?

:辛辣すぎるコメント急に来て草ぁ!

:わァ・・・ぁ・・・

:泣いちゃった!

 

「マズ ピーチャンニ カテルコトガ ダイイチジョウケン ダケドネ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 尤も、仮に勝てたところで。視聴者側は一方的に存在やその振る舞いを見る機会はあれども逆は基本ないわけで。

 認識されることから始めないといけない以上道のりは遠い。閑話休題。

 

コメント

:無理

:無理!!

:第一条件のハードルが成層圏突き抜けてるんだよなぁ

:マジで現在の人類にピーちゃんに勝てる手段ってあるんか

:まず思い浮かべるのは核だけど効くイメージが湧かない

:俺も筋トレはじめるかぁ・・・

:サイ○マでも勝てるんか・・・?

:少なくとも勝負にはなりそう

:そもそもしれっとみんな妹って認めてるけどそもそもどういう関係なのか

 

「チハツナガッテナイケド、デアッテスグニ、シマイニ ナッタヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 コメント欄の疑問に素直に答えるピーちゃん。

 

コメント

:スールの契り結んだのか

:やっぱ百合じゃないか!

:マリ○て?

:キマシタワー

:あら~^^

:あら~^^

:血繋がってたらホラーなんだよなぁ

:キマシタワー

:バナナだって人間と遺伝子が半分一致するらしいし、

 オカメインコならきっとそれ以上、つまり実質皆兄弟姉妹

:つまり結婚してる奴ら全員近親相姦してるって解釈でよろしいか

:美少女と可愛い鳥さんの構図ってすごい絵になりそう

:口元しか見たことねぇけどな!

 

「ワレラドウネンドウゲツドウジツニウマレエズトモ!

 ドウネンドウゲツドウジツニシスルコトヲネガウ!」(めちゃ可愛ボイス)

(我ら同年同月同日に生まれ得ずとも!同年同月同日に死することを願う!)

 

 ただし素直に本当を口にするわけでもないというのは当然視聴者には知る由もない。

 出会いの記憶は二人だけの大切な思い出という思いの発露から来るのかもしれない。

 

コメント

:桃園の誓いwww

:桃園の誓いじゃねーかw

:なんでそんな漢臭いやつなんだw

:ゆ、ゆり・・・?百合どこ・・・

:一瞬でキマシタワー崩壊

:こんなん三国志にいたらバランスブレイカー過ぎる

:現代でも十分以上にバランスブレイカーなんですがそれは・・・

:千年先でも人類がピーちゃんどうにかする手段無さそう

:というかわざわざ三国志の話したってことはつまり配信するゲームも?

 

「ウン! ア○オニノ ジッキョウスルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:_(┐「ε:)_ズコー

:三国志関係ないんかーい!

:またえらく古いのをw

:まぁ王道っちゃ王道か?

:アオ○ニって何?

:知らんなら見れば分かるやろ

:えらい脱線してたな

:一言で言うならバケモンから逃げる脱出系ホラーフリゲってとこかね?

 

「トイウワケデ、ポチポチットナ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 マウスを抱えるようにホールドするとそのままマウスパッドの上をちょこちょこと移動するピーちゃん。

 器用にカチカチとクチバシで操作した後、ピーちゃんの画面が小窓に変わりゲーム画面が表示される。

 

▶ニューゲーム

 コンティニュー

 シャットダウン

 

「モチロンニューゲーム!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 マウスから離れ元気に叫ぶピーちゃんはコントローラーのスティックとボタンに両の羽を添えて万全の態勢。

 グリップ感は皆無なものの、フィット感はそれなりといった具合である。

 

コメント

:ちょこちょこ移動するの可愛いな

:プレ○テ用のコントローラー使うんだな

:俺もピーちゃんと一緒にゲームしたい

:思ったよりいけそう

:ボタン押せるんかな

:なんか古そうってか、かなり古いゲーム?

:さすがにLRボタンは手?が届いてないな

:まぁオカメインコが使うもんじゃないからなw

 

「ソウオモウナラ、オカメインコヨウ コントローラー ツクッテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 とはいえそれなりはそれなりだ。使い心地の悪さはやはり感じていたらしい。当然だ。

 

コメント

:無茶言うなw

:おいピーチャンサマのお下知ぞ!

:俺には無理だがニンテ○ドーならやってくれるはず

:さすがに眷属ちゃんもコントローラーは作れんかったんやなって

:工学系はやっぱ専門の勉強いるからどうしてもなぁ

 

「オカメインコダケサベツスルノ、サッコンノジリュウニハンスル!」(怒)

 

 怒りを露わにするピーちゃん。差別撤廃を謳うこの世の中に一石を投じる発言……、なのかもしれない。

 

コメント

:だから無茶だってwww

:オカメインコサベツwww

:そんな時流ねーからw

:ピーちゃんまで含めたらバリアフリーの定義が地球覆っちまう

:オカメインコサベツがオカメインコキャベツに見えた

:実際障害者用コントローラーとか出てきてるし、ワンチャンある・・・か?

 

「モシ ツクッテクレタラ、チョクセツ アイニイクノモ ジサナイカクゴ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 それは行けたら行くくらいの曖昧な口語表現。とはいえバレンタインで実際に視聴者のもとに訪れていたことを思えばこのオカメインコは来る。割りと本気で来る。

 ピーちゃん(あわよくば眷属ちゃんも)に接する機会の突然の浮上にコメント欄がざわめきを見せる。

 オカメインコ用コントローラーなどと無茶振りもいいとこではあるものの、地球を一万回滅ぼしてもお釣りが来そうな超生物と出会う対価としてはあまりにも安いそれには違いない。

 

コメント

:まじで!?

:くそ!こんなことなら数学苦手だからって文系に逃げるんじゃなかった

:今この瞬間にS○NY vs NIT○NDOのゴングが鳴らされた気がする

:工学ものづくり配信者出番だぞ

:初のコラボ配信なるか!?

:有名な配信者やVの者もたくさんいるのにすごいところに可能性生えたな

 

「ピーチャン ス○ブラ シタイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:スマ○ラやりたいんかwww

:一緒に対戦してえ

:スポブラ?(空耳

:ピーちゃんが使うキャラ何にするのか気になる

:任○堂さん本気だす時が来たぞ!

:いつか視聴者参加配信あると信じて今から鍛え直さねば

:そりゃぁピー○姫だろう

:名前の感じだけで選ぶな

 

 と、まぁ脱線は程々にして。このままだと脱線を続けて空にまで飛び立ちそうだった。

 咳払いを一つ。無理やり軌道を修正させる。

 

「ンン!! ア○オニ ヤルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 表示されてそのまま放置されていた主人公の名前入力画面に向き直れば、灰色の髪をした眼鏡の青年(中学生)が映っている。

 やや神経質そうなそのキャラクターにピーちゃんがつける名前とは、

 

「モチロン ピーチャンニ キマットル ヤロガーイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:この顔でピーチャンは草

:wwwwwww

:名前可愛いなおいw

:ちょっと嫌味なインテリ眼鏡にピーちゃんって自己紹介されるの想像して駄目だった

:wwwwwwww

:wwww

:wwwww

 

 舞台は町外れの無人の館。

 肝試しに訪れた四人の少年少女、その内の一人が主人公。

 化け物から逃げつつ謎を解きながら館からの脱出を目指すというものだ。

 

「ホイホイットナ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 器用に操作して攻略を始めるピーちゃん。複雑な操作を要求されるゲームではないこともありその動きに淀みはない。

 タンスを調べ、椅子を調べ、図書館にて机の上を調べていたその時、ついにそれは姿を現した。

 

 鬼と聞いてイメージする屈強なそれではない。

 全身が真っ青で歪な頭をした人型の化け物。

 人ではありえないと理解しながらも半端にリアルな人間の特徴を残していることが余計に不気味さに拍車をかける。

 

コメント

:でたーーーー!

:きっも!

:こっわ

:ピーちゃん逃げてー

:急に来るやつ苦手

:ブルーベリーの悪魔

 

「オ、デタネー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 しかしそのような化け物を前にしても怖がるどころかどこか嬉しそうだ。

 当然驚いて操作に支障が出るということもなく、追いかけてくるそれを難なく振り切った。

 

コメント

:ピーちゃん初見じゃないん?

:全く危なげなくないな

:私こういうの駄目だわー

:いきなり目の前にいるのむーりー

:やっぱ反射神経も違うんかな

 

「ジッサイニ ヤルノハ ハジメテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:初めてかー

:見たことはあるんだな

:謎解きも知ってる

:みんな言わんけどピーちゃんって何歳なんだろうな?なんでこんな古いゲームするのか

:わりと引っ張ってくるネタは古いの多いよな

:ピーちゃんの中身おっさん説

:ピーちゃんは元男の転生者なんだよ!きっと!

:まぁ転生は知らんけど言動は人間丸出しよね

 

 視聴者と会話を交わしながら青鬼から逃げては謎を解き、謎を解いてはまた逃げる。

 さすがにノーミスとはいかないものの、安定して攻略を進める一方で、何故かピーちゃんのトーンは段々と下がっていく。

 

「……ウン」

 

 そしてプレイすること更に十分。どこか思い詰めた様子でゲームを中断させるとコントローラーから身を離した。

 マウスを再び操作した後、再び大画面にピーちゃんが表示される。

 

「ピーチャン、キヅイチャッタ」

 

コメント

:どしたん? 話きこか?

:青鬼出るたびに元気なくなってったな

:ピーちゃんが元気ないと不安になってくる

:楽しそうにゲームしてたのにどしたんや

:元気出してー

:誰かグリーンピース!グリーンピースもってこい!

:コーンもな!

 

「ピーチャンノホウガ ツヨイカラ ゼンゼンコワクナイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ホラーゲーム実況の醍醐味としては実況者のリアクションにあると言っていい。

 無論魅せ方というのはそれだけではないのは当然としても、ホラーを冠するからには怖がったり驚いたりしてなんぼというもの。

 その点ピーちゃんはといえば、びっくりするほど無反応。ホラーゲーム実況からホラーが抜け落ちただの謎解き実況と化していた。

 

コメント

:そりゃなwww

:まぁピーちゃんにぶつけたらピーちゃんのが強いわなw

:ピーちゃんは最強でも幽霊は怖いとかギャップ期待したけどまるでそんなことはなかったな!

:音声だけで悪霊祓えるらしいししゃーない

:あの噂ほんまなんか?霊とか見たことないから眉唾

:青鬼くらいなら山田でも倒せそう

:というかピーちゃんどっちかっていうとコッチ側じゃなくてアッチ側だろwww

:バレンタインチョコ当選者に嬉しさと一緒して恐怖をスパイスにする絶対いらない心遣い

:リアクション欲しいなら眷属ちゃん呼んじゃえよ

 

「アー、ヨンジャウー?」

 

コメント

:呼ぼう呼ぼう

:お、別に禁止したとかじゃないのか!

:呼べるなら呼んで!

:やっぱ二人揃ってるところ見たい

:最近ずっと一緒だったからいないほうが不自然に感じる。

 

「ハイ! ジャア、ヨブヨー!」(やけくそ)

 

 数瞬悩む素振りを見せた後、沸き立つコメント欄に後押しされて呼ぶことを決めるピーちゃん。

 

コメント

:呼んじゃえ呼んじゃえ!

:妹ちゃん俺だああああああ

:おっぱいおっぱい!

:っぱただの鳥より美少女よ

:↑あんま迂闊なこと言うと消されるぞ(物理

 

 デンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドン

 

 謎の効果音と共に床に穴が空き、その穴から紙袋の少女がゆっくりと生えてくる。

 ぺたんと床に座ったポーズでカメラに背を向け、左手にはカップ麺(ど○兵衛)、右手には箸。

 あまりに急な呼び出し過ぎて食事中だったようだ。しかしいつ呼ばれても良いように紙袋を外していないことはさすがという他ない。

 

 何が起きているか分からないという風にキョロキョロと辺りを見渡し、下手人たるピーちゃんと見つめ合うこと数秒。

 

 デンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドン

 

 逆再生するかのようにゆっくりと穴の中に消えていった。

 

コメント

:戻ってったw

:ど○兵衛www

:ど○兵衛ステマ

:眷属ちゃんもあーゆーの食うんだな

:なんか俺もど○兵衛食いたくなってきたな

:素顔ワンチャンあるかと思ったけどガードがかてぇ!紙袋一枚なのに!

 

「モウチョットマトウネー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 その一言から十分後。

 

 デンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドンデンドン(めちゃ可愛ボイス)

 

 満を持して再び床に穴が空き、そこから改めて紙袋の少女が姿を現れ……、現れ……ずに背後に映っていたドアが開いて登場した。

 

コメント

:ワープして来いよw

:そこは意見統一しとけよwww

:なんのためにゲート開けたんだw

:ピーちゃんワープも出来るのほんと今更ながらに何でもありやなって

:出来ないことなどあんまりない!

:というか効果音どっからって思ったら口で言ってんのかこれw

 

 そんなちょっとした茶番を挟みつつも選手交代。ピーちゃんは肩の上に移動し静観の構えである。

 先程までピーちゃんが使っていたコントローラーをそのまま手に握るとゲームスタート。配信開始である。

 

 そしてプレイから十分後、致命的な問題が露呈していた。

 

「コレハダメデスネ……」

 

 ピーちゃんとは違い青鬼の存在に驚き一度二度と体を跳ねさせる眷属ちゃんであった。が、それだけだ。

 ピーちゃん同様プレイすること自体は初めてのようだが、ハプニングが起きても極めて冷静に対処する眷属ちゃん。

 

 昔から持て余す可愛さで中々にハードな人生を送ってきた身である。

 誘拐犯や誘拐未遂犯にストーカー。それらの数を挙げれば両の指では最早足りない。

 少しの油断が破滅に直結する以上、驚きこそしてもそこで思考停止することは許されない。強くなければ生き残れないのだ。

 初見殺しに対しても八割方対処し、紙袋が取れたりするようなハプニングの気配も一切ない。

 そしてそもそも根本的な問題として一切喋らない。リアクションは薄味とはいえ取り戻した一方、遂には実況成分すら消失していた。

 

コメント

:まーーーーじで喋らんな、悔しい

:キャンプのときは余程油断してたんだろうな

:寝起きだからなぁ

:眷属ちゃん俺より上手くね?

:これで初見とはたまげる。

:俺はこのまま見てても全然楽しいけどピーちゃん納得してなさそうね。

:ピーちゃんあっち側ってコメント見て思ったけどさ、じゃぁあっち側すればいいじゃん

:デ○ドバイデイライトとか?

:それ

 

「オ、ジャァ、キョウハ コッチヤルケド、ツギハ ソレ ヤッテミヨッカ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ──デ○ドバイデイライト。

 

 誰か一人が殺人鬼(キラー)となり、残りの4人が生存者(サバイバー)となって行われる、非対称型の対戦ゲーム、要するに鬼ごっこである。

 初期こそ人間の範疇であった殺人鬼(キラー)側も、今やDLCにより複数のあっち側の存在が参戦している状況だ。

 

 

 

 

 

 

 

 後日。

 

「イヒヒヒヒヒッ! ウェヒヒヒヒヒヒヒ! ニゲロニゲロニンゲンドモォオオオ!」(めちゃ可愛?ボイス)

 

 殺人鬼(キラー)となり喜々として、それはもう喜々として生存者を追いかけ回すピーちゃん(&眷属ちゃん)の姿があった。

 

 視界が悪いのは両陣営共に同じ。しかしピーちゃんの身体能力によるゴリ押しにより、どんなに遠くても視界に入った瞬間捕捉してくる上に、どんなに小さな音すらも反応してくる、異常にしつこい殺人鬼(キラー)が誕生していた。

 

コメント

:うーん、これは早まったかもしれない。

:ピーちゃん楽しそうっすねw

:ピーチャンが楽しそうで何より

:やっぱピーチャンあっち側じゃないですか、やだー!

 

 

「ピーチャンカラハニゲラレナイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




キャラが勝手に動くってのを実によく感じた。
ものすごい勢いで脱線したけど配信ってそんなもんやろって開き直って文字量も一緒に増えた。

ピーちゃん:ホラー好きだけどホラーで全く怖くないことに今更ながらに気づいてもう一生ホラーゲームでドキドキ出来ないんだなって気づいて驚いた。傷ついてはいない。無敵だから。
 


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【劇場版】ただしオカメインコである。さらばピーちゃん。永遠となれ。

4/1に間に合わせるつもりが人生で一番花粉が効いて土日寝込んでました。
遅れたけどエイプリルフールネタということで一つ。


 山々に囲まれ周囲に文明の光がそれ一つしか存在しない一軒家。

 

「クーチャンヤ! クーチャンヤ! タイヘン! タイヘン!」

 

「そんなに慌ててどうしたんだい? ピーちゃんや」

 

 その一室で黙々と作業を続ける少女、(くう)の元に白いオカメインコが慌てた様子で飛び込んできた。

 まるで人間のように感情豊かに言葉を話すそのオカメインコ、それこそが空の義理の姉である。

 出会ったときから喋っていたし、オカメインコと会話するというような非日常的な出来事も空にとっては日常になって久しい。

 今更オカメインコが喋ったところで特に驚くようなことは何もない。

 

 とはいえ、その話す内容に関しては少し聞き逃がせない部分があるわけで。

 

 空の姉ことピーちゃんは無敵、そして最強である。

 見た目からはとても想像なんて出来なくても調整ミスったとしか思えない過剰な戦闘力を持っている。

 地球上の兵器じゃ傷一つ負わない絶対的な防御力と地球を一万回滅ぼしても余り有る攻撃力。

 

 例え問題が起きたとしてもテロリストであれミサイルであれ、それが物理(ぼうりょく)で解決出来るものであればおよそ解決出来ないことなんてないはずだ。

 

 ではそんなピーちゃんがいうタイヘン(・・・・)とは、つまりそんな物理に物を言わせてどうにかなる以外の問題。

 そんな問題に対し、空には一つだけ心当たりがあった。

 

「身バレでもした?」

 

「ウン!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 即答だった。一瞬ドキリと心臓が跳ねるのを感じるも、

 

(ついにかぁ……)

 

 胸中に過るのは納得する思いのほうが強い。

 

 配信に関して今まで二人だけでやってきた。

 企業の元で配信を続ける者もいる中、他の誰の手も借りずにずっと二人だけの手で。

 

 いくらピーちゃんが最強とはいえネット上のセキュリティに関しては無力だ。

 基本的に無敵も最強も物理一辺倒。戦闘力という言葉に集約される。

 

 個人情報をネット上に漏らすようなことはしていないし、配信サイトだって利用者の個人情報は保護していると決まっている。

 とはいえ気の迷いを起こされたらどうなるかは分からないし、他様々な違法な手段を用いればどうか。

 

 少しネットを騒がせるだけの人気配信者というだけならそこまでする人間はきっといない。

 しかし姉、ピーちゃんは別だ。

 配信では魔法や超能力を惜しみなく披露し、その影響を知った人々の反応から実在を信じる側の方が大きくなってきた。

 単純に興味や好奇心をくすぐるというだけでなく、現代では実在しないというそれらの力が実在するというならその利用価値は計り知れない。

 

 それを思えばむしろ今まで身バレしてこなかった方が不思議なくらいだ。

 とはいえ身バレと一言で言っても具体的にどの程度であるかはまだ聞いていない。

 その程度次第では今後の振る舞いを考えていく必要があった。

 

 しかし世間に色々知られたとしてもきっとやることは変わらないし、ピーちゃんがいればきっと乗り越えられる。

 

「ワルイウチュウジンニ、チキュウノバショガバレタ!」

 

「なんて?」

 

 でもなんか思ってたのと全然違うの来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それがその星の存在に気づいたのは全くの偶然だった。

 宇宙全体に無作為に拡がるようにして送り込んでいた無人偵察機のうちの一機、その信号の突然の消失。

 その原因を探るためにそのポイントに更に無人機を送り込んだところ、発見したのだ。知的生命体の存在するその星を。

 

 そして同時にこうも結論付けた。先の信号消失は無人機の誤作動であると。

 無数に存在し失ったところで損失とさえ言えないようなものであれど、デブリなどの外的手段に対応するためにある程度の自衛手段は搭載している。

 未だ重力に縛られ星から飛びたつことすら出来ない技術レベルではそれをどうこうする以前の問題だ。

 無人機の残骸すら見つからないというのは気になるところだが、為す術もなく消失させられたということは考えづらい。

 機能停止後、周囲の星と比べて一層大きく輝く星に吸い込まれでもしたのだろうと結論づけた。

 

 故に、運命というのはこういうことなのだろう。その星にとっては不運だったとしか言い様がないが。

 

 数々の星系を支配してきた我々“イリフェルフル”が欲するもの、それはありとあらゆる知的生命体の持つその技術、そして知的生命体そのもの。

 無限にも思える宇宙といえど知的生命体の存在は極めて少ない。そして更に文明を築けるレベルとなると更に割合は激減する。

 

 希少とはいえわざわざ技術レベルの劣るそれを何故欲するのか。

 全く異なる環境で育った生命、そしてそこで育まれる技術はアプローチからして全てが異なる。

 それ一つ単体で利用するだけでは価値の存在しないそれも“イリフェルフル”の技術を飛躍させる(ブレイクスルー)一助足り得る。

 知的生命体自体にも生体兵器や回路への転用、無限の利用法が存在する。

 

 かつて発見した十数種に及ぶ知的生命体。それら全てを喰らって我々は宇宙の覇者となった。

 

 だが新しく発見した生命体、その全てを収穫するにはまだ早い。彼らの技術が完全に育ち切るにはまだ時間がかかる。

 ならば他ならない我々が早めてやろうではないか。

 

 そのためには危機に陥れてやるのが最も手っ取り早い。

 

 その知的生命体の住む星の周囲に十の転移門(ゲート)を生成。

 

 そこから現れるは生体兵器“イーラァ”。

 

 かつて収穫した星の現地生物を利用して作られた巨大生体兵器。

 

 

 

 

 

 

 ──さあ、抗って見せろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()ッーーーーーーー!」

 

 

 目の前でとても地球上で使うことは許されない威力のビームを“本気モード”と化したピーちゃんが放っている。

 顔に浮かんだ赤いラインや炎を背負った姿は当然見目だけの変化に留まらず、威力が違う。規模が違う。正に本気。

 

「説明しよう! 本気モードとは! 最強無敵生物ピーちゃんがその戦闘力を100%発揮させるための変身形態である!」

 

 本気モードになったピーちゃんはただリミッターを解除するだけではなく、その能力の一つとして自身への信仰を力に変えることが出来る。

 信仰と言っても崇拝を必要とするものではない。その実在を信じ、肯定的な思いを持つだけでいい。

 

 一度だけ配信中に(勝手に)試した本気モードへの変身。

 不完全なままだったとはいえその姿が変わったことに気づく人間はごく僅かにしか存在しなかった。

 それは霊的な素養を持つか、ピーちゃんの存在を信じている存在にしかその変化を目にすることが出来ないためだ。

 しかし今は違う。惜しげもなく能力を披露した今では得られる信仰の数も大きく異なる。

 

 そして今信仰を力に変えることでピーちゃんが得られる力とは、数値にしておよそ+3万!

 

 それは国一つを焦土に変えてもなお有り余る力!

 それを本気モードのピーちゃん本来の力に加算し、今のピーちゃんの力はなんと10億3万!

 

 強いぞ!ピーちゃん!すごいぞピーちゃん!

 みんなの思いを力に変えて、さぁ戦うのだ!!

 

 ……と、そんな益対のないことばかり考える(くう)はと言えば、

 

「暇だな……」

 

 そう、暇だった。

 

 

 

 ピーちゃんが部屋に飛び込んできたその直後。

 有無を言わさず服を全部剥がされた。

 曰く、ちょっと本気だす必要があるからと。また服が吹き飛ぶからと。

 

 ピーちゃんが変身した時、何故か空も巻き添えで変身させられるため過去に二度三度と服が吹き飛んだ。

 お陰で着替えを余儀なくされ、もしもの時のためにと手作りで用意した服を纏うことになっていた。

 

 それは一言で言えば袖のない巫女服。人形用の服やピーちゃん用の服は何度も作っていたとはいえ人間用の服を作ったのは初めて。

 初めて作ったとはいえそれなりの出来であると少しだけ自画自賛していたものの、ここで問題が一つ。

 

(さすがに下着までは用意してなかったな……。)

 

 今の(くう)の体型を一言で言えばハーピーっぽい何か。上はともかく下に合う下着が全くない。

 とはいえ。現在の居場所は地球から飛び出した遥か先、太陽系すら飛び出した何処とも知れぬ宇宙の片隅、そこでピーちゃんの張ったバリア内の空間の中に一人で佇む状態だった。

 人目という意味であれば当然存在するわけもないし、配信をしようにも電波が届く位置ではない。

 

(……まぁ配信が出来たところでするつもりは全くないのだけれど。)

 

 地球を救ったというステータスが追加されるとなると確実に見る目が変わる。

 ピーちゃんの欲しいチヤホヤはそこにはないのだとか。

 

 閑話休題(それはそれとして)

 

 気にし過ぎと言ってしまえばそれまでにしろ、下に何も履いていないという状況はやはり落ち着かない。

 改めて配信しなくて良かったと思う。頭隠さず尻隠さずの状況であるわけだし。

 

 と、少し過去を思い出したところで目の前の光景を改めて見やる。

 

 初戦。まず一撃で何だかよく分からない大きな怪獣がまとめて消し飛ばされた。

 次に再び現れたそれらも無慈悲に消し飛ばされていた。

 そして次に現れた怪獣、ロボット、UFO、手を変え品を変え、それらの尽くが一撃で消し飛ばされている。

 

 最早敵のワルイウチュウジンとやらも地球をどうにかしようという気はないらしい。

 当然だ。迂闊に地球に手を出したことで本気モードのピーちゃんに一方的に蹂躙されている状況なのだから。

 下手に刺激してしまった手前、ピーちゃんをどうにかしないことには自分たちの未来がないと既に悟っているのかもしれない。

 

 本来であれば妹として姉のピーちゃんを応援するべきなのかもしれない。

 しかし戦闘が始まって既に一時間以上。全てが一撃で消し飛ばされるの繰り返しばかりを見て何を心配するところがあるのかと。

 例えるなら三次元弾幕シューティング。とはいえあまりに一方的なそれは完全にスコアアタックと化しているわけで。

 

 はじめこそ、どんな映画よりも大迫力のそれを観ることに心踊る部分もあった。

 しかしこれが一時間続き二時間続き、何もせずぼーっと見るだけの状況には少しばかり飽きも来ようというもの。

 

 というより飽きた。地球の命運を左右する場面で不謹慎かもしれないと思いつつもこればっかりは仕方ない。

 

 と、そんな折。もう何度目かすら分からない敵の集団を壊滅させたところで空の元にピーちゃんが舞い戻ってくる。

 

「ラチガアカナイカラ、デバンダヨ! クーチャン!」

 

「私にもやることあるんだ?」

 

 てっきり守りやすいから近くに置いていただけかと思いきや何かしら他に意味もあったらしい。

 

「ケッセンモードヲ カイキンシマス!」

 

 ──決戦モード。

 

 それはただの一度も使用していない切り札。というより一度しか使えないというべきか。

 最強無敵生物ピーちゃんがその命を燃やすことで一時的に本気モードの一千倍を超える力を得ることが出来る。

 

 しかし空を頼るからにはピーちゃんが決戦モードに必要としているのはその戦闘力ではないということ。

 

 ピーちゃん曰く、可愛いチート。

 その影響によりピーちゃんが本気モードに変身した場合、引き摺られる形で空も強制的に変身させられる。

 では、本気モードで強制変身させるというのなら、決戦モードなら……?

 

 ──当然、同じことがその規模を変えて再現される。

 

 この場合の可愛いとは、元々ピーちゃんが無敵で最強という畏怖すべき存在でありながら親しみやすさを得るために必要としたもの。

 

 本来の持ち主でないため空が保有する可愛いチートは劣化しているらしいとはいえ、可愛いに対してマイナス要素となる無敵最強を持たずその親しみやすさのみを抽出した状態。

 本気モードでもピーちゃんが言うには人に見せるとちょっとやばいらしい、その一千倍とは如何ほどか。

 

 庇護欲、嗜虐心、所有欲、他ありとあらゆる劣情を刺激する生き餌として作用する、らしい。

 

 現在、ピーちゃんの言うワルイウチュウジンから最優先の排除対象として注目されている状態、当然近くに控えている空の姿も捕捉されていると考えて然るべき。

 そんな状態で可愛いチートを炸裂させたらどうなるか、考えるまでもない。

 宇宙全体に散らばったワルイウチュウジンたちを一箇所に纏めて一網打尽にしてしまおうという魂胆らしい。

 

「でもそれって……」

 

「ウン、マァ、ソウイウコト」

 

 いつだか二人きりの時にピーちゃんが言っていた。

 ピーちゃんが無敵で最強になった意味はあるのだろうかと。

 神を名乗る存在から何一つ教えられることはなかったとはいえきっと何か意味がある。

 そうでなければこんな戦闘力は必要ないのだと。

 

 ピーちゃんが無人偵察機を破壊しなければ今日このようなことにはならなかったかもしれない。

 しかし百年後、千年後はどうか。明確に侵略の意思を見せている宇宙人たちに地球が発見されるのはきっと時間の問題だった。

 それを前倒しして今日その時が来たのではないだろうかということ。

 

 そのためには、まぁ命一つ散らすくらいは惜しくないのだと。

 

「コンナコトニナッテゴメンネ」

 

「ううん、いいんだよ」

 

 様々な意味で人目を気にして生きていかざるを得なかった空にとって、それら一切を気にしないで生きていける日々は本当に輝くような毎日だった。

 それがこんな僅かで終わりを迎えようとも、ただ怯えて生きるだけの日々よりはきっといい。

 

「モシモ ウンガ ヨカッタラ、イチマンニセンネンゴニマタアオウ」

 

「ふふ、なにそれ?」

 

 ──そして、戦いは一週間にも及び、地球とついでに全宇宙を救った後、人知れずピーちゃんと空の二人は命を散らしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トイウユメヲ ミタンダ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:夢かーい!

:生きとるやんけ!

:ここ最近見ないと思ったらそんなことしてたんかーい!

:ピーちゃん生きとったんかワレェ!

:いや、エイプリルフールだぞ。信じるなよ

:びっくりした。本気で宇宙人と戦ったのかと思った。

 

「トコロデ、ウチュウデ ゴミ ヒロッタケド、ダレカイルゥ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ゴミ。なんか機械っぽいものの残骸。

 

コメント

:お前本当に戦ってないよな?

:いるぅ?じゃないんだよなぁ

:・・・NASAとかなんか見てないんか?

:夢を見たってのが嘘ってことはない・・・・よな?

:ハハ、まさか・・・、まさかね?

 

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




相変わらず肝心なところはダイジェスト

ピーちゃん
残機 9687 ⇒ 9686(自動回復)
レベル1 ⇒ レベル303499
強さ⇒??????
変身段階開放
スキル解禁
備考:本気モード、なんか全身燃え上がった火の鳥みたいなやつ。

クーちゃん
レベル1⇒レベル303499
はだのうるおいが良くなった!
めのいろつやが良くなった!
いい匂いがするようになった!
あいじょうがあがった!
備考:可愛いチート、自分にも効く。おかげで自己肯定感高め。
決戦モード中は目をつむってた。

ワルイウチュウジン
1割以下まで数を減らした。神の怒りを買ったとして語られる出来事となる。
決戦モード中敵なのに信仰を捧げるパワーアップ要因と化してた。
マーキング代わりに使われて撃滅された。


なんかステータス更新されてる不思議!
エイプリルフールネタですが!


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【ピーチャンネル】ゲーム配信2 ピーちゃんのピーちゃんによるピーちゃんのためのゲーム配信

連休前でなんか忙しかったのとワイハにかまけてて遅れました。ごめんなさい。
いつも誤字報告助かってます。


☆月☓日 20:00 配信開始

 

 

「キョウモ、ゲームハイシンヤルヨー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:コンバンピーチャン! 

:コンバンピーチャン! 

:待ってた! 

:今日は何すんねやろ

 

 いつもの時間いつものように元気なピーちゃんの配信が始まる。

 前回のゲーム配信と変わりのない風景が映し出され、その中で動く存在もピーちゃんただ一人。眷属ちゃんの姿は見られない。

 

コメント

:眷属ちゃんおらんやんけ! 

:また途中でデンドンする気か?

:前結局一緒に操作してたんだから呼べよ

:やだー! おっぱいのない配信なんてやだーーー! 

:今日も食事中なんかな

:いちゃいけない理由なんてないんだし、いつも配信出て欲しい。

 

「ケンゾクハ、エ○デンリングガ イソガシイッテ!」

 

 いつもならピーちゃんの配信なのに! と可愛らしく切れ散らかすところだが、最早こういった反応にも慣れたもの。対応も驚くほどに冷静なものだ。

 

コメント

:おい!w

:それ配信しろよw

:おいいいいいいい

:なんでゲーム配信の裏でゲームしてんだw

:配信でろよおおおおお

:眷属ちゃんそういうのやるんだなw

:うわぁ、俺も眷属ちゃんと一緒にゲームやりた過ぎて辛くなってきた

:絶対撮れ高あるだろうになぜ

 

 むしろ迫った理由のないことに湧き上がるのはコメント側である。

 

「ヒトメ キニセズ ジックリ ヤリタイッテイッテタ!」

 

コメント

:確かに

:分かるマーン

:気持ちは分かる

:でも見たいもんは見たい

:配信の後にやればいいじゃろがい! 

:ほんそれ

:眷属ちゃんなんやかんや操作上手かったしな

:また今度D○D配信見たい

:というかあんま日空いてないけどコントローラー問題解決したんか?

 

 コントローラー問題。前回のゲーム配信ではオカメインコ差別が横行する卑劣な人間社会によって人間用コントローラーしか存在しない問題が立ちふさがっていた。

 それに対し現在ピーちゃんはオカメインコ用コントローラーを募集中である。あるのだが、その問題を解決するには随分と日が浅い。

 

「コントローラーハ、マダカイケツシテナイ!」

 

コメント

:してないんかーい

:そらそうや

:さすがに昨日の今日だもんな

:なんか考えあるってことか?

:まぁゲーム次第ではやりようもあるから・・・

:で、今日は何するん?

 

 当然オカメインコ用コントローラーが用意されているということはなかった。

 とはいえゲームと一言で言ってもその中には複雑な操作を要求しないものもあるわけで。

 

「パーティゲームスルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:パーティゲームかぁ

:ならやりようはあるかも

:連打系ミニゲームとか異常に強そう

:刹那の見切り系とかも強そう

:覚える系は弱そう

:パーティゲームするならなおさら眷属ちゃん呼べよ

:弱そう言うなしw

:パーティゲームつっても色々あるからなぁ、タイトルによる

 

 パーティゲームというのは大体がミニゲームの詰め合わせ。

 わざわざ説明するまでもなく、タイトルだけでなくそれぞれ収録するゲームも合わせればそれこそ星の数ほど存在する。

 それらの中から選ぶとなるとピーちゃんでも操作の事足りるものは十分に存在するはずだ。それらの中から今回ピーちゃんの選ぶゲームといえば、

 

「ス○ブラ ヤルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:パーティゲームじゃねぇw

:パーティーゲームとはw

:言いたいことはわからんでもないがw

:正月に従兄弟達とよくやってたわ

:コントローラー問題解決してないのになんでそんな操作忙しいやつをw

:ネットで野良対戦でもするんか?

:まぁそんな格好してるんだから普通のパーティゲームするわけなかったなw

 

 というのも今日のピーちゃんはレスラーのような覆面装備。

 この姿でゲームということは格闘系やアクション系を想像することは容易い。

 むしろ何故これでパーティゲームなどとのたまったのか。

 

「オフラインデ、トーナメントスルヨ!」

 

コメント

:オフラインだと?

:頭数が足りねぇ! 

:人数いるのに何故眷属ちゃんいない! 

:眷属ちゃんいない時になぜそれをやろうと思った!?

:コラボ頑なにしなかったのにまさかやるんか?

:・・・まさかとは思うが山田呼ぶ気か?

:山田wwwww

:子供も入れても頭数揃わんだろうがw

 

「ハイ! トイウワケデ、キョウハ ゲストヲ ヨンデマス!」

 

コメント

:ゲスト!?

:え?今まで断ってるって言ってたのにほんとにコラボ?

:ネットじゃなくて家に人呼んだの?

:俺も家行きてー! 

:ほんとに山田の可能性

:どうせ眷属ちゃん来るんやろ?

:眷属ちゃんの家いい匂いしそう・・・

:マジで呼ばれるやつくっそ羨ましいんだが

:未だ自分の中のピーチャンのジャンルが普通の配信者なのかVの者なのかよくわからん俺

:わかるマーン

:ピーちゃんに並び立てるゲストってマジで誰よ

:人気度ならもっと上はいるだろうけど同レベルの特別感あるやつなんていたっけ

:総理大臣とか大統領とか呼んでても俺は驚かん

 

 日頃からピーちゃんにはコラボの誘いというのはSNSのような表から見える場所でもメールのような裏からしか見えないものでもそれなりの数に上る。

 単純にピーちゃんが好きだからに始まり人気にあやかろうとするものから冷やかしまで多種多様。その尽くを断り続けて今に至っている。

 それがネット上のコラボ配信すら飛び越えていきなりのゲストお家招待にコメント欄が些か以上に沸き立つ。

 

「ソレデハ! ゲストサンイラッシャーイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 コメント欄の様子にお構いなくゲストを招くピーちゃん。

 今まで頑なにコラボをしなかったというより、そもそもがそういった交流関係すら不透明。ネット上の掲示板に出没したりSNSで多少の交流は見られるものの、特定の誰かと特別仲良くしている姿は見られない。

 ピーちゃんの口調からはかなり気心の知れた相手だと知れる。そのゲストは正にピーちゃんと同格と言える存在で──、

 

「コンバンハ! ゲストノピーチャンデス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんBがあらわれた! 

 

コメント

:増えたwww

:ピーちゃんきたーーーーー

:ピーちゃんがピーちゃんとコラボ・・・?

:予想外過ぎて鼻水出た

:お前増えれたんかwww

:一体なにと戦うんだw

:そりゃぁピーちゃんとだろ

:いやまて、トーナメントってことはつまり・・・?

 

「コンバンハ! ピーチャンダヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんCがあらわれた! 

 

「ヨンデイタダケルナンテ コウエイデス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんDがあらわれた! 

 

「ピーチャンネルニ デラレルナンテ ユメミタイデス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんEがあらわれた! 

 

「イッショウケンメイ ガンバリマス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんFがあらわれた! 

 

「ピーチャンノ ムネヲカリマス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんGがあらわれた! 

 

「フツツカモノデスガ、ヨロシクオネガイシマス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんHがあらわれた! 

 

「コンバンハ! ゲストノ……

 

コメント

:多い多い多いwww

:どんだけ増えてんだw

:マドハ○ドじゃねぇんだぞw

:メタルク○ラよりひどい絶望感

:一体くれよw

:ここまで自演

:これからも自演

 

 歴代のコスプレ衣装をまとったピーちゃんが次々と現れぎっちぎちと画面を埋めていく中、遂にはまた新たな衣装を纏ったピーちゃんが現れる。

 

「ピーチャンレッド!」

 

「ピーチャンイエロー!」

 

コメント

:どんだけ出るねんw

:自己紹介だけで配信終わらせる気かw

:まだ出てくるんかw

:まじで一体欲しい

:さっきから笑いすぎて腹いてぇwwwww

 

 一目で戦隊物を意識したものと分かるヘルメットを被ったピーちゃん。

 赤、黄と続いて次に飛び出る色はもちろん……。

 

「ピーチャンレッド!」

 

コメント

:ん?

:ん?

:ん!?

:え?

 

 視聴者達に一瞬の思考の空白を生み出した後、まだまだ追い打ちをかけるように次のカラーが登場する。

 

「ピーチャンレッド!」

 

「ピーチャンイエロー!」

 

 五色(?)揃いそれぞれポーズを決めるピーちゃん達、その名も──、

 

「ゴニンソロッテ!」

 

「「「「「ピーチャンファイブ!!」」」」

 

コメント

:ゴレ○ジャイじゃねぇかwwww

:またえらく懐かしいネタをw

:なんでピーチャンそんなネタ知ってんだw

:伝説のネタだわwwww

:コーヒー吹き出してキーボードべちゃべちゃな件

:笑いすぎて変なところの筋肉つった

 

 そして十分後。最終的に百体にも及ぶピーちゃんが画面を白く染め上げた。

 そのうち三十二のピーちゃんによるトーナメントが行われるようだ。残りは完全に賑やかしである。なぜ呼んだ。

 

 視覚的にも聴覚的にも非常に五月蝿いそんな中、第一試合の組み合わせが発表される。

 

『ピーちゃん VS ピーちゃん VS ピーちゃん VS ピーちゃん』

 

コメント

:どれがどれだよw

:ピーちゃん頑張ってー! 

:ピーちゃんなんかに負けるなー! 

:ピーちゃん VS ピーちゃん VS ダー○ライ

:ダー○ライ過労死しちゃう

:過労死どころかストレートに死ぬわw

:ピーチャンガンバッテー! 

:ピーチャンナラカテルヨ! 

:ヤッチャイナヨ! ソンナニセモノナンカ! 

:コメント欄にまで侵食するなwww

:マフピーwwwwww

 

 おそらくこのためだけに用意したであろうS○itchのコントローラーの前にそれぞれ陣取り使用するファイターを選び始めるピーちゃんズ。

 適用されるルールは次の通り。ストックは1。アイテム多め。切り札あり。ステージ選択はランダムである。

 

「セッカクダカラ、コノファイターヲエラブゼ!」

 

 1P⇒ア○スクライマー

 

「セッカクダカラ、コノファイターヲエラブゼ!」

 

 2P⇒ア○スクライマー

 

「セッカクダカラ、コノファイターヲエラブゼ!」

 

 3P⇒ア○スクライマー

 

「セッカクダカラ、コノファイターヲエラブゼ!」

 

 4P⇒ア○スクライマー

 

 ア○スクライマーとは、数あるファイターの中でも唯一二人でセットという特徴を持ったファイターである。

 直接操作するキャラと随伴するお供の姿は遠目から見て色が違うくらいしか判断出来ない。それが4セット。ややこしい。

 

コメント

:なぜ全員同じやつを選ぶ

:またややこしいやつをw

:画面の中も外もややこしいのやめろ!w

:プレイヤー同士が同種対戦してんだからせめてキャラ変えろwww

:最早どれを応援すれば良いのか

:ピーちゃんを応援しろ

:ピーちゃんを信じろ

 

 そうして長々と寄り道をした後、試合の準備がようやく完了。満を持して試合開始のカウントダウンが始まる。

 

 3

 

 2

 

 1

 

GO!!

 

 と言いたいところですが、以下、あまり代わり映えのしない試合が続くため、プレイヤー同士の直接攻撃ありの対戦中の様子をダイジェスト音声のみでお伝えします。

 

「カカッテコイヤー!」「ピーチャンサイキョウ! ナンバーワン!」「ピーチャンノホウガツヨイ!」「ゴニンソロッテ!」「ゴレンジャイ!」「チガウ! ソイツニセモノ!」「イマコノカオヲミナカッタカ!?」「バッカモーン! ソイツガピーチャンダ!」「ピーチャンガホンモノ!」「ピーチャンモピーチャン!」「オマエモピーチャン!?」「ピーチャンガ、ピーチャンタチガ」「「「「ガ○ダムダ」」」」「クーチャンガシンダー!」「ポポポポポポポポポ」「ピーチャンガヤラレタヨウダナ。シカシヤツハ、アアアアアア! コッチノクーチャンモシンダアアアアア」「ピーチャンフリーズ!」「ジャックポット」「ヤッテミセロヨ! マフピー!」「ナントデモナルハズダ!」「ピーチャンカワイイ!」「ピーチャンノホウガカワイイ!」「ピーチャン! ピーチャン! ピーチャン! ジ○ットストリームアタックヲシカケルゾ!」「ピーチャンヲフミダイニ!?」「ピーチャンファイアー!」「ピーチャンサンダー!」「クーチャーン!」「クラエ! モエモエキュン!」「ナンノ! ピーチャンバリアー!」「ピーチャンガスロウリィ?」「ハヤサガタリナーイ!」「フタエノキワミアーーーー」「ピーチャンサイキョー!」

 

 

 そして部屋内にバリアが貼られていなければ地球が三回程焦土に変わる場外乱闘と視聴者の鼓膜破壊十回を経て訪れた最終結果。

 

第1位 ピーちゃん

 

「ミンナアリガトウ!」

 

第2位 ピーちゃん

 

「フン」

 

第3位 ピーちゃん

 

「カミニカンシャ!」

 

第4位 ピーちゃん

 

「ジュントウナ ジュンイデスネ!」

 

第5~32位 ピーちゃん

 

「クッ、ピーチャンニマケタ!」

 

 

コメント

:ボー○ボwww

:ボー○ボwwwwwww

:四隅のワイプ画面気になりすぎて対戦に目がいかなかった

:終始くそうるさかったなw

:なんでゲーム内より派手な大乱闘してんですかねぇ!?

:ピーちゃんは怖い生き物・・・

:本当にコワすぎるわwww

:眷属ちゃんよくこんなんと暮らしてるなって

:途中のクーチャンクーチャンって誰だよw

:俺は眷属ちゃんの名前だと思ってる

:マ!?

 

 その後、ボス戦(マ○ニア)を終えて配信に参加した眷属ちゃんが優勝したピーちゃんを一方的にボコボコにし、

 

「ピーチャンノホウガツヨイノニ!」

 

 と喚き散らかしていた。

 そしてその日「ピーチャンノホウガツヨイ」がトレンド入りしたことをここに記す。

 

 

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




ピーちゃん:LRが押せないしキー配置がデフォルトでやってるためガードと投げ縛り状態。反射神経こそ超絶いいもののキャラの動きの隙とかはあまり把握してないため総合してそこそこ強い程度。
マスクドピ○チュウー意識して覆面してた。

眷属ちゃん:マ○ニア撃破後で集中力バチクソ維持した状態でピーちゃんボコった。家での一人遊びが多かったためそこそこ以上にゲームはしてる。

ボー○ボネタはセリフの順位少し改変してます。

文字数は基本的に多い方がいいと思ってたけど勢いだけでゴリ押しするこの作品はむしろ文字数はそこそこに抑えたほうがいいんじゃないかと思い始めた今日このごろ。


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【ピーチャンネル】雑談配信2 ピーちゃんの野望

生きてました!
前回から一ヶ月も空いてしまってほんと申し訳ない。
いつかお気に入り10000行きたいなーとか思ってるのにこの更新速度よ。
モチベが下がったと言うより仕事も休み中もなんか日程埋まってたりしたのと絶賛スランプ中。何故か集中力が続かない。
あとセリフの途中に半角スペース入れてたのを全角に変えてみるテスト。


①可愛すぎる私と気長につきあってください。

 

②私をもっとチヤホヤしてください。それだけで私は幸せです。

 

③私にも心があることと私が最強であることを忘れないでください。

 

④ほんの少し口が悪いかもしれませんが、無敵で最強で可愛くて、最早完璧過ぎて嫌味なので敢えて欠点を作っています。

 

⑤私にたくさん話しかけてください。全てのコメントは拾わないけど、全てのコメントには目を通しています。私の方が強いし可愛いことはわかっています。わかっていますが何度も褒めてください。

 

⑥匿名だからとネットで私を叩かないで。やったことはないけど本気になったら特定出来ます。見られているかもしれないことを忘れないでください。

 

⑦眷属よりも私のほうが可愛いし、それに何よりも強いです。

 

⑧あなたには学校もあるし友だちもいます。でもビームの撃ち方は教えてくれないし私の方が強い。

 

⑨私は10万年経っても余裕で生き続けます。やはり、私の方が強い。

 

⑩私がゲームで負けたとしても、お願いです。そして、どうか覚えていてください。例えゲームの操作キャラクターが負けたとしても、私が直接生身で戦った方が、ずっと強かったことを。私の強さは微塵も揺らいでなんかいないことを。

 

※ピーちゃん取り扱い説明書より。

 

「ツマリピーチャンハマケテナイ! ノーカウント! ノーカウントナンダアアアア!」

 

コメント

:ゲーム負けたのめっちゃ気にしてて草

:最強無敵生物のくせして器ちっちぇなw

:手届かなくてLR無し縛りだったからまぁ・・・

:器の大きさだけはオカメインコ

:いつそんな説明書出たんですかねぇ!

:ピーちゃんの十戒w

:あまり迂闊なこと言うと特定されっぞ!

:悪口言うとピーちゃん来てくれるってマ?

:怖いもの見たさでちょっと試してみたい

:めっちゃ褒めても来てくれそう

:実際ピーちゃん呼ぶ集会呼びかけしてるの見たことある

:草

 

「ピーチャンノ ワルクチ イウヤツハ!」

 

コメント

:家消し飛ばされそう

:家だけで済むかなぁ・・・?

:原子単位で消し飛ばされそう

:そいつだけ消し飛ぶならともかく日本ごと逝くだろ

:早まらないでー!

 

「ヒトツ!」

 

 靴の片側だけ全部隠す。

 

「フタツ!」

 

 知らない間に冷蔵庫のコンセントだけ引っこ抜いとく。

 

「ミッツ!」

 

 スマホの画面にバター塗りたくる。

 

「ソノタモロモロ!」

 

コメント

:地味にダメージでけぇ

:嫌がらせじゃないですかヤダー

:やることせこいなw

:アイス全部溶けちゃう

:家人に気づかれずにそんなこと出来るのか

:カメラ映らずに移動出来ちゃう子だから・・・

 

「ハデナヤツダト、ワザト ヨボウトスルヤツイルカラ!」

 

 撮れ高のありそうなことは絶対にしてやらないし、ちょっと馬鹿にしたくらいでぶっちゃけ報復の予定はないと補足して。

 

「ソレヨリ! キョウノフクミテ、ナンカオモウコトナイ!?」

 

 ぴょんぴょんといつものテーブルの上で回るピーちゃん。死装束を思わせる真っ黒な和服に胴に紐を回し腰(?)に付けられた刀、見るものが見ればそのコンセプトがとある有名なジャ○プ作品であると思い至るのもきっと難しくない。

 

コメント

:死○装?

:BLE○CHかぁ

:ピーちゃんの噂を信じるなら幽霊はいるっぽいけど死神はどうなんや

:幽霊いるってワクワクするよな、怖いけど

:ピーちゃんが死神になったら霊圧えぐいことになりそう

:斬○刀どうなるんや

:鰤あんま読んでないけど、霊圧と刀の大きさが比例するんだっけ

:長すぎて天を衝きそう

:隊長格だとビルクラスということはピーチャンの斬○刀の長さは・・・

 

「ジュウサンコウネンヤ」(キリッ)

 

コメント

:十三光年wwww

:単位が完全に馬鹿の考えるそれなんだわw

:地球ぶった斬れそう

:どう考えても地球だけじゃ済まネーんだわ

:光年は時間じゃない!距離だった!

:ピーちゃんの場合ワンチャンそれ以上ありそうで怖い

:霊圧だけで余裕で太陽系消し飛ぶな

:ピーちゃんは怖い生き物定期

 

「トマァ、バモ アタタマッタトコロデ、キョウハ ピーチャンノ ヤボウニツイテ カタルヨー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ──と、掴みは上々といったところで本題を切り出すピーチャン。

 

コメント

:野望とは

:世界征服とか

:その気になったら1日で出来そう

:されてないってことはその気がないってことか

:なんかまたやばいこと言い出しそう

:ピーちゃんだからなぁ…

:絶対ろくなこと言わない

:そもそも野望ってなんや

 

 対して視聴者たちの反応は驚くほど信用がない。あるいはある意味これも信用の現れというものか。

 

「イロイロヤッテミタイコトノコト!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:やってみたいことかー

:その気になればなんでも出来そうだけど

:出来ないことあるの?

:出来ないことなどあんまりない!

:散歩感覚で宇宙旅行してそう

:ゲーム好きみたいだしそのへんか?

 

「マズハ、コエノオシゴトトカ ドウカナッテ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 どこかはにかんだ様子を見せながら、首を傾げて反応を伺うピーちゃんの姿は普段の言動を思い出しさえしなければ大変可愛らしい。

 

コメント

:意外と普通!

:ピーちゃん可愛い

:声優とか?

:ASMR配信して

:声だけは可愛いからなぁ

:ピーちゃんが声優デビュー!!?

:声っつっても色々あるからなぁ

:お歌配信してー

 

「コノフクニモ カンケイアルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 翼を拡げ、くるっとターン(左)くるっとターン(右)。

 

コメント

:鰤に関係するもの?

:死神の声優?全然わからん

:アニメ声優したいんか

:かなり今更だけど鰤の劇場版またやるとか?

:BLE○CHとピーちゃんの共通点とはいかに

:ゲームの方に出たいって可能性もあるか?

:BLE○CHとピーちゃんに共通点なんて・・・アッ

 

「ケンゾク! レイノモノ モッテキテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 コメント欄であれやこれやと意見が挙がるのを見届けて、配信開始から今まで姿を見せなかった眷属ちゃんに声がかかる。

 呼ばれ、画面の中に現れる眷属ちゃんはいつもの紙袋とジャージ姿。一方でその手には見慣れない金属製の鳥かご。

 ドンと音を立てて置かれたその中には今まで画面の中で喋っていたピーちゃんとは別のピーちゃんがいて──。

 

「ボクノナマエハ シバタユ○イチ! オニイチャンノ ナマエハ!?」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:シバタwwwww

:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

:さすがに草

:wwwwwwwwwwww

:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

:オカメインコ役のオカメインコwww

:それはもうなんか卑怯だろwww

:まさかのシバタ実写化wwww

:余裕でシュ○ーカー倒せるだろ

:分身便利すぎなんよ

:くそっ!ネタが分からん!

:久保○人御大も今更こんな逸材出てくるとは思わんかったやろな

 

 シバタとは。簡単に説明するなら、親を殺人鬼に殺されながらもなんとか返り討ちにしたものの、悪霊となって蘇った殺人鬼に魂をインコに封じられた少年である。

 コスプレというのがアニメやゲームのキャラクターのなりきりを意味するものであるならば、今までのコスプレと比較して圧倒的な再現度。何も身に着けていない方が再現度が高いというのはこれ如何に。

 背景や能力などはまるで別であることは当然として、ある意味似通った存在であることは当然視聴者たちは知らない。閑話休題。

 

「オカメインコヤクノオファー、オマチシテマス」(キリッ)

 

コメント

:ねーよw

:ねーから!w

:コントローラーとどっちがハードル低いんだこれw

:また微妙にありそうでないような線をw

:このためだけに作中にオカメインコ生やす人出そう

:オカメインコじゃなくても他の鳥でもいけたりせんのかな

:カラス、ハト、ニワトリとか?

 

 その後しばらく読者からのリクエストで生き物やら環境音のモノマネをして場を盛り上げたりなんかして。

 

「ア、アト、コエツナガリデ、ピーチャロイド ホシクナイ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:欲しい!

:欲しい!

:割と本気で欲しいかも

:ほんと声だけは可愛いからなぁ

:色々歌わせてみたいけどまずはピーちゃん本人が歌ってくれと

:今度はお歌配信しておくれ。眷属ちゃんと一緒に

:眷属ちゃんほんと声出して欲しいよなー

:声のサンプル収集するの結構大変そう。知らんけど

 

 あわよくばボイスロイドにもボーカロイドにも両方なりたいと主張する欲張りなピーちゃん。

 過去に歌手や俳優をモデルとしたものが存在することを考えればアプローチ次第で実現も叶うかもしれない。

 

「ドンナヒワイナコトイワサレルカ、ギャクニタノシミ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:別に言わせないから!

:だから言わせねーってw

:エロに対する謎の自信

:欲しい理由がクソなんだよなぁ

:眷属ちゃんなら言わせるのに・・・!

:いい加減眷属ちゃんもっと喋ってくれて良いのよ

:ピーちゃんを調教、ハァハァ・・・

 

 が、理由がクソ。発言を控えない限り実現は難しそうだ。

 

「エロドウジンモツクッテイイヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:だから作らねーって!

:そんなやつはおらんw

:そんなやつおらんって何回言わせんだw

:今年の夏はピーちゃんの同人増えるな

:上級者向けが過ぎる

:せめて、せめて哺乳類で・・・

:一切人化要素含まないマジの鳥に欲情はきついんじゃ

:だからエロ同人作るために眷属ちゃんを(ry

 

「オマエラガ、フダン ピーチャンニ ドンナ レツジョウヲ イダイテイルノカ シリタイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:wwww

:なんども言わせんなw

:だからエロい目で見てねーから!w

:今日エロ推ししつけーなw

:ピーちゃんと致そうとしても真面目にどうやったらいいか分からん

:・・・あー、舐めてもらうとか?

:羽でこう・・・・ね?

:鳥ってうんこする穴と卵産む穴おなじなんだよな

:ふーん、えっちじゃん?

:・・・えっちか?

:おいお前ら結構な数のちびっ子も見てるんだぞ

:いやこれはピーチャンが悪いわ

:それはそう

 

 そんなこんなでしばらくエロ談義(?)に盛り上がったり盛り上がらなかったりした後、次に口にした野望は先程とはまた大きく異なるものだった。

 

「ツギ! ピーチャンハ、コノクニノ コクチョウニ ナリタイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:でかくでたな

:エロとの高低差激しすぎる

:わたしはートーキー

:日本はキジだぞ

:認知度はもう日本一だしなんなら世界一

:え?キジなの?

:国鳥って単一の存在でもええんか?

:さぁ?

:知名度的に最早ピーチャンが日本一人気な鳥だろうが、人気だけでいけるものなのか

:功績とかなんか必要かもね。知らんけど

 

「アー、ミサイルトンデキタラ、ウチオトシテアゲルカラ、ソレジャダメ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ありがてぇ

:やっぱピーチャンならそんくらい楽勝なんやなって

:最強の国防ゲットだぜ

:これからは核の傘じゃなくてピーちゃんの傘に守られる時代

:もうミサイル撃ち落とすってとこに疑問思わなくなってきて毒されてると感じる

:まぁ、国鳥になるのはその時までお預けやね

:もう既に何発か撃ち落としてても俺は驚かん

:言ってることがマジなら結構とんでもないことがただの配信で決定したよな

:それな。色んな意味で目が離せない

:目下、眷属ちゃんの素顔ポロリ期待して毎回見てるけどポロリする気配がない

:守ってくれるのは日本限定?

 

「キホン、ニホンダケ! カクハ タコクデモ トメルカモ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:さすピー

:さすピー

:だからただの配信で決まっていいことじゃないんだよなぁ

:俺たちに出来ないことを平然とやってのけるッ!

:そこにシビれる!

:あこがれるゥ!

:あこがれるぅ!!

:あこがれる!!

:最悪人類が見限られたら滅ぼされそう

:コメ被り

:まぁ向こう百年は大丈夫やろ(ハナホジ

:今日だけで政府大騒ぎやろなぁ

 

 ありとあらゆる事故や事件、防ごうと思えばピーちゃんなら大体全て防ぐことが出来る。しかしそれは最早ピーちゃんによる監視社会の誕生を意味する。現代社会の崩壊あるいは変容はピーちゃんの意図するところではない。

 とはいえ核の例然り、元々社会というのは崩壊の可能性を秘めているわけで、そういった場合に於いてはピーちゃんが出しゃばる事も吝かではない。

 そんな真面目な話もちょっとだけ挟んだりなんかして。

 

「ツギ! ヤッパネ、ハイシンスルカラニハネ、ミンナヲ エガオニ シタイナッテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 一見すればピーちゃんは染み一つない真っ白な姿もあって、穢れのない存在に見えなくもない。

 

コメント

:ピーちゃん・・・

:良い子

:どした?

:さっきまでエロばっか言ってたピーちゃんはどこに

:もしかして偽物

:悪いものでも食べた?

:悪いもの食っても何も効かんだろ

:良い子じゃん

 

 とはいえ先の発言を含め今までの言動の尽くを見届けてきた視聴者には当然とってつけたような良い子ちゃんムーブが通じるはずもなく。

 

「クールナ ビジンガ ワライスギテ、ハナミズデ カオ グチョグチョニ ナルトコロミタイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:クソ鳥

:クソ鳥

:くそ鳥

:やっぱクソ鳥だった

:いつものピーちゃんで安心した

:百年の恋も冷めるやつ

:やっぱこんなクソ鳥を国鳥なんてとんでもねーや

 

 そして事実クソだった。

 

「ツギ! ピーチャンッテアリフレタナマエヲ、ユイイツゼッタイニシタイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:もうなってるくね?

:鳥のペット動画でピーチャンって呼ばれる度に脳裏を過ぎる

:海外はともかく国内だったらもうほぼ固有名詞化してるような?

:海外でもなんでうちにはピーチャンいないんだって言ってるのよく聞くぞ

:ピーチャンとは言うけどピーちゃんがピーピー鳴いてるとこ聞いたことないな

:確かに

:野望つっても統一性全くねぇな

:というかありふれた名前って自覚あるんか

:なんでそんな安易な名前にしちゃったのか小一時間

 

 実際には安直なりにも理由があったりするのだが、それは姉妹(?)だけの秘密だ。

 

「ソノタメニマズ、ソフトバ○クノ イヌト、アフ○ックノ アヒルヲタオス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:なぜ!?

:なんで!?

:とんだとばっちりw

:ピーちゃん対抗意識持ってたんかw

:喋る動物バトルロワイヤル、ファイッ!

:共通点:喋る。白い

:そいつらどっちもフィクションだから!

:ではまずテレビの中からイヌとアヒルを追い出してください

:フィクションよりもピーちゃんの方がフィクションっぽいのなんなん

:ピーちゃんだってフィクションだわ。信じてる奴ら多すぎて頭痛くなる

:なんで見てんの?

 

 まぁ、ぶっちゃけ大した理由もなく倒すって言ってみたかっただけというのが真相である。

 ピーちゃんはそういう事言う。

 

「アトネ、コレハトッテオキノヤボウ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そんな特に浅い意味すら存在しない打倒宣言からしばらく。元々落ち着きというのは持ち合わせていないピーちゃんだが、今日の配信を通してここ一番落ち着きがない様子。

 

コメント

:なんだなんだ?

:国鳥になりたい以上の野望とは

:ピーちゃんのことだから今までの事全部思いつきで口にしてるだけの可能性。

:どうせ変なこと言うだけやろ

:今ん所スケールでかいのか小さいのかよくわからんのばっかだけどな

:でもとっておきっていうからにはちょっと期待

:人になりたいとか?

 

「イママデ ナンデ タクサン コスプレシタトオモウ!?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 勿体ぶるピーちゃん。鳥の表情が分かるならニッコニコの笑顔を画面の前に晒していることが見て取れることだろう。

 

コメント

:着たいからじゃないんか

:ピーちゃんの趣味だろ

:眷属ちゃんの趣味って線も

:やっぱ人になりたいのでは?

:人になってもゲームしたいだけだろうしなぁ

:こんだけ勿体ぶるんだからやっぱなんか思い入れのあることなんだろうな

:世界平和とか?

:ハーレム作りたいとか

 

「ピーチャンハ、ス○ブラニサンセンシタイ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 つい先日配信をしたばかりであり、ありとあらゆる作品から出張してきたキャラたちがステージ上でド付き合いをするというあまりにも有名なそのタイトル。

 プレイヤーがキャラクターを選択する際、様々なカラーバリエーションが存在し、場合によっては衣装が変わるというパターンもある。

 ピーちゃんのコスプレ衣装はそのために用意したと言っているのだ。

 

コメント

:ス○ブラwww

:カラバリの一つにするつもりだったんかw

:まぁ、戦闘力だけなら十二分・・・

:サイズ感が合わねぇ

:スマ◯ラwwwwww

:お前どっちかというとラスボス超えて裏ボス側じゃろがい!

:ラスボスならガ◯ンとかいるけど裏ボスはさすがに

:眷属ちゃんとセットのファイターとか?ロ◯ッタ&チコみたいな

:子機側の戦闘力がバグりきってるんですが

:ゲーム配信でやったのもアピールのためかw

:でもあれ基本的にゲーム原作だけじゃなかったか?

:いいとこスピリッツ枠だな

:ピーちゃん参戦出来ないね、残念

 

 しかし参戦するキャラクターにも基準があるわけで、それは人気だったり知名度だったりと様々ではあるが、根本的な部分を満たしているかといえばかなり微妙。

 ウッキウキで口にしたとっておきの野望ではあるが、叶う可能性は限りなく低い。

 本来であればそれ程楽しみにしていたものが絶対に叶わないとなるとショックの一つや二つも受けるのが道理。しかしピーちゃんは無敵チート故に精神的な動揺など一切ない。

 

「エエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」(クソデカボイス)

 

 ──ということもなく、その場にいる眷属ちゃんがひっくり返る程の大きな悲鳴を上げながら、コテンとテーブルの上に転がった。

 

「ピーチャンファイアーモ、ピーチャンフリーズモ、ピーチャンサンダーモ、デキルノニ??」

 

コメント

:PKファイアーみたいに言うな

:PKフリーズみたいに言うな

:出来てもだめです

:この世界が本当は現実じゃなくてゲームの世界だったらワンチャン

:あるわけねーだろ

:と言いつつピーちゃんみたいなのいるせいで可能性ありそうでちょっと怖いな

:小説(?)なんだよなぁ

:というかそれ以前に最後のDLCもう参戦してるから枠がないんですけどね

:それ

:それな

:キ○グダムハーツのソラだったね

:むしろなんで知らなかったのかと

 

 そしてここで明かされる衝撃の真実。

 

「ソ、ソラ?」

 

 転がったまま見上げた先にいた眷属ちゃんは無言で首を横に振ることで返事を返す。

 

コメント

:なんで眷属ちゃんの方を見た?

:眷属ちゃんもソラって名前?

:ばみょん

:それは違うそら

:眷属ちゃんってクーチャンじゃなかったのか

:ソラ⇒空⇒クウ?

:それだ!

:こんなところで名前バラしてええんか?

:眷属ちゃんガチ勢大歓喜やな

 

「ハー、クソダワー」

 

 いつもの鬱陶しい程の元気はどこへやら。頭のアンテナもペタンと伏せられしょぼくれた様子で画面の外へと飛び立った。

 

コメント

:どこ行くねーん

:ピーちゃん元気だしてー

:眷属ちゃん慰めてあげて

:そんなにショックだったのか

:むしろなんで今まで知らなかったのが不思議なんだが

:好きな作品なら普通知ってるよな

:そもそもピーちゃん何歳なんだろっていうね。それ次第で状況変わるかも?

 

「ヤルキナクナッタノデ、ノコリハ ダラダラスルヨー」

 

 いつの間にか服を脱ぎ、戻ってきたピーちゃんがその小さなクチバシに咥えて持ってきたのはつまみの定番さきいか。

 その袋をペイっとテーブルの上に放ると袋の中から一本取り出してそのままコテンと横になった。

 

コメント

:起きろ

:サキイカw

:イカ食うなw

:オカメインコってイカ食うんだ

:ピーちゃんだけに決まってんだろ

:なまけものの食事風景

:完全におっさん

:眷属ちゃんのだったりする?

:眷属ちゃんイカ食うの解釈違い

:お酒飲めるんかな

 

 この後、ピーちゃんをめちゃくちゃ慰めて最終的にS◯itchの後継機に懸けようということで意見が一致。配信後には雑コラ参戦画像がめちゃくちゃ作られた。

 

 

 

 ──この配信は終了しました。




なお、キラー入りはした模様。

キラー入りしたピーちゃんの性能。
移動速度が通常のキラーの一千倍。
移動の際に攻撃判定発生。直撃で即死、近くを通られるだけで衝撃波でダメージ。
ただしマウス操作感度も強制的に一千倍。

評価:人類には速すぎた。

ピーちゃん:転生するまでの間に参戦枠埋まってたの知らなかった。
眷属ちゃん:知ってたけどピーちゃんが参戦したいのは知らなかった。

そして作者は大神のアマテラスが参戦して欲しかった。

ここずっと執筆時間取ろうとはしてたけどやばいくらい集中力が続かない。
心機一転して前から口にしてるぼざろでピーちゃんとかオリジナルでなんか書いてみようかな。


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自称最強無敵唯一絶対にして最強のオカメインコ配信者ピーちゃんについて語るスレpart3

お茶を濁す掲示板回
全く遊ぶ時間なかったわけじゃないけど毎日残業で力尽きてました。
今月末まで忙しいけど脳内ネタは溜まってきたので次はなるべく一週間で形にしたいところ
誤字報告いつも助かってます。わざとやってる部分以外はすぐに直してます。


 ピーちゃんのミサイル撃墜宣言から一夜明け二夜明け、視聴者達が軽く口にした政府が騒ぎになるという予想はある意味で想像通りではあったものの、その方向性に関しては視聴者の予想と大きく異なるものとなった。

 日本政府としては紆余曲折あってピーちゃんに対しては余程のことがない限り不干渉、極力接触は避ける方針となっている。

 それを事なかれ主義と呼ぶことなかれ。どちらかというと触らぬ神に祟りなしの方が言葉として相応しい。

 

 さて、そんな状況下で放たれた先のミサイル撃墜宣言。やや国際問題になりかねない発言ではあるものの、日本政府としてはそれを余程のことではないと判断した。

 故に、政府の方針は何も変わらない。ピーちゃんに対する姿勢も今後の国防に対する構えも当然変えるつもりはなかった。ちょっと過激な発言であった、それだけで終わるはずだった。

 

 が、しかし。国は動かないことを決めたとしても国民はどうか、外国人はどうか。

 ピーちゃんの存在を完全に信じているという人間は全体としてはやはり少数派ではあるものの、絶対数ならばそれなりの数に上る。

 その中には有名なアーティストだったり資産家だったり投資家だったりがいるわけで。ピーちゃんを信じる彼らにとっては日本の土地が絶対的な安全が保証された楽園か何かに見えたわけで。

 そんな彼らが動いた結果、日本の不動産関係の需要が高まり価値が上昇、ついでに円の価値も上昇する、そんな流れが出来てしまった。

 

 とりわけこの事態に大きく行動を示したのは海を隔てた先の大国中国。

 富裕層の日本への脱出が顕著となり、またそれとは別に元々問題となっていた日本の土地買収問題がここに来て急加速。急遽外国籍の人間への土地売買を制限する事態にまでなった。

 これを受け中国政府は猛反発。権利の不当な侵害は認められないとし制裁も辞さないことを強い言葉を持って宣言。

 そんな中国の反応を受けとある政府高官はこう思ったとか。

 

(……全部ピーちゃんに言ってくれ)

 

 僅か一週間以内に起きた出来事であった。

 

 

 

 

 

 

自称最強無敵唯一絶対にして最強のオカメインコ配信者ピーちゃんについて語るスレpart***

 

 

212:名無しのヒトカス

まさか記者会見まですることになるとは思わんかったよな

 

213:名無しのヒトカス

んむ

 

214:名無しのヒトカス

政府としてはかの存在に対してのコメントは控えさせて頂きますってもう完全に存在認めたようなもんじゃて

 

215:名無しのヒトカス

一応主なお題目としては中国を始めとする土地買収問題への対応を決めたことだって言ってたけど、ねぇ・・・?

 

216:名無しのヒトカス

水資源のある土地を外国から取られるのずっと前から問題なってるし対応決めたのは素直にありがたい

まさかきっかけがこんなんだとは思わんかったがw

 

217:名無しのヒトカス

飽くまで中国を始めとした急な外国の動きに対応しただけで直接的な関係はないつってもどう考えてもピーちゃんと関係しかない

 

218:名無しのヒトカス

ピーちゃんもさすがに慌ててるんやろか

 

219:名無しのヒトカス

ピーチャンまじでふざけた奴だけどあんなやばい存在が無条件に日本守ってくれるって思うと日本人で良かったって思う。

なんだか不思議な自己肯定感に満たされた自分を感じる。

 

220:名無しのヒトカス

わかる

なんかすっごいわくわくするよな

 

221:名無しのヒトカス

不景気な世の中だからこういうなんだかよくわからんけど景気のいい話はありがてぇ

 

222:名無しのヒトカス

一緒に記者会見してついに地上波デビューするかと思ったけどそんなことはなかった

 

223:名無しのヒトカス

ピーちゃん慎重なのか慎重じゃないのかほんとわからん

メディア露出もっと増やしていいんやで

 

224:名無しのヒトカス

>>222

一昨日のツイ◯ターでめっちゃ問い合わせ来たけどコラボ配信NGだからやらないってさ

 

225:名無しのヒトカス

 

226:名無しのヒトカス

>>224

共同記者会見をコラボ配信って呼ぶやつ初めて見て草だった

 

227:名無しのヒトカス

政府コラボは草なんよ

 

227:名無しのヒトカス

政府「ピーちゃんとは関係ないで!」

ピーちゃん「政府からめっちゃ問い合わせ来た!」

 

うーんこの

 

229:名無しのヒトカス

出てこいって問い合わせだったのか出てくるなって方だったのか

 

230:名無しのヒトカス

実際政府はどこまでピーちゃんの力把握してるんだろうかまじで気になる

 

231:名無しのヒトカス

個人勢の配信者にいちいち反応しないだけなのか

やばいやつ確定してるから下手なこと言えないのか

出てこいって問い合わせだったのか出てくるなって方だったのか

 

232:名無しのヒトカス

>>231

出てくるなの方では?配信で一言言っただけでこの影響だぞ

直接表に出てきたらこんな騒ぎじゃすまんぞ

 

233:名無しのヒトカス

今ん所明確に俺等にも分かる範囲で影響与えたのが天気くらいなもんか

基本画面越しだしバレンタインのはサンプルが少なすぎる

 

234:名無しのヒトカス

当選者なりすましも結構おったしなぁ

なりすましに制裁あるかと思ってたけど特になかった

 

235:名無しのヒトカス

バレンタインといえばピーちゃん教作った人が今度は神社作るって息巻いてるのほんと草生える

悪霊に殺されかけてたのかなんか知らんけどふっきれ過ぎなんよ

 

236:名無しのヒトカス

クラファンで金集めてやってんのかと思ったら全部自費ってな

バイタリティどうなってんだあの人

ちょっと前までボロアパート住みだったんちゃうんか

 

237:名無しのヒトカス

しかもピーちゃん公認という

 

ピーちゃん「ウケルwww」

 

ええんかお前それで

 

238:名無しのヒトカス

建ったら行くわ

ピーちゃん来そうな気配するし

 

239:名無しのヒトカス

俺も行く

 

240:名無しのヒトカス

そんな立ったら書くみたいに

 

241:名無しのヒトカス

何するんか知らんけど雇用募集してたらそこで働きたいニートワイ

 

242:名無しのヒトカス

>>233

あえて言わんかったかもしれんけど宇宙戦争疑惑についてはええんか?

 

243:名無しのヒトカス

あれほんと扱いに困る

 

244:名無しのヒトカス

嘘かほんとかわからんことを本当にやったっていう奴が唯一ボカしてる事例

 

245:名無しのヒトカス

適当に言っただけってのも説得力あるし本当にあったってのも説得力あるんだよなぁ

 

246:名無しのヒトカス

言ってることが本当なら眷属ちゃんは傾国クラスどころか傾宇宙クラスの美人

顔見たらSAN値直葬待ったなしだけどそれで逝くなら後悔はない

 

247:名無しのヒトカス

美人っていうかピーちゃんが言うには可愛い系らしいけどな

 

248:名無しのヒトカス

明らかに文化圏の違う宇宙人にとっての可愛さなのか

美醜感覚問答無用でぶち抜く可愛さなのか

 

249:名無しのヒトカス

後者だぞ

 

250:名無しのヒトカス

うっかり紙袋ポロリしたら地球滅びそう

 

251:名無しのヒトカス

冷静に考えたらやばいよな

 

252:名無しのヒトカス

でも死んでもいいから顔見てみたい

 

253:名無しのヒトカス

あーーーー!眷属ちゃんと結婚してぇ!!!

 

254:名無しのヒトカス

そのためには宇宙支配してたワルイウチュウジン滅ぼせるようなやつ倒せるようにならんとな

 

255:名無しのヒトカス

むーりー

 

256:名無しのヒトカス

むーりー!

 

257:名無しのヒトカス

眷属ちゃんと結婚したらピーちゃんがお義姉ちゃんかぁ

 

258:名無しのヒトカス

逆に言えばピーちゃんと結婚したら眷属ちゃんが妹になるのか

 

259:名無しのヒトカス

なにいってだお前

 

260:名無しのヒトカス

ピーチャン「ダガコトワル!」

 

261:名無しのヒトカス

眷属ちゃんと結婚するにはピーちゃんを倒さなければならない

逆にピーちゃんと結婚するためには眷属ちゃんを倒s・・・嘘ですごめんなさい命だけはたすっっっっっっっっっっっっっっっっk

 

262:名無しのヒトカス

処されたか

 

263:名無しのヒトカス

滅ッ!(メッ)された

 

264:名無しのヒトカス

別に全然惜しくないやつを失くしてしまった

 

265:名無しのヒトカス

っぱ結婚するなら眷属ちゃんとだよな

 

266:名無しのヒトカス

そのためにはピーちゃんを倒さなければならないって何度言ったら

 

267:名無しのヒトカス

そもそも眷属ちゃんって結婚願望あるんかな

眷属ちゃんの質問コーナーはよ

 

268:名無しのヒトカス

質問コーナーじゃないけどこどもの日にやってた折り紙配信はほぼ眷属ちゃんの配信と化してたな

 

269:名無しのヒトカス

折り紙折ってる眷属ちゃんの指ほんと綺麗で下品なんですが以下略

 

270:名無しのヒトカス

>>269

あれは爆弾魔じゃなくても興奮する

 

271:名無しのヒトカス

ゲーム配信の時で眷属ちゃんの握るコントローラーになりたいって強く思いましたまる

 

272:名無しのヒトカス

ほんと肌すべすべ過ぎてやばい

 

273:名無しのヒトカス

ピーチャン全く折り紙折れてなくて草だった

コントローラーでさえぎりなのになんであんな細かい作業やろうと思ったのか

 

274:名無しのヒトカス

不可能と言われようとも諦めない精神を教えようとしてたんだぞ

 

275:名無しのヒトカス

簡単なやつ含めて結局一つも折れてなかったんですがそれは

 

276:名無しのヒトカス

やっぱり出来ないものは出来ないって子供に現実を教えてやったんだぞ

 

277:名無しのヒトカス

せちがれぇ

 

278:名無しのヒトカス

眷属ちゃんに折り紙のカブト被せられてるピーチャン可愛かった

あと頭に乗せる時の手付き優しすぎて好き

 

279:名無しのヒトカス

なお、そのあとのピーチャンが三割り増しで毒吐きまくって台無しにする模様

 

280:名無しのヒトカス

ピーチャン「キョウノ ピーチャンハ ドクゾクセイ!」

 

281:名無しのヒトカス

トリカブトだけに、ね!!!!

 

282:名無しのヒトカス

>>280

>>281

やかましい!w

 

283:名無しのヒトカス

>>281

wwwww

 

284:名無しのヒトカス

トリカブトは植物だよバカヤロウ

 

285:名無しのヒトカス

むしろカブトトリ

 

286:名無しのヒトカス

あれくだらな過ぎてほんと草だった

 

287:名無しのヒトカス

こどもの日だから子供向け!つってたのにあれだからな

またガキどもが真似してクソガキが増える

 

288:名無しのヒトカス

>>278

きっと紙袋の中ですっごい優しい顔してたんだろうなって思うと胸がきゅんとしたわ

眷属ちゃんの子供に生まれてママと呼びたいだけの人生だった

 

289:名無しのヒトカス

推◯の子か?

 

290:名無しのヒトカス

眷属ちゃん手芸めっちゃ得意みたいだしママになって手作りの入園グッズ作って欲しい

 

291:名無しのヒトカス

クーチャンママァ・・・

 

292:名無しのヒトカス

アイだったらそういうの作れなさそう

 

293:名無しのヒトカス

眷属ちゃんがママになるってことは他に男がいるってことになるけどええんか

 

294:名無しのヒトカス

ダメに決まってんだろ

 

295:名無しのヒトカス

>>293

はー、血管切れそう

 

296:名無しのヒトカス

>>293

処女懐胎に決まっとるじゃろがい

 

297:名無しのヒトカス

きっも

 

298:名無しのヒトカス

胎内回帰して産み直してもらうのがいいな

 

299:名無しのヒトカス

ちょっと男子~

 

300:名無しのヒトカス

ワイ女だから問題ないな

 

301:名無しのヒトカス

>>300

女子も~

 

302:名無しのヒトカス

そういえば次の配信なかなかやらないな

さすがに世間騒がせ過ぎて自重してるんかな

 

303:名無しのヒトカス

今配信したらミサイルのことばっか聞くやつ多いだろうしな

 

304:名無しのヒトカス

次はスマ◯ラの視聴者参加配信して欲しい

 

305:名無しのヒトカス

ピーちゃんピーピー鳴かせてやるわ

 

306:名無しのヒトカス

眷属ちゃんピーちゃんと戦ってる時無慈悲に運んでメテオしてて容赦なさすぎて可愛い

 

307:名無しのヒトカス

今度はAP◯Xしてくれんかなー

 

308:名無しのヒトカス

D◯Dで異常な反射神経してたからピーちゃんにスナ系持たせたらえぐそう

 

309:名無しのヒトカス

眷属ちゃんがキーボードで立ち回り担当、ピーちゃんがマウスでAIM担当

飛び道具ないD◯Dでさえあれだったからなぁ

AP◯Xがホラゲー化するぞ

 

310:名無しのヒトカス

絶対敵として出会いたくないやつ

 

311:名無しのヒトカス

狙撃されても偏差あるやつだと避けそうなイメージある

 

312:名無しのヒトカス

同じチームになって眷属ちゃん守ってあげたいけどピーちゃんいなくても普通に眷属ちゃんのほうが俺より強そう

 

313:名無しのヒトカス

エ◯デンリングとかでも容赦なさそうなイメージあるわ

マレ◯ア倒してるってことは一定以上の実力は保証されてるわけだし

 

314:名無しのヒトカス

ほんと今度は視聴者参加解禁してほしい

 

315:名無しのヒトカス

ずっとROMってたんだけど、配信はしなくても掲示板には出てくるかなって思ってたのに出てこないな

やっぱり自粛中か?そんな良識あるやつとは見えんけど

 

316:名無しのヒトカス

ああ、その件だけどさっきツイ◯ター更新してたぞ

そこで言うにはなんか疲れたとかなんとか

 

317:名無しのヒトカス

えええええ?!

 

318:名無しのヒトカス

ピーちゃんが配信止めちゃうんか!?

これから何を糧にして生きればいいんや

 

319:名無しのヒトカス

スマ◯ラ参戦出来ないのそんなショックだったんか

 

320:名無しのヒトカス

ピーちゃん元気なことだけがとりえだったのに

 

321:名無しのヒトカス

ピーちゃん元気出してー

 

322:名無しのヒトカス

ほれ 

画像『おおきなリュックを背負ってひっくり返ってるピーちゃんの画像』

(・θ・)<モウツカレチャッテェ ゼンゼンハイシンデキナクテェ

 

323:名無しのヒトカス

wwwwww

 

324:名無しのヒトカス

くそっ!あいつテ◯アキンしてやがる!

 

325:名無しのヒトカス

よし、誰か叩き起こしてこい

 

326:名無しのヒトカス

やっぱピーちゃんは畜生だったな

 

 




なんだか政治色少し出てしまったしオチもちょっと弱め。
自分なりに影響考えたらこんな結果に。政治も経済も分からんので内容は適当オブ適当ですが・・・。
あと感想で面白いと思ったところは勝手に使ってたりするので悪しからず。

投稿直後にダブってるとこ気づいたのでちょっと修正

追記。トリカブトの元ネタは「かぶとがにの毒」ってニコニコで見たやつです。あーゆーの好き。


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【ピーチャンネル】ゲーム配信3(前編)

またまた更新遅くなって申し訳ない。
仕事忙しいのとスランプ治らんのと気分転換()にゲームしてたらこんな具合に。
前にパソコン壊れてからどうにも調子悪いのと単純に遅筆過ぎる。


☆月○日 14:00 配信開始

 

 配信時間となり待機画面から一転。直後画面の中に映し出されたのは地面に直接座り込み両の羽を地につけたピーちゃんの姿であった。

 

「キョウハ ピーチャン オマエラニ アヤマラナイトイケナイ」

 

コメント

:コンニチピーチャン!

:謝るとは

:ピーチャンが謝る!?ピーちゃんが!?

:まぁかなり騒ぎになったからなぁ

:なんならまだ影響抜けてない

:元気出してピーちゃん

 

 ミサイル撃墜宣言から記者会見にまで至った例の事件から約二週間。国内外にまで波及した一連の騒ぎはここに来てようやく落ち着きを見せ始めていた。

 

「マサカ ピーチャンモ コンナコトニナルトハ オモワナクテ……」

 

コメント

:元気だしてー

:いつもの勢いはどうした

:他国のことなんか気にすんな

:別に謝らんでええんやで

:悪いことするって言ったわけじゃないしな

:謝る必要はない

:ピーチャンは悪くないよ

 

 普段見せない弱々しい様子にコメント欄にもピーちゃんを気遣うものが溢れ出す。

 

「デモソレダト ピーチャンノ キガスマナイ!」

 

 意を決した様に一度カメラに目線を向けると、そのまま勢いよく地面にその小さな頭を押し付けた。

 

「ピーチャンノセイデ ショウシカ ススンデスマナイイイイ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ん?

:ん??

:ん?

:知らん問題出てきた

:風向き変わったわね

:どうせそんなとこだろうと思った

:分かってただろうにお前らも付き合いいいよな

 

「オマエラノ セイヘキ コジラセテスマナィイイイ!

 ピーチャンデシカ コウフン デキナクサセテ スマナィイイイイイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お前は何を言っとるんだ

:うん、ごめんね。騒ぎになったのはそれじゃないんだ

:事実無根

:訴訟

:出たピーチャンの謎の自信

:勢いだけは認める

:知ってた

:こじらせてねーんだわ

:エロい目で見てやるから眷属ちゃん出せつってんだろ

 

「コノトウリイイイイ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 土下座の姿勢から頭と両羽で体を支え天に向かって足をピンと伸ばしたその姿。それは頭をより低く下げることを追求した究極の謝罪の形。

 

コメント

:うーん、これは百点満点の謝罪!!

:謝罪か?

:土下座?

:むしろ土下立ち

:三点倒立・・・ですね

:三点倒立

:三点倒立だね

:三点倒立だわ

:俺たち体育でそんなもん習ってたのか

 

 そしてそのまま前に倒れてくるんと一回転。

 

「ハー、アヤマッタアヤマッタ」

 

 フーヤレヤレと読みづらい表情の中に達成感を浮かべるピーちゃん。満足げである。

 

コメント

:謝った?

:誤ったではなく?

:おかしいなフルパワーで馬鹿にされたようにしか聞こえない

:俺も

:私も

:謝るんならちゃんと謝れよw

:そうだそうだー

:やはりピーカスはピーカスだった

 

「ハー? チャント アヤマッタデショウガ!」

 

 見当外れな謝罪と謝罪と称するにはあまりにもアクロバティックな態度。

 当然の結果としてコメント欄には否定的なものが目立つも、ピーちゃんは納得していない様子。

 

「テノヒラニノルヨウナ、チイサク カヨワイ ピーチャンヲ セメルナンテ……」

 

「ナントイウ ゴクアクヒドウ! コレハモウ キチクノショギョウダ!」

 

コメント

:か弱いとは?

:ピーちゃんとは無縁だろ

:ん?最近どっかで聞いたセリフだな?

:か弱い(地球上の兵器無効)

:お前みたいなか弱い奴がいてたまるか

:刀鍛冶の里辺で見た

:半◯狗

:半◯狗だな

:本体のサイズ感は似たようなもんだし

:性根も似たようなもんだわ

:捻じ曲がった性根

 

「オマエラハ、ピーチャンガァ、カワイソウトハ オモワンノカァアアアア!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:やはり半◯狗

:思わん

:思わない

:思わないっすね・・・・

:自業自得じゃないっすか

:ピーちゃんが半◯狗なら仮に追い詰めたら更にパワーアップするんか?

:元々どうしようもないやつが更にどうしようもなくなるのか

:スーパーピ◯チクラッシャー?

 

 ━━と、そんな茶番をしばらく続けたりなんかして。

 

「ハー、オマエラニ ツキアッテルト キリガナイカラ、イイカゲン キョウノハイシン ハジメルヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:誰のせいだと

:おまいう

:おまいう

:おまいう

:お前じゃい!

:やっと始まるのか

:始めるのはいいけど今日ゲーム配信するんじゃなかった?

:俺も気になってたわ。

 

 視聴者たちに浮かぶ疑問。というのもピーちゃんが背にしている木々を見るからに、明らかに屋外。

 

「ゲームハイシンデ マチガイナイヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 しかしゲーム配信をすることに間違いはないらしい。

 

コメント

:外じゃん

:ゲームとは言ったけどテレビゲームとは言ってない的な?

:ポ◯GOみたいに歩き回るやつかも

:それかド◯クエウォーク

:背景が完全に山なんだが

:あふれんばかりの大自然

:まさか街中出ちゃうってこと!?

:!? 引きこもってる場合じゃねぇな!

 

 コメントに挙がったタイトルのように外を歩き回るものもあるものの、やはりゲームというのは配信に限らず室内で行うものが一般的である。

 そして今まで数度行われたピーちゃんのゲーム配信も室内。仮に室外向きのものであろうとこの山々をゲーム配信の舞台とするにはあまり適さない。かといって街中に姿を現すこともまた考えづらい。

 

 とはいえ、ゲーム配信をすると口にするからにはピーちゃんにもそんなことは百も承知なわけで、ただ青空の下でゲームをするだけなんてことをこのオカメインコがするわけないわけで……。

 

「ゲンジツセカイデ テ◯アキン ヤロウトオモウ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:は?

:は?

:は????

:ん?

:なんて?

:ごめん、聞き間違えたようだ

:もう一回言って?

 

「ゲンジツセカイデ テ◯アキン ヤロウトオモウ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ハ?

:はぁ?

:はぁああああ!!?

:ハァハァ三兄弟

:二回聞いても何言ってるのかわかんねぇや

:大事なことなので(ry

:聞き間違いじゃない・・だと?

 

「ソノタメニ ヨウイシタモノガ、コチラ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 声に促されるようにカメラの向きが変わり、最早見慣れたジャージ姿と紙袋━━眷属ちゃんと、その背後に大量に積まれた木材の数々。

 一体どこから調達したのだろうか、板材から角材まで様々なサイズのものが眷属ちゃんの背と同じ高さまで積まれていた。

 

コメント

:眷属ちゃんヤッホーーー!

:眷属ちゃん俺だああああああ!

:ピーちゃん許してあげるから侘び乳を要求する

:セクハラやぞ

:眷属ちゃんは俺が守る!

:あんまり眷属ちゃんにセクハラしてるとピーちゃんに処されそう

:というかこんな木材どっから調達したんや

:ホームセンターとかあるんかな

 

「ソリャア、コウヤッテコウヨ」

 

 言うや否や一番上に積まれていた角材の上に飛び乗り、何でも無い様子でそれを宙に放り投げた。

 

「ピーチャンカッター↑ピーチャンカッター↑」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そして意味もなくリズムに乗ったセリフと共に放たれる目に見えない刃。中空で三枚に下ろされる角材。

 

コメント

:なんだそれ!?

:こわー

:会いたかったーのリズムで言うな

:君に~

:山にある木切ったんか?

:乾燥とか気になるけどピーチャンならどうにかしてるか

:最近あまり驚かなくなってきて驚いてるやつ見ると微笑ましい気持ちになる

:ちょっとわかる

 

「ジャァ マズハ、イドウシュダン ツクリマショウネェエエエエ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 バラバラにした木材に目もくれず進行を続けるピーちゃん。視聴者達にとってその程度最早慣れたものなのか、あまり驚いている様子もない。

 それを訓練されていると称すべきか毒されていると称すべきか。いずれ多少の事件や事故程度では驚かなくなりそうで少し心配である。閑話休題。

 

 さて改めて。この場合の移動手段を作るとは何か。

 

 ゼ◯ダの伝説最新作テ◯アーズオブザキングダム、略してテ◯アキン。その特色が何かと言えば様々な物を作成可能、これに尽きる。

 車や飛行機どころか戦車や巨大ロボ、果ては拷問器具まで作られてしまう始末。ネット上で少し調べるだけで様々なアイディア商品()に出くわすことだろう。

 

 それと同じ様に現実世界でも物を組み合わせて移動手段を作ってしまおうということなのだろう。

 しかしプレイしたことのある人間であれば気づくことがある。それらの作成を可能にするには有る物が足りていない。

 

 ━━ゾ◯ウギア。車輪や扇風機を始め、果ては火炎放射器やレーザー装置等様々な種類を有する装置の数々。

 

 動力となるそれらを無しにいくら木材を組み合わせようとも動くことのない模型に過ぎない。それに対してピーちゃんがどうするかと言えば……。

 

「ホイホイットナ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 A:虚空から取り出す。

 

 現実では当然存在しないそれらが突如虚空から現れ地面に転がり落ちる。

 角材がバラバラになった程度では最早驚かない視聴者達もこれにはさすがに無視することは出来ないようで。

 

コメント

:ウッソだろお前

:え?本物?

:現実世界でテ◯アキンて本気でやるつもりなんか

:いつそんなもん用意したんだ

:配信休んでる裏でそんなことしてたのか・・・

:ピーちゃん最強最強言ってるけど技術面でもそうなの?

:ほんとなんでもありすぎるなこのオカメインコ

 

「ピーチャンノ ギジュツハ、セカイイチィイイイイイ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:セカイイチイイイじゃねーんだよ

:ほんとに作ったの?

:え、作ったん?

:作ったー!?

:なわけない・・・よな?

:そんなもん作れるならコントローラーも自分で作れよ

:確かに

:それな

:見た目だけの偽物じゃね?

 

「トイウワケデ、マズ ケンゾクニハ イマカラ ノリモノ ツクッテモラウヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 コメント欄を一瞥した後、眷属ちゃんにアイコンタクトを決めるピーちゃんとそれを見て頷く眷属ちゃん。

 おもむろに手をかざすとパーツの数々が一人でに宙に浮き始め一つの形を作り始めていく。

 

コメント

:え?眷属ちゃんも超パワーあったん?!

:だったら何気に初公開よな

:右手なくてもウ◯トラハンド出来るのね

:なんとなく眷属ちゃん弱いイメージあったけど俺等より強いんか

:ジツハピーチャンガウゴカシテルダケ!

:コメント欄に出てくるな

:接着剤もないのにどうやって付いてるんだろ

:たし蟹

 

「ブンシノケツゴウヲ ユルフワニシテ チョイチョイヨ!!」

 

コメント

:またなんか怖いこと言ってる

:ピーちゃんは怖い生き物

:ゲルバナ思い出した

:ゆるふわってこんな怖い単語だっけ

:それ核分裂とかおこさない・・・?

:だ、大丈夫だろ(震え声

:こんな配信で地球の危機とか俺やだよ

 

 と、そんなやり取りをしている内に木の板の側面に木の車輪、背部に動力のための扇風機を据え、中心に操縦桿の座した比較的シンプルな四輪の車両が完成していた。

 

コメント

:上手に出来ました~!

:おー!!

:乗ってみたい

:乗り心地悪そう

:サスペンションないからなぁ

:リ◯ク乗り物酔いしないからな

:いや待て扇風機の向きが

:え? あ?

:逆だああああ

 

 ━━が、時既に遅し。コメント欄の様子に気づくことなく眷属ちゃんが車両に乗り込み操縦桿を握り込んだその瞬間、家庭用扇風機の比ではない猛烈な風が眷属ちゃんを直撃。今まで何があっても外れることのなかった鉄壁の紙袋が無慈悲に吹き飛んだ。

 

コメント

:!?

:!?!?!?!?

:!?!?!

:!?!?!?!?!???

:紙袋が!

:顔が!

:くそ!背中向けてるから見えない

 

 幸いカメラを背にしていたため、紙袋の中に収められていた長い髪が火柱のように揺れる様子しか伺うことは出来ない。

 思わずといった具合にカメラの方に振り向き、今までその一切が隠されていた素顔がカメラの前に晒されるかという正にその瞬間、

 

「デハミナサン、ココデ リクエストニ オコタエシテ、ピーチャン ウタイタイトオモイマス」(めちゃ可愛ボイス)

 

 突如、カメラの中心に超至近距離で映り込んだピーちゃんによって遮られた。

 

コメント

:どけぇええええ!

:どけ!

:ドケええええええええええ

:どいてえええええええ

:ピーチャンそこどいて!眷属ちゃんの顔が見えない!

:聞きたいって言ったけど今じゃねぇええええ

:やはり眷属ちゃんと結婚するためにはこのオカメインコが邪魔だ・・・!

 

「ソレデハ キイテクダサイ。ピーチャンデ、『キョウフウオールバック』」

 

 そしてそんなピーちゃんが口にしたタイトルは今流行りに流行り様々なパロディ作品が量産されているそれ。

 

コメント

:今流行ってるやつうううう

:聞きたいけど今じゃない!

:むしろこのために風吹かせたと見た

:眷属ちゃんいい加減怒っていいのよ

:いやテ◯アキンしろよ

:眷属ちゃんが歌ってくれ

:落ち着いて聞けねぇ!

:状況的にはある意味似たようなもんではあるが

 

 風の勢いと同等かあるいはそれ以上の勢いで賑わい始めるコメント欄。当然ピーちゃんがそんなもの気にするはずもなく、気持ちよく歌い始めた。

 

「ソ、ト、デッ、タ、シュンカン、オワッタワ♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

 パンパン(画面端から現れ拍手だけして引っ込むピーちゃん)

 

「テンキハ、イイノニ、ススメナイ♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

「カ↓ゼ↑ ツヨスギテ、オナクナリ♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

 パンパン(画面端から現れ拍手だけして引っ込むピーちゃんx2)

 

「テイキテイキテキニ オールバック♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピッ↑↑(チーン) ポ ピポポー ピポポー ピポポピ

 

 ピッ↑↑(チーン) ポ ピポプー ピポポー ピポポピ

 

 ピッ↑↑(チーン) ポ ピポポー ピポポー ピポポピ

 

 ピッ↑↑(チーン) ポ ピポポー ピポポペピ

 

「チ、カニ、モグリタイナ……」(めちゃ可愛ボイス)

 

「……ッテ、オモイマシタ♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

「カ、ゼ、サエ、ナクナレバ……」(めちゃ可愛ボイス)

 

「アッタカイノニ」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ボ◯ロ系歌わせるの相性いいな

:可愛いけど!可愛いけど!今じゃない!

:どけえええええええ

:聞きたいけど集中して聞ける時にしてくれと

:テ◯アキンと言い、ピーちゃん結構流行に乗るスタイルなのね

:結局ピーちゃんが車作ってたんなら全部仕込みじゃないですかー

:最強生物が安易に紙袋取れるの許すはずもなかったな

:それはそれとして結構好き

:切り抜き職人頼んだやで

 

「ズット、スワリタイナ」(めちゃ可愛ボイス)

 

「ッテ、オモイマシタ♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

「イ、ヤ、イヤ、ト、ソトデタラ」(めちゃ可愛ボイス)

 

「ハト、ハト、ハト、ダイラントウ」(めちゃ可愛ボイス)&ハトの代わりに荒ぶるピーちゃんズ。

 

 

 ━━中略。

 

 

「カ、ミ、ノケ、キョウフウ、オールバック♪」(めちゃ可愛ボイス)

 

 最高に気が散る状況の中、最初から用意されていたとしか思えない謎演出を交え、約二分の中に中毒性を秘めたその歌を気持ちよく歌いきった。

 

「ゴセイチョウ、アリガトウゴザイマシタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:8888888

:8888888888

:88888888

:思いの外良かった

:聴き入ってしまってて悔しい

:普通に可愛かった

:調子乗るから褒めたくない

:今度きちんとしたところでもう一回歌って

:で、眷属ちゃんどこやった?

:さっき紙袋破れてなかったか?

:所詮紙袋だからなぁ

 

 と、様々な感想が溢れる中、歌いきったピーちゃんの元にスタスタと歩み寄るジャージを着た人の足が映り込む。眷属ちゃんだ。

 カメラが上を向き、紙袋(ベール)の剥がれた眷属ちゃんのその顔は……、大量のピーちゃん(分身)にス◯ラビルドされ(まとわりつかれ)ていた。

 

コメント

:見えない!

:くそ!くそ!

:結局見えない

:ピーちゃんどけえええええ

:可愛いけど数多いのめっちゃきもいなw

:息出来てるんかそれ

:一応ぎり前見えてるのか

:もっと他に隠し方ないんすかねぇ

 

 その腕の中には車両を作るのに使用したものか、あるいは使わなかった別のパーツか、先程騒ぎの原因となった扇風機。

 それをピーちゃんの横の地面にドンと勢いよく降ろすと、作りが甘かったのかその衝撃でパカリとその蓋が開くとそこにはいつぞやのようにタオルで体を隠すピーちゃんがいて……、

 

「キャー! エッチー!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 非難がましい声を張り上げていた。

 

コメント

:ピーちゃんじゃねーか!

:いつか見たやつ

:エッチーじゃねーんだわ

:どうせそんなとこだろうと思った

:作ったのガワだけかよw

:世界一とは

:技術力とは

:インチキじゃないですかー

 

 

 ピーちゃんの配信はまだ始まったばかりだ。テ◯アキン配信の行方はどっちだ。

 

 

 ━━後半に続く。

 




1話にまとめようとしたけど長くなりすぎたので切りました。
次はちゃんとテ◯アキンするんじゃないかな?(白目
扇風機の向き間違えるのはみんなやると思う

リコーダー役ボイス:ピーちゃん
カスタネット:ピーちゃん
トライアングル:ピーちゃん

JASRACで配信◯だったから問題ないと思うけど版権ネタはちょっと怖いねっていう。

あとブルプロやってるので見かけたらよろしくおなしゃす。
(名前全く蟹と関係ないけど)


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【ピーチャンネル】ゲーム配信3(後編)

生きてました!
後編出すの遅すぎてほんと申し訳ない。
間空きすぎて中身忘れ始めるアホ作者がいるそうですよ。


 ゾ◯ウギア暴発眷属ちゃん顔バレ未遂騒動からお色直しのために約十分。

 特に必要というわけではないもののついでとばかりに装いを新たにしているピーちゃん。その頭にはゼ◯ダシリーズの定番とも言える三角帽子が小さくその存在を主張していた。

 一方、先程頭の紙袋を失った眷属ちゃん。頭に装着する紙袋はいつもと変わらない。しかし今までと全く同じ装いかというとそうでもないようで、ピーちゃんと合わせたのだろうか、ジャージであることに変わりはないもののピーちゃんと同じく緑色のそれとなっていた。

 

コメント

:うおおおおお!眷属ちゃんの新衣装だああああ!?

:新衣装!!!?

:新衣装きたああああああああ

:新衣装待っとったでぇ!

:これでようやく全裸待機やめて服着れる

:ジャージじゃん

:色変わっただけでそんなに・・・?

:何がこいつらをそこまでさせるのか

 

 ただ色が違うというだけではあるが、やたらめったらと服装を変えるピーちゃんと違い眷属ちゃんの衣装は今まで何故か頑なに変わることはなかった。

 それを踏まえれば本格的な衣装チェンジへの第一歩と言えなくもない。であれば視聴者達の過激な反応もある意味当然のことなのだろう、たぶん。

 

 そんな変化に敏感な視聴者であるからして、━━否、誰もが気付ける特徴がそのジャージの胸元にあった。

 左右の胸元に描かれた「璃」と「月」の文字。それはとあるゲーム内に存在する国もしくは都市を示すそれで……。

 

コメント

:よく見たら原◯ジャージじゃねーか!w

:リ◯ク関係ねぇ!

:また違うゲーム始まっっちゃう

:眷属ちゃん原◯してたのか・・・

:ブレ◯イのパクリ

:ゼ◯ダが原◯パクったって本気で言うキッズ多くて切れそう

:ブレ◯イももう5年以上前の作品だからなぁ・・・

:俺もおっさんになるわけだわ

 

 何故か持ち出してきた別作品のグッズ。その気になればそれ一つだけでも話の種になるに違いない。

 

「ソレジャ、キヲトリナオシテ! コンドコソ イドウシュダン ヨウイスルヨ!」

 

 しかし特に触れるつもりはないらしい。では一体なぜ用意したのか。なんか緑色でなんかちょうど良かったからだ。他に意味はない。

 

コメント

:あ、原◯スルーか?

:なぜ着たのか

:これは今度原◯配信する伏線

:またリアルでやるぜ!って言い始めたら事だぞ

:ゾ◯ウギアは禁止なんよな?

:だってゾ◯ウギアじゃなかったし・・・

:ピーチャンギアだとちょっと語呂悪いな

:今度こそ眷属ちゃんの顔見られるならゾ◯ウギア使ってもええぞ

 

 問題を起こしかけたゾ◯ウギア。出番はほんの一瞬でしかなかったというのに、披露して早々様々な理由で使用は控えることとなった。

 ゾ◯ウギアが問題というより結局はその中身。ピーちゃんがその機能の中身を担うのであれば果たしてそれをゾ◯ウギアと呼んで良いものか。

 そして何より問題を起こしたのが実質ピーちゃんでしかない以上、再び新たな問題を引き起こすことは想像に難くない。

 

「クーチャンハ、ソコデマッテテネ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そして相方の眷属ちゃんが無言で頷くを確認するや否や、いつぞや見せたオカメインコにはあるまじき直線的な軌道を持ってピーちゃんは森の奥へと姿を消した。

 

コメント

:うーん、いつ見ても鳥の飛び方じゃない

:初速からトップスピードなのおかしい

:待っててね!って何を用意するつもりなんや

:ピーちゃんのトップスピードがあの程度なわけないだろいい加減にしろ!

:絶対ろくなもんじゃない

:信用ねぇなぁw

:むしろこれはピーちゃんのひととなりを知ってるからこその信頼と言ってくれ

:然り

:然り

:然り

:王の軍勢かよお前らw

:いつから俺は征◯王に・・・

 

 ズドドドドドドド。

 

 視聴者達が連携して茶番を繰り広げる中、変化は遠い果てから地を揺らす音と共にやってきた。

 距離があるからか、豆のように小さく見えるなにかが激しい砂埃を立てながらものすごい勢いで向かってきている。

 それが瞬く間に距離を詰め、カメラと眷属ちゃんの前で砂埃を盛大にぶちまけながら急ブレーキ。

 やがて砂埃が収まった後、そこに姿を現したのは先程姿を消したピーちゃんではあるのだが、頭の帽子の他にその背中に一点程装備が追加されていた。

 

コメント

:なんで着替えた直後に砂塗れにする?

:何度も言ってるけど眷属ちゃんええ加減怒ってええ

:ほんそれ

:というか背中のって鞍?

:鞍

:馬の代わりのつもりか

:どっちかっていうとチョコボ

:チョコボやね

:ただまぁ、あれやね・・・

:うん、あれだな・・・・

 

 ゼ◯ダシリーズのお馴染みの移動手段といえば馬である。とはいえさすがにピーちゃんも用意はしなかったらしい。(出来ないとは言わない)

 その代わりがピーちゃんが馬役を担うことのようだ。ゼ◯ダシリーズに存在するかはともかくとして、鳥が乗り物として登場する作品も存在する以上、それはいい。目を瞑ることとする。

 問題は作品違いだとかそれ以前。乗り物としては致命的な欠陥を抱えていた。

 

コメント

:・・・ちっさくね?

:ピーちゃんサイズそのままなんすね

:乗れねぇ

:乗れないね…

:巨大化くらいやってみせろ

:仕方ねぇ、俺が馬やるからピーちゃん召喚してくれね?

:ああん!? お前等に任せるくらいなら俺がやるんですけど!?

:いやそこは私がやろう

:いやいやそこは俺が

:・・・・・・・・

:・・・・・・・

:・・・・・・・・・・・

:(だれかどうぞどうぞって言え)

 

 最早恒例行事と化しつつある欲望塗れのコメント欄はさておいて。

 問題はピーちゃん、その大きさ。ピーちゃんには人一人の体重くらいわけはなくとも、乗る側からすればその小さな体に体重を預けるのは中々難しい。

 しかし最強無敵オカメインコの面目躍如。出来ないことがあんまりないピーちゃんならこんな問題程度容易く解決出来る。

 

「ソレジャ、シュッパツ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ━━が、まさかのスルー。

 

 翼を使わずその脚力のみで眷属ちゃんの肩に飛び乗るとそのまま高らかに出発宣言を行っていた。

 

コメント

:移動手段用意するって話どこいった

:移動手段とは

:お前が乗るんかーい

:すごい。今のところ何一つ進んでねぇ

:確かになんも進んでねぇなw

:今のところ着替えただけ!

:全く進展ないのホント草

:茶番が多すぎるんだわw

 

「ツギハ ブキヲ ヨウイスルゾオラァアアア!」

 

 視聴者の反応を無視して次の段取りに進むピーちゃん。

 

コメント

:オラァ!

:テンションたけぇ

:武器もまた作ったとか言わんだろうな

:結局ガワだけとはいえゾ◯ウギアの製法も謎だしな

:原子配列変換とか出来ても俺は驚かんぞ

:サラッと流したけど結構謎だよね

:何で出来てたんだろ?鉄?

:金属だとは思うけどどっから調達したんだ

 

 武器の入手手段。このゲームに於けるそれは基本的に現地調達である。

 作中では錆びてこそいるものの、剣や槍を始めとした多種多様な武器が手に入る。

 しかし当然ながら現実世界、それもただの私有地の山でそんなものが手に入るはずもない。

 とはいえ武器と一言で言っても多岐に渡る。一般的に武器と呼ぶようなものでなくとも手に持って振り回すことが出来るのであればそれはもう立派な武器だ。

 そしてゲーム序盤から入手可能で現実世界でも容易に調達することが出来るお誂え向きのものが山中には存在している。

 

「ソレジャ ナンカ カッコイイ キノボウヲ サガスヨ!」

 

コメント

:木の棒かーい

:小学生男子かな?

:学校帰りの小学生

:手に入るのは確かにそれくらいしかないだろうけども

:実際ゲーム序盤でもこんなもん

:でもちょっと楽しそうだよな

:んむ

:少年心くすぐる

:童心に帰ってまたこういうことしたいな

:わかりみ

 

 山の中の道なき道を行きながらあーでもないこーでもないと木の棒の厳選を続けること暫く。

 

 右手:木の棒(視聴者命名:ピ○ウトーク)

 左手:木の棒(視聴者命名:アメノムボコ)

 

 ゲームでは実装されていない欲張りな二刀流スタイルが完成していた。

 視聴者コメントから無作為に選んだ結果、世界観とかその辺まるっと無視していたがそれはそれ。

 少年のようなテンションで振り回したりポーズを決めている様子を見るに眷属ちゃんも割と楽しそうなので良しとする。視聴者達もニッコリだ。

 

 そんな様子で枝葉を切り分け掻き分け山の奥へ奥へと歩を進めること再び。突如現れた開けた空間。その中心にそれはいた。

 

「モウツカレチャッテ、ゼンゼンウゴケナクテェ……」

 

コメント

:うわ出た

:wwwww

:そりゃ出てくるとは思ったがw

:蹴り飛ばしそうなサイズ感

:急に出てきたなw

:ここまで自演

:これからも自演

:ピーちゃんいつも自演してんな

 

 ネットミーム化までしたお馴染みのコ○グネタ。

 一度ツ○ッターで公開した姿と殆どそのまんまにリュックを背負いひっくり返ってるピーちゃん。

 今日に限っては穴の空いた葉っぱを顔に装着し、より作中のコ○グに近しい様相である。

 

 ゲーム中でこの自称動けない妖精さんに出くわした時にするべきこと。敢えて説明するならそれは、その場から動けない妖精さんを少し離れた位置で緑の狼煙を上げる仲間の元に送り届けることである。

 一種の謎解きであり、手法は完全にプレイヤー任せ。基本的な想定としてはゾ○ウギアで作った乗り物に乗せて地形を乗り越えるといったところなのだろうが、あまりにもプレイヤー達は自由過ぎた。

 ロケットに直接くっつけられて無慈悲に射出されたり意味のない水責め火責めは当たり前、その扱いは割と雑、というよりひどいの一言に尽きる。とはいえ本人達は割と平気そうにしているあたり意外と気にしていないのかもしれない。閑話休題。

 

 さて本題。今回それらの問題の元にもなったゾ○ウギアの使用は禁止している。文字通り舞台が違う以上、一概には言えないものの、運ぶ手段が限定されている現状では難易度が跳ね上がることが予想される。

 では今回送り届けるべき仲間の目印である緑色の狼煙はどこから上がっているかといえば……。

 

「トモダチハ、マダカナァ……」

 

 カメラの向きをちょっと変えたその先3mくらい。なんか普通に居座って狼煙を上げていた。

 

コメント

:ちけぇ!

:近すぎw

:それくらいならもうちょい気張れやw

:自力で行け

:イージーモード過ぎる

:謎解き要素どこー?

:何一つ頭使う要素ない

:ボーナスステージ過ぎん?

:むしろお前が来いと

 

「ア」

 

 木の棒を一旦脇に抱え、リュックを背負ったピーちゃんを鷲掴みにするとスタスタスタ。狼煙の元で待つもうひ鳥のピーちゃんの元に降ろせば、

 

「トモダチヲ ツレテキテクレテ アリガトウ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

「アリガトオオオオオオオオオオ」(突如茂みから現れた分身A)

 

「アリガトウ! カンドウシタ!」(突如茂みから現れた分身B)

 

「サスガ ケンゾク!」(突如茂みから現れた分身C)

 

「ケンゾクナラ ヤッテクレルト オモッテタ!」(突如茂みから現れた分身D)

 

 まさかの攻略完了。ついでに攻略ですらなく作業ですらなく、最早ただの動作でしかなかったというのにこの盛大な反応。

 

コメント

:終わっちゃったw

:なんかいっぱい出てきたw

:相変わらずうるせぇ!

:途中に落とし穴の一つくらいあるもんかとw

:山無し!谷無し!

:赤ちゃんの知育並の難易度

:それでいてこのテンションよ

:眷属ちゃん一瞬ビクッとしとるの可愛い

 

 一体何がしたかったのか、ひとしきり騒ぎ尽くした後、眷属ちゃんの手の中にグリーンピースを二粒残して再び茂みの奥へと姿を消していった。

 

「グリーンピース ウメェ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 なお、手に入れたグリーンピースは秒を待たずしてピーちゃんの胃の中に消えた模様。

 

コメント

:帰ったw

:コ○グの実グリーンピースかよ

:お前が食うんかい

:一匹くれ

:ほんまくそやかましくてすこ

:もう分身出来るの全く隠さなくなったなw

:wwwwww

:手に入れた意味よ

:なんのために手に入れたのか

:分身便利過ぎる

 

 と、そんな折、ガサガサと前方の茂みが揺れる。

 忘れてはいけない。この山にはピーちゃんと眷属ちゃん以外にもここを住処とする住人がいるのだ。

 

コメント

:熊だーーーーー

:ああああああああ

:でかーーーーーい

:ヤマダーーーーー

:ある日森の中

:ひえっ

:え?放送事故起きる?

:ピーちゃんのペットだから平気だぞ(震え声

:それでもこのでかさ怖いんよ

 

 そう、ヤマダ。3mを超える巨大クマ。ピーちゃん一家のペット。満を持して(?)登場である。

 事情を知らない人間からすればこの後の惨劇を予感させる状況。知っている人間からしてもそれなり以上に怖いものがある。

 

 とはいえ眷属ちゃんの手でわしゃわしゃと顔を撫でられ、頭を体に擦り付けている様子を見るにその関係は至って良好。惨劇の心配は無さそうだ。

 美女(♀)と野獣(♀)。ついでにヤマダの子どもたちもじゃれあいに混ざったりなんかして、ちょっとヤマダが本気でデカすぎることと紙袋とジャージ姿に目を瞑れば、絵になりそうな光景である。

 

「ヨキカナヨキカナ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そんな様子にピーちゃんもご満悦。後方オカメインコ面でウンウンと頷いていた。

 しかしそんな良い雰囲気であろうと積極的にぶち壊してしまうのがこのピーちゃん。

 

「サテ、ヤクシャモ ソロッタトコロデ、サッソク バトルジャア!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:バトルじゃー!てお前

:ヤマダと戦わせる気か?

:こんな巨大クマ出るのはエ○デンリングのほうなんだよなぁ

:ヤマダは魔物だった?

:実際あのでかさはどう見ても普通のクマじゃないのは確かだが・・・

:マジで死人が出るからやめろ

:そのままじゃれ合いさせとけよ

:せっかく仲いいのになぜそれをぶち壊す

:そこだ!ヤマダチルドレン!その紙袋をどうにかするんだ!

 

「ヤッパ セントウビョウシャハ ヒツヨウカナッテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 とぼけた様子で続ける相変わらずのピーちゃん。

 

コメント

:必要は必要だけどもー

:色んな意味で相手が悪すぎる

:初手はチ○チュくらいにしとけよ

:チ○チュってガ○ダムか?

:チ○チュ違い。スライムみたいなやつ

:初戦から三メートル超えのクマとかどんな無理ゲ

:眷属ちゃん無理なら無理って言わんと

 

 乱心したとも取られかねないピーちゃんの発言に否定的な意見と心配の意見が目立つ。

 

「デモ アンシンシテ! ピーチャン コノタメニ ブキノ キョウカアイテム ヨウイシテルカラ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 しかし一応ピーちゃんなりに対策は用意していたらしい。

 

コメント

:強化アイテムとは

:どうせまたろくなもんじゃない

:それ逆にヤマダは平気か?

:スプラッタは勘弁だぞ

:ずっとほのぼのを眺めていたい

:もう十分だからティ○キンせんでもいい感あるよね

:今までティ○キン出来てましたか?

:出来てませんね・・・・

:だってピーちゃんがまともにやるわけないし…

:それ言っちゃお終いよ

 

「コレ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 元気な声と共に虚空から取り出したるはリンゴとパイナップル。

 何か他と違う特別さは特に見られず、スーパーで見ることの出来る極々一般的なそれ。

 安全設計と言えば聞こえはいいが、これで武器を強化したところで上がるのは美味しさだけだ。

 

コメント

:思ってたんと違う

:それのどこが強化アイテムや

:料理

:やばいはやばいけど大幅に下回る方向とは思わなんだ

:いやまぁゲームでも武器に付けれるけども

:こんなんで巨大クマと戦わせようだなんて鬼畜過ぎる

:酢豚作ろう

:で、それで何するん?

 

「ソレハコウシテコウジャア!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 声と同じくらいの勢いで先程手に入れた木の棒が空を飛び、その先端に二つの果実が突き刺さる。

 

 木の棒(視聴者命名:ピ○ウトーク) + リンゴ

 ⇒アポー剣

 

 木の棒(視聴者命名:アメノムボコ) + パイナップル

 ⇒パイナッポー剣

 

「ソシテサラニ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 アポー剣 + パイナッポー剣

 

 更に新たに誕生した二本の剣がくるくると複雑な軌道で宙を舞い、激突。

 

「ケンパイナッポーアッポーケン!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 結果、武器と呼ぶにはあまりに歪な何かが誕生した。

 

コメント

:ネタが古いw

:何年前だよこれw

:なんで流行ったかわからんやつ

:子供結構好きだったイメージ

:ピ○太郎wwww

:俺小さい頃これの真似よくしてたって親によく言われた

:P○APwwww

:むしろKPAK

:P○APじゃねーかwww

 

「ハー? ス○ラビルドデスガー?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 人間であれば鼻くそでもほじってそうな舐めた態度。可愛くない。

 

コメント

:・・・そ、そうだね?

:どの面下げて

:ス○ラビルドの元ネタはピ○太郎だった?

:マジかよ!パクるなんて任○堂最低だな

:失望しました。任○堂のファン辞めます。

:熱い任○堂への風評被害

:一体任○堂が何をしたというのか

 

 しかしそんなピーちゃんの配信をリアタイ視聴する視聴者達もいらんとこだけ似ていて自由だ。

 

「サァ、ケンゾクヨ! ブキヲト……ッテ、アレ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんが謎武器を作っている間放ったらかしにされていた眷属ちゃん。

 先程までヤマダと子どもたちとじゃれ合っていたはずが、いつの間にかヤマダの腹の上にうつ伏せとなり、完全に動かなくなっていた。

 

「シ、シンデル……」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:殺すな殺すな

:生きとるわーい

:寝ちゃった?

:寝てるね

:なんかト○ロ思い出した

:わかる

:わかるマーン

:これからはゲーム配信改め眷属ちゃんの寝顔配信始まります

:顔見えにゃい

:紙袋って息しづらそうだけどそうでもないんかな

 

 今回の配信でティ○キンらしい冒険が出来たかはさておいて。山歩きというのは非常に体力を使う。

 ピーちゃんのように無限の体力を持つような存在と違い、一般的な少女並、むしろそれ以下の体力しかない眷属ちゃんは最早限界だったらしい。

 

「ンー」

 

 考え込むこと十秒。

 

「シカタナイカラ キョウハ ソロソロ オシマイニシヨウカナ」

 

コメント

:終わるんかーーーーい

:お終いだとwwww

:テ○アキン殆ど出来てねぇ!

:未プレイの視聴者に妙なインプットされたらどうすんだ

:今のところ一番ティ○キンらしいのって木の棒調達したとこか?

:ゾ、ゾ○ウギア・・・・

:ピーチャンギアはノーカンです

:本気でティ○キンらしいこと出来てないなw

 

「トイウワケデ、ホイッ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 突然の終わりに困惑を口々にし徐々に視聴者たちも解散ムードへ近づく中、ピーちゃんのその言葉と共に突然画面が暗転する。

 機材のトラブルが疑われるも、一貫してピーちゃんの姿ははっきりと映ったままだ。

 少し冷静になれば即座にトラブルの可能性は否定される。

 そして気づくはずだ。背景の暗闇の中に何らかの建造物が存在することとまるで夜空の星のような光点が存在していることを。

 

コメント

:うわビックリした!

:どこだここ!?

:宇宙空間ぽい

:え?マジで宇宙?

:いやそんなまさか、ハハハ・・・・

:なんかマジで星が見えるんだが気の所為か?

:気のせい・・・・じゃないねぇ!

:ピーちゃんここどこ!?答えによっては一日八時間しか寝れなくなる

:健康的な生活してんじゃねぇか

 

「ドコッテ、ツキ? ソノ ジョウクウニ イルヨ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ぐるりとカメラが回り、周囲の灰色の大地が映し出される。そして遥か彼方に映り込む我らが青き星、地球。

 

コメント

:!?!?!?!?

:!?

:1?

:ちょ!?

:!?

:はぁ!?

:しれっとワープすんなし

:月?じゃないのよ

:地球は青かった・・・

 

 いらんことばかりするピーちゃんのせいで少々のサプライズには耐性の出来ていた視聴者たちもさすがに突然の風景に驚きを隠せない。

 ピーちゃんが乗っている建造物。ゲーム内におけるいわゆる“ほこらチャレンジ”で報酬と宝箱が用意されている場所とそっくりであるのだが、さすがにそれどころではないらしい。

 

「ホコラチャレンジノ ホウシュウクウカンニ チョウドヨカッタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ちょうど良かったか!なら仕方ない!とは残念ながらならない

:うわ、ほんとだ祠のところだ

:ラ○ルとソ○アの像眷属ちゃんになっとるやんけ

:ピーちゃんお絵かき下手なのに造形得意なのね

:ほんとだ今気づいたw

:宝箱あるやん

:ほんまや

:こんなものまでよく作ったな

 

 ゲーム内で足場の浮かんでいる真っ暗な謎空間、宇宙ぽいと言えば宇宙っぽくはある。

 じゃぁ本当に宇宙空間使えばいいじゃんって愚かな発想を容易く実現してしまうあたりがなんともピーちゃんらしい。

 

「ツイデニ ツキノウラガワニ、『ピーチャンサンジョウ』ッテ、ゴクブトレーザーデ ラクガキシテルノハ ピーチャント オマエラダケノヒミツ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 パチン☆と片目を瞑りウインクするピーちゃん。

 思わずキュンとする程可愛らしい姿ではあるのだが、さすがに発言のインパクトがでかすぎた。

 

コメント

:おっま

:お前馬鹿野郎www

:またとんでもないこと言いよるぞこいつw

:本当に書いてそうで怖い

:月は地球から絶対表しか見えんからなあ

:誰かー!視聴者の中に宇宙飛行士の方はいませんかー!!

:いるわけ・・・って言いたいけど実際にいそう

:オレオレオレオ

:表に書かない分別だけはあったのか

 

「サテ、タカラバコノナカミヲ ゴショウランアレ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 いつものごとく視聴者を置いてけぼりにして進行するピーちゃん。

 ゲーム内では大体武具や宝石だったりといった便利アイテムが用意されているのが常。

 では今回ピーちゃんが用意したであろうものは何か。

 ピーちゃんのクチバシに弾かれて勢いよく開封される宝箱。その中には一見してなんてことのない灰色の石の塊が五つ程鎮座していた。

 

コメント

:石?

:石だね

:石?

:ゲームみたいにでかい宝石かと思ったけどさすがにないか

:ゲームサイズのダイヤモンドとかあったら億万長者やで

:なんでただの石なんか宝箱に入れたのか

:わざわざ宝箱に入れたってことはゴミ、ではないんだよな?

:いや、待てピーちゃん今月面にいるんだよな・・・?

:あ、まさか

 

「ナント! コノ ツキノイシヲ シチョウシャプレゼント!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ちょおおおおおおい

:情報過多過ぎる

:ちょっとパンクしてきたな

:頼むから大人しくしてて

:これ本当に月の石だったらかなりコトだぞ?

:本当に届いたらまたニュースなるでこれ

:さすピー。プレゼントがワールドワイド超えて宇宙規模

:マジで欲しい

:くださああああああい

 

「タダシ! ネンレイガ ヨンジュウダイイジョウノ ミケイケンシャゲンテイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:はぁ!?

:ええええええええ

:なにその求人広告みたいな条件

:え、俺無理じゃん

:ワイもムーリー

:そも未経験者ってなんのだよ

:限定すんのやめてくれ

:月の石とか売るしか使い道ワカラナイ

:どこで売るんだよそんなもん

:月の石、月の石ねぇ・・・?

:なんか想像ついたけどまさかね

 

「ダッテ、フェアリータイプガ シンカスルニハ ヒツヨウデショ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:おっまwwww

:とんでもない暴言飛び出たぞ

:くそったれえええええええええ

:未経験って童○かよwwwwwwww

:wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

:四〇代以上の童○=妖精

:ど下ネタじゃねーかw

:眷属ちゃんおらんで良かったな

:オカメインコに童○煽りされる日が来るとは思わんかったよね

 

 キョトンとまるで何も知らない無垢な様子を見せるピーちゃんだが、何も知らないわけがない。騙されない。騙されるわけがない。

 

「ハヤイモノジュンデ、マドゼンカイデ ピーチャンヘノ アイヲサケンダヒトニ プレゼント」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:ひでぇw

:社会的に死ぬ

:社会的立場までトドメ刺しにかかるのやめてさしあげろ

:これ本当に貰ったって表明したら40代以上の童○ってバレるんかw

:想像したら草

:証明しようとしたら社会的に死ぬのはひどすぎるw

:ピーチャンほんま悪魔過ぎるわw

:ピーチャンアイシテルウウウウ!って同じマンションの住人叫んでるんだが

:駄目だ想像してたらニヤけすぎて止まらん

 

 そんな視聴者たちの様子もどこ吹く風。

 

「ソウイエバ、シッテルー?」

 

「タイキケントツニュウデ ネツガハッセイスルノハ、マサツネツヨリモ、ダンネツアッシュクナンダヨー」

 

 なんてことのない様子を装うピーちゃんの回りを件の石がふよふよと浮き回転し始める。

 

コメント

:へぇ

:知らんかった

:摩擦熱じゃないのか

:突然の豆知識!

:豆柴かな?

:今それになんの関係があるんだよw

:知らんかったけど今言うことじゃなくなーい?

:それはわかったけど童○煽りでまだ笑ってる私だ

:悪い意味で性事情詳しいオカメインコとか嫌過ぎるよなw

 

「トイウワケデ、ドーン!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そしてなんの前触れもなく石を射出。音速を超える速度で地球に向かって放たれた。

 

コメント

:!?

:!?!?

:!?

:!?!???!

:ちょ!?

:こいつやりおったwww

:馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿本当に馬鹿w

 

 その日、日本上空から五つの飛行物体が落下。その上空では真っ昼間だというのに流れ星が確認されたという。

 ぎりぎりJアラートが鳴ることはなかったが、ミサイル防衛宣言の比ではない騒ぎが日本を襲い政府高官の胃薬が増えた。

 

 月の石は本当に届いていたとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 ━━この配信は終了しました。

 




なんか文字数増えてた。中身ないのにおかしいな?

チョコボ:一部伏せ字にしたらなんかあれな感じに見えたからそのまま
森のくまさん:歌わせようかとも思ったけど著作権廻りひどすぎて止めた
ケンパイナッポーアッポーケン:ヤマダの子どもたちのご飯になった。
野生動物への餌やりダメ絶対。迷惑系ユーチューバーのせいでヤマダが微妙な立場になるとは思わんかった。
月面:ゲート繋いで電波送受信してた。
ラクガキ;地上絵くらいの大きさ。
月の石:バリアで保護されてたので原型保ったまま本当に届けられて庭に大穴を空けた。
当選者には強盗対策にひっそりと分身が護衛中。

追記。カメラは分身のピーちゃんが64マリオ方式で撮ってた。
鏡があったら映ってた模様。


次回はもうちょっと早く更新出来るはず・・・。
相談配信なのでネタはある程度用意はしてるけど拾うかもしれないので何かあったら活動方向まで。

8/2 コメントのスライム周辺を改変


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【ピーチャンネル】雑談配信3 相談配信

前回よりも早く行けるって言った気がするけどそんなことはなかった。申し訳ない。
夏休みの宿題はわりと残しちゃう人間。それが答え。


 

α月☓日 20:00 配信開始

 

 

一切のけがれを知らず、純粋無垢な内面を象徴する白くて美しい翼を持ち、目にする誰もが心奪われる愛くるしさを携えて、地上に降臨した天使は誰でしょう?

 

「━━ソウ、ワタシデス」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お前か

:お前だったのか

:魔○の旅々

:中身割と畜生なの似てる

:純粋無垢???????

:それを言うなら眷属ちゃんの方では?

:お前天使は天使でも終焉を告げるラッパ持ってる方じゃろがい

:ほんまそれ

 

 今日のピーちゃんは魔女を連想させる幅広のとんがり帽子と半身を覆うマント。闇色を基調としたそれらはピーちゃんの白さもあってコントラストがよく映える。

 中々に目を引く姿ではあるものの、前回の配信で割と洒落にならない騒ぎを起こしたというのにそれを感じさせない態度もあって可愛さよりも憎たらしいが先に立つ。

 

コメント

:というかお前配信しとる場合なんか?マジで大騒ぎぞ

:ニュースとかワイドショー賑わせまくり

:コメンテーター「ピーチャンは危険。排除するべき」

:勝てるわけないのに喧嘩売る方が危険っていうね

:利用しろとかしないとか結構散々言われとるで

:核のバランス崩す存在が現実的になったからねぇ、そりゃ大事よ

:色々直接言ってくるやつ結構いたんじゃないの?

 

「ソレナー、カコデイチバン トイアワセ キテタ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 相変わらず態度の変わらないピーちゃんが言うトイアワセ(罵倒含む)。その内容はおよそ以下の通りである。

 

・隕石迎撃するって言ってたのに何自分が隕石落としとんじゃワレェ。

・騒ぎにしないって昔言ってたの何だったんですかー!

・いい加減表に出て何かしらの記者会見とかやっちくり

・プレゼントの年齢性別差別やめてくれ。

・社会的に殺そうとするのクソッタレ過ぎんか?

・条件満たしてないのに月の石貰えたって人おるのどゆことや

・ピーチャン、マジデなにもんなん?

・お願いだから自重してください。(政府)

 

コメント

:同意しかない

:そりゃそうだとしか

:マジで表に出てくる頃合いじゃないか?

:しれっと政府からの発信混ぜんな

:愛を叫ぶだけ叫んで何も貰えんかった人可哀想過ぎて笑いが止まらん

:ピーちゃんのことだから童◯判別くらいわけないと思ってた

:まだギリ30代だからやらんかったってのに

:詫び石YOKOSE

 

 割と毎回何かしらやらかしている上に謎の多すぎる存在である以上、普段から問い合わせ自体は頻繁に受け取っている。

 しかし今回に限ってはやはり月の石に言及したものばかり。更にその中でも応募条件に関する事柄が多数を占めていた。

 

「ツキノイシ、ソンナニホシカッタ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:欲しいに決まってんだろ

:下手したら億するんとちゃうかあれ

:叫んだけど手に入らなかった・・・

:というか40代以上の未経験者じゃない人もらってたけどええんかあれ

:判定ガバガバなのひどい

:さすがにピーちゃんにも童○判定機能はなかったか。

:誰でも良かったなら俺でも叫んでたのに…

 

 ピーちゃんにとっては川辺で石ころを拾う程度の労力で手に入るものだとしても、一般人が普通に暮らしていてまず目にする代物ではない。

 そして金銭的価値も計り知れないとなればそれ自身に興味がなくとも欲しくなるのは当然というものだ。

 しかしその条件が割と限定される一方で判定がいい加減となれば視聴者達から反発があるのもこれもまた当然である。

 

「シカタナイニャア。ソレジャ、コレアゲル!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 と、そんな視聴者達の反応を受け、マントの懐にクチバシを突っ込みペイっと取り出されたそれはほんの小指の先程の小さな石。

 光を反射しカメラの前でキラキラと光を反射するそれはやや黄色がかってはいるものの、贋物(イミテーション)にはあり得ない紛うことなき宝石の輝きを有していた。

 

コメント

:え?宝石?

:ダイヤモンドじゃん!

:露骨に金目のもの来たな

:どこでこんなん拾ってきたんだ

:住んでる山から採掘したとか?

:日本でダイヤなんて採れるもんなんか?

:さぁ?

:ちょっと黄色いから人工かもしれん

 

「コノマエノ キャンプノ ハイデ ツクッタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 夏休みの工作で作ったと言わんばかりの軽いノリ。

 

コメント

:作ったー!?

:作ったかぁ

:作っちゃったなら仕方ない

:なんで作れんだよ・・・

:・・・原子配列変換マジで出来たのか?

:人工ダイヤ・・・人工?

:鳥工ダイヤ

:語呂わっる!

:でも人じゃないしなぁ・・・

 

 工業用を始め、技術の発展の目覚ましい昨今では装飾品にも当たり前に使われている人工ダイヤ。

 天然物と比べるとやはりその価値は些か以上に劣る。しかしその出来の良し悪しを含めず考えたとしても、宇宙を破壊出来る超生物が謎技術で作ったダイヤとなればその価値は如何ほどか。

 

「キャンプノ ハイショリノ アタラシイ アプローチ! マネシテイイヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:よし!俺も真似しよ!とはならんのだ

:最先端のSDGs

:もう驚かん

:欲しい!

:また何か社会的にダメージ受けるやつはやめてくれ

:んむ

:それ含めて楽しんでるから俺は何来ても構わない

 

 勘違いされがちだが、キャンプで発生した灰は埋めてはいけない。

 燃え尽きた灰は既に化学反応が終わりきった物質。土に還らない。微生物が分解出来るようなものではないのだ。

 キャンプの灰は持って帰る。ピーちゃんとの約束だ。

 

「ハイシンゴニ テキトウニ オクットクネ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:どこに送るんだよ

:地味に一番困るやつやんけ

:家探ししないと……

:また嘘入手報告で溢れるんやろなぁ

:俺もしもらえたら指輪作って彼女にプロポーズする

:俺もその予定。彼女おらんけど

:つら

:彼女もピーちゃんに創造してもらえ

:ちょっと出来そうで草

 

 応募条件が物議を醸したからか、まさかの条件無し。

 これはこれで問題が多そうだが、なんか考えるのがめんどくさくなったとかではないのだ。けして。

 

コメント

:ところで今日眷属ちゃんおらんの気になるんだが

:またゲームしとるんちゃう?

:アー◯ードコアか?

:あー、ありそう

:なんか普通にゲームの趣味合いそうで好きしかない

:別にゲームしてるとは限らんけどな

:ど◯兵衛かも

:でもほんと珍しいね、眷属ちゃんいないの

:眷属ちゃん出ておいで~

 

 最近の配信では常に一緒であったというのに今日に限り不在というのは珍しい。

 とはいえコメントにもあるように、過去の例からゲームをしてたり食事をしている可能性もまだ残っている。

 

「ケンゾクハ キョウ オシゴトデ ガイシュツチュウ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 が、残念。途中参加の可能性は無さそうだ。

 

コメント

:外出?!

:お仕事で外出!?

:え!?今日本のどっかの町にいんの!?

:眷属ちゃんはなんか勝手に世俗と関わらないイメージあった

:配信も見たいけどリアル眷属ちゃん見たい欲が抑えられない

:お仕事ってなにか教えてくれ!

:わざわざ外出ってことは人とあってるのか?許せん!

:一人で大丈夫なんか?って思ったけど分身出来ましたね問題ありませんでしたね

 

「コンドオシエテアゲルカラ ゾクホウヲマテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:焦らすじゃないの

:ピーチャン一人なら不安だけど眷属ちゃんが動くなら安心だな!

:せやな

:全く喋らんから性格とか全く知らんけど

:でもストッパーになったりしてるしピーチャンよりは常識ありそう

:ピーちゃんは常識ある上で無視してそうな節があるからなぁ

:余計にたちが悪いやつ

:何を今更

 

 そんなピーちゃんへの信頼()をしばらく眺めた後、コンコンとテーブルをクチバシで二度叩くと早速とばかりに今日の本題を切り出した。

 

「サテ! マエオキナガクナッタケド、キョウハピーチャン、ミンナノ ナヤミト ギモンヲ カイケツスルヨ!!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お前

:お前

:お前

:お前

:悩み=ピーちゃん

:お前じゃい

:マッチポンプかな?

:ピーちゃんが自重すれば万事解決

 

 残念ながら当然の結果である。自覚がないとは言わせない。

 

「オマエラ ウルサイ! ヒトツメ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

【ピーちゃんの正体を教えてください】

 

コメント

:いきなり核心!

:だからこんな配信で重大発表やめろと

:ゆーて配信者が配信で言わなきゃどこでって話ですしおすし

:こんなんばっかのせいで政府の人いつも見てると思うと草生える

:ピーちゃんisゴッド

:女の子ならゴッデスでは?

:そこは引っかからなくていい

 

「ピーチャンノ ショウタイ、ソレハ……」

 

 声を潜め、勿体ぶるように口にした正体、それは──、

 

【問1】同じ直線上を点Pと点Qが移動しています。点Qは毎時10kmの速度で点Pの900m先を移動しています。一方、点Pは毎秒50kmの速度でその後ろから追いかけています。この時、点Pが点Qに追いつくには何秒かかるか答えなさい。

 

「コノ、テンPが、ピーチャンノショウタイ……」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:お前か

:お前だったのか

:お前だったのか・・・

:長年の疑問が解決してしまったな

:点Pくっそはええw

:ほんとだ、くそ速えw

:音速の何倍だよそれ

:騙されんな!体よく正体ボカされてんぞ!w

:wwwww

:結局明かす気はないのねw

 

 正直、ピーちゃんの正体が知られたところで困ることはあまりない。配信者として築いたイメージが崩れるのは避けたいが、強いてデメリットを挙げてもその程度。圧倒的な戦闘力への弱点に繋がるかといえば全くない。

 しかし実例を根拠に次の可能性(・・・)に賭けてしまう人間が続発することが予想される以上、それなりに考えた上での対応かもしれない。

 

「ナットクシテモラエタトコロデ、ツギイクヨー」(めちゃ可愛ボイス)

 

【私はピーちゃんを知る前から10年以上オカメインコと暮らしています。家族同然のミオちゃん(名前)が普段なんて言っているかを知りたいです。】

 

『ピュイー!ピュイー!!』

 

 画面が切り替わり十数秒、飼い主と思われる手の上で鳴くオカメインコの姿が映し出される。

 

「フンフン、ナルホドナルホド」(めちゃ可愛ボイス)

 

 それを見て首をひねり、ひねり、上見て、下見て、それからたっぷり10秒ほど考えて、

 

「ゼンゼンワカラン!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:わからんのかい

:わからんのかい!

:分からんのかい!

:オカメインコの名折れぞ

:同じオカメインコなのに?

:同じかなぁ?

:ピーちゃん最強なのに言葉も分からんの?

 

「ブッチャケ、ピーチャン ニホンゴシカ ワカランカラネ、ソリャワカランヨ」(めちゃ可愛ボイス)

 

 人間だって住む地方や国が違えば文化も違えば当然言語も変わる。仮にオカメインコに言語なんてものがあるとして、地方性による方言等もあるだろうし、外国語に相当する何かもあって然るべき。

 だというのに同じオカメインコだからと理解を期待するのは無茶ではなかろうか。同じ種族同士でさえ理解することが出来ず戦争の絶えない人間に指摘されるなんて業腹である。

 加えて、よく創作上で目にする“動物の言葉”なんてものは以ての外。人間とそれ以外というひどく人間本位の区分けは傲慢以外の何者でもない。

 

「ダカラ ワカラナクテトウゼン! モンダイナイ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:突然の説教に見せかけた言い訳

:悩み解決してねーーーーーー

:ピーちゃんまじで中に人間入ってない?

:やたら日本贔屓だし日本人中に入ってたりする?

:八百万の神々とか・・・?

:日本の神々って宇宙にまで飛び出してるっけ

:日本人の転生者の可能性

:ありそう

:あるかもしれんけど明らかにチートがやりすぎなんですが

 

 訂正。一瞬で正体がバレそうになっていた。何も考えていない。

 

「ツギ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

【もうすぐ子供が生まれます。子供には特別な名前を送りたいです。ピーちゃんから良い名前を頂けませんか?】

 

コメント

:早まるな

:考え直せ

:圧倒的人選ミス

:そんな重大ごとピーチャンに任せんなw

:名付けってさ、それなんか縁が出来て眷属化したりせんか?

:!?

:ありそう

:それがマジなら大事だぞ

:たし蟹

:なんか祝福とか貰えそうよね

 

 これ以上ない超常の存在に名前を賜るのはそれなりに名誉なことかもしれない。しかし中身がピーちゃんである。加えて妙な可能性まで生まれてくる始末。

 

「ピーチャンヲ シンジテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 そんなピーちゃんが五秒にも満たないシンキングタイムの後、画面に表示された候補は以下の三つ。

 

候補1:モグモグフヨード

候補2:スイカシルシル

候補3:クヌギジュエキー

 

コメント

:やはりこうなったか

:どういうネーミングセンスしてんだ

:どう見てもカブトムシにつける名前

:メダ◯ットなんだよなぁ

:キラキラネームの一種と言って良いのか

:すげぇ土の匂いしそう

:懐かしすぎるwww

:同じ世代でも分かるやつそういないだろうにw

 

「ア、コレ アタラシイナカマノ ナマエダッタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 一旦カメラの前から姿を消し、再び現れたピーちゃんの足にぶら下がる極一般的な虫かご。中には一心不乱にゼリーを食むカブト(♂)カブト(♂)カブト(♀)

 

コメント

:お、新キャラか?

:自家コラボ再び

:新キャラてお前wwww

:この家人間おらんの?

:人外キャラしかおらん

:やったぜ新キャラ

:お、女の子いるじゃん

:おんなのこ・・・?

:幼女趣味は対象外です

:・・・・・幼女?

 

「ジツハコイツラ オサナナジミデ サンカクカンケイダッタ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:幼なじみwwwww

:幼なじみは草

:ひと夏しか生きない生き物だしそらそうよ・・・

:幼なじみ同士で女の取り合いしてると思うと見る目変わるな

:なんなら近親でもなんでもありや

:そう考えるとちょっとエッチだな

:エッチか?

:この配信すぐ交尾につなげるやつばっか

:うーん、毒されてる

:お前等気づけ。“だった”だぞ

:もし名付けでなんか力得られるならこいつらもなんか特別な力あったり?

 

「ナイヨ! ネ?」(めちゃ可愛ボイス)

 

 その目配せに一度ゼリーを食むのを止めると、まるで三者の間で目配せをするかのような動きを見せた後、「ないない、そんなのないです」とばかりにその前脚を顔の前で

揺らしていた。

 

コメント

:あるやんけーーーーーー

:日本語分かるんかお前等

:めっちゃ反応しとるの草

:ヤマダとどっちが偉いんだろ・・・

:さすがにヤマダでは?

:判断材料が無さすぎるw

 

「ホンニンガ ソウイッテルデショ! シンジテアゲテ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:信じるも何もないじゃろがい!

:反応すんなしw

:言わせんなw

:本人ておまw

:ピーちゃんがそう言うなら!

:うーん、これは信じざるを得ない!

:オカメインコが喋るんだから虫が人語を理解するくらい大したことじゃない

:そうかな?そうかも・・・

 

「ハイ、モウカエッテイイヨ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 了解とばかりにそれぞれを右足を上げると、自力でカゴの蓋を開けて脱出。それぞれが蓋の上部を掴むとそのままカメラの前から飛び去った。

 

コメント

:待て待て待て待てw

:wwwww

:ヤマダはまだ分かるけどやっぱりお前等はおかしいだろw

:もうなんでもありやなって(笑)

:だからさぁw

:新キャラ3人も出るなんて今日は贅沢だな!

:裏山で捕まえたんだろうか

:眷属ちゃんは認知してるんかな

 

 事態をややこしくするだけの存在にコメント欄も騒然。一体どういう気持ちでこんなもの受け止めればいいのか。

 

「ジャァ、ツギニイキマショウカネェ!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:名付け解決してねぇw

:解決してないけどこれ以上続けるのやぶ蛇過ぎる

:ほんとそれ

:またちびっ子達に間違ったインプットが広まってしまう

:カブトムシは日本語わからんのやで・・・!

:こんなのばっかいるってなったら日本完全に魔境だわ

:ピーちゃんの山だけだろ

:もしかしてピーちゃんの山にいる生物全部こんなん?

:あらやだ怖い

 

【幽霊は本当にいるんですか?これまで全く信じてなかったのに存在する風潮になってて怖いです。対処法を教えてください】

 

コメント

:それな

:ピーちゃんの存在がほぼ確定してきてるからなぁ。逆説的に、な

:幽霊いる前提で話してたのあと引いてんなー

:除霊音声の需要が今更再燃

:俺は幽霊いると思ってる

:対処法知りたい。幽霊怖い。

:ちょっとここではっきりさせてくれや。幽霊は本当におるんか?

 

 対するピーちゃんの答えは明白だ。

 

「イルヨ! タイショホウモアルヨ!」(断言)

 

コメント

:いるのか・・・

:いるんかー

:また常識壊れる

:信じてない派ザマァwwww

:ピーちゃんのことだから冗談で言ってる可能性がまだ

:ネタならいいけど、下手すると隕石騒ぎどころじゃない常識破壊では?

:それな

:頭おかしくなりゅ

 

 そして続く対処法もひどく分かりやすい。

 

「ユウレイハ、ナグレル!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 実行可能かどうかは別として。

 

コメント

:ええええええええ

:ええ?(ドン引き

:まさかの物理

:力技

:それで解決したら苦労しねーーーーー

:ゴーストタイプにノーマル技はNG

:なんかこうもっと儀式めいたなにかかと思ってた

 

 ピーちゃん曰く、幽霊が魂だけの存在で物理無効であったとしても、生きている人間にも魂は宿っている。

 幽霊は肉体の殻に包まれていないふわふわした存在であり、そんじょそこらの幽霊ならば「肉体+魂 > 魂」の方程式が成り立つ。

 だからビビってないで拳に気合を乗せて殴っておけばいいのだ。

 まぁ、そもそも見えないと殴ることなど出来ないし、霊障を引き起こす幽霊なんてのはそんじょそこらの幽霊には当てはまらないのであるが。

 

コメント

:駄目じゃねぇか

:今のところ相談内容何一つ役立ってない

:まーた解決してない!

:霊障引き起こすやつがいるって確定されて余計怖くなるだけなんだが

:オチがひどい

:結局抵抗手段ないんじゃないですかヤダーーーー

 

「ンー、ダッタラシカタナイ! トッテオキ オシエテアゲル!」(めちゃ可愛ボイス)

 

コメント

:はじめからそうしろ

:あるんかーい

:はじめっからそれ言えと

:それ俺たちにも出来ること?

:破ぁ!って感じのやつ?

:寺生まれじゃなくても出来るやつでオナシャス

:絶対ろくなもんじゃない

:この信用の無さよ

:日頃の行い定期

 

 ピーちゃんの示すその対処法とは。日頃の行いというより今日の行いだけ鑑みてもあまり期待出来るものではない。

 

「マズ、フクヲ ヌギマス!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 ピーちゃんのまとっていたマントの留め具が一人でに外れ、生まれたままのピーちゃんの姿がカメラの前に映し出される。

 

コメント

:ん?

:ん?

:あらやだエッチ

:きゃああああ

:なぜ脱いだ

:嫌な予感

:なんかやらかすつもりだぞこいつ。

:ファランクス隊形!

 

 何か流れが変わったことを感じ取る勘のいい視聴者達。最早何かやらかすことは確定事項だ。

 そして戦々恐々とする視聴者達が見守る中、ピーちゃんはその小さな翼を大きく拡げ──、

 

「ビックリスルホドユートピア!」(めちゃ可愛ボイス)

 

「ビックリスルホドユートピア!」(めちゃ可愛ボイス)

 

「ビックリスルホドユートピア!」(めちゃ可愛ボイス)

 

 この後約10分間。白目を向き(向けてない)、狂ったように羽をバタつかせるオカメインコの映像が只管繰り広げられた。

 

 除霊動画としてまたおかしなブームを巻き起こし、その正しい“作法”がちびっ子達の間で爆発的に流行。

 いらんこと覚えさせたとして保護者達からピーちゃんへのクレームが爆発的に増えた。

 

 

 

 ──この配信は終了しました。

 




ピーちゃんの弱点:オカメインコ語が分からないのと同様外国語全部分からない。山に侵入する外国からのスパイめっちゃ増えたけど何言ってるか分からなかった。

肉体に魂が宿るなら、魂に宿るなにかもあれば、肉体が宿る何かもあるんじゃないかと思ったり
???>肉体>魂>???

カブト3匹:正しい意味でのピーちゃんの眷属。ピーちゃんの素のステータスの影響はなく、得た信仰による補正のみ。賢い。ちょっと強い。

モグモグフヨード(♂):クヌギジュエキーの弟。スイカシルシルといい感じだったがクヌギジュエキーに寝取られた。
モ⇒ピ :ボス
モ⇒眷 :本当の愛に目覚めた

クヌギジュエキー(♂):モグモグフヨードの兄。スイカシルシルを寝取った。
ク⇒ピ :ボス
ク⇒眷 :本当の愛に目覚めた

スイカシルシル(♀):強いオスが好き。
ス⇒ピ :ボス
ス⇒眷 :何よこの女!でも可愛い!悔しい!

びっくりするほどユートピア::古来より伝わる由緒正しき除霊法。

一話に出来る脳内ネタが残りひとつくらいしかない。やばい。
なんか適当に閑話でも挟もうかな。

そしてちょっとした弊害。カタカナに変換し過ぎて関係ない場面でカタカナになってちょっとめんどくさい。


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